はじめに
八丈島で、「ケンチャルマ」という宿泊施設と、地域活性化複合施設「オラキノビレッジ」を運営している日比野 有海(ひびの ゆうみ)と申します。今回私個人と、その仲間のボランティアスタッフ達でこのクラウドファンディングを立ち上げております。
八丈島は東京都とは思えないほどの大自然。夜は満天の星空です。
この島で生まれ育ち15歳で島を出て、父から2代目として事業を引き継ぐ話を受け2021年に帰島してから、仲間と共に少しずつ築いてきた暮らし。
それが、台風22号・23号の連続直撃で、一夜にして奪われました。
屋根が吹き飛び、雨が降り注ぎ、天井が崩れ落ちる。
住民は全員避難を余儀なくされ、私自身も台風と台風の間に、家財を抱えてオラキノに避難しました。
「家がない」──そんな現実が、突然目の前に現れたのです。
被害の状況
今回の台風で、所有している施設が大きな被害を受けました。
レピュート富士(2階建てアパート):屋根が半壊。2階部分は屋根がなく、雨漏りや天井崩落。全住民が避難中。
アパートメント富士(1階建てアパート):屋根全壊。外壁・窓枠に損傷。浸水により全室使用不能。全住民避難中。
ケンチャルマ(宿本館):事務所部分で雨漏り・トイ(雨樋)の破損・外構一部損壊。倉庫の屋根営業継続はしているが、修繕が必要。


オラキノビレッジ(宿新館、レンタルカフェ、スタジオ、ネイルサロンの複合施設):網戸の消失・雨樋破損などの被害あり。営業継続中。


瑚庵(飲食店、2,3階が飲食店ご家族の住居として賃貸):破風材の損傷、小屋損壊。

これらの建物はすべて八丈島内にあり、最大風速54.8mの暴風と豪雨によって損傷しました。
特に「レピュート富士」と「アパートメント富士」は、住民の全員が避難を余儀なくされ、現在“家なき子”状態です。島内全体でこのような事が起きてあり、これから住む場所もどうなるか全く見当がつきません。
私自身もレピュートに住んでいたため家財を全てオラキノに避難しました。
現在の生活と活動
現在、宿の一部を避難所として開放し、地域の方々やインフラ復旧作業の方々の宿泊・入浴・停電や断水した友人の食事をサポートしています。
島内の断水も長期化しており、浄水槽が砂利で埋まり一部地域では復旧の見通しが立っていません。
宿のスタッフたちも多くが島外へ避難しており、残っているメンバーはわずかです。
↓サッカーグラウンドを仮設のゴミ置き場へ。私もすでにハイゼットで10往復分くらい捨てに行ってますが終わりが見えません。

参照「八丈島に2つの台風が次々直撃 住民「準備できない」 ライフラインすべて止まる」
10月の宿泊予約はすべてキャンセル、アパートは崩壊して家賃はなし、スタジオやレンタルスペースもお休み。断水地域の方のシャワーの受け入れや、停電していたり独り身だったりする仲間などに夜ご飯の提供や宴会を開き少しでも生きる活力を養ってもらう。
「誰かの灯りを守ることで、それが自分の希望にもなる」
そう感じながら、みんなで支え合い復旧活動を続けています。
このプロジェクトで実現したいこと
皆さまからいただいたご支援は、以下の用途に充てさせていただきます。
- 復旧作業・避難受け入れ中の運転資金(生活資金・光熱・水・燃料等)
- 被災したアパート(レピュート富士・アパートメント富士)の屋根・内装修繕費
- 被災住民・スタッフの生活再建支援及び物資購入
- ケンチャルマ・オラキノビレッジ・瑚庵の建物修繕(トイ・屋根・網戸など)
- 島内同業者などの仲間の復興支援
少しでも早く、島でのみんなの生活を取り戻すための資金として大切に使わせていただきます。
活動報告や進捗状況について
- 活動報告や進捗状況はCAMPFIREの機能を使って定期的にご報告いたします。
最後に
台風22号・23号は、想像を超える力で八丈島を襲いました。
宿、住まい、植栽、知人の家やテナント──すべてが無残な姿になりました。
それでも、島の仲間たちと支え合いながら「もう一度立て直し暮らしていく」決意を持っています。
「何か手伝えることはない?」
「物資や補助を送りたい」
そんな温かい声を、たくさんいただきました。
その言葉が、私たちの希望です。
でも今、私たちに必要なのは、復旧作業を続けるための現実的な資源です。
チェーンソー、大型蓄電機、運転資金──
個人ではすぐにまかなえないものばかりです。
だからこそ、皆さまの「助けたい」という気持ちを、しっかり形に変えられるように。
そして、島の再建に向けての行動を継続できるように。
このクラウドファンディングを立ち上げました。
どうか、八丈島の「暮らしの灯」を取り戻すために、力を貸してください。
皆さまのご支援一つひとつが、島の未来を照らす大きな一歩となります。
心から感謝いたします。
日比野有海

