本笠寺駅前のビルがまるまる空いてしまった!

 

 

奈良時代建立の尾張四観音の一つ笠寺観音の門前町として発展してきた笠寺観音商店街。全盛の昭和30年代、40年代には、歩くのも大変なくらいの賑わいだったと街の長老たちは懐かしそうに語ります。当時のメイン交通は、鉄道と市電。名鉄と市電の乗り継ぎ駅でもあった笠寺は、名古屋南部の人と人が行き交う場でした。

 

 

その後、自動車の普及化とともに、賑わっていた商店街も年を追う毎にその輝きを失っていきました。次の世代も商店街を離れ、店主の高齢化が進む中で、商店街が消滅してしまうのも時間の問題だと誰もが感じていました。名鉄本笠寺駅前の「笠寺の街」ビルも、全館一杯だったスナックが1つ減り2つ減り、ついに昨年の秋ゴーストビルになってしまったのです。かつて街の顔として凜として立っていた姿も、落日の商店街を象徴することになってしまいました。

  

下町の暖かさを味わえるビルとしての再生の道を!

ちょうどそんな時、名古屋市の施策の一つで空き店舗のリノベーション事業をスタートさせるとの話を耳にしました。

もし落日の象徴となってしまった駅前のビルを“集いの場”として復活させることが出来たら、笠寺商店街全体も活気づけることができるようになるのではないか。ふとそんなアイディアが私の心に浮かんだのです。すがる思いでリノベーション事業に立候補したところ、3つしか選ばれない枠の中の1つとして、なんと“落日のシンボル”が選ばれたのです!

 

その日から、私たちは、商店街の活気を取り戻すには、どんなビルにしたら良いのか、あれこれ考えました。そこで思いついたのは、“夢をもった人たちを応援する”という考えでした。この街には、下町の人情が代々培われており、それは何物にも代えがたい価値があります。この人情を生かして、“夢をもった人たちを応援する”。夢のある元気な人たちがこのビルで活動してもらうことで、商店街に元気をもたらせてくれるのではないかと思ったのです。人を応援することで、人は元気になるはずです。

 

そうしたことから、ビルのリノベーションの目玉として、将来お店をも開きたい、お店を開く資金はないがお店をもちたい、そんな夢をもったシェフを募集し、そのシェフたちに日替わりでお店を開いてもらうシェアキッチンに行きつきました。夢をもったシェフたちの夢が叶うようお客さんが育てていくお店です。私たちはその場を提供することで、商店街に活気を取り戻す一端になるのではないかと思いました。そして、私たち商店街の人たちや、笠寺に通う人たちの“集いの場”のを復活させることが出来るのではないかと思ったのです。

 

強い思いで夢を実現させる仲間が集結! 

夢をみることで私自身も元気になってきたのですが、そんなことのつかの間、たちまち現実問題が目の前に立ちはだかりました。“落日のシンボル”を復活させるという夢を信じて手を挙げてくれる人は簡単には現れませんでした。そもそもそんなことが出来るのであれば、“集いの場”は、ゴーストビルになったりはしないと。ただでさえ先行きが不透明な社会情勢の中で、「敢えてこの商店街で危険な挑戦をしなくても…」というのはもっともな考えでした。そして、そのまま時間は過ぎ、事業を立ち上げる決断をしないと間に合わない最終段階まできてしまいました。

 

そんなとき、救世主たちは現れたのです。そのメンバーは、1人はノリと肝の座り具合がウリの地元出身の建築家。1人は頼まれたら断れないお人好しな不動産屋。1人は心優し過ぎるビルのオーナー。1人は笠寺のミツバチ達を我が子のように愛する主婦。1人はこのプロジェクトを名古屋市に応募した私です。

 

 

衰退化するまちの希望に光になりたい!

夢を実現させる強力なメンバーが揃い、ようやく実現に向けて歩み始めたと思った矢先、具体的に計画を実行していく中で、新たな問題が目の前に現れました。ビルは思っていたより老朽化が進んでおり、撤去工事を始めるやいなや次から次へと欠陥が見つかっていったのです。その欠陥を修復するなど、予期せぬ出費が重なり、当初の予算案より大幅に費用がかかることが分かってきました。このままでは、事業が頓挫してしまう。


 

そんな危惧から、今回、私たちは、クラウドファンディングで支援を募ることを決意しました。きっと私と同じように、夢を追う人たちを応援したい。下町の人情を愛してやまない。そんな方々が多くいらっしゃるのではないかと思ったのです。

 

「笠寺の街ビル」はこんなビルになります!

