▼ T4 とは?

T4は、大分大学 理工学部 共創理工学科 知能情報システムコース(旧 工学部知能情報システム工学科)中島教授のラボと株式会社リフライとの共同研究で開発した、上肢障がい者および色弱障がい者の為のPC用ソフトウェアキーボードです。
(※ 現在はWindows PC対応です)

タブレットやスマートフォンなどタッチディスプレイを備えた携帯端末から利用でき、利用者自らがカスタマイズする事により、両腕の可動域が狭い方や片手入力の方、色弱者の方が容易に入力操作を行えるように設計しています。

これまでの試用調査では、カスタマイズ性の高さから、障がい者だけでなくキーボード自体に不慣れな方などにも有用なことがわかり、「みんなが使いやすいキーボード」として、たくさんの皆様にも使っていただけると思います。

▼ 使い方

1、PCでT4起動(起動ファイルをダブルクリック)
2、PCにQRコードが表示される
3、携帯端末でQRコードを読み取る
4、携帯端末のWebブラウザでアクセス
5、携帯端末がPC操作インターフェースになる

▼ リモート操作アプリとの違い

タブレットやスマートフォンなど携帯端末からPCをリモート操作するアプリケーションは数多くありますが、どれもが文字入力について携帯端末自体の標準装備インターフェースに依存しています。

つまり、それらのコンセプトは「携帯端末で、これらの標準装備インターフェースを使い、PCを操作できる」というものであり、操作性の向上や個人の使いやすさを求めたものではありません。

「T4」は、機能や大きさ・色などを独自にカスタマイズできる"ソフトキー"を携帯端末上に表示することで、個人ごとの使いやすさを実現できます。

▼ 独自にカスタマイズできるインターフェース

携帯電話入力に慣れている方なら、携帯電話と同じキー配置。文字入力自体に不慣れな方なら、ひらがなを列挙。マウス機能のみを特化させたり、配色を変えたり・・・などなど。

 

また、レイアウト調整だけでなく、キーの大きさ調整やショートカットキーの作成などの機能も備えています。

タッチディスプレイに映し出される仮想的なキーだからこそできるカスタマイズです。

▼ 基本操作

【 文字入力 】

ツータップ入力方式を採用しているため、下図のように文字入力用キーを押して展開させ、展開しているキーを押すことで文字入力を行います。

 

【 マウス機能 】

キーを配置していない空白の部分をタッチするだけで、マウス機能が起動します。

後は画面上を滑らせるだけ。
デスクを広く使えるだけでなく、腕を伸ばしてのマウス操作が不要になります。

 

▼ 携帯端末の機種は問いません

タッチディスプレイを備えた、iPad・iPhone や Androidタブレットなど、通常Webブラウザ(Chromeブラウザ推奨)を搭載した携帯端末であれば、Wi-fiネットワークを介してWindowsPCへの入力操作ができます。

お手持ちの携帯端末から手軽に利用でき、専用機器の購入は不要です。

アプリケーションはPCのみへのインストールでOK!

携帯端末へのインストールは不要です。

 

▼ 設置の自由

タブレット端末はワイヤレスで小型、「T4」はキーボードとマウスの機能を備えているため、自由な位置から携帯端末のみでPCを操作できます。

 

また、タブレットやスマートフォン用のアームを取りつければ、体幹が無い方でも入力し易い場所にキーボードを配置し、側臥位(横を向いて寝ている姿勢)でも、楽な体勢で入力できます。

▼ 開発の発端

当社でPCを使って働いている上半身に障害を持った労働者を見ていると、キーボードのキーをひとつ押す動作にも指を動かせないために上肢ごと動かしていました。

また、マウスを握ることができないためにトラックボールマウスを使用していました。

 

両脇を開き、左手で体幹を維持しながら右手小指でキーの押し下げ操作を行なっていたのですが、健常者なら右手中指と左手小指を少し動かすだけで入力できる「か(K+A)」の文字を入力するためだけにも、腕ごと大きく左右に振っていました。

