こんにちは、認定NPO法人アクセスの野田沙良(のださよ)です。

まず何より、情報あふれる日々の中で、あなたがこのページを見にきてくださったこと。
とてもうれしいです、ありがとうございます!

緊急事態宣言は解除されたものの、新型コロナの影響はなくならない日々。暮らしの不安、制限の多い生活へのストレスと、誰もがしんどさを抱えていることと思います。

国際協力NGOアクセスで事務局長をしている私も、団体存続の危機に直面し、不安な日々を過ごしています。アクセスは31年にわたり、フィリピンで「子どもに教育、女性に仕事を」というテーマで活動を続けてきましたが、このままでは、年度内に経営が立ち行かなくなる見込みです。

誰もが大変な時なので、助けを求めるべきかどうか、ずいぶん悩みました。でも、「アクセスの活動が、私の人生のターニングポイントになった」と話してくれる人たちの声が私を後押ししてくれました。ためらっている場合ではない、この団体をなくしてはいけない。

そう決意し、このクラウドファンディングの立ち上げを決意しました。

【目次】

1 貧困に直面、戸惑いから行動へ
2 子どもや女性の「生きる力」を伸ばす
3 日本の若者のエンパワメントも

4 培ってきた、アクセス流エンパワメント
5 31年続いた活動が存続の危機に
6 想いを共有してくれる仲間が必要です
7 寄付の使い道とスケジュール


私が初めてフィリピンを訪れたのは、大学4年生の時。アクセスが実施するスタディツアーの引率ボランティアとして、フィリピンに滞在しました。そこで私は、フィリピンの人々のとびっきりの明るさや優しさに心動かされると同時に、貧困の現実を目の当たりにし、激しく戸惑いました。

 ✔ 一日三食、食べられない
 ✔ 小学校さえ卒業できない
 ✔ 危険でキツくて汚い仕事にしかつけない
 ✔ 病気になっても病院に行けない

「私と同じ人間」なのに、どうしてこの人たちはこれほど苦しい想いをしなければならないのか。こんな現状を知った私が、これまでと同じ生活に戻ってしまっていいのだろうか。でも、私一人に何ができるだろう。

そんな葛藤を経て、私は26歳でアクセスに入職。以来ずっと、フィリピンの貧困層の人々への支援活動に取り組んできました。

この20年で、フィリピンの現状は少しずつ改善しています。しかし、それでもまだ、20万人以上の子どもたちが小学校に就学できずにいます(フィリピン統計局/2017年)。

また、就学できたとしても、学校で体罰やいじめを経験したり、家庭内で虐待に苦しめられたりして、自分らしくのびのびと成長する機会を奪われている子どもたちがたくさんいます。2016年にUNICEFが発表した調査は、8割の子どもたちが「何らかの暴力を経験したことがある」と報告しています。


そんな現状に苦しむ子どもを一人でも減らし、困難を乗り越える力を身につけた大人になっていってほしいという想いで、私たちは「子ども教育プログラム」という活動を続けています。1997年に開始し、今では年間240人もの子どもたちをサポートするまでになりました。

これまでに362人の子どもたちがプログラムの支援を受けて小学校を卒業。教員、警備員などの定職に就くケースも増えてきました。シャイだった子が支援を経て卒業し、「レストランに就職したから食事に来て!」と連絡をくれた時は、本当にうれしかったです。


生きる力を伸ばす、子ども教育プログラム

でも、この活動の目的は、子どもたちを卒業させたり、就職させたりすることだけではありません。私たちが大切にしているのは「エンパワメント」。つまり、子どもたちや保護者が「互いに協力し合いながら困難を乗り越えていく、生きる力を身につけること」です。

生活費が足りない、病気になった、DV被害をうけた、いじめや差別を経験した…そんな時に一人で抱え込んだり自暴自棄になったりせず、周囲の人に相談して力を借りながら、困難を乗り越えていく力。そんな力をしっかりと育くむため、私たちはモノやお金の支援だけでなく、「生きる力を伸ばす」ことを目的とした以下のような活動に力を入れてきました。

(1)子どもたちのための補習授業
(2)子どもの権利セミナーの定期開催
(3)子どものために活動する保護者会


補習授業で力をつけたアンジーちゃん(2年生)

1年生の時は、人見知りでうまく友だちがつくれず、不登校気味だったアンジーちゃん(仮名)。

しかし、アクセスからの支援を受け、夏休みや土曜日の補習授業の中で少しずつ人との関わり方を身につけることができ、今では毎日楽しく学校に通っています。学校で辛いことがあった時は、お母さんやアクセスのスタッフに相談することもできるようになりました。

