Cooking+プラスチックアート
そこからから生まれたお洒落な食器!
小さなシートがコップやお皿に変身する“0次イーティングセット
6smile をソーイングセットのように携帯しませんか?!
震災から学んだアイデアを多くの人とシェアしたい
私は身近な汎用樹脂を素材に造形しています。
実はプラスチックアーティストになったのも、台湾921大地震(1999年9月21日台中・集集)の被災地に、台湾の篤志家から復興2年目に被災地の婦人会へのリサイクル工芸:PETフラワーの講習会開催の依頼があって、その機会に台湾全土での指導者講習会の旅をしたことがきっかけでした。
篤志家が私のことを知られたのは、楽しくプラスチックの分別をするために考案した「PETフラワー」工作で科学教育イベントに出展していたからです。
以来十数年、様々な身近なプラスチックを素材に造形しています。でも、当アイデアの素材であるソフトPVCだけは3年前まで作品素材として使ったことはありませんでしたが、あるセミナーでサンプルを戴いて、独特な物性や美しさに魅せられ、毎日何が作れるか触っていた時、6smileの前身になる食器を想い付き、毎日自分だけで工夫を楽しみながら使っていました。
そんな時、熊本地震が起きました。
私がよく購入する現地の食品会社が、操業が止まっている工場で被災者にポリ袋でお水を分けていることを知り、水の大切さを再認識して、このアイデアをもっと多くの人に役立てたいと真剣に考えるようになりました。
それからというもの、友人に実際に使って貰って意見や感想を訊き、私自身がモニターになって毎日が実験でした。
東日本大震災の直後から、FacebookでTohokuというグループのお世話をさせてもらっていますが、元々はフレンドの安否確認に作ったページを、その後は主に防災や安全情報の交換のページにして7年。交流の中で防災を忘れないでいられることは有難いと思います。
そんな経緯から、0次=日常の備えは義務感ではなく、「楽しくスタイリッシュに」というのが長続きのコツだと思うようになりました。
6smileと0次イーティングセット
6smilとは…
小さなPVCシートとポリ袋がタッグを組んで、くるくる巻いて日常携帯でき、タンブラー(コップ)に、ボウル(深皿)に、巻き簾に…と変身する食器です。
PVCを素材にした6smileには、ポリ袋(HDPE、LDPEの両方可)を併用して使います。
どこでも入手でき、安くて安全な食品保存用ポリ袋と、汎用樹脂の中では少し高価で、素材としては入手しにくい美しいカラーのPVCシート。それぞれの足りないところを補った絶妙なコラボです。
14cm×24cmのソフトPVCシートには、スマイルマークに似た大小合わせて6つのグリップカットを施したところから6smileと名付けました。
使い方は多種多様
▲(左)食器の形 (右)ポリ袋を併せた使い方
スマイルマークの組み合わせ方を変えると、タンブラー(コップ)、ボウル(容器)などの形に変形させることが出来て、用途はアイデア次第です。
例えば、茶道で言う袖落とし(ドギーバッグ)として食品ロス対策にもなります。
シートは巻き簾にもなり、スティックおにぎり作りにも最適です。
▲パックご飯で作る手順 (22)セットには食品保存袋もお忘れなく!
食器や手を洗えない災害時だけでなく、レジャーにもオフィスランチにも重宝します。
▲パスポート入れにセットした例(私は塩やティーバッグも入れています)
捨てるのはポリ袋だけなので、ゴミの軽減にもなります。
▲タンブラーの使い方 底が無くても大丈夫!
また、花瓶としても病院や楽屋などのお見舞いの花束に添えるととても喜ばれます。
▲ボウル型にして、オアシスを使ってコンポートにも。
0次とは…
日常に活用するものをさします。
どこで災害に遭うか分からない災害大国日本では日常に鍵があると思います。
いざという時に慌てないために普段親しんでいるものが役立つと考えています。
参考:「いま、そなえておきたいもの」(Yahoo! 阪神淡路大震災から20年)
・いつも持ち歩くもの(0次)
・非常時の持ち出し袋(1次)
・ライフラインが途絶えたときのための備蓄品(2次)
私は調理師でプラスチックアーティスト
当銀 美奈子
私は造形作家であるとともに元々調理師なのですが、娘のためにと始めた科学教育ボランティアで、子どものために科学工作のレシピ化などの活動をしていました。
そんな経緯がプラスチックの個性(物性)にこだわった作品づくりをしている理由かもしれません。
PETボトルもストローも、ひとまとめにプラスチックとは言えないそれぞれの個性に惹かれました。
6smileもソフトPVCシートの個性を知ることが無ければ想い付かなかったアイデアです。
▲(左)卵パックの花―PET’al-Art(右)ミス・キングギドラ(台湾のストロー)
▲(左)著書 日本ヴォーグ社 (右)ストローエビ
▲(左)色変わりするPETボトルアート (右)PET’al-Art 成人式のかんざし
プラスチックの魅力を伝えたい
▲5大汎用樹脂全ての比重を利用した「レジ袋水中花」
その後、各方面からの依頼で、韓国の教育企業の指導者講習会キャラバンを実施や、カルチャー教室の講師、子ども番組(プチプチアニメ)の造形制作、大阪市立科学館での展示・講習会と活動が広がって行きました。
自らも、プラスチック・クラフト中心にwikiHowで英語記事の共同編集に関わって来ました。
私たちの日常生活に身近な5大汎用樹脂には
・ペットボトルに代表されるポリエチレンテレフタレート(PET)、
・レジ袋や食品保存袋のポリエチレン(HDPE、LDPE)、
・雨具やメディカルサプライなど多用途なビニール(PVC)、
・食品包装からバンパーまで幅広く使われているポリプロピレン(PP)、
・発泡スチロールが思い浮かぶポリスチレン(PS)
があります。
▲5大汎用樹脂のストローキャラクター プラレンジャー
海外ではとくに、一般的に細分化した呼称で言うこともなく「プラスチックボトル」や「プラスチックバッグ」のように一纏めで呼んでいます。
そのため、一度問題が起きるとプラスチック全てを否定的に見る傾向が強いですが、個々に性質が違うプラスチックは、適材適所の活用で現代生活が成り立っていることを知って欲しいのです。
プラスチックは両刃の刃、人間の扱い方次第で便利にも、環境や自然に害を及ぼすことにもなるので、いつももっとその特性を知って、もっと便利に、生活にも環境にも良い方向で20世紀の化学の発明を有効に活用して欲しいと願っています。
現在、私は母の介護で創作活動の時間が少なくなっています。
そんな日常に生まれたアイデアは、オフィスランチにもアウトドアにも、食品ロス対策にも、ゴミの削減にも役立ち、災害時の食をサポートするものです。
介護にも役立つシーンがあるので、「必要は発明の母」を実感しています。
6smileを通して多くの人がプラスチックへの理解を深め、日常生活に使って戴きたいなと思っています。
手間暇かけたマイナーチェンジ
2年前の秋、イベント出展の要請があって自分だけで使っている場合ではなくなりました。
まだ工場に発注するほどの数でもなく、数十枚を手作業でカットしてイベントで6smileの前身の初出となるクラフトカフェを実施しました。
その時の形はシンプルな経木の舟のデザインで、2枚セットでドリンクとお菓子を入れるものでしたが、その後巻き簾としての用途を想い付きスリットを無くしました。
▲カット型の異なるタンブラーと経木のシートをフラットに重ねて持ち歩くように考えたもの。
まだ巻いて携帯することは考えていませんでした。
では、どうボウル型に変身するか。また持ち歩くのにいい形は?
1枚で、タンブラーとボウルと巻き簾にトランスフォーム出来ないものか…。
知り合いに使ってもらったり、自問自答する度にマイナーチェンジを重ねてやっと現在のものに漕ぎ着けました。
実行スケジュール
昨年の3月から、自費で工場に発注して、少人数のワークショップやイベント出展など機会があれば紹介して来ました。その時のアンケートで、もっと他の色を希望される方があったのと、認知の広がりには限界があると感じて、クラウドファンディングにチャレンジすることにしました。
5月 クラウドファンディング開始
6月 クラウドファンディング終了
7月 トムソン加工で製作する(6smileの第2版 多色展開)
8月 夏休み(7月末)から出前クラフトカフェのスタート
※7月末には地元のイベントへの出展を検討中です。
製作が間に合えば、個人の支援者にもレクチャーの機会になると考えています。
応援コメント
藤川勝也さん
当銀さんの開発意欲は留まるところを知らず、誰も気が付かないようなところに着眼される発想力にはいつも驚かされますが、素材の特徴を上手に利用してとにかくシンプルに作られることに感心致します。
そしてなによりも、当銀さんの作品には優しさがあり、愛情が溢れています。
たとえば代表作品のストローアートは家庭やお店などで日常的に使われていているストローというありふれた使い捨ての消耗品に表情を吹き込むことで、使い終われば捨てられてしまう「モノ」に魂を吹き込み、個性と表情を持った愛嬌のあるキャラクターを作り上げられました。
これは、元の素材はシンプルでソフトなPVCシートです。これに目をつけた当銀さんは平面シートから立体的な形を創造されて、生活の中のちょっとしたところに役立たせようと提案されています。
もちろん、単に役立つだけでなく、持っていることを自慢したくなるような「かわいい」「きれい」「楽しい」というデザイン性も持っています。このクラウドファンディングが達成できれば、皆さんの生活のちょっとしたところが幸せになれる…私はそう信じています。
プラスチックの専門家としてひとこと。
PVCは有毒で厄介なものとして扱われた時期もありましたが、その後の調査で健康に害はなかったと公表されており、むしろ安全で扱いやすい素材として今は見直されています。
6 smileはPVCとPEの特性がよく活かされています。
是非手に取ってそれを体感してみてください。
どうぞプラスチックの特性を理解した上で安心してお使い下さい。
さいごに
ポットラックパーティーのようにお友達が一品ずつ持って集まって、
スティックおにぎりを作ったり、ストローアートを体験したり、
情報交換もしながら「6smileカフェ」をしませんか?!
お皿を洗う手間も省け、ゴミがいっぱいにならず、ホストも楽になります。
クールな色のブルーなども作って男性にも使って戴きたいと思っています。
今回私は学校PTA、町内会、オフィスの有志、カルチャー倶楽部のサークルなど、支援して戴いた方のところへ出掛けて行き使い方を紹介します。
ちょっとした余暇に楽しめるストローアートのレクチャーのオマケつきです。
その後はそれぞれで時々集まって6smileカフェを楽しみながら
情報と知識を増やして非常時に備えましょう!
お問い合わせ先
【起案者】当銀 美奈子
e-mail: plasticjewelry@gmail.com
参考URL
【Blog】IPlastic: http://kitchenplasticarts.blogspot.jp/
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