
キング砥石(株) 代表取締役社長の渡辺敏郎です
はじめまして、10Good(トーグッド)と申します。私たちは、創業以来85年にわたり砥石一筋で歩んできたキング砥石を母体とし『砥ぐと、いいこと』をスローガンに砥石の製造・販売と包丁砥ぎの普及活動をしています。
これまでキング砥石は、全国の料理のプロフェッショナルや食品加工の現場で「確かな品質」と「信頼できる性能」を提供し続けてきました。そして今私たちが目指すのは、単なる砥石の製造・販売を超えた新しい価値の創造です。
「砥ぐと、いいこと。」
この言葉に込められた想いは、包丁砥ぎを通じて、皆様の料理体験をより豊かに、そして日々の生活の質(QOL)を向上させることにあります。
「科学的な根拠に基づいた砥ぎの技術」と「誰もが使いやすい道具の設計」により、これまで "難しそう" "面倒そう" と感じていた包丁砥ぎを、身近で楽しい体験へと変えていきます!

包丁の進化と砥ぎの必要性の科学的考察
包丁が人類の調理に登場してから、実に長い年月が経過しました。特に近年、鋼材技術の飛躍的な発展により、包丁の性能は劇的に向上しています。高炭素鋼、ステンレス鋼、さらには粉末鋼まで、多様な素材と精密な熱処理技術により、従来では考えられなかった切れ味と持続性を実現した包丁が次々と生まれています。

クラウドファンディングという新しい仕組みを通じて、これまで限られた職人だけが扱っていた高性能な包丁が、一般の皆様にも手が届くようになりました。まさに包丁の進化は新時代を迎えていると言えるでしょう。
しかし、ここで重要な事実をお伝えしなければなりません。現在の科学技術をもってしても、永久に切れ味が続く包丁は存在しないのです。
包丁の切れ味は、刃先の微細な構造によって決まります。食材を切る際、刃先は分子レベルで食材と摩擦し、わずかずつですが確実に摩耗していきます。どんなに優れた鋼材を使用しても、この物理的な摩耗は避けることができません。

高性能包丁と砥石の関係性

ここで皆様に問いかけたいのです。高性能な包丁をお持ちの方々の中で、実際に砥石を使用して包丁砥ぎを行っている方はどれほどいらっしゃるでしょうか。
統計的なデータを見ると、包丁を所有している方の中で、定期的に砥石で砥いでいる方は全体の5%にも満たないのが現実です。つまり、ほとんどの方が、せっかくの高性能包丁を本来の性能で使用できていないということになります。これは非常にもったいないことです。
包丁の性能が向上すればするほど、砥石の品質と砥ぎの技術がより重要になります。
硬度の高い鋼材ほど、適切な砥石の選択と正確な角度での砥ぎが必要になります。硬度が高い鋼材は、切れ味の持続性に優れている反面、砥ぎ直しの際により精密な作業が求められるのです。粗悪な砥石を使っても全く刃がつかないこともあります。間違った角度での砥ぎは、性能を損なう可能性もあるのです。
包丁砥ぎに必要な要素の科学的分析
包丁砥ぎを成功させるには、単に砥石があればよいというわけではありません。科学的なアプローチに基づいて、以下の要素が必要です。
1. 平面性の重要性
砥石は使用するたびに削れていき、表面に微細な凹凸が発生します。この凹凸があると、刃先の当たりが不均一になり、精密な砥ぎができなくなります。面直しによる定期的な整備が不可欠なのです。
紙やすり+平面でのメンテナンス(同梱)
2. 固定の安定性
安定した砥ぎ台と砥ぎ箱(同梱)砥石の固定は成功の鍵を握ります。砥石が動くことで生じる角度のブレは、刃先の形状を不均一にします。専用の固定台により、砥石を完全に固定することが重要です。固定台は、水による変形の少ない、奈良県の高品檜を使っています。ほかの人造・天然砥石にもマッチする大きさ(210mm✕70mm)にもこだわっております。
3. 給水システムの最適化
多くの砥石は水と共に使用することで、研磨効率が向上します。水は研磨屑を洗い流すだけでなく、砥石の目詰まりを防ぎ、一定の研磨力を維持する役割を果たします。適切な給水を可能にする『砥ぎ箱』により、理想的な砥ぎ環境を実現できます。作業性も上がり、収納の際も便利です。
4. 角度の精密性
付属の説明書を折ると、角度計になります包丁の種類や用途に応じて、最適な刃先角度が存在します。和包丁では片刃15度、洋包丁では両刃20度が目安ですが、この角度を維持することが、優れた切れ味を得るための必要条件です。
革新的な「ドット方眼」システム
包丁砥ぎの最大の難しさは、「正しい角度を維持すること」にあります。この課題を解決するために、私たちは独自の**「ドット方眼」システム**を開発いたしました。
人間の目は、規則的なパターンを認識することで、角度や位置を正確に把握する能力を持っています。ドット方眼は、この視覚的認識能力を最大限に活用し、包丁砥ぎ経験がゼロの方でも、直感的に正しい角度を維持できるよう設計されています。
このシステムは、当社が独自に開催するワークショップでの課題から生まれました。講師が丁寧に説明しても、お客様によって習得度に大きな差が生じていました。そこで、デザイナーの発想により、技術を視覚的に「見える化」することになったのです。
ドット方眼は約1ヶ月で自然に消失する設計となっており、使用者は自分がどの部分を使っているかを明確に把握できます。砥石全面を均等に活用することを体得し、ドットが消える頃には確かな砥ぎ技術が身についています。
さらに、万が一砥ぎに失敗された場合でも、包丁をお送りいただけましたら、完璧な状態に砥ぎ直してお返しする1回無料サービスをご提供いたします。これにより、初心者の方でも安心して包丁砥ぎに挑戦していただけます。
品質管理と製造体制
キング砥石の強みは、全ての砥石を自社工場で一から生産していることにあります。これにより、原材料の選定から最終製品まで、徹底した品質管理を実現しています。
また、自社生産により、高品質でありながらコストパフォーマンスに優れた価格設定を可能にしています。これは、より多くの皆様に本格的な包丁砥ぎを体験していただきたいという、私たちの願いでもあります。

