ご挨拶

まずはじめに、このプロジェクトをご覧いただき、ありがとうございます。

「新宿西口商店街振興組合」副理事長の村上健二(むらかみ・けんじ)です。

父の代から70年以上続く、思い出横丁唯一の寿司屋「寿司辰」で、日々、寿司を握っています。

私は、この思い出横丁で生まれ育ちました。1916(大正5)年生まれの父・辰之助は、戦後にいまの思い出横丁の場所で、復員兵を相手にもつ煮込みとパンを売っていました。寿司屋に転向したのは、風営法が厳しくなった1964(昭和39)年の東京オリンピックの年のことです。

私自身は大学卒業後に別の街で寿司の修行をし、1974(昭和49)年に思い出横丁に戻ってきました。以来現在までに、「寿司辰」のほか、海鮮焼きやモツの串焼きを提供する「たっちゃん」、種類豊富な串焼きの店「辰乃家」の3店舗を思い出横丁に開いています。

当然ですが、私はこの街が大好きです。この街で一緒に商売をしている家族のような仲間たちが、いつの時代も変わらずに街の賑わいを支えてくれるお客さんが、私は大好きです。

そんな思い出横丁を、後世に引き継いでいきたい、また、これをきっかけにもっと多くの人に思い出横丁のことを知ってもらいたい、そんな思いで今回初めてクラウドファンディングに挑戦します。


このプロジェクトで実現したいこと

1999年11月24日、この街は火災事故に見舞われました。

昼間の発生だったこともあり、幸い重大な死傷者は出ませんでしたが、店舗の3分の1が半全焼するほどの大火災でした。

1999年11月24日 火災発生

1999年12月17日 ばんしゃく家3階から撮影

一時は街の存続すら危ぶまれましたが、常連客や近隣の皆様に支えられ、約1年後にはほとんどの店が復興し、いまでは安心・安全な街として、思い出横丁は当時以上の活気を取り戻しています。

あれから20年が経ったいまでも、私たちは、あの火災の怖さ、悔しさ、無念さを、そして復興を支えてくれた人々への感謝を、決して忘れていません。

以来、防災訓練の徹底はもちろん、日頃からたばこや炭の管理を街全体で意識的に行うなど、安心・安全としてお客様に喜んでいただけるような街づくりを続けています。

その成果もあってか、ありがたいことに近年は、国内外問わず多くのお客様が街を訪れてくれるようになりました。

こうした賑わいをみるにつけ、これまで以上に街がひとつになって、防災意識をいっそう高め、防災の大切さを発信していくことの必要性を感じます。

しかし、日々の心がけや店単体の備えだけでは、完全に安心・安全な街を実現することはできません。

思い出横丁をより安心・安全な街にするため、また、二度と火災を起こすことなく、街を存続させるためには、街全体として防災設備を充実させ、整備を行う必要があります。

例えば、より安全にお客様を誘導できるよう、街にスピーカーと放送設備を設置する。

また、万一に備えて、電線の整理を行う。

そして、防災意識を高めるための活動、防災の大切さを発信するためのイベント運営を継続させる。

こうしたことをこのプロジェクトで実現できればうれしく思います。


私たちの地域のご紹介

東京・新宿駅の西口に位置する思い出横丁は、戦後の情景をいまなお残す、古き良き飲み屋街です。630坪ほどの土地に、もつ焼き屋・焼き鳥屋を中心とした約60店舗の飲食店やチケットショップなど、合わせて80店舗ほどがひしめき、近年では若い女性客や学生、訪日外国人観光客が急増するなど、毎日が縁日のような賑わいをみせています。

入口付近 昭和46年(1971年)2月27日撮影 

入口付近 現在

線路側 昭和20年代後半撮影

線路側 現在

こうしたノスタルジックな情景に加え、思い出横丁には、戦後から残るものがほかにもあります。
それは、昔から変わらない人情、どこか懐かしい人の人との触れ合いです
もともと思い出横丁は、戦後の焼け野原にできた露天商のマーケットがルーツです。
当時は、店と店、また店と客、お互いが支えあいながら商売を継続させてきました。
その精神は、昭和、平成、そして令和と、時代が移り行く中でも、変わらず次代に受け継がれています。
こうした人情と絆が作り出す独特の雰囲気、居心地の良さによって、思い出横丁は長年多くの人に愛されてきました。

