はじめまして。NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークの栗林知絵子と申します。

私は2011年から豊島区に住むさまざまな社会状況にある子ども達や家族が楽しく生きるための支援活動を始め、現在4カ所のこども食堂や自由に遊べるプレーパーク、無料学習支援、食料を配布するパントリーピックアップや宿泊も出来る居場所の運営を続けています。

栗林知絵子(NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長)

ここでのべ年間約一万人以上もの子どもや親と出会っていますが、その中にはせっかく進学するという状況の中で、楽しく学校生活を向かえる前にさまざまな事情で苦しい思いをされている家庭の子どもも、たくさんいるのです。

池袋本町プレーパークで遊ぶ子ども達

今回、私はこのような進学する小学・中学・高校生の家庭へ、学のためなら何でも使える「WAKUWAKU応援給付金」を豊島区内の複数世帯へ渡すため、クラウドファンディングを始めます。

私が当時高校生だったAさんと出会ったのは、Aさんの弟がWAKUWAKUのチラシを持って帰ってくれたことがきっかけでした。
お母さんが海外にルーツを持つAさんは、病気がちのご家族を支えるため、さまざまなアルバイトに追われていました。Aさんに出会ってから、日本語の読み書きが苦手なお母さんにかわってWAKUWAKUのスタッフが生活のサポートをおこなったり、またパントリーピックアップ(無料食料配布)での食料支援もおこなうようになったのです。
そんな決して楽とはいえない生活の中、将来のため専門学校へ進学するAさん。ある時、ぽつりとこぼしたのです。

「アルバイトを減らして、もっと勉強に専念したい……」

Aさんもつながったパントリーピックアップの様子

また、B君は当時中学生。お父さんと二人暮らしでした。豊島区が運営している無料学習塾に通いながら進学を希望しており、見事定時制高校へ進学。
ですが、滑り止めに受験した私立高校に入学金を支払ってしまいました。WAKUWAKUへは学校を経由してつながり、そして最初に家庭の事情を聞き取った時、苦しい胸の内をお話してくれました。

「実は、高校の制服代が心許ないんです……」
B君も通う無料学習支援事業の様子

こんなAさんやB君のような子ども達を支援するため、私達は2016年のプレスタートを経て2017年〜2018年に「入学応援給付金」を実施しました。
これは主に小学校と高校に進学する困窮する家庭の子どもたちに、小学校進学なら1万円、そして高校進学なら4万円の、進学に関することなら何にでも使えるお金を送るプロジェクトです。

その結果、2017年・2018年の2年間で110世帯へ給付金支援を実施することができました。(小学校入学家庭が20・高校進学家庭が90。申請全体数は120家庭)

宿泊も出来る居場所で定期開催している食事会に集う子ども達

そのうちWAKUWAKUに初めてつながった方は90家庭、以前からつながりのあった家庭が20家庭
ご相談につながった方の80家庭が母子・父子世帯であり、また1割の家庭で両親のどちらかが病気・障がいをお持ちでした。
新しく出会えた家庭のうち半数以上が、その後の継続支援につながりました。

さまざまな子どもが集う子ども食堂(あさやけ子ども食堂)

この「給付金」の原資は、私達の事業に共感してくださっていたある企業に協賛をいただいたものでした。しかし、これは最初から2年間のお約束だったのです。
2019年度については、このままだと給付金が実施できない状況なのです。

このような現状を前にして、一度は入学給付金継続を諦めることも検討しました。
ただ、やはり実際に私達の元へ訪れる子どもや親の声を丁寧に聞けば、接の現金給付を続けてほしいという声がたくさん届いていたのです。

そもそも、直接の給付以外で、私達「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」は、2013年の法人発足以降、多様な支援を既に継続しています。
食の支援」として、こども食堂は現在4ヶ所で開催。月2回開催で一回約500食を提供し、一年間でのべ12000食の提供しています。また「学びの支援」として、無料学習支援で月4回開催。年間のべ約2000人の子どもが利用しています。

