〇自己紹介
はじめまして。プロジェクトの実行部隊隊長の熊倉麻詩です。私はこの4月から都内にある保育専門学校に通っています。メンバーは同じく幼稚園の先生を目指す遥香と、美術の先生になるため大学の教育学部で学ぶ舞美の3人です。私たちは高校時代のボランティア部の活動として福島を訪れ、たくさんの人と出会い、多くの経験をしました。これからも震災復興のために私たちにできるお手伝いをしていけたらと思っています。
〇きっかけとプロジェクトの紹介
私たちは、これまでボランティア部の仲間や自分たちの親といっしょに東北各地で東日本大震災のボランティア活動をしてきましたが、その中で、福島県の楢葉町にある木戸川漁協が津波被害で流された鮭の稚魚のふ化場を再建しようとしていることを知り、木戸川の鮭について勉強してきました。
あまり知られていないのですが、木戸川は震災前から鮭のふ化事業を行っていて、多い時には10万匹もの鮭が戻ってくる本州でも有数の鮭の川でした。しかし、津波被害でふ化場が破壊され、震災に続く原発事故により楢葉町も全町避難することになってしまったため、鮭のふ化事業と稚魚の放流ができなくなってしまいました。
木戸川漁協では、ふ化場の再建を進めて2015年に鮭漁を再開することができましたが、ふ化事業の中断の影響で木戸川に回帰する鮭は震災前の1/10まで減少しています。しかし、今年はふ化事業を再開した年の稚魚が大きくなって帰ってくる年になります。
私たちは、今年の3月福島県のJビレッジで開催された復興イベントにブース出展し、「森里*皮*海プロジェクト」というチーム名で出震災を越えて鮭漁を再開させるまでのストーリーや、実際に木戸川に戻ってきた鮭の皮を使ったアクセサリーを作って、「木戸川の鮭」の復活をPRしました。
イベントに来てくれた人たちからは、木戸川の鮭の料理が食べられるお店はないのか、とか、どんな料理方法があるのか聞かれることも多かったのですが、今は漁獲高が少ないこともあって早くに売り切れてしまっていて一年中食べられるというわけではありません。
もともと楢葉町では、旬の時期こそ鮭を美味しくいただける飲食店はあっても、時期を過ぎてしまうと食べられるお店はほとんどなくなります。でも、県外の方々に福島県浜通りであがる鮭のこと、その美味しさについて紹介するとやっぱりみなさん、「食べてみたい」とおっしゃいます。そういった方に、鮭が獲れる時期まで楽しみに待っていただけるようにできないかと、一生懸命考えました。
そこで、思いついたのが
福島県浜通りの鮭の魅力がまるごとわかる「レシピ集」をつくることです。
日本の食文化を支えてきた「シロサケ」の歴史や文化などの豆知識も載っていて、さらに伝統的な食べ方から、人気のレシピまで載っている『浜通りの鮭の魅力がギュギュっと詰まった』レシピ集をながめながら、次に鮭が帰ってくる季節までわくわくして待っていてもらいたい。それは、私たちにもできることなんじゃないかと考えました。
〇まず、私たちがやることとは
今は養殖や輸入の鮭がたくさん市販されていますが、日本の川で獲れる「シロサケ」は、昔から日本の食文化を支えてきました。私たちは「シロサケ」がたくさん獲れる福島県の浜通りを訪ね、地域の方に伝統的な料理方法やおいしい食べ方を直接聞きにいきます。その他、プロの料理人に相談して新しいレシピを考案してもらったり、さらには自ら考える新しいレシピも作り、小さな冊子にまとめていきます。
作ったレシピを持って福島県内の飲食店を訪問し、「木戸川の鮭」はもちろん、「浜通りの鮭」を使ったメニューを提供してくれるお店を増やします。さらには、東京都内でも「浜通りの鮭」の料理を提供してくれるお店を開拓していきます。
〇木戸川の鮭の秘密
私たちは木戸川漁協で、「シロサケ」についていろいろと教えていただきました。産卵のために川に遡上する「シロサケ」は脂が抜けておいしくないと思われている方もおられるかもしれませんが、木戸川の鮭の簗場は海からすごく近いところにあり、産卵のため万全の状態で帰ってきたところを捕えているため、実はとてもおいしいのです。
また、木戸川の鮭は他の地域のシロサケに比べて身の色の赤身が鮮やかという特徴があるそうです。味わいでも見た目でも特徴のある木戸川の鮭の素材を活かせるレシピがあれば、きっと木戸川の鮭のファンが増えていくと思います。