初めての人も、ひとりでふらっと来ても、隣の人がどんな人かわからなくても、楽しく飲める。
思い出横丁は、どんな人も温かく迎え入れてくれる街です。


プロジェクトを立ち上げた背景

プロジェクトで実現させたいことは先述の通りですが、まずは毎年11月24日の「思い出横丁の日」を多くの人に知ってもらいたいという思いもありました。

「思い出横丁の日」は、1999年11月24日に起こした火災事故を忘れずに防災意識を高める日として、また、火災事故から今日まで御愛顧くださった常連や近隣の皆様に感謝する日として、昨年の2018年に制定しました。

制定以前から、防災訓練などは行ってきましたが、この制定によって改めて街に一体感が生まれたように思います。

とくにいまの思い出横丁には、裸一貫で始めた初代、街を盛り上げてきた二代目、三代目、新しく店をオープンする人……など、様々な立場の店主が入り混じっています。

いわば街の転換期だからこそ、先人たちと同じように、これからもみんなで街を守っていくために気持ちをひとつにしたい、「思い出横丁の日」がそのきっかけになれば……。

そうした思いを内外にしっかりと発信することも、大切な防災活動に繋がると考えました。


これまでの活動

たばこや炭の管理を街全体で意識的に行うなど、日頃の防災活動に加え、毎年2回大規模な防災訓練および近隣の美化活動を実施。新宿西口商店街振興組合加盟の店主が、新宿消防署西新宿出張所の指導の下、AED応急救護の方法、緊急通報の仕方、火事が起きた場合の対応など、いざというときに被害を最小化するための術を学んでいます。

2012年消防訓練の様子

また、2018年には、11月24日を「思い出横丁の日」に制定し、以降はこれまでの防災・美化活動に加え、常連客や近隣の方々への感謝イベントを開催。感謝イベントでは、事前から当日にオリジナルTシャツを各店舗で販売し、購入者はもれなく賞品が当たるガラポンにチャレンジできるという企画を実施しています。今年の「思い出横丁の日」のイベントは、11月22日(金)に開催します。

資金の使い道・実施スケジュール

・非常用放送設備の設置

・電線の整理

・「思い出横丁の日」イベントを継続するための運営費

防災設備の充実に充てます。非常用放送設備の設置をしたいと考えています。今も火災報知器の設置はしていますが、サイレンだけが鳴っても情報が無ければ、街中がパニックになるだけということも考えられます。お客様をより安全に誘導できるよう、より素早く情報共有し、消火活動を行なうために、スピーカーと放送設備を設置したいと考えています。

万が一火災になってしまった場合に、被害を最小にするために、火の燃え広がりを防げるよう、電線の整理の実施も検討しています。

また街がひとつになって防災意識を高め、防災の大切さを発信するためにも、「思い出横丁の日」イベントを継続させていくための費用に補填させてもらえればと思っています。


リターンのご紹介

■リターン品について

①3000円 お礼のメッセージ

②5000円 「思い出横丁の日」オリジナルTシャツ+お礼のメッセージ

③5000円 思い出横丁オリジナルポストカード5枚セット+お礼のメッセージ

④10,000円 「思い出横丁の日」オリジナルTシャツ+思い出横丁オリジナルポストカード5枚セット+お礼のメッセージ

⑤10,000円 思い出横丁オリジナルポストカード10枚セット+お礼のメッセージ

⑥30,000円 思い出横丁公式ホームページに1年間、お名前を掲載します+お礼のメッセージ

⑦100,000円 新宿タウン誌の名物発行人が思い出横丁をアテンド+お礼のメッセージ

12月5日追加!50,000円 思い出横丁にお名前入りの提灯を飾ります+お礼のメッセージ

■「思い出横丁の日」オリジナルTシャツについて

「思い出横丁の日」を記念して作成したTシャツです。
「思い出横丁」の「思」という字が思い出横丁のMAPになっています。
バックプリントには、各店舗のロゴをあしらいました。

