2017/02/02 18:03

(左から田中さん、宮本、佐藤さん、牧野さん 手前に修復中の地蔵菩薩像)

 

株式会社文化財マネージメントの宮本です。

 

先月のことになってしまいますが、「吉備文化財修復所」で行われている木造地蔵菩薩像の修復作業の経過を、一緒にクラウドファンディングをやりました建穂神社観音堂評議委員会委員長の佐藤四郎さんが視察しました。
佐藤さんと親交のある静岡市美術館館長の田中豊稲さんもご一緒でした。
私も参りまして、吉備文化財修復所の牧野さんから現況の説明をいただきました。


(牧野さんから、修復過程についての説明を受けている)

 

文化財の修復では、修復前に修復方針を定め、具体的な作業内容を決めてから実際の作業に入ります。
しかし、作業が進む中で当初想定していた状況と異なるような事態(内部の虫喰いが思ったより大きいとか、制作当初の部分が思ったよりも残っていたとか)も少なからずあります。
ですので、修復家は修復過程においても、文化財の所有者(管理者)に対して修復作業内容の確認や修正などの擦り合わせしながら修復を進めます。

 

また、仏像内部に描かれた墨書きのように、写真や記録を残しても修復完成後には直接見ることができなくなってしまう事柄もありますので、そういったことも修復過程で確認してもらいます。

 

こういったことがありますので、今回の建穂寺の修復においても、その管理者である佐藤さんが視察と打ち合わせにいらした、というわけです。
牧野さんからはここまでの修復作業全体の説明があり、佐藤さんと田中さんからは損傷状態、墨書き、新たに作る台座の部分などについて質問などがありました。

 

このように、修復家と文化財管理者がきちんとキャッチボールをしながら、修復作業を進めることが重要と思います。
修復が終わってみたら、全然イメージと違う姿だった、ということでは困りますから…。

 

また、この日には某所の取材もあり、佐藤さん、牧野さん、私が今回の建穂寺クラウドファンディングについてお話ししました。
この取材も近く掲載されると思いますので、そのときにまた詳細お知らせします。

 


(取材の様子)