WAKUWAKUが運営する4つのこども食堂のひとつ「椎名町こども食堂」

既にご紹介したように、事情があって食べに来ることが出来ない世帯へは、パントリーピックアップという形での支援をおこない、二カ所で約100世帯に、食料や衣料品をお渡ししています。

そして「住の支援」として、難しい家庭状況にある子どもを、保護者の許可の元「WAKUWAKUホーム」という居場所を開設し、宿泊することを可能にしています。

緊急宿泊も出来る「WAKUWAKUホーム」。食事はみんなで作る

社会を直接変える行政への提言活動として、今年から行政を巻き込み、民間ともどもそれぞれの独自に取り組んでいる試みを共有し、同じ志をもって活動をする行政・地域の人たちが定期的に集う場として「豊島みんなの円卓会議」もスタートさせました。

そんな中「今お金が足りない」という現実に対して、さまざまな施策につなげる入り口としても、給付金の過去二年間の成果からとても有効だということがわかってきました。

どんな背景を持った子どもでも、WAKUWAKUは迎え入れています

そこで今回は、広く子どもの貧困の解消に関心のある市民みんなの力を持ち寄って、あらためて「WAKUWAKU入学応援給付金」を拡大し、実施できればと考えたのです。

みんなの力を持ち寄って6万円で3世帯(小学・中学・高校のそれぞれ1世帯)30万円で15世帯、もし200万円まで集めることができれば困窮状態にある約60世帯に入学応援給付金を届けることが出来ます。

対象となるのは、
令和2年4月に小学校1年生になる予定の子ども
令和2年4月に中学校1年生になる予定の子ども
令和2年4月に高校1年(専門学校も含む)になる予定の子ども

その中で、
ア)生活保護を受けている世帯
イ)住民税非課税世帯
ウ)児童扶養手当を受給している世帯
エ)その他,特別の事情があると認められる世帯

を対象として、それぞれに、1万円を20家庭に給付予定(小学校・中学校)、4万円を40家庭に給付予定(高校)を直接会って、お渡しします。

お渡しする際には、プロボノ弁護士がヒアリングを実施。その後、調停や養育費などの支援につながるケースもあり、単純に「お金を渡す」だけではない、包括的な支援につなぎます。

応援給付金ヒアリングの様子

皆様からのご支援が30万円集まると15世帯(小学・中学・高校世帯含め)に入学応援給付金を届けることができます。
もし200万円まで集めることができれば約60世帯に届けることが可能となります。

「WAKUWAKU応援給付金」の応募スケジュールは下記を予定しています。

●12月20日頃 応援給付金申し込み開始
●1月 30日 応援給付金申し込み締め切り
●2月10日 1次選考
●2月12日 1次選考該当者に証明書提出の通知
●2月25日  選考
●3月11日~17日 入学準備金受取窓口開設(※給付金の受取日時については個別相談可能)
●4月以降 継続支援が必要な家庭に対しての対応
●4〜6月 報告のまとめ

今期ご支援いただいた方へは、リターンとして成果報告書(メールにてPDFでの送付)と、ご希望の方に報告書と豊島子どもWAKUWAKUネットワークのウェブサイトへ感謝のお名前を掲載させていただきます。(備考欄に「掲載希望」とご記入ください)

子ども達を支えるスタッフ・ボランティアのみなさんと

ちょっとした「おせっかい」で、子ども達を笑顔を贈るアクションに、あなたも参加しませんか?
どうか「WAKUWAKU入学応援給付金」を贈るプロジェクトに、みなさんのお力をお貸し下さい!

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※領収書について
本クラウドファンディングは寄附型となります。いただきましたご支援は、豊島子どもWAKUWAKUネットワークへのご寄附となります。領収書の発行は可能ですが、弊団体は寄付控除の該当団体ではないため、恐れ入りますが寄付控除には使えない旨ご容赦ください。

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