みなさん、はじめまして。

滋賀県の湖南・栗東市から、湖北・米原市の『伊吹山』のふもとに米原市の地域協力隊として約2年前に移住し、ガラス工芸を営む林 和浩(はやし かずひろ)と申します。

ガラスとの出会い

今から14年前に近畿大学建築科を卒業すると同時に、

たまたま出逢ったひとつのガラス作品に心を奪われ、全く経験のないガラスの世界へと飛び込みました。

  

 〈初めに出逢ったBob Snodgrass氏の作品〉

 

ガラスを学ぶために単身向かった先はアメリカのオレゴン州にあるユージンでした。

ガラス工芸に携わって生活している人が多い町です。


その街で暮らす一人のガラス作家のもとで、3ヵ月間キャンピングカーで生活しながらガラスの技術や知識を教わりました。

 

〈修行していたトレーラーハウス〉

 

帰国後は、地元である栗東市の自宅倉庫を、日曜大工で自分なりにガラス工房へと改装し、日々ガラスの制作に打ち込みました。

 

出来上がった作品は、始めのうちは日本各地で開催されているクラフトフェアなどに出店して販売していました。

 

その中で、たくさんの人々に出会い、縁に恵まれ、全国の雑貨店や美容院などのショップに商品として卸すようになってきました。

 

広島や京都や大阪、ニューヨークでも個展を開催しました。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

ガラスを始めて10年が過ぎたころ、滋賀県にあるMIHO MUSEUMやヤンマーミュージアムなどから展示や制作を依頼される機会もあったり、僕のやっているガラスの手法であるバーナーワークの教本に作品が掲載されるようになりました。

 

そんな中、僕にも家族ができ、子供が生まれ、この先の「ものづくり」と「家族との時間」について深く考えるようになりました。

「これからはどのような環境で過ごしていくのが自分たちにあっているのだろうか?」 

選んだのは建設や人口増加で発展しつづける場所よりも、自然の美しさが溢れる環境でした。

そして2016年春、伊吹山のふもと豊かな四季を織りなす米原市伊吹に移住し、ここにガラス工房を作ることを決意しました。

 

〈伊吹山とそばの花〉

「ものづくりを生業とすること」

今の時代、ものづくりを生業とし、生きてゆくのは難しいのでしょうか?

 

それともネットや SNS の普及や時代の変化で、選択肢や手段が増え、便利で誰にでも夢を抱けるようになったのでしょうか?

 

僕は 14 年間ものづくりをし、生きてこれた事。

そして今の感覚を信じています。

 

これまでに経験してきた事、成功や失敗の全てが積み重なり、自分の中にいま大きな土台ができ始めてるように感じます。

 

ものづくりという生業を地域に、くらしに、顔をあわせてより「まっすぐ素直に伝えたい」と思っています。 

 

「みんなが集い、楽しめる体験工房をつくりたい」

いま僕が生活しているのは伊吹山の麓にある築120年の古民家。

土間にはおくどさんが当時の姿そのまま残り、庭には梅や桜が咲き、背景には伊吹山が眺められます。

 

一目見た瞬間、「ここでガラスがやりたい」と思い、みるみるうちに僕の頭の中に夢が広がり始めました。

 

 

10年間空き家だったこの家の改修工事は、大工さんやプロに頼むのではなく、時間がかかってもいいから「この場所」を自分の手で蘇らせたくなったのです。


まずは土間にテントを張り、3ヶ月。

 

 

 〈3か月の土間でのテント暮らし〉

 

いるもの、いらないものを見極め、片付けていく。

こうして家の隅から隅まで掃除をしてると、だんだんとこの家の歴史が見えてくるのがおもしろいところです。

次第に片付き、ひとつひとつが綺麗になっていくこの作業は自分にとって希望や夢が膨らんでいく時間でした。

 

〈まずは中身を空っぽに〉 

 

〈元あった家財道具の搬出と撤去作業〉

  

幸運にも地元の方のご協力で、改修工事に使う木材はすべて米原産の杉とひのきを使用することができました。

電気工事だけは友人に頼み、それ以外の大工仕事や煙突工事、漆喰やセメント工事などの左官はすべて自分で行いました。

 

 〈風合いの良い廃材や古材も利用しました〉

  

 

〈自分の作ったガラスとタイルを合わせて〉

 

〈風呂場のタイル貼り〉

 


 

〈キッチンのタイル貼り〉

 

〈良い風の通るキッチン〉

 

 

〈子供部屋に設置する薪ストーブの準備〉

 

「この家の持つ良さや雰囲気を残しつつ、自分の感性とみんなが楽しめるような要素を織り交ぜたい」。

 

そんな気持ちでした。

 

半年が経ったころ、1階の改装がほぼ終わり、家族と一緒に生活しはじめる事ができました。

 

 

 

〈米原産の杉とひのきを使って〉

 

〈土間にもストーブを入れました〉

 

 

生活も落ち着きはじめると今度はガラスの作業場づくりにとりかかりました。

 

場所は家の隣にある蔵と決めていました。

こちらは家よりも状態は悪く、荷物もいっぱい。

小さいスペースながらも時間がかかってしまいました。

 

 

〈10年以上のホコリとチリ〉

  

<子供たちも漆喰塗り手伝ってくれました>

 

 

 〈蔵の壁を塗り終えたところ〉

 