たくさんの思いの詰まった「笠寺の街ビル」のプランニングは進んでおり、みんなの夢が詰まったものとなっています。その一部をご紹介いたします。

 

半地下階部分は日替わりシェフによるシェアキッチン「かさでらのまち食堂」。

 

1階、2階は民泊として、街の外からいらっしゃる方を受け入れます。

※写真はイメージです。 

 

3階は屋上の住民である笠寺のミツバチたちが集めてきた地産のハチミツをスウィーツに変えるレンタルキッチン「はにーずキッチンラボ」。

 

人もミツバチを始めとした生き物まで、多くの人たちが運営者としてもお客さんとしても関われるものにしたかった結果、再生プランはこのようになりました。

 

特段のこだわりは食堂の真ん中に置かれた大きなテーブル。これは、"集いの場"として、シェフとお客さん、お客さん同士がひとつの家族のようになって食事ができることを狙ってのデザイン。お年寄りの多いこの街で孤独な人を作らない、民泊に宿泊する世界中の人たちにもこの笠寺をふるさとのように感じてもらいたい、そんなことが詰まった大テーブルです。

 

*店舗アクセス

愛知県名古屋市南区前浜通7-32-2

名鉄名古屋本線「本笠寺駅」徒歩1分

 

 

事業として成立させ、長く愛されるビルにしたい! 

自分たちがワクワクを感じた夢ならきっと共感してくれる人はきっとたくさんいるはず。クラウドファンディングでは、プランを実現するための資金を集めるだけではなくて、この夢を多くの人たちと共有することも大きな目標。このワクワク感とその実現した時の達成感をみなさんと一緒に味わいたい。

 

 観音建立から1200年を越える時間を積み重ねてきた笠寺の街が、新たな時を刻み始めるターニングポイントとしての「かさでらのまちビル」再生プロジェクトにぜひご参加ください。

 

リターンとご支援の使い道

リターンは、再生プランを中身を少しずつでも味わってもらうことができる内容を考えました。

●リターン一覧(アイコン別)

5千円以上では、食堂の壁にお好きなアルファベットのワードを印字するMy word掲載を用意しました。支援時に必ず備考欄にご希望のMy word(アルファベット20文字以内)をご記入ください。

3万円以上にお付けしているプロジェクトブックは、プロジェクトの記録を本にまとめたもので、図面、コンセプト、施工記録、写真などを掲載予定です。

1万円と3万円は、リターンのメイン商品によって食堂応援、民泊応援、ミツバチプロジェクト応援の3コースを設けました。

5万円以上は、個人様向けと企業・団体様向けのコースを設けました。個人様向けは長く定期的なお昼の利用、企業・団体様向けは社食としての利用を想定しました。

シフォンケーキ交換券のシフォンケーキ(18cm)は、同ビルの屋上で採れたハチミツを使ったものです。交換の際には予約が必要です。

はちみつ搾り体験は、ミツバチ達が笠寺で集めてきたハチミツを遠心分離機を使って搾る作業を体験していただきます。はにーずキッチンラボにて、その場で搾りたてのはちみつの試食も合わせてお楽しみいただけます。日程はご支援いただきました皆様に決まり次第ご連絡いたします。(年数回開始亜のうちの1回。所要時間30分~1時間程度)

新シェフ試食パーティ券は、半年に1回程度開催する新シェフの試食パーティの招待券です。かさでらのまち食堂にて、複数のシェフによる選りすぐりの逸品をご試食いただけます。(1時間程度)4月21日中までにお申し込みいただけた場合には、5月1日のオープンに先立ち4月27日から30日まで開催する、プレオープンパーティの招待券となります。それ以降の日程はご支援いただきました皆様に決まり次第ご連絡いたします。

ドミトリーグループ利用券は、民泊施設のうち同ビル1階の4人部屋(シャワー、ベッド完備)を貸切にて1泊ご利用いただけます。忘年会などのパーティルームとしてもご利用いただけます。

各種チケットの有効期限は、2019年5月1日より2年間となります。

 

*資金の使い道

・集まった支援金は、総額1,800万円まで膨らんでしまった改装費に使わせていただきます。

 

最後に

観音建立から1200年を越える時間を積み重ねてきた笠寺の街が新たな時を刻み始めるターニングポイントとして、この再生プロジェクトを捉えています。商店街がこれまでの売買をする場所から、壊れかけてしまったコミュニティを紡ぎ直す場所として、地域の期待に応えていくことが求められています。しかし、そこには数々のリスクがあり先行きも不透明です。それでもいつまでも恐れていては、衰退のトレンドから抜け出すことができません。1人の力でこのハードルを乗り越えることは大変なことですが、多くの人が少しずつ力を出し合うことで、必ず乗り越えられると思っています。

 

「かさでらのまちビル」再生プロジェクトを実現させる為にぜひ力をお貸しください!


 


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