下赤阪棚田保全のこれまでの取組み

 はじめまして、「下赤阪棚田の会」の会長をしております、千福清英です。


 

 千早赤阪村は、大阪府の南東部の人口約5,400 人の大阪府唯一の村です。

村の主要産業は農林業で、棚田の歴史は非常に古く、「太平記」には、「かの赤坂の城と申すは、東一方こそ山田の畔重々に高くして」と記されており、歴史的にも大変貴重な棚田であると考えられています。

 12月より新たに下赤阪の棚田の四季の写真やドローンによる映像をまとめた動画を以下のURLで公開していますので、ぜひご覧いただければと思います。

http://www1.odn.ne.jp/afn-minamikawach/shimoakasaka_tanada/

 

 近年、農業従事者の高齢化や後継者不足の中で、厳しい地形特性を持つ棚田の維持管理が難しく、耕作放棄地の増加が目立ってきています。そのような中、平成11年7月に、農林水産省による「日本の棚田百選」に、「下赤阪の棚田」が選ばれたことを契機に棚田保全の機運が高まり、平成11 年に地元農家で構成する「下赤阪棚田の会」を結成しました。

 

 現在、府や村の協力を得て、都市住民による「棚田ふるさとファンクラブ」とともに休耕田を活用して、ジャガイモやサツマイモの植付け・収穫やコスモスの植付け等の保全活動を行い交流を深めています。

また、棚田の担い手不足、高齢化問題を解消する目的で、平成25年から3年間開講した「大人の棚田塾」で米作りを学んだ塾生が地元農家と共に棚田を守っています。

 

▲保全活動の様子

 

イノシシの食害被害を地区一体で防止したい

 下赤阪の棚田は金剛山系の中山間地を利用して形成されています。地形は急峻でひとつひとつの田んぼの大きさが小さいため、大型の農業機械が利用できず非常に手間がかかります。ここでは小さな機械を入れることも大変です。

自然豊かで棚田に入る農業用水の水質が良いなどのメリットもあるのですが、山に近い立地条件から平地の農地に比べ、イノシシの食害を受けやすい環境にあります。

 

▲イノシシによる踏み荒らし

 

 これまで、個々の農家でイノシシ対策を講じてきましたが、ある農地の対策を強固にすると、対策が弱い農地が被害を受けるといったイタチゴッコが続いています。

イノシシ被害にあうと「作物をつくってもどうせ食べられてしまう」と農家の意欲が下がります。それを防ぐためにも、外周に獣害柵を張り巡らせる地区一体となったハード対策が必要だと考えています。

 

▲電気柵での対策が急務です。

 

棚田を次の世代に引き継ぎたい

 最近怪我をされて営農を続けることができなくなった人、ご高齢で今年から営農されていない人、田植えはされたがご高齢でご家族に棚田での作業を止められ来年度からの植付けの予定はない人が出てきました。

 

▲棚田を維持するには、通常の田んぼよりも体力が必要です。 

 

 長年耕作されず、遊休農地となってしまえば、畦畔もやがてなくなり、のり崩れがおきて水がためられなくなります。いったんこうなると元の棚田に戻すのは大変難しいことです。

今年8月に農業を核に村の魅力向上を目指す府・村の共同プロジェクトが始動しました。

私たちも下赤阪棚田を次の世代に引き継ぐべく棚田での営農や保全活動を活性化したいと思います。

そのためには皆様の力を借りてイノシシ対策を進める必要があると考えています。

 


▲このような美しい棚田を守っていきたいです。

 

千早赤阪村ってどこ?

千早赤阪村は大阪府の南東部に位置する面積37.38平方キロメートル、人口約5,400 人の大阪府唯一の村です。主要産業は農林業で、水稲を中心に丘陵地形を活かして温州みかんが栽培されています。

 

 

村の約80%を森林が占め、村内には金剛生駒紀泉国定公園最高峰の金剛山(標高1,125m)があり、四季をとおして多くの観光客が訪れます。南北朝時代の名将楠木正成の生誕地として多くの史跡が残っており自然と歴史資源に恵まれた村です。

 

 

▲早乙女による田植えの様子。毎年イベントを行っています!