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写真は、手形に「自分の大切な人」を書き込み、みんなの前で発表するという補習授業の様子。絵を描いたり話し合う時間を多く設けた、楽しめる授業になっています。

*補習授業のレポートはこちらから
https://access-jp.org/archives/column/tutorial2019


「無力じゃないんだ」と思えるようになったジェシカさん

夫婦で必死で働いても、子どもの教育費どころか、栄養ある食事すら用意してあげられない。そういうもどかしさは、どうにもならないものだと思っていました。でも今は少し違います。

私の娘を気にかけ、物心ともに支援してくれる方が日本にいます。その人から送られてくるお手紙を、娘は宝物のように大切にしています。私もその人のことを思い出すと、『辛いけどもうちょっとがんばってみよう』という気持ちになります。

アクセスでは、学用品などを支給してくれる代わりに、私たち保護者も子どもたちのために行動するよう求められます。最初は保護者会などに参加するのは面倒でしたが、今はけっこう楽しみながら参加しています。

活動を通じて、同じような悩みを抱えるお母さん・お父さんたちと気持ちを分かち合えるようになりました。どうしたら現状を変えていけるか、話し合って計画して。たとえば、みんなで少しずつ貯金して、子どもたちにビタミン剤を配るといったことに挑戦するようになりました。

『私は無力じゃないんだ。私たちの手で変えていけることもあるんだ。』

今はそんな風に思えます。」

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誰もが潜在的に持っている力を信じ、人々が出会う場をつくり、協力しながら問題を解決していく力をつける。それが、私たちの活動のキーワードである「生きる力を伸ばす/エンパワメント」です。

*保護者会の活動についてのコラムはこちらから
https://access-jp.org/archives/column/guardians-action


アクセスのエンパワメント、「生きる力をつける取り組み」は、フィリピンに限ったものではありません。18年前、大学生だった私もまた、アクセスの活動を通じてエンパワメントされた若者の一人でした。

当時私は、世界の貧困問題に興味があっても、そうした話題を話し合う機会がもてず、物足りない学生生活を過ごしていました。でも、アクセスのボランティア活動やスタディツアーに参加したことで、本気でアツく語り合あえる仲間に出会うことができ、「自分らしくいられる居場所が見つかった」と感じました。

かといって、アクセスの活動が「意識高い系の集団」だったかというと、そういうわけでもありませんでした。スタディツアー中はがっつり学ぶ時間もありつつ、フィリピンの若者とダンスしたり、星空の下で恋バナをする時間もありました。そんな中で、まじめな話が苦手だった人も、「どんな意見を言っても、人格的に否定されなかった」「ディスカッションを繰り返すうち、想いや考えを言葉にして伝えるのが面白くなっていった」と話していたのが印象的でした。

スタディツアー中のディスカッションの様子

アクセスでのボランティア活動に長く参加してきた人たちは、「アクセスは、考える力を養う場だった。その力が仕事で生きてるなと思う。」「アクセスにはすごく頑張っている人たちがいたから、憧れや悔しさが、自分の成長の原動力だった。」と話します。

話し合いを重ねて成功させた、フィリピン企画展

そうした経験を経て、青年海外協力隊員として世界で活躍したり、NPOやソーシャルビジネスを立ち上げたりする人たちも出てきています。


活動を続けて31年。アクセスは、フィリピンでも日本でも、「人々が出会い、互いに支えあい、刺激しあって生きる力を伸ばす場」として存在し続けてきたように思います。

その中で大切にしてきたのが、エンパワメントする側とされる側を固定しない、ということでした。私たちがフィリピンの貧困層の人々から学ぶこともあれば、アクセス職員がボランティアから学ぶこともある。誰もが真剣に考え、話し合い、協力して行動することを通じて、互いにエンパワメントしあうのがアクセス流と言えるかもしれません。現に事務局長である私自身も、日々、一緒に活動する人々に「生きる力」を伸ばしてもらっていると感じています。

そうした蓄積を踏まえ、昨年、私たちは今後どう活動を発展させていくかについてじっくり話し合いました。そしてその結果を「10年後のゴール」として次のようなイラストにまとめ、その実現に向けてがんばっていこうと決意を新たにしました。

しかし、そんな時に降りかかってきたのが、新型コロナウイルスの感染拡大という大問題でした。

新型コロナウイルスの影響で海外渡航が自由にできなくなったため、私たちの主要な活動の1つであるスタディツアーは中止に追い込まれました。スタディツアーは、途上国の貧困問題の現実を知り、問題解決に向けて行動する人を増やす大切な事業であると同時に、その参加費が団体の活動資金としても大きな役割を果たしてきました。そのため、2020年度中に予定していた5本のスタディツアーを実施できなくなると、収入は600万円(全収入の1/4)減少してしまうのです。