本プロジェクトでは、現代の高品質包丁の性能を最大限に引き出すために設計された5種類の砥石をご提供いたします。各砥石は明確な役割を担っています。
粒度表示の真実と製造技術の重要性
砥石の性能は「#(シャープ)」で表示される粒度番号で大まかに分類されますが、これは性能の一側面にすぎません。実際には、同一粒度でも以下の製造要素により性能は劇的に変化します:
● 研磨剤の密度配合:砥粒の分布密度が研削効率を左右
● 結合材(粘土)の品質:砥粒の保持力と放出バランスを制御
● 乾燥・焼成温度:砥石の硬度と耐久性を決定
● 製造工程の精密性:品質の安定性に直結
当社の砥石は、単純な粒度番号を超えた総合的な性能設計により、現代の高性能包丁材質(ステンレス鋼、粉末鋼、複合材料など)に対して最適な研磨特性を実現しています。
従来の砥石選びが「粒度ありき」だったのに対し、10goodでは「包丁の材質と使用目的ありき」で砥石を設計・製造している点が根本的な違いです。これにより、プロの料理人から家庭用まで、あらゆるレベルで理想的な切れ味を実現いたします。
#300:形状修正のスペシャリスト
#300は、荒砥石として、刃こぼれの修正や長期間砥いでいなかった包丁の形状修正において、その真価を発揮します。中砥石では時間のかかる作業も、#300なら効率的に行うことができます。製造方法の特徴は、研削力が高く、角張っている研磨剤を使用し、結合剤にはセメント系材料を使用していることです。高温焼成を行わなず、荒砥石としては非常に研ぎやすい独特の研ぎ感を実現しています。
#300にて研磨後の顕微鏡画像(画像提供:研師Ryota氏)
#300で研いだ刃先を顕微鏡で見てみると、研ぎ目は粗いながらも一定の規則性を持っており、#300としては傷が深く入りすぎることもないため、次の工程である中砥石での研磨に最適な表面状態を作り出します。
#1000:バランスの王者
#1000砥石は、キング砥石の中でも「まず選ぶべき砥石」として、最も信頼を得てきた商品です。1つだけ持つならこれだけで十分であるとも評価されてきたバランスの良い砥石です。切れ味が悪くなった包丁の日常的なメンテナンスに最適です。
褐色アルミナ
研磨材には(褐色アルミナ)を使用しております。ビトリファイド製法による約30メートルのトンネル窯で、1100~1200℃の高温で2日間かけて焼成されます。この長時間焼成により、砥石内部の結合剤が均一に硬化し、一定の研磨力を長期間維持することが可能になります。
トンネル窯研ぎ感は硬すぎず、かつ砥石が適度に削れて泥が出やすいため、しっかりと研磨力があります。また目詰まりもしにくいです。色がレンガ色の理由も、研磨剤がふんだんに入っており、焼成によって発色しているからです。
#1000にて研磨後の顕微鏡画像(画像提供:研師Ryota氏)顕微鏡観察によると、#300よりも刃先のギザギザがかなり細かくなり、砥ぎ目も細かく、本数が増えて浅くなっていることが確認できます。#300よりも明らかに滑らかな切れ味が得られます。 食材を切る際の抵抗が少なく、非常に切れやすくなります。
#6000:究極の仕上げ
#6000は、レジノイド製法により製造されています。この製法は、ホワイトアルミナという研磨剤と、樹脂系結合剤を使用、低温の電気炉で慎重に焼成することで、極めて均一な研磨面を実現できるのが特徴です。
ホワイトアルミナ砥粒
しっかりと固めの研ぎ感が特徴です。泥もきちんと出てくれるため、滑らかで滑走感も良く、しっかりと包丁を削ることができます。
#6000にて研磨後の顕微鏡画像(画像提供:研師Ryota氏)#6000で仕上げた包丁刃先を顕微鏡で観察すると、刃先の砥ぎ目が極めて細かく、深さも浅いことが確認できます。
切っている時のスムーズ感も増しますが、その切れ味は、単に「切れる」だけではありません。食材の細胞を綺麗に切断でき、細胞液の流出を最小限に抑えることができます。これが、食材本来の味わいを保持し、料理の味を向上させます。