 

この動作を、キーの押し下げ一回一回のたびに行うのでは、疲れるだろうな。。。

私 「 疲れない? 」
彼 「 肩コリます。でも、まぁ、そうゆうモノですからwww 」

私 「 スマホはサクサク使ってるよね? 」
彼 「 肩を動かす範囲が少ないので入力が楽なんですよ。 」

私 「 スマホはボタン小さいから誤入力とか多いんじゃない? 」
彼 「 ですね。特にスワイプ入力は、僕にとっては精密な動作なので。 」

私 「 トラックボール使いやすい? 」
彼 「 使いやすいですよ。ただコレも、腕ごと使うので疲れます。 」

彼のような障害を持った人でも、疲れずに使えるキーボードがあればいいのにな。

要は、大きなボタンがカサ張らないような仕掛けと、ゆったり確実な入力ができればいいのでは?と、大分大学知能情報システム工学科中島教授に相談して、タッチ型デバイスに仮想キーを配置・ツータップ式文字入力・マウス機能の付いたインターフェースを考案しました。 

タブレット端末を使用することで、腕の動きを少なくできます。
また、膝の上など低い場所に置くと腕をあげる動作負担も軽減できます。

 

右上図のように大きめのタブレット端末を使用しても、腕の動きを少なくできます。

ツータップ式文字入力の採用で、ボタンをかさ張らずに配置できるため、小さな端末でも確実なPC操作が可能になっています。

▼ 改良・改善

 

大分大学 理工学部 共創理工学科 知能情報システムコース(旧 工学部知能情報システム工学科)中島教授のラボとの共同研究で開発されており、情報収集を重ね、常に改良され続け、リリース後も改良し続けていきます。

 

使用する方々それぞれに対して有用にするには、情報収集が欠かせません。

使用試験やアンケートなどを行い、カスタマイズ性能の高いシンプルで使いやすいインターフェースを検討しています。

▼ 展開

現在「T4」は、2017年6月にリリースできるよう開発を進めています。

▼ 公開情報・表彰歴など

[ 2015/06/06 〜 2015/06/08 ]
・IEEE ICCE TW 2015 に採択され、技術発表を行いました。
Taishi Nomiyama, Naoto Sato, Kou Yamamoto, Shigeki Matsubara, Makoto Nakashima, and Takao Sugimoto (Refly Corporation), "T4: A Two-tap based User Interface System using a Touch-type Device for Motor-impaired Company Employees," Proceedings of 2015 IEEE International Conference on Consumer Electronics - Taiwan (ICCE-TW 2015), IEEE, pp.122-123, June 6, 2015.

 

[ 2016/06/08 ]
・第13回 大分県ビジネスプラングランプリ 優秀賞 受賞

 

[ 2017/02/25 ]
・第14回 日本YEGビジネスプランコンテスト 準グランプリ会長賞 受賞

 

[ 特許情報 ]
・発行国:日本国特許庁(JP)
・公報種別:公開特許公報(A)
・公開番号:特開2016-45650(P2016-45650A)
・公開日:平成28年4月4日(2016.4.4)
・発明の名称:データ入力システム、情報処理装置、情報処理プログラム及びその方法
・出願番号:特願2014-168693(P2014-168693)
・出願日:平成26年8月21日(2014.8.21)
・出願人:国立大学法人大分大学 株式会社リフライ

▼ 最後に

私たちは、福祉分野からの地域社会貢献と、社会貢献企画を進める方々を応援することを理念として活動しています。

「T4」開発も、身体障害者の職場環境改善だけでなく、今までPCを利用できなかった方がPC操作を行えるようになることで、社会進出の機会を作ることができると考えています。

「できなかったことが できるようになる」
そんな、より良い地域社会づくりを目指して頑張りますので、ご理解・ご支援を、宜しくお願いします。

株式会社リフライ 取締役副社長 杉本 孝生

 

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