 

今後のスケジュール

1月 獣害防止柵設置個所 調整会議

   資材購入

6月 獣害防止柵設置

 

集まった支援の用途とその内訳

・獣害防止柵(電気柵)ソーラーパネル式電気柵(9,600V) 約26万円

・返礼品費用 約14万円

・FAAVO手数料 10万円

     計50万円

 

さいごに

 先代から受け継がれてきた棚田は、日本の農村の原風景を変わらず維持しているとともに、現在は、都市住民との貴重な交流の場となっています。地域の宝であるこの下赤阪の棚田を今後も良好に保全し、次世代に引き継いでいきたいと考えております。皆様、どうかご協力の程よろしくお願いします。

 

 

応援コメント

千早赤阪村は大阪府内唯一の村で、金剛山や下赤阪の棚田など豊かな自然景観や、南北朝時代の武将、楠木正成ゆかりの史跡がたくさんあります。

下赤阪の棚田は楠木正成の築いた下赤坂城の城跡付近に広がる棚田で、平成11年に日本の棚田百選に選定されました。

下赤阪棚田の会は、日本の棚田百選に選定されたことを機に地権者の農家で設立され、村は事務局として参画しています。今回、村と大阪府が共同で取り組む「千早赤阪村農の活性化プロジェクト」の一環として、クラウドファンディングに挑戦することとなりました。美しい日本古来の田園風景である下赤阪の棚田の保全活動に、皆さまのご協力をお願いいたします。

千早赤阪村 村長 松本昌親氏

 

お返しにご協力いただいた皆様

・まつまさ有限会社

棚田の米粉を使った千早赤阪村のご当地スイーツ「棚田米プリン」と金剛山の伏流水、伝統の製法で先祖から受け継ぐ最高の豆腐をご賞味あれ。

 

 住所:千早赤阪村千早950

 TEL:0721-74-0015

 

・トマトハウス

ショートケーキなどポピュラーなスイーツをはじめ、金剛山系から湧出る「行者の湧水」を使った食パン、棚田の米粉を使ったご当地スイーツ「棚田米ぷちケーキ」が大人気。

 

 住所:千早赤阪村小吹68-265

 TEL:0721-72-7689

   

・ラスク工房bloom

ラスクのためだけに焼き上げたソフトフランスパンのサクサク食感と、国産バターをふんだんに使用した、限りなく無添加にこだわった新食感のラスクです。

 住所:千早赤阪村小吹25-1

 TEL:0721-72-7761

 

・大阪府森林組合 南河内支店

 植林や間伐などの森林造成事業や木材の素材生産事業、シイタケや薪・炭といった林産物販売はもちろんのこと、環境林業 都市型林業を目標に掲げ、森林リサイクル事業や森林土木事業、府内産木材の販売・加工事業と建築事業、緑化事業という新しい事業を展開し、さまざまな分野へ挑戦しています。

 

 住所:河内長野市高向1818-1

 TEL:0721-63-0850

 

起案者情報

【団体名】下赤阪棚田の会

【代表者】会長 千福清英

【棚田について】

http://www.vill.chihayaakasaka.osaka.jp/kankouannai-4/tanada-1.html

http://www.pref.osaka.lg.jp/nosei_seibi/katudou/tanadahurusatofan.html

  • 2017/12/04 18:11

    下赤阪の棚田は、四季折々に様々な景色を見せてくれます。 そんな棚田の画像やドローンで撮影した映像を動画にまとめました! 特にドローン映像(空中散歩編)では普段見ることのできないアングルから棚田の景色を楽しんでいただけます。 以下のURLからぜひご覧ください。 http://www1.o...

  • 2017/12/04 18:10

    落ちなかった城 千早城にちなんだ兵糧米の発送が1月上旬に早まりました! 鎌倉幕府軍 約11万の軍勢に対し、約800人の手勢とともに籠城した南北朝時代の名将楠木正成公。 このとき落城しなかった(不落の)千早城にちなむ「正成公御兵糧米」は、受験や就職活動での縁起物として人気です。 この縁起物...