▼はじめにご挨拶

皆様、はじめまして。私は、難民ナウ!宗田と申します。
2004年から京都のラジオ局・京都三条ラジオカフェ(FM79.7MHz)で”難民問題を天気予報のように”というンセプトで、日本初の難民問題専門情報番組「難民ナウ!」を作っています。
番組を通して、ミャンマーから日本に逃れてきた方々と知り合い、現在、日本で暮らすミャンマー難民、コミュニティの皆さんに向けた「日本語教室」の運営など一緒に活動しています。

▼このプロジェクトで実現したいこと

皆さんは、「ミャンマー」と聞いて何を想像するでしょうか?
150を超える多民族国家であるミャンマーは、世界で一番長い内戦のあと、2015年11月の選挙によって、アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝し、民主化への道を着実に歩んでいる、という印象を持つ方が多いのではないでしょうか?
残念ながら実際には、現在もミャンマー国内では一部の地域で戦闘が続き、10万人以上の国内避難民が発生しています。
被害を受けている人たちに「尊厳」を取り戻すための支援を届けたいと思っています。


(紛争を逃れるカチン民族の人たち。写真提供は在日カチン人のAさん)。

▼ミャンマーの現実を知ってください。

ミャンマー国内では、軍が大きな力を持ち続けています(例えば、議会の25%の議席を占めることが定められている、憲法改正に関する拒否権を持つ、さらに国内、国境、防衛に関する主要な大臣を指名することができる、などです)。
そして、2011年に始まった、カチン州、シャン州北部などでのミャンマー政府軍とカチン民族との戦闘は5年が経った現在も続いています。

この戦闘によって、カチンのコミュニティでは、10,000戸以上の家、300以上の村、100以上の学校、そして60以上の教会が破壊され、100,000人もの人々がカチン州とシャン州で国内避難民となっていると報じられています。

特に、2016年8月、アウンサンスーチー氏が呼びかけ、60年以上に及ぶ内戦に政治的手段で対処しようという目標を掲げた〈21世紀パンロン会議〉の開催が決まった頃から、ミャンマー軍の攻撃が激しくなったことを複数のメディアが伝えています。

1.「ミャンマー北部や北東部においてミャンマー軍が攻撃を集中させており、ミャンマー軍はライザにある反乱軍本拠地を護衛するそれぞれのKIAの師団の間の分裂を図るとともに、カチン州西部では、KIOの収入源となる翡翠の採掘を行う鉱山の町であるHpakantで勢力を集中させている」(ワシントンポスト)。

2.「KIAの広報官であるCol. Naw BuはDVBに対し、大砲の後ろ盾のあるミャンマー歩兵隊は、9月21日、州都ミッチーナの西南部Waingmaw郡のIngkhambum hill地域に沿ったKIAの支配地区に向かって進撃した」(DVB)

3.「ミャンマー軍はカチン独立軍(KIA)に対し、一週間に及ぶ攻撃を続けているが、9月23日(金)にはカチン州Waingmaw郡で空爆を行ったとKIAの広報官が語った(Irrawaddy)。

カチン民族の置かれている状況について、ビルマ難民弁護団代表の渡辺彰悟弁護士にうかがいました。

 

▼攻撃の激化と子どもの犠牲者

2016年10月に入り、政府軍の攻撃が激しくなり、ジェット戦闘機による爆撃、地上部隊の進軍が報告されています(人道支援機関であるFree Burma Ranger)。

10月1日には、シャン州北部のMuse郡で、ミャンマー軍によってカチン民族のMangshang Zung Myaw君(2歳)が命を落とし、Lagwi Bawm Lang(6歳)とLagwi Ting Kyang(5歳)が重傷を負った受けたことに対し、強く非難しています(但し、ミャンマー政府軍は関与を否定)。

▼カチンの人たちのアクション

こうした攻撃に対し、カチン民族によるデモ行進や、カチン民族の代表から国連に向けた要請が出されています。

「ビルマ軍政府とカチン独立軍(以下KIA)の間で激化する衝突を受け、推計10,000人にのぼるカチンの民衆らが10月3日、現在も続く武装衝突の終結を求め、カチン州都のミッチーナにあるマノー祭りの広場でデモを行った。デモ行進者は性暴力に対しても強く非難した」(The Irrawaddy )。

 ▼プロジェクトをやろうと思った理由

今回の取り組みでは、国内避難民が発生している「事実」に目を向けています。特に、高山地帯で、アクセスの悪い場所にある「Hpare国内避難民キャンプ」と孤児を支援する活動に支援が届きにくく、食糧の不足で栄養失調が発生し始め、緊急の支援が必要であると知りました。そこで、このHpare国内避難民キャンプと孤児を守る活動に、クラウドファンディングを通して支援を届ける企画を思いつきました。

▼資金の使い道

キャンプでは、一食当たり520チャット(日本円で約52円)となります。キャンプの子どもたちが一日2食として、50人をカバーするためには1ヵ月で1,560,000チャット(156,000円)が必要となります。

お預かりしたお金は全額、在日カチン族のコミュニティを通して、Hpare国内避難民キャンプ、孤児の支援に届けます。

▼リターンについて

感謝状、カチン族の伝統的なデザインの小物入れ、報告会へのご招待を考えております。

▼最後に

カチンの人たちは、”Sari Sadang”という言葉を伝えようとしています。これは「尊厳」の意味です。国内の混乱によって、被害を受けている子どもたちが「尊厳」ある人生を取り戻せるよう、皆さまの応援をよろしくお願いします。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください