[追記:ゴール達成の御礼&今後にむけて]

皆様から温かい応援をいただき、おかげさまで、プロジェクト開始3日間で目標達成いたしました。
本当にありがとうございます。

当初設定したゴールは達成いたしましたが、私どもの今回の挑戦の目的は、
一人でも多くの皆様に、泉州の桐たんすの良さを知っていただき、
日常生活の中で、大切なものを守るため、お役に立てていただくこと。

そして、伝統工芸である桐たんすを、今後も未来に残して続けていくことを目指しています。

8月28日のプロジェクト最終日まで、
少しでも多くの方々に、今回の「たんす預金専用の桐だんす」を知っていただけるよう
チャレンジしてまいります。引き続き、応援のほど、よろしくお願いいたします。

はじめに・ご挨拶

皆様はじめまして。株式会社 田中家具製作所の代表取締役 田中由紀彦と申します。

私たちは大正8年創業、今年で101年を迎える「大阪泉州・桐箪笥(きりだんす)」をお作りしている小さなこだわりの工房です( 社員10名のうち5名が現役の伝統工芸士です)。

大阪泉州の桐箪笥は、上品で優美な特徴をもちます。
絹のような美しい光沢のある上品で丁寧な仕上げと、細部にわたる職人の技から『桐箪笥の最高峰』と言われ、経済産業大臣による「伝統的工芸品」にも指定されています。

私どもは、そんな『桐箪笥の最高峰』 と呼ばれる「初音の桐箪笥」の製造元として、心を込めて、昔ながらのこだわった技法を守り桐箪笥をお作りしてきました。
江戸時代から続く、この日本独自の桐箪笥の伝統の技を、引き続き未来につなげていきたいと日々努めております。

「日本最高峰」と呼ばれる大阪泉州桐箪笥のこれまで

もともと、桐箪笥の発祥の地は大阪。

都の京都にも近く、豊臣秀吉も好んだ、きらびやかで優美で派手好みの文化を受け継いできました。特に大阪商人たちは、自分たちの衣装・財産を保管するにも「美しくて仕上げの良いものを大切に持ちたい」という思いが強くありました。そこで必要とされたのが桐箪笥でした。

そんな大阪泉州桐箪笥は、良質で厚い桐の無垢材(一枚板)を使い、重厚で優美な雰囲気が特徴です。
内部には屋外で雨にあてて自然乾燥させた透き通った光沢のある桐材を、全面には細かく木目の整った柾目を揃え、職人が細部にいたるまで丁寧にお作りして、美しく仕上げています。


きらびやかで美しい仕上げに加えて、組み手の数も多いのが特徴です。現在でも手組みにこだわりお作りしています。丈夫で実用性にも優れていたため、大阪人の衣装・財産の保管として、泉州桐箪笥は大変重宝されました。さらに江戸中期には泉州地域に大阪泉州桐箪笥の産地が形成され、発展していきました。





江戸時代から続く大阪泉州桐箪笥は今や「絶滅危惧種!?」
さらにコロナで売上が大きく下がってしまいました。

そんな脈々と続いてきた泉州桐箪笥の文化ですが、 かつて350軒近くあった泉州桐箪笥屋は、
今は6軒を残すのみとなりました。
さらにコロナの影響で、残った桐箪笥屋も大きな打撃を受けています。

大阪泉州の桐箪笥の良さや特徴を日本の多くの方々に、今 広く知っていただかないと、
このままいくと、日本で一番、品質のいい 仕上がりが美しいと言われる
大阪泉州の桐箪笥の文化は無くなってしまいます。

「今の世の中で、お客様にとって、どんな桐箪笥が良いのか?」「本物の桐箪笥とは?」
この機会に、改めて私たちは考えてみました。

300年続いた日本の伝統の技を何とか未来に残しつづけたい。
しかしそのためには、これまで桐箪笥を知らなかった方々に知っていただく機会や、
桐箪笥ならではの良さや魅力に触れていただく機会をつくる必要がある。

そこで、より身近に、みなさまの日常の中で「泉州桐箪笥」の良さを存分に味わっていただくため、
どこにも売ってない、私どもでしか作れない伝統技術で今回CAMPFIRE限定でお作りしました。

それが、今回の「3つのからくり入り・たんす預金専用桐だんす」です。

親子 何代にもわたって持ちつづける事ができる、貴方だけのこだわりの逸品です。




あなただけの大切なものを守ります!
職人が本気でつくった「3つのからくり入り・たんす預金専用桐だんす」

桐箪笥の特徴は、なんといっても「大切な貴重品をしっかりと守れる」という性能を備えているところ。
江戸時代から、着物をはじめ、日本人の大切なものを何百年と守り続けてきました。

「たんす預金」という言葉は、昔は「桐たんす預金」と呼ばれました。
それだけ桐は大切な財産や思い出の品物を守る道具だったのです。

その特徴は主に4つ。

①気密性
本当に優れた手づくりの桐たんすは、引出しや開き戸にも1mmの隙間もありません。
組み合わせる板同士に細かく切り込みを入れ、それを咬み合わせて組む「包み蟻組接(つつみありくみつぎ)」をはじめ、各種の組接ぎ技法を駆使して組み上げた箪笥は、丈夫で何十年何百年使っても歪むことはありません。
あまりの気密性の高さから、ひとつ引出しを開け閉めすると、その周りの引出しが空気圧で自然と引っ張りだされてきます。ぜひ、詳しくは下記の動画からご覧ください。




②調湿性
気密性に富んだ、本物の隙間のない桐タンスは、呼吸をしています。
空気中の湿度に応じて、桐そのものが膨張・伸縮します。そのため、湿度の高い時は膨張することで内部と外部を遮断して湿気を防いで大切なものを守り、乾燥時には伸縮して内部と外部の隙間を作って空気の入れ替えを行うなど、湿度を調整する調湿効果があります。

③防虫性
小さな虫等は、すべて酸性の性質を好みます。
しかし、唯一アルカリ性の性質を持った桐には、虫がつきにくいのです。
そのため、天然素材や自然材、紙類など虫がつきやすいものの収納には最適といえます。

④耐火性

桐は吸湿性が高く、水分を含むことで膨張して内部への熱を遮断します。そのため、他の木材に比べて燃えにくいとされています。従来の木は200度ぐらいで燃えていきますが、本物の桐の無垢材は430度になるまで燃えていきません。とてもすごい耐火性がございます。
また、板の熱伝導性も木の中で最も優れ、熱を伝えないため、昔の金庫は、内部に必ず桐の木を使用しました。桐たんすは「自ら身を焼いても中身を守る」と言われています。
(火事のときに、桐箪笥は表面が真っ黒になっていたものの「中身は全く燃えていなかった」とも言われています)


私どもの工房での検証です、かんなくずの中に桐箱をいれて火を付けました。


45分間 燃やし続けました。

桐箱の中に入れていたアイスクリームがとけただけです。まさに「身を焼いて中身を救う」のです。


そんな優れた性能をたくさん持つ桐箪笥ですが、今、本物の桐箪笥がなくなりつつあります。

中国産の桐シート貼りの日本の桐箪笥や中国製の桐箪笥では、その性能はございません。


また、住宅事情やライフスタイルが変わる中で、
「桐だんすは大きくて置けない」「着物がないからいらない」
「婚礼家具はいらない」などの声を多く聞いてきました。

でも、違うんです。

確かに、桐だんすは着物を保管するものという認識が多くあります。
しかし、着物専用ではありません。
婚礼家具専用でもありません。

その機能性、そして耐久性から、より貴重なものを、貴重なタイミングで守るために使われてきただけなんです。
そこで、この桐だんすの良さを現代の住宅事情やライフスタイルに合わせた展開ができないかと考え、今回の開発に取り掛かりました。

それが、今回おつくりする「3つのからくり入り・たんす預金専用桐だんす」 です。

普段は身近にたんすをお持ちでない方も、
「たんす預金」という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

そもそも日本では、30兆からから80兆円が自宅に保管されている、まさに「たんす預金」が文化として古くからおこなわれてきた国。
また、昨今の新型コロナウィルスの影響下で経済状況も不安定な中、非常時にすぐに使えるように、現金主義に切り替えている方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん現金以外にも通帳や書類関係、大切な思い出の品など、
あなただけの大切なものを日本伝統の技の詰まった桐箪笥が、しっかりと守ります。

また、昨今では住宅自体が狭くなりライフスタイルが欧米化する中で、桐箪笥そのものはなかなかご自宅に置きにくいという声もいただきます。
そこで、クローゼットにもしまえるコンパクト性を備えて、より手軽に、より身近に、あなただけの大切なものを守っていただけるようなサイズにしました。

皆さんの暮らしの中で、日本伝統の桐箪笥が、あなただけの大切な思い出の品や貴重品を
何十年、何百年にわたり、しっかりと保管いたします。


日本伝統のからくり細工も、お楽しみください。
匠の技を活かした「3つのからくり入り・たんす預金専用桐だんす」

大切なものをよりしっかりと守るため、盗難防止用に、江戸時代から伝統の匠の技としてからくり細工入りの桐箪笥も作られてきました。
シンプルなたたずまいの中に、実は様々な工夫を凝らした仕掛けのある、桐のからくり箪笥。

今回は、そんなワクワクするような仕掛けをこらした3つのからくり細工付きです。(忍び錠・忍び箱・隠し箱)
持ち主でないと絶対に分からない手順で、箪笥の内部をパズルのように操作することで、中に隠れた忍び錠を開け、忍び箱を見つけ、隠し箱を開けることができます。
(からくり細工の外し方は、製品発送時に説明書を入れてオーナー様に特別にお伝えします。)

本体は、焼き切り仕上げの桐の無垢の一枚板を使用。
各部の組手は、一度組むと外れない丈夫な手組み蟻組です。

ぜひ、江戸時代から続く伝統の技を体感していただけましたら幸いです。


最後に

新型コロナウイルスの影響が続く中、これまで当たり前だった日常も大きく変わりつつあります。
自粛期間を経て、改めて「自分にとって大切なものは何か」を見つめ直す機会を、持たれた方も多いのではないでしょうか。
私たち田中家具製作所は、日本伝統の桐箪笥を通して、みなさまの大切なものをしっかりと未来につなげるお手伝いをさせていただきたいと考えております。

また、それを通して、日本伝統品である大阪泉州桐箪笥自体も、これからの世の中に合わせて発信していき、未来に残し続けていきたいと考えております。

今回のプロジェクトを通して、「大阪泉州の桐箪笥」という一つの伝統工芸品を知っていただき、みなさまの日常生活の中でお役に立てていただくことができましたら、こんなに嬉しいことはございません。
どうか、皆様からのご支援を心よりお願い申し上げます。


※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2020/08/30 15:04

    年々桐のたんすに対する関心が薄れゆく現代で、新型コロナウイルスの影響を受けて私どもの手づくりの桐たんすも販売先の休業により注文が減ってしまいました。そんな中、クラウドファンティングで広く大阪の泉州の桐たんすの事を知ってもらい、その伝統を引き継いでいけるよう、皆様のご支援をお願いいたしました。す...

  • 2020/08/27 11:21

    今回 私どもの大阪の泉州の桐たんすの窮状をお伝えさせていただきましたが、明日 最終日を迎えるにあたり、共感いただける支援者様がございまして、とても有難く存じます。大阪の泉州の桐箪笥は、大阪(関西)人の厳しい目により鍛えられ桐箪笥の最高峰として、桐の柾目の使い方や組手が細かな手組み仕上げ、そのタ...

  • 2020/08/26 18:01

    クラウドファンディングも残り数日となりました。御支援者の方には本当に感謝しております。プロジェクトにも多くの方にお気に入りをしていただきキャンプファイヤーをご覧の皆様には今回のプロジェクト内容をご理解して頂けたと思います。新しい時代にこの泉州の桐たんすが日本に残っていくようにまだまだ皆様にその...

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