こちらを着て思い出横丁に来るも良し、思い出横丁に思いを馳せていただくも良し。ぜひご着用ください。
カラーはチャコールグレーの1色で、サイズは日本サイズでS〜XLサイズまで揃えております。
※XLサイズが品薄となっています。

■思い出横丁オリジナルポストカードについて

大正〜昭和50年代の思い出横丁の街並みの貴重な写真をポストカードにしました。
当時から変わらぬ風景と失われた風景、時代の流れを楽しんでいただけます。

■思い出横丁ホームページへのお名前掲載について

思い出横丁公式サイト(http://shinjuku-omoide.com/ )にて、「思い出横丁」応援団員として、1年間、お名前を掲載させていただきます。

■思い出横丁にお名前入りの提灯を飾りますについて

「思い出横丁」応援団員として、横丁内にお名前またはニックネーム入りの提灯を飾らせていただきます。
お好きな名前をご指定下さい。※公序良俗に反するものはご遠慮ください
装飾期間:提灯が壊れるまで
装飾場所:横丁内、真ん中の通りのJR駅側入口付近

■新宿タウン誌の名物発行人による思い出横丁アテンドについて

今年で14年目になる新宿タウン誌『ジェイジー』の名物発行人が、歴史や秘話、お好みに合わせたお店やメニューのご紹介など、ディープな思い出横丁をアテンドします。

申し訳ありませんが、現地までの交通費、飲食代はご本人負担でお願いします。


最後に

思い出横丁は、まるでひとつの大きな家族のようです。
例えば、現在店を切り盛りしている二代目にとって、思い出横丁は、子どもの頃からの遊び場でした。
子どもたちは、街の大人たちみんなに育てられ、親の代にお店に通っていた常連客に、おむつを取り替えてもらった、なんてエピソードを持つ人も少なくありません。
また、自分が若い頃に、初代にたくさん飲み食いさせてもらったお礼を返したいという思いから、店が世代交代したいまでも、変わらず通ってきてくれる常連客もたくさんいます。

思い出横丁は、そうした人情の連鎖で、みんなの気持ちが家族のように繋がっている街です。

だからといって、初めて訪れる方が入りづらいということもありません。
隣り合った知らない客同士、世代、性別、国籍を超えて、楽しく飲める街でもあります。

いまの時代、若い世代に飲み方や人生を教えてくれる飲み屋街は、少なくなっているように思います。
だからこそ、この街に根付く人情や文化を、この昭和レトロな景観とともに後世に残したい。二度と火災などを起こさずに……。
もちろん、料理の味にも自信があります。飲助も納得のお酒もそろっています。

このプロジェクトをきっかけに、もっと多くの方に思い出横丁のことを知ってもらいたいと思います。

このページをご覧いただいている皆さんが、いつか思い出横丁に遊びに来てくれるとうれしいです。


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


※モノクロ写真提供:新宿区立新宿歴史博物館


  • 2019/12/12 12:10

    ご支援をいただいたみなさま。本プロジェクトをご覧いただいたみなさま。ありがとうございます!思い出横丁応援団員 コイズミです。朝日新聞の記者の方からこちらの「Campfire」サイトで、活動を知ったということで連絡をいただき、さる12月10日に本プロジェクトの取り組みについて「新宿西口商店街振興...

  • 2019/12/04 13:37

    本プロジェクトをご覧いただきありがとうございます。思い出横丁応援団員 コイズミです。11月24日は忘れもしない火災発生の日、そして「思い出横丁の日」。昨年よりその近辺の週末にイベントを開催しています。今回はそのイベントのご紹介。雨にも関わらずたくさん(約600人)の方にお越しいただきました。当...

  • 2019/11/21 19:25

    はじめまして!新宿西口思い出横丁応援団のコイズミです!はじめてのクラウドファンディング。メンバー一同、期待と不安でドキドキしながらも頑張ります!不慣れな所もありますが、活動報告を随時報告しますので、最終日までお付き合いよろしくお願いします。

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