夕日と八丈小島。また綺麗な景色を穏やかな心で見られる日を願って活動していきます...
最新の活動報告
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活動報告vol.7 コツコツ今できること
2025/11/17 21:16最近の八丈島の状況についてお伝えします。島内の断水は全体の8割から9割ほど解消され、半分ほどの方は少しずつ普段通りの生活に戻りつつある印象です。ただ、その一方で、まだまだ課題が多く残っています。家屋の被災家が壊れたままになっている方も多く、業者さん自体が圧倒的に足りていないため修繕に手が回らない色々制度はあるけれど制度の隙間に落ちてしまっている人・住民票を移していなくて水道光熱費の支払いが会社持ちだった・町営住宅に避難後、ご年配のため前の家の修繕をする気力がないからなおせない、修繕をしないという選択をとると保証はでないなど色々見えない部分に対する対応はみえないままのようです。農作物の被害ビニールハウスが直ったとしても、中の農作物は保険で守られないため、そのシーズンの収入がまるごと失われるケースもあります。一年で復活しない農作物もあるため、長期的な影響が避けられません。観光地の復旧私の知る限り「南原千畳敷で夕日を見る」「釣り」くらいしか、いわゆる「観光地」といえて行ける場所が今はほとんどありません。観光の受け入れは11/1~再開されていますが、実際に訪れているのは釣り目的の方が中心で(それもまだやはり少ない)、温泉もまだ再開できていない状況です。そのため、飲食店や観光業の方々は非常に厳しい状態が続いています。都や国、町の補助についても、現時点では明確に決まっていません。あいつぐイベントの中止町役場の方々もさまざまな対応に追われており、人手が足りず、イベントの中止が相次いでいます。パブリックロードレース、産業祭、ライブイベントなども中止になり、島全体がなんだかよくわからない自粛ムードに包まれています。そんな中で、私にできること「島に少しでも元気を届けること」だと思い、友達と一緒に復旧活動を楽しめるような形で行ったり、地域を盛り上げる活動を続けています。具体的には、荒れた木々の伐採をしてその木をただ捨てるのではなく焚き火をして楽しむBefore 台風により落ち葉や木々が倒れて危ない状況肉体労働して綺麗になって食べるお肉は格別!ハロウィンイベントで仮装をして子どもたちが安心して遊べる場所をつくったり総製作費632円八丈高校にプログラムの一環としてダンス指導に行ったり 運動会では仮装して、商工会レンジャーとして走ったりもしました。暗い顔をしてても始まらないので、こうした活動を通じて、子どもたちや地域の方が笑顔になれる時間が少しでも増えてほしいと願っています。今週からはダンスクラス再開、12月の年末には友達と「年越しイベント」を開催しようかと企画を進めています。なるべく明るいニュースや、希望を届けられるよう、これからも頑張っていきます!今後ともあたたかく見守っていただければ嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました(^^♪ もっと見る
活動報告vol.6 支援金の使い道について
2025/11/14 11:43今回は、被災認定の件と、今後の支援金の使い道についての現状を共有させていただきます。被災認定についてまず、レピュート富士とアパートメント富士の2棟について、それぞれの被災証明書が発行されました。「無事」という言葉は少し違うかもしれませんが、街の方から正式に被災認定が下りました。場所によっては「半壊」と認定されてしまっている箇所もあります(こちらの判断は担当者によるところもあるそうです...)、みんなすごい被害を受けているのだから、住めない家はすべて全壊認定だしてあげればいいのに。。今後のサポート体制に違いを想像すると、半壊認定されてしまった方に心が痛むのと、なんだかもやもやする気持ちは残ります。修繕業者・保険会社との相談内容先日、修繕業者さんと保険会社の両方にお話を伺いました。修繕業者さんの話によると、レピュート富士は外壁が膨らんでおり、開けてみないとわからない部分が多いそうです。最安で「とりあえず使える状態」にする場合、内装は消毒・壁紙・石膏ボードの張り替え程度で済むものの、電気系統などに不具合があれば修繕費はさらに増える見込みとのことでした。見積もりとしては、レピュート富士:約2,000万円〜3,000万円アパートメント富士:約1,000万円〜2,000万円両棟合わせておよそ3,000万円〜5,000万円の範囲になるとのことです。一方、保険会社からは「老朽化による減額」があるとの説明を受けました。そのため、実際に支払われる保険金は全体の50〜60%程度、約2,000万円前後になる見込みです。クラウドファンディング支援金の位置づけ皆さんからの温かいご支援により、クラウドファンディングでは多くの資金が集まりました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。しかしながら、修繕費用全体から見ると、まだまだ足りない部分があります。また、現在島内では修繕業者さんのスケジュールが非常に混み合っており、実際に修繕が始められる目途も立っていません。先述した見積は、今すぐ修繕に入った場合の見積です。屋根がないので雨で柱が傷み、腐食が進んでいく状況です。父も現在73歳、「修繕を終えて、また住む人を見つけて、そこから回収していく」と考えると、現実的にどう考えても80歳を超えてしまう見通しで、精神的にも負担が大きいと話しています。