「あぶらえの五平餅を出すお店が、ほとんどのなってまったんやさ......」


昔は飛騨のいたるところで「あぶらえ」の五平餅が売られていましたが、今やそのほとんどが「あぶらえ」ではなく「ゴマ」「味噌」などに変わってしまったことをご存知でしょうか?

 

一体なぜなのでしょうか。


飛騨の「あぶらえ」文化が消滅の危機


飛騨の伝統食「あぶらえ」。

 

「あぶらえ」とは、昨今の健康ブームで話題になったえごま油の「えごま」のこと。

飛騨では古くから「えごま」を「あぶらえ」と呼び、油ではなく実を食してきました。

 

すりつぶしたあぶらえはとても香り高く、素朴な味の中にも独特のコクが感じられます。

おイモやほうれん草に和えたり、タレとして五平餅やお餅に付けるなど、飛騨では身近な食材として愛されてきました。

 

 

飛騨人の生活の、日常に存在したあぶらえ。そんな当たり前の景色が、あぶらえの味が、現在消滅の危機にあります。

あぶらえ(えごま)を食べる文化は、全国でも少数地域に限られています。飛騨の家庭の食卓が「あぶらえ文化」の最前線なのです。 

 

このプロジェクトは、飛騨のあぶらえ「文化」を復興し、普及させ、後世に継承していくための小さな一歩です。

あぶらえを愛するすべての人に届きますように……。ぜひご一読いただければ幸いです!


あぶらえを栽培するために、飛騨高山へUターン


皆さんこんにちは。市民団体「あぶらえばたけ」代表のたぐちよしひろと申します。

 

 

2017年に東京から飛騨高山にUターンして、ウェブデザイン業を営む傍ら、あぶらえ栽培に挑戦しています。

“半農半IT” を目指して、慣れない農業に奮闘中です。

 

(↑高山市国府町で栽培するあぶらえ畑)

 

飛騨高山で生まれたは、小さな頃からあぶらえ料理を食べて育ち、特にあぶらえの五平餅が大好きでした。

18歳で上京してからもあぶらえの味忘れられず、東京と高山を往復するたびにあぶらえの五平餅をまとめ買いしたり、実家から定期的にあぶらえのタレを送ってもらったり

 

にとって故郷、飛騨高山に想いを馳せる瞬間はあぶらえの味でした。 

 

(↑高山駅前にある五平餅屋さん)

 

そんなある日、五平餅屋さんを営むおばあちゃんと世間話をする中で、衝撃の一言を聞きます。

 

「あぶらえの五平餅を出すお店が、ほとんどのなってまったんやさ......」

 

昔は飛騨高山のいたるところであぶらえの五平餅が食べられていたはずですが、今や多くのお店がより安価で手軽なゴマ・味噌などの五平餅に変わってしまっていたのです。

 

「このままでは大好きなあぶらえの五平餅が消えてしまう。何か自分にできることはないだろうか......?」

 

家庭菜園もかじったことのないど素人のでしたが、悩んだ末にあぶらえの栽培を始めることを決意し、東京と飛騨の二拠点生活を開始。

 


(↑はたけ近くの民芸店「やわい屋」にて)

 

やがて、家族を連れて飛騨高山にUターンし、本格的にあぶらえの栽培・普及活動に取り組んでいくことになりました。


あぶらえが消えつつある理由 


あぶらえが地元の食文化として廃れつつある現状には、多くの課題があります。

 

【生産者側の課題】

・あぶらえ農家が高齢化や引退で減少している

栽培、特に洗浄・選別に手間がかかってしまう

・栽培の機械化・省力化がほとんど進んでいない

 

【消費者側の課題】

・日常的にあぶらえを食べる習慣が薄れている

・あぶらえを使った料理の仕方がわからない

・似たような料理ばかりで新しい食べ方がない

 

(スーパーなどでよく見かけるえごま油は、そのほとんどが中国産・韓国産の大量生産されたもので、国産のほうが成分・品質が良いと言われています。)

 

 

【生産者側の課題】に対しては自身があぶらえ栽培を始めたり、地域の子どもたちに苗植え・収穫体験の機会をつくるなど、小さいながらもアクションを起こしてきました。 

 

しかし、【消費者側の課題】に対してはいままでアプローチできずにいました。

 

自身がそうでしたが、20代から40代の世代はあぶらえの調理法を知りません。

実の状態からどうやってタレにするのか?日々の家庭料理でどう使ったら美味しいのか?

