宮坂学さんが選ぶ「心が迷ったときに背中を押してくれる」3冊をタイトル・著者名を明かさずにお届けします。今年7月に渋谷BOOK LAB TOKYOで行われた組織開発ファシリテーター・長尾彰さんとのトークイベントの動画付きです。

プロジェクト本文

このプロジェクトについて

今年の6月にヤフー株式会社の会長を退任し、「Society5.0」を掲げる東京都の参与に就任することもニュースになった宮坂学さんにご登壇いただき、組織開発ファシリテーターで、この度チームビルディングにまつわる新しい著書が発売となる長尾彰さんを聞き手に、これからのリーダーシップについて考えるトークイベントを渋谷のBook Lab Tokyoにて7月30日に実施しました。

その中でも話題にでた本にまつわるエピソードを元に、最近では「重大事故の時にどうするか?」というタイトルのnoteのポストがSNSで話題になった宮坂さんが、リーダーシップを考える上で影響を受けた本をお届けします。

日々働き、生活する上で悩みはつきものです。

・チームを任される立場として「リーダーとしての資質がないのかも」と悩む

「自律して働く」と言われてもどうすればいいのかわからない人

仕事が楽しいと感じられない

こんな悩みを抱えている人に読んでもらいたい本を3冊(1冊は上・下巻なので正確には4冊ですが)選んでいただきました。

選書の理由を、イベントで宮坂さんが話したエピソードとともにご紹介します。

リーダーシップに悩んだとき、読みたい本Image: GettyImages

初めて部下を持つようになり、リーダーのあり方について苦悩していた頃、多くのリーダー論を読んだ。そのなかでもっとも影響を、そして勇気を与えてもらった一冊。自分にはリーダーシップがないのではないかと悩む人にこそ、読んでほしい。(宮坂さん)

本では、リーダーシップは天賦の才ではなく、誰もが内発的に持っているものであるとし、段階を経て獲得していくまでの道順が示されています。

無我夢中で働いた20代を経て、30代前半には50人ほどの部下がいたという宮坂さん。

しかし自分と同じようにがむしゃらな働き方を部下たちにも強要してしまい、部下はおろか取引先の人までが体を壊すなんてことも。

ある日デスクに『こんな上司が部下をつぶす』みたいなタイトルの本が置いてあって、誰が置いたんだとカッとなって読まずに捨てたんですが、さすがに俺はヤバいのかなって気づきました(笑)。

初めて有給休暇を取ってロスに住む親友に話を聞いてもらいました。今でいうコーチングだったんですかね。(宮坂さん)

「つらいのは自分だけじゃない」と勇気づけてくれる本

絶対的な権力を持つ古き指導者が、人間臭く苦悩と格闘し、自分を叱咤激励しながら取り組んでいることを知ることができる一冊。

『肉体がへこたれないのに、魂のほうが先にへこたれるとは恥ずかしいことだ』などと、指導者の職責のもと、苦悩の中で書いたと思われる文章は、現代社会においても多くの人を勇気づけてくれる本。(宮坂さん)

情報の漏えいやハッカーの侵入、同業他社や株主の視線…。社外からも社内からもさまざまなプレッシャーを受けながら、部下たちを率いて結果を出さなければいけないリーダーたち。

なかでも宮坂さんがつらいと感じていたのが、社員のリストラだそうです。

でも、あるとき思ったんです。リストラは会社に余裕がないからせざるを得ないのであって、会社が成長しつづければ株主は何も言わないし、リストラだってしなくて済む。

自分がしたいことをするために、数字にこだわり、結果を出せばいいんだと。(宮坂さん)

また、能力を発揮できていない人やチームの足を引っ張ってしまう人の扱い方ついて聞かれた場面では、次のように話していました。

山登りでは一番遅い人にペースをあわせるわけですが、仕事ではそうはいかない。かといって簡単にロープを切ってはいけない。

その部下をパーティーに選んだのは自分なのだから、自分が背負ってでも連れて行く責任がある。そのためにリーダーはトレーニングやスキルアップをしなければいけない。(宮坂さん)

「生きる意味」について、深く考えさせてくれる本

Image: GettyImages

宮坂さんは「生きる」ということを自問することも多いのだとか。

黒澤明監督の映画『生きる』は、本であれば今回の選書のひとつに加えたかった作品で、自身が行政に携わるようになった今、市役所に勤める主人公と自分を重ねて考えることもあるそうです。

この映画の主人公は、公務員の普通のおじさん。仕事はできるタイプではないけれど、最後の最後でがんばる。僕はけっこうそういうのが好きなんです。たとえばソフトバンクの孫さんなんかは、すごすぎてロールモデルにならないですよね。

理想のリーダーシップ像の答えを求めて、偉人の伝記を読んでも無理だなって思う。でもこのおじさんを見ていると『僕にもできるな』って思わせてくれるんです。(宮坂さん)

この映画の代わりになる1冊として選んでくれたのが本書で、かのビル・ゲイツ氏も「『生きる』ことへの問いをめぐる示唆に富む洞察の書」と絶賛しています。

『なんのために生まれてなにをして 生きるのかこたえられないなんてそんなのは いやだ』。やなせたかし作詞のアンパンマンの歌は、大人にとっても“生きる”ことへの深い問いかけをしている。

この本も同様に、“生きるとは何か”について深く考えさせてくれます。(宮坂さん)

BLIND BOOK CLUBとは

「BLIND BOOK CLUB」は、様々なジャンルの第一線で活躍している方にテーマに基づいてご自身の人生において影響を受けた本を紹介いただき、それらの本をタイトルも著者の名前も明かさずにお届けすることで、アルゴリズム過多の時代に「本との偶然の出会い」を演出するサービスです。

仕事や暮らしのなかで抱いているもやもやが解消されたり、知的探究心を満たしたり、ストーリーや文章の一節に心が動いたり。選者とテーマの掛け合わせによって受け取る体験もちがうはず。その人がその本を選んだ理由の書かれたメッセージとともに読み進めていただけたらと思います。

これから、本を手に入れた人だけのシークレットイベントや、選書についてオンラインで話したりできる場所もつくれたらと思っています。セレンディピティが見つけるきっかけとなれば。


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