クラファン立ち上げ時の想いクラウドファンディングを始めた当初は、「宿泊のキャンセルが相次いだこと」と「オラキノを立ち上げたばかりで、毎月約60万円の融資返済がある」ことから、その運転資金の補填を目的として考えていました。しかし、CAMPFIREの担当者さんから「運転資金としての使用はできません」とまさかの許可が下りて打ち出したあとに案内を受け、クラファン資金は別の形で活用する方針に切り替えました。そのため、実際の運転資金は、直接ご連絡をくださった方々からのご支援を、CAMPFIREを介さずに充当させていただきました。直接口座番号を送るなんてとてもじゃないけどこちら側から頼める事ではなかったので、申し出してくれた方々本当にありがとうございました。支援金の今後の使い道アパート修繕については、保険金の確定後に再度方向性を決定する予定です。ただ今現在の想いとしては、皆さんからいただいたご支援を「アパートの見えない部分の修繕」だけに充てて、しかも補いきれない、というよりも、「支援してくださった方々が形として実感できるもの」や、「地域の仲間たちと一緒に前を向ける取り組み」に生かしたいと考えています。たとえば、オラキノやケンチャルマなど、誰もが訪れて「ここに支援が生きている」と感じられるような形で残していく。そのような方向性で検討しています。復旧ではなく、復興。なるべく「楽しい」「前向き」「みんながハッピーになる」ような復興を目指して、島内外の仲間たち、そして支援してくださった皆さん全員が笑顔になれるような使い道を心がけています。正確な金額や内容が固まり次第、改めてご報告いたします。最後まで読んでくださり、ありがとうございました! もっと見る
活動報告vol.5 オラキノビレッジへの想い
2025/11/10 14:00あしたば加工工場さんが、昨年取材してくださった動画をこの度アップロードしてくださいました。【#八丈島 で「楽しい」を作る男】 <オラキノビレッジ(後編)若き後継者の挑戦>1年前に撮影した映像で、台本もなくアドリブで話した内容でした。自分でも何を話したのか正直覚えていなかったのですが、改めて見返してみると、「今も変わらず同じ思いで走っているな」と感じられ、そして「これまで進んできた方向は間違っていなかったんだ」と再確認できて、少し嬉しくなる内容でした。今回ご支援いただいた方の中には、私と直接お会いしたことがない方も多くいらっしゃると思います。「この人はどういう事業をしているんだろう?」と思われた方も、もしよければぜひご覧いただけたら嬉しいです。きっとオラキノの空気感や想いが伝わると思います。動画で見るのが難しい方のために、以下に内容の概要もまとめておきます。※今回の台風であしたば加工工場さんも甚大な被害を受けております。良ければこちらもチェックしていただけると嬉しいです。40年の歴史、台風で全壊。父が守った明日葉工場をなんとか復活させたい!あしたば加工工場Youtube概要今回の動画では、八丈島で新しい風を吹かせる後継者・日比野有海が登場。生まれ育った島を舞台に、宿泊業・ダンス・地域交流を融合させたオラキノの現在と未来を語っています。島へ戻り、家業を継いだきっかけ有海は八丈島出身。中学卒業と同時に上京し、ダンスインストラクターとして活動していました。10年前、父が営む宿「ケンチャルマ」やダイビングショップの今後を家族で話し合い、4年前に島へ帰郷。「2代目」として宿業を継ぐことを決意しました。詳細は活動報告vol.1にありますオラキノ誕生の背景帰郷当時はコロナ禍の真っ只中。島の観光業も大きく落ち込みましたが、「事業再構築補助金」を活用して新しい試みに挑戦。「雨の日でも楽しめる場所」「地元民と来島者が交わる空間」という発想から、多目的カフェ・スタジオ機能を備えた“複合型宿泊施設”オラキノビレッジが誕生しました。現在は「ケンチャルマ」「ステイインオラキノ」「トロンカーム」の3棟で宿泊を展開。さらにレンタカー事業やダイビング手配、レンタルスペース、個人ではダンスレッスン、イベント企画など、幅広く事業を展開しています。今後の展望今後は通年で人が訪れる仕組みを整えるほか、ケンチャルマの改修、オラキノのアップグレードにも着手。施設外構を整え、デッキ・植栽・BBQエリア・オートキャンプサイトの整備も進めていく予定です。「島内と島外をつなぐ場」を目指し、八丈島カルチャーの発信拠点として進化を続けます。オラキノビレッジ=“健康”の村「オラキノ」はハワイ語で“健康”という意味。体の健康はもちろん、心の健やかさ、そして人と人のつながりから生まれる“豊かさ”を大切にしています。ヨガ、料理、音楽、ダンス——それぞれの特技や想いを持つ人たちが集まり、島で交流できる「心身の健康の場」として、この名をつけました。編集後記動画の最後には、「八丈の文化がここから生まれていく予感」というナレーションで締めくくられています。まさに、オラキノが目指す“人と自然が共に生きる健康村”の姿がそこにありました。この映像を通して、これまで応援してくださった方々にも、今の私たちの活動の原点を感じていただけたら幸いです。今回の台風やコロナ、インバウンド、物価高騰などの世の情勢。色々ありますが、自分達が大切にしている仲間や物が揺るがない確固たる文化をここに築き上げていきます。 もっと見る




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