既存シリーズには無い、新開発の砥石2種類をクラウドファンディング限定にて販売します。
#2000(開発中のもの)
✦限定販売:#2000 砥石
仕上げに向けた“精密な刃付け”を可能にする、中間仕上げ砥石。
#1000 でつけた刃先をよりシャープに整え、#6000 への橋渡しとなるのが、この砥石です。#2000 を間に挟むことで、粗さのギャップが縮まり、仕上げ砥石が最大限に機能します。刃先の微細構造がより安定し、切れ味の質・持続性ともに向上します。
✦ 限定販売:#8000 砥石
“料理の味を変える”究極の仕上げ。
この #8000 番は、プロの現場でも採用されることの多い超仕上げ砥石です。刃先のミクロンレベルの凹凸を限界まで抑えることで、刃先の均質性が高まり、切れ味の“持続性”が飛躍的に向上するとともに、食材の繊維を切断する際の抵抗をほぼ感じさせない滑らかな切れ味が生まれます。まるで鏡のように輝き、刃物の見た目にも磨きがかかります。砥ぎ感も静かで滑らか、砥ぐこと自体が快感になる砥石です。
「もうこれ以上ない」と思える仕上がりを、ぜひ体験してください。


■ 包丁研ぎ講師・料理研究家/大西哲也 氏
「私はこれまで炭素鋼や高硬度ステンレス、さらには粉末ハイス鋼の包丁を数多く研いできましたが、10Goodのシリーズは非常にリーズナブルでありながら、どの素材でもしっかりと削れ、確実に良い刃がつくと実感しています。
特に印象的なのは、研ぎの発信をしているプロたちが皆「まずはキングの#1000を使え」と口を揃えることです。長年選ばれ続けるだけの理由が詰まっています。
今回の10Goodプロジェクトでは、そんな確かな品質の砥石を、初心者でも確実に研げるような工夫(ドット方眼ガイドや研ぎ箱など)と共に、圧倒的コストパフォーマンスで提供している点が素晴らしい。
私自身もこれまでに自ら手掛けた包丁ブランド『忍(SHINOBU)』『kireaji』(※)をプロデュースしてきましたが、この「砥石キット」は、それらの包丁を“本来の性能で使い続けるために必要不可欠な存在”だと確信しています。これからも使い続けていきます。」
※以下、どちらも大西さんの「高性能包丁×正しい砥ぎ」の重要性を訴求したプロジェクト
▶︎『徹底した理論と技術でたどり着いた理想の超高性能ステンレス包丁『忍』
(2021年) 支援総額 約6,000万円
▶︎『切れ味で味が変わる、新・文化包丁『kireaji』で家庭の味に革命を』
(2024年) 支援総額 約3,300万円
Q&A
Q1. 初心者でも本当に研げますか?
A. はい、ご安心ください。初心者の方でも確実に研げるよう、砥石表面に「ドット方眼ガイド」を施しており、刃先角度の維持を視覚的にサポートします。さらに、セットには詳細な研ぎ手順書も付属し、オンラインワークショップへの参加権も含まれています。
Q2. どのセットを選べばよいかわかりません。
A. まずは「はじめてお試しセット #1000」がおすすめです。普段のメンテナンスであれば #1000 番だけでも充分な切れ味が戻ります。一方で、刃こぼれ修正や鏡面仕上げまで求める方には「完璧フルセット」や「キング砥石完全セット」がおすすめです。選び方についての解説ページも今後公開予定です。
Q3. 研ぎに失敗した場合はどうなりますか?
A. 1回限定で無料の研ぎ直しサービスをご利用いただけます。弊社に包丁をお送りいただければ、研ぎ直してお返しします(送料お客様負担・国内のみ対応)。
Q4. この砥石はどんな素材の包丁に使えますか?
A. 一般家庭用からプロ仕様まで、ほぼすべての包丁に対応しています。炭素鋼、ステンレス鋼、多層鋼、粉末ハイス鋼など、現代の高硬度刃物にも適した仕様です。
Q5. 納品時期はいつ頃ですか?
A. 2026年3月から順次発送を予定しております。品質を最優先に製造するため、前後する可能性がありますが、進捗状況は逐次ご報告いたします。
Q6. 砥石の保管や使用後の手入れはどうすればよいですか?
