はじめに・ご挨拶

ページをご覧いただきありがとうございます。3年ほど前より神奈川県にて個人で「地域猫活動」をしております酒井と申します。
具体的には、地域と野良猫が共生出来る環境、また殺処分数の減少を目指し、飼い主のいない猫に避妊去勢手術(TNR)をし、餌やり、病気や怪我の猫への投薬や保護、子猫の保護・里親捜しなどを行い、不幸な猫を少しでも減らすための活動をしています。
個人でやっているので細々とですが、これまでの約3年間で、日々の餌やりの他、19匹の猫の不妊手術、14匹の猫の保護と里親捜し、負傷した猫の保護と治療、獣医師と相談の元体調の悪い猫や怪我の猫への投薬を行ってきました。

このプロジェクトの内容・経緯

9月中旬、手脚を負傷し弱った猫「ダイちゃん」を保護しました。
ダイちゃんは、半屋外の自動車整備工場を寝床にし、そこで働いている人や地域の人にごはんをもらっていました。私の散歩コースにもよく現れ、会うと「ニャー!ニャー!」と大声で駆け寄ってきて餌をねだる食いしん坊な雄猫でした。
白い靴下のようなきれいな四つ足をしていたダイちゃんの脚が、あるときからよく汚れていることに気付くようになりました。そして口周りにも血が付いていたり、身体に傷があったり、口内炎のような症状が現れはじめました。最初は他の猫とケンカしたのかな?または猫エイズなどのキャリアで発症させてしまったのだろうか?と思いました。
外で生きる猫達は、病気や怪我が絶えませんが、捕獲の難しさや医療費などを考えると、よほど緊急を要さない限り、すぐに保護を決断するのが難しいです。動物の自然治癒力もあり、様子を見ているうちにそのまま治ることも珍しくないためしばらく様子を見ていましたが、ダイちゃんは日ごとに毛並みもボロボロになり痩せていき、いつも元気だった声も小さくなっていきました。そしてある日、手脚の肉球がすごく腫れ上がり肉が剥き出しのようになっているのに気付き(会うときはいつも暗い夜なのですぐに気付けませんでした)、これは迷っている暇はないと翌日すぐに保護し、病院に連れて行きました。

きれいな「靴下」をはいていた身体が別猫のように

保護した直後病院にて。予想以上にひどい状態でした。

通常の何倍にも腫れた肉球(画像をぼかしています)

保護時のダイちゃんはとても弱っていて貧血の症状もあり、体重も成猫のオスなのに3.5キロしかありませんでした。左前脚と後脚は肉球が大きく腫れただれていました。最初は免疫系の病気が疑われたため、患部の細胞を採って検査に出すことにしましたが、結果は特にそのような異常は認められず、工場にある薬品などが原因の外傷や火傷かもしれないということでした。また血液検査の結果、猫エイズ(猫後天性免疫不全症候群)に感染していることがわかりました。発症の恐れも心配されましたが、その後の入院と先生やスタッフの皆さんによる懸命の治療の継続によって、ダイちゃんは少しずつ回復していき、貧血の数値も良くなり、一ヶ月半後には4.2キロまで体重が増えました。手脚の肉球の腫れも、モーズペーストという壊死した皮膚に少しずつ薬を塗り取っていく細かな治療によりどんどん回復し、ほとんど元通りの肉球になりました。約2ヶ月の治療・入院生活で、ダイちゃんは元のきれいな身体と白い靴下を取り戻しました。

入院して治療中の頃

ダイちゃんは退院できる体になりましたが、元いた場所に戻しても、部品や液体が常に周りにある工場でまたいつ同じような状況になるかわかりません。また本人も甘えん坊で人慣れしているので、入院していた動物病院で里親さんを探してもらうことにしました。猫エイズ陽性の成猫は貰い手がなかなかつきにくい場合が多いので、ここからもまた長い旅が始まると思っていたのですが…。なんと幸運なことに縁あって、先日里親さんが決定しました!
外で生きる猫と、家猫では、生活環境も寿命も圧倒的に違います。つい数ヶ月前まで命の危険さえあったのに、これからは外で寒さや飢えの心配もなく、温かい家でいつも甘えられる家族を手にしたダイちゃんは、最高にラッキーボーイです。里親さんは譲渡費用・去勢費用などをご負担されており、これから一生ダイちゃんの面倒を見ていただくので、治療までの費用はこちらで責任をもって病院に支払いたいと思っています。
今回はとてもうまくいった保護例で、嬉しい気持ちでいっぱいですが、現実には治療と入院で高額なお金がかかり大変なため、クラウドファンディングで皆様のお力添えをお願い出来ればと思っています。
また、外で生きている一匹でも多くの猫に、可能な限り適切な治療や環境を用意できれば、ダイちゃんのようにもっと幸せになれる猫を増やすことができます。ダイちゃんの医療費以上に集まった資金は、今後の保護猫活動基金に当てたいと思いますので、皆様の応援、どうぞよろしくお願い致します。