まずは木戸川からスタートし、福島県浜通りの鮭の魅力をもっと知ってもらえるよう頑張りたいと思います。
※木戸川の鮭」は鮭漁の行われている10月~11月については、木戸川漁協に併設されている販売所で獲れたての鮭を買うことができます。また、漁獲量が増えてきたら、以前のようにイクラの販売も再開される予定です。お近くにきた際にはぜひお立ち寄りください。
〇実施スケジュールについて
2019年6月~:鮭を使った新しいレシピの開発
2019年7月~8月 :夏休みの期間を使って現地に足を運び伝統的な調理方法や、おすすめの美味しい食べ方などをヒアリング
2019年8月~9月:レシピ完成、レシピ集(小冊子、パンフレット型をイメージ)の制作
2019年9月~10月:東京都内と福島県の店をまわり、レシピを紹介して「浜通りの鮭」を使ったメニューを提供してくれるお店を開拓
2019年10月下旬 :福島県の「鮭まつり」などでレシピの紹介
〇資金使途について
・レシピ集の制作費、レシピ集の印刷費
・クラウドファンディングの手数料、リターン費用、活動費の一部
※ボランティアは費用負担してもらって行うものではないと認識しています。今回のプロジェクトについては、ボランティア活動より一歩踏み込んだものにしていくつもりです。そのため、現地にも足を運び、地域の方々との交流を通して作り上げていきます。私たちはアルバイトもしていますが、学生のため、どうしても活動費のすべてをアルバイトでまかなうことができません。
そして何より魅力がきちんと伝わるように、可能な限り“いいもの”を作らないと申し訳ないと思っております。主にレシピ集制作のための資金のご支援をいただき、より良いものを作っていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇リターンアイテムについて
豪華なものは用意できませんが、今回のプロジェクトのリターンアイテムには、「鮭の皮」を使った小物も用意します。鮭を美味しくいただいた後の残った皮も捨てずに活用する試みです。ひとつひとつ、心をこめて作ります。
鮭の稚魚は海に出た後、オホーツク海、その後ベーリング海へと向かいます。そして北太平洋を回遊しながら成長し、産卵の準備が整うと川へ帰ってきます。しかし、旅の途中で鳥や大型魚などの外敵に襲われたり、海で漁師に捕獲されたりして無事にもどってこられるのはわずか0.5%にすぎません。
大冒険の末にわずかな確率で川に帰ってきた鮭の皮は超ラッキーアイテムといえます。そんな強運の鮭にあやかり、~無事に大きくなって帰ってきて~という願いを込めて小物やお守りを作ることで、少しでも多くのひとに知ってもらいたい、戻ってきた鮭の命のつながりにも感謝したいと思っています。
ただ、鮭皮のアイテムはすべて手作りのため、大きさや形、色あいなどがすべて違います。また、申し込まれた数によっては、お届けが遅れることもあるかもしれません。
応援してくださる皆様には、どうかご理解いただけますと幸いです。
〇お知らせ
本プロジェクトは、「森里川海プロジェクト」に賛同しています。
〇木戸川の鮭の放射性物質検査について
楢葉町は、原発事故で一時的に避難した地域になりますが、木戸川漁協では、鮭のふ化事業や稚魚の放流を再開するにあたって、震災直後から鮭の放射性物質検査を継続して行っています。これまで木戸川の鮭から放射性物質が検出されたことは一度もありません。木戸川の鮭は安全においしく食べることができます。
〇最後に
東日本大震災が起こった時、私たちは小学生でした。震災直後から、家族と一緒に被災地にはいり大人が作業をしている間、現地でお友達を作り遊んだりしていました。中学生になって、少しづつ作業を手伝えるようになり、高校ではボランティア部の活動としても参加するようになりました。
福島では、とても大変な目にあったはずなのに、明るく前向きに生きていくたくさんのひとたちと出会いました。私たちに出来ることは、本当に小さな小さなことだと思います。それでも、出来ることで関わっていきたい。そんな思いを形にするためのご支援をいただけたらうれしく思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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