この期間は一気に工事を進めた訳ではなく、時間をみつけては少しずつ少しずつ進めていきました。

それでも気づけば、自分にあった高さの作業台や照明の位置、静かに集中できる空間へと移り変わり、今ではちょうど良いサイズ感のガラス工房として生まれ変わりました。

 

   

 

「暮らしの場」と「仕事場」をつくり、

そして、いま僕はここからさらなる飛躍と夢を抱いています。

 

訪れた人が「くつろぎ、楽しむ場」をつくりたい。

これから僕が作っていきたいのは、ガラスを通して、人が「くつろぎ、楽しむ場」です。

 

来た時は当時の面影はなかったのですが、昔この家の2階では蚕の養殖をされていたそうです。

むき出しの梁の美しさや、暖かみの残る雰囲気に、とてもわくわくするものを感じる空間でした。

 

まだ活用しきれていない、この2階のワンフロアーすべてを使って

ガラス体験工房にリノベーションしたいと考えるようになりました。 

 

〈掃除をした段階の2 階〉

 

〈養蚕場の跡〉

 

〈床板を張る前〉

 

〈壁は再度補強し、漆喰を塗りました〉

 

〈天井、壁、床すべてに断熱材を〉

 

〈床は張り直して無垢のフローリングに〉

 

〈2階の半面の床と天井が終わりました〉 

 

現在は、半分くらいまで床・天井・壁の改修工事が終わりましたがまだ窓や電気や階段がなく、これからも引き続き工事をしていきたいと思っています。

 

磨くたびにつややかに光る梁や大黒柱は本当に立派で美しく、やり遂げれば必ずよい空間になると確信しています。

 

 

 

また季節の良い日には、敷地内に広がる庭での野外ガラス体験も予定しています。

時には食事も交えながら、目一杯この環境を楽しんでいただけたらと思います。

 

 〈夏の美しい星空を眺めながら〉

 

 

手づくりしたものには、単に買っただけのものにはない個性や自分だけの愛着が生まれます。

 

裏手に広がるのは古来から薬草の豊かな山として名高い伊吹山。

 

豊かな自然と美味しい空気につつまれながら、訪れた方々が時間を忘れてものづくりに熱中できる。

そんな場所にしたいと思います。

そして、ものづくりのことやこのまちのこと。楽しみながら語らうコミュニケーションの場になれればと思います。

 

 

 

 

 

ガラス体験工房の詳細

■場所: 米原市伊吹648 番地

■オープン予定:2019年3月中にオープン予定

■スペース:常時6 名までがガラス体験できるスペースに改修します。

 

また、体験工房とあわせてこれまで制作した作品と、これからも増えていく作品の展示するギャラリースペースも設置します。

 

体験工房と合わせると 20 名くらいの方が利用できるスペースにする予定です。

■ご支援いただいた支援金の用途

<内訳> 

内装、電気工事費(材料含む):50 万円

工房設備費(工具、ガラス材料、照明、机/ イス/ 棚などの什器):50 万円

合 計:100 万 円

■スケジュール

施工開始 2018 年6 月

完成予定 2019 年3 月

 〝クラフトマンによるクラフトマンのためのクラフトフェア〟を開催

ガラスだけでなく、木工や陶芸、衣服をはじめ、米や野菜といった農産物など人の手によって丹精込めて作られたものは今どこで販売されるのでしょうか?

 

作り手が選択する販路や方法は年々変化し、そのスピードは速くなる一方に感じます。

SNS やネットの普及で便利になり、電波で人と人とが繋がり、情報を得る。

そんな時代だからこそシンプルに作り手と買い手が顔を見て繋がれる事を僕は優先し、大切にしたいと思います。

 

そんな思いで2017年9月に「IBUKI COUNTRY FAIR」を開催しました。

 

イベントでは自分だけでなく参加してくださった皆さんの作品や料理、感性が最高のシチュエーションで思いのまま自由に披露され、この場所で出逢う人々が心地よく語り合える場所を作りあげることができました。

 

〈IBUKI COUNTRY FAIRの会場〉

 

〈看板やステージ、照明もすべて手作り〉

 

 

〈西浅井で作った無農薬のお米を販売〉

 

 


〈三重の陶芸作家さん〉

 

 〈東近江の木工作家さんの作品〉

   

〈三重のキャンドル作家さんによるデコレーション〉

 

 〈福井から出張青空ヘアカット〉

 

〈八日市の革作家さんの作品〉

 

 〈徳島の友人によるアコースティックライヴ〉

 

参加者の一人が言われた言葉

「明るい未来が見えたね」

この言葉が今でも心に残ってます。

 

 

  

 

 クラフトフェアの様子は、メディアにも取り上げていただきました。

 

〈讀賣新聞 折込み〉

〈伊吹山麓小冊子 「ふもと」〉

 

ガラスを始めて15 年目。

 

ここへ来て、ものづくりが今まで以上にライフワークになってきていることを実感しています。

 

自然を背景に手作り溢れるこの場所でのガラス体験、自分だけの時間を楽しんでいただきたいと思います。

 

そんな一歩となる今回のプロジェクトに、ぜひお力をお貸しいただければと思います。

応援、よろしくお願いいたします!

【お問い合わせ先】

【代表者】  林 和浩

【instagram】 kazuw_glass

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【メール】  cozcomuwka@gmail.com