A. 使用後は水でよく洗い、陰干しして乾燥させてください。常に平面を保つため、面直しヤスリ・砥石で定期的に整えることをおすすめします。付属の「研ぎ箱」は給水・保管・作業台としても使用でき、便利にお使いいただけます。
Q8. プレゼント用やギフトとして使えますか?
A. もちろん可能です。ただし、今回のクラウドファンディングではラッピング対応は行っておりません。ギフトとしてご利用される場合は、別途ご連絡いただければ、簡易メッセージカードなどの同封は検討可能です。
Q9. 砥石の寿命はどのくらいですか?
A. 使い方にもよりますが、一般的なご家庭での使用であれば数年以上ご使用いただけます。定期的に面直しを行えば、砥石の性能を長く維持することができます。メンテナンスの方法はマニュアルや動画でご案内します。
上記以外のご不明点については、お気軽にコメント欄または専用フォームよりお問い合わせください。開発チーム・技術担当が丁寧に対応させていただきます。
リターン商品について
✅ 【製品セット系リターン】
1. はじめてお試しセット #1000初心者向け・まず研ぎを体験したい方向け
内容:#1000 番砥石専用固定台
研ぎ箱
面直しヤスリ
ドット方眼ガイド
完全マニュアル(技術解説付き)
2. はじめてフルセット #300/#1000/#6000
初心者〜中級者が「必要なものすべて揃った状態」で始められるセット
内容:#300 / #1000 / #6000 番砥石専用固定台
研ぎ箱
面直しヤスリ
ドット方眼ガイド
完全マニュアル(技術解説付き)
3. 包丁研ぎ完璧セット(全番手5種)
高硬度鋼・炭素鋼・多層鋼・洋包丁・和包丁まで、すべてに対応可能なプロ仕様。#2000・#8000は当クラウドファンディング限定商品です。
内容:
#300 / #1000 / #2000 / #6000 / #8000
専用固定台
研ぎ箱
面直しヤスリ
ドット方眼ガイド
完全マニュアル(技術解説付き)
✅ 【単品・砥石のみ】
4. 単品各種
#300 番砥石
#1000 番砥石
#2000 番砥石
#6000 番砥石
#8000 番砥石
5. 砥石セット
(3本)中核番手のみで構成されたバランス型セット#300 / #1000 / #6000 砥石のセット
※砥石単品での提供(補助器具なし)
(5本)高硬度鋼・炭素鋼・多層鋼・洋包丁・和包丁まで、すべてに対応可能なプロ仕様#300 / #1000 / #2000 /#6000 / #8000
※砥石単品での提供(補助器具なし)
プロジェクトスケジュール
2025年12月 クラウドファンディング開始
2026年1月 クラウドファンディング終了・生産開始
2026年3月~ 商品発送開始予定
※品質を最優先に生産を行うため、納期に関して多少の前後をご容赦ください
※生産・出荷状況は随時更新してまいります

切れ味を失った名刀が、いま世界中のご家庭で静かに眠っています。
しかし適切な知識と道具があれば、どんな包丁でも必ず蘇らせることができるのです。
#300で形状を整え、#1000で理想的な刃先を形成し、#6000で滑らかな光を灯す。
この3ステップにより、あなたの包丁は「使い捨ての道具」から「一生の相棒」へと変わります。
砥石の向こうには、確かな価値が待っています。料理の味の向上、楽しさの発見、そして道具を大切にする心の充実感。これらすべてが、正しい包丁砥ぎによって実現されるのです。
せっかく手にした名刀の真の価値を、あなたの手で呼び覚ませてください。
皆様のご支援を、心よりお待ちしております。
最新の活動報告
もっと見る【#2000#8000単品が追加されました】
2025/12/05 13:01プロジェクト開始5日、たくさんのご購入をいただきありがとうございます!既にキング砥石や10goodをご愛用のお客様からのお声をいただき、#2000,#8000の単品のリターンを追加いたしましたぜひお手持ちの砥石コレクションをより充実させてください! もっと見る





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