 

たまに見かけても昔ながらの食べ方ばかりで、新しい現代風の食べ方が生み出されていない。

そんな現状見えてきました。


あぶらえの「文化」を創りたい


そこで始めたのが、あぶらえの新しいレシピ開発です。

 

現在、飛騨の色々な料理人たちとコラボさせていただき、あぶらえの新しい食べ方を提案するレシピを月刊『BLESS』にて毎月連載しています。

 

ありがたいことに、多くの料理人のご協力のもと様々なあぶらえレシピの開発が進んでいます。

今回のプロジェクトは、このあぶらえレシピの連載をベースに、本としてひとつの形に残すことです。 

 

本の内容は、新しい「創作料理」に加えて、昔ながらの「郷土料理」も多数ご紹介する予定です。

レシピだけでなく、五平餅店の紹介や家庭菜園の方法なども掲載し、この一冊であぶらえの全てが分かる──そんな書籍を目指して、編集を進めていきます。

 

さらに、「国立国会図書館」にも納本して、飛騨のあぶらえ文化を半永久的に保存する一大プロジェクトです。


ご支援が必要な背景


完成した本は、飛騨の書店に置いていただくほか、共感してくださる小売店での販売も検討しています。 

製本は1,000部の予定ですが、大きな流通販路はありませんので、地道に広めて行くつもりです

 

また、費用については全額自費出版となり、営利を目的としておりません。

そこで、この想いに共感いただける皆さまに、FAAVOを通してご協力いただきたいです!

 

今回のクラウドファンディングの目標額は【50万円】です。

いただいた支援金は、以下の費用の一部に充てる予定です。

 

印刷費 40万円

撮影費 35万円

編集費 30万円

デザイン費 30万円

広告宣伝費 20万円

送料・手数料 15万円

謝礼・諸経費 30万円

─────────

支出計 約200万円


支援者には自家製「あぶらえの実」をお送りします


 

支援者への返礼品は、完成したレシピ本に加えて、私の生産した自家製「あぶらえの実」をお届けします

じっくり眺めて、味わっていただけたら嬉しいです。届いたレシピ本を見ながらすぐにあぶらえ料理を作ることもできます。

※返礼品はコース選択によって変わります。

 

(また、事業者の皆さまには、飛騨の食文化を応援する会社としてロゴを掲載する枠や、えごま関連の商品を書籍内で紹介させていただく枠もご用意しておりますので、ぜひご活用ください。)

 

レシピ本の完成は、【2020年秋】の予定です。


100年後の飛騨地方にも残したい


もちろん、レシピ本の出版で完結するプロジェクトではありません。

解決すべき課題はまだまだたくさんあります。

 

出来上がった本を起点としてイベントを開催するなど、新たな展開も構想中です。

あぶらえを復興・継承するプロジェクトは始まったばかりです。

 

(↑ 岐阜駅「THE GIFTS SHOP」イベントにてあぶらえを伝道する起案者)

 

最後に、は飛騨高山に生まれ、あぶらえの五平餅で育ち、あぶらえのおはぎをおやつに食べ、あぶらえのお餅でお正月を過ごしました。

 

あぶらえで歯を真っ黒に染めて笑う子どもたちの姿を、未来の飛騨地方にも残したいのです。

 

あぶらえを愛する皆さま、飛騨を愛する皆さま、どうかお力添えください!

 


協力


連載協力:月刊BLESS

レシピ協力:飛騨の料理人(上記の通り)

撮影協力:フレッシュラボ高山

ファンディング協力:飛騨信用組合


お問い合わせ先


市民団体「あぶらえばたけ」

→ 公式LINE

→ Facebook

→ ホームページ(メール)

TEL: 0577-70-8243 (HIDA NET オフィス内)

 

現金での支援をご希望される場合は、いちど上記のお問い合わせ先にご連絡ください。

 

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