治療の甲斐あり、前の姿に戻ったダイちゃん。肉球もきれいに。

プロジェクトをやろうと思った理由

これまでの活動は可能な限り自費で行ってきておりますが、今回は治療・入院期間が長く、個人負担だけでは抱えきれないので、活動をご理解し応援していただける方のご協力をお願いできればと思いクラウドファンディングを立ち上げました。
過去に高額な出費が必要だった際は、地元のボランティア団体の方に相談しサポートしていただいたこともありますが、どこのボランティア団体も多数の保護猫を抱えており常に支援を必要としています。ですので可能な限りクラウドファンディングや自分が活動している地域から集めたいと思っています。
ダイちゃんの治療費以上に集まった資金は、今後の保護猫活動のための基金にしたいと思っています。外で暮らす猫には猫風邪などの病気、怪我が絶えず、保護を迷っている間に姿を消してしまったり、症状が悪化してしまうこともあります。今回もダイちゃんも、費用のことを考えてすぐに保護には踏み切れませんでしたが、結果的にこのようにいい成果を得られて、もっと多くの猫に必要な際必要な医療行為が出来る状況を整えたいという思いを強くしました。基金があれば緊急対応も可能になりさまざまな選択肢が広がり大変助かります。活動の継続のために、応援していただける方は、どうぞよろしくお願い致します。

資金の使い道

①ダイちゃんの治療費・入院費:143,000円
治療費・入院費・血液検査諸々
治療の内容は、貧血のため点滴、ステロイド治療、投薬、モーズペースト(自壊した患部に薬を塗り固まったら取るを繰り返し、少しずつ完治を目指す治療)等です。入院期間は約2ヶ月です。

②今後の保護猫活動基金:100,000円
ダイちゃん治療費以上に資金が集まった場合は、今後他の猫達への医療行為や保護活動費に使用させていただきたいと思います。(厳しい環境の外で暮らす猫には病気、怪我が絶えず、基金があれば選択肢が広がり大変助かります)

これまで関わった猫達の一部

神奈川県の畑や民家がある長閑な里山のような地域のため、「里山の猫達」と呼んでいます。

2016年に初めて関わった猫です。猫風邪の症状から目やにで眼が開かないくらいでしたが、一日二回餌に薬を混ぜて与えると一週間ほどでどんどんきれいに。薬の効果の大きさを実感しました。

道路で轢かれた子猫を発見、そのすぐそばで鳴いていた残りの3姉妹。車通りの多い道路の側で危険なので保護し全員里子に。上:衰弱し草むらで動かなくなっていた子猫を保護。
下:目やにと鼻くそいっぱいだった顔がきれいになり元気に!

4匹兄弟でしたが捕獲時は3匹になっていました。外の環境では多くの子猫が病気、栄養不良、交通事故、カラスに襲われたりして命を落とします。お母さんはTNRし現在外で元気に暮らしています。

背中に怪我をし血だらけだった成猫を保護し治療。怪我する前から調子が悪くずっと片目しか開いていなかったのに、二週間の入院後は身体も元気になり、両目が開く猫になりました。リターンし、現在も外で元気に過ごしています。

保護し里子に出た猫達。「栗が落ちてる?」(左上)と思って近づいたら弱った子猫でした。

TNRした里山の猫達。中央の黒猫は今夏突然姿を消してしまいました。ある日突然いなくなってしまうことも地域猫活動ではつきものです。

リターンについて

■ 3,000円:お礼メール
■ 5,000円:お礼メール(里山猫画像付き)
■ 10,000円:お礼メール(里山猫画像付き)、里山猫カードセット
■ 30,000円:お礼メール(里山猫画像付き)、里山猫カードセット、お礼状
※「里山猫カードセット」は、私がお世話している地域猫を撮った写真カードです。
※金額はお申込の際に任意で引き上げていただくことも可能です。

スケジュールについて

2019年1月下旬 クラウドファンディング終了
2020年2月下旬 リターン送付
以降も引き続き神奈川県にて地域猫活動を継続します。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。
冒頭にも書きました通り、これまで約3年間多くの猫と関わり、TNR(不妊手術)や猫の保護と里親捜しなどの地域猫活動を行ってきました。このように書くと一行で終わりますが、実際には様々なドラマがあり、捕獲の際の苦労や失敗や笑い話、悲しい出来事や嬉しい出来事の連続です。でも、義務感ではやっていません。猫たちがやりがいや喜びをくれるので、好きで続けてこれています。
現在日本では一年で43,216匹(H30環境省資料)の犬猫が、飼い主がいないという理由で殺処分されています。365日で割ると一日約118匹です。また殺処分される猫のうち6割が子猫です。繁殖力の高い猫の出産を抑制(TNR)できれば、殺処分数の減少にもつながり、また現在生きている猫をより良い環境に置くことができます。実際に、地域猫活動(TNR)の広がり、動物愛護法の改正、行政、民間団体や個人ボランティアの努力により、過去10年間で殺処分数は3分の1に減少しています。それでもまだまだ出来ること、やるべきことはあります。殺処分ゼロの日本を目指し、そして1匹でも多くの命が無駄に死ぬことなくその命を全うできるよう、地域と共生していける社会の実現を目指して自分が出来ることを取り組んでいきたいと思います。
応援どうぞよろしくお願い致します。

<All-in方式>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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