このままでは年内に資金繰りができなくなり、私たちが培ってきた「生きる力を伸ばす」活動が、そのための出会いの場や、学びあいの空間が、消えてなくなってしまいます。存続の危機は、もうすぐそこまで来ています。


新型コロナウイルスによる影響は、当面、避けようがありません。私たちの暮らしは否応なく変化を求められ、その変化により貧しい人々が被るダメージは、時に命をも脅かすほどのものです。そんな時だからこそ、これまで以上に、「生きる力を伸ばす」活動が重要になってきていると思います。

パンデミックが始まって以来、私はフィリピンの仲間たちとSNSを使って声をかけあい、励ましあうことが増えました。ロックダウンで自由に外出できず収入を絶たれたフィリピンの貧しい人たちに緊急支援を届けることもできました(4月以降、のべ433世帯)。日本でも先行きが不透明であるにもかかわらず、たくさんの方々の想いを受け取り、それをフィリピンの人々に届けることができたのです。そして、フィリピンから届いた喜びの声は、「コロナ疲れ」でカサカサに乾いていた私の心を潤し、笑顔とおだやかな心を取り戻させてくれました。

私たちはそうやって、国境や言葉の違いを超えて繋がり、支えあい、学びあい、一緒にしんどいことを乗り越えていく力を持っている。私は、そんな「生きる力」を伸ばす場であるアクセスを守りたいのです。

そして今、私が何より欲しているのは、「私も一緒にそんな場をつくりたい」と思ってくれる「あなた」との出会いです。

もしあなたが、私のこの思いを読んで私たちの活動に共感してくれたならば、そしてあなたの状況が許すならば、どうか「生きる力を伸ばす活動」の継続に力を貸してください。


寄付の使い道

アクセスの活動存続のため、下記のように使わせていただきます。

★生きる力を伸ばす補習授業・保護者会の運営人件費
93,500円/月(4人分)×9か月 約84.2万円

★日本事務所の家賃
6.4万円/月×9か月=57.6万円

★クラウドファンディング決済手数料5%
82,500円

上記のようにご寄付を活動運営費に充てさせていただきながら、より安定した財務基盤を築くための事業計画の見直しに取り組んでまいります。具体的には、コロナ禍の中でのスタディツアーに代わる新たな事業を企画したり、会員・サポーターを増やす施策に取り組み、2021年度以降の経営を安定させていく見通しです。


スケジュール

2020年8月    お礼動画・活動報告書のお届け
2020年9月  オンライン活動報告会の開催
2021年8月    「存続危機を乗り越えるまで」をまとめた活動報告書のお届け


リターンのご紹介

✔ ご寄付くださった皆さまに
・お礼動画
・支援者さま限定Facebookグループにご招待
・寄付金控除用の領収書を発行

✔ 1000円以上ご寄付いただいた方に
・フィリピンモチーフのスマホ用待ち受け画像をお届け(非売品)

✔ 3000円以上ご寄付いただいた方に
・オリジナルステッカー2枚セット(デザインは変更になる可能性があります/非売品)
・活動報告書
・オンラインお茶会へのご招待(2020年9月ごろ開催予定/活動状況をご報告します)

✔ 50,000円以上ご寄付いただいた方に
・活動報告書へのお名前の掲載(希望者のみ)
※法人の場合は、社名とロゴを活動報告書に掲載します。当会ウェブサイトへの掲載や、社内講演のご相談も承ります。

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※目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

※リターンを選択後、支援金額を上乗せすることが可能です。例えば、1500円ご寄付されたい場合は、1000円のリターンを選択後、手続き画面上の「上乗せ支援で応援しよう」という欄で「500円」と記入してください。

※寄付型クラウドファンディングの税制優遇について
このプロジェクトの寄付は寄付金控除の対象になります。「寄附金控除」「税額控除」をお受けいただくためには、確定申告の際に、認定NPO法人アクセスが発行した「領収証」の提出が必要となります。領収証は2021年2月上旬にお送りする予定です。お早めに領収証が必要な方はご連絡ください。
領収証はGoodMorning又はCAMPFIREではなく、認定NPO法人アクセスが発行・郵送いたします

※領収書が不要な方は、備考欄に「領収書不要」とご記入ください。郵送費分の費用を支援に充てることができます。

 【お問合せ先】
認定NPO法人アクセズ事務局
Tel: 075-643-7232(火~土/9:30~18:30) E-mail: office@access-jp.org

  • 2023/12/29 13:55

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