美しい海を瀬戸内から。地球の仲間たちを救う取り組み。あなたもぜひ仲間になってください!
NPO法人アーキペラゴでは、2009年から瀬戸内海を中心とした海ごみ問題に関して各種クリーンアップイベントや地元自治体と共に調査研究などに取り組んできました。
社会生活から発生したごみ。それは瀬戸内海だけではなく、遠い太平洋の島々にも漂流、漂着し、様々な生物に影響を与えていることを学びました。
衝撃的な映像ですが、音声をオンにして、太平洋のまんなか、ミッドウェイ島で起きていることをぜひご覧ください。
コアホウドリの親鳥は雛の餌を島の周辺の海域で探します。海面に近いところにいるイカや魚を飲み込んでは、巣に帰って雛に吐き出して餌をあげるのです。ところが、この海面に多くのプラスティックごみが浮遊していて、親鳥は間違ってそれを飲み込む。そして雛に与えてしまいます。
元鹿児島大学教授の藤枝繁さんの調査によると、ミッドウェイ島のコアホウドリの死骸から出てきたライター325本のうち、189本が日本で消費されたものでした。58.2%です。そこから類推するとミッドウェイ島近海に漂流、漂着しているプラスティックごみの半分以上が日本から流出しているごみだと考えられます。
(藤枝繁氏提供)
(ペットボトルキャップやカキ養殖時に利用される、通称まめ管と呼ばれるポリエチレン製のパイプなど瀬戸内海でもよく見られるプラスティックごみが出てきています。)
(藤枝繁氏提供)
同じく藤枝繁さんの研究によると、瀬戸内海に流入している海洋ごみ4,500トンのうち、回収されているごみの量は1,400トン。海底に沈んでいっている量が700トン。そして外海に流出している量が2,400トン。全体の53%の海洋ごみが瀬戸内海から外海に流出しています。
(藤枝繁氏提供)
遠い太平洋の島で起きていることは、瀬戸内に住んでいる私たちにとっても当事者として深く関係あることなのです。コアホウドリだけでなく、水鳥、海亀、クジラなど地球の仲間たちをいつの間にか苦しめているのかもしれません。
そこで、NPO法人アーキペラゴでは、海ごみ対策により力を入れて発展的かつ深化した取り組みが行えるように、「せとうちクリーンアップフォーラム(SCF)」を立ち上げ、プロジェクトを進めます。
みなさまと共に活動を進め、輪が広がることで、美しい瀬戸内海を守ると共に、太平洋に流出している海ごみを減らし、地球の仲間たちとの共生を目指します。ぜひご一緒しましょう!
(1)クリーンアップの実施
年に4回、海ごみが大量に漂着している重点ポイントを中心に大規模なクリーンアップを実施します。拾うだけでなく、発生源を分析するためにデータ調査も同時に実施します。またそれ以外にも地域や会社ぐるみでの取り組みなども積極的にサポートし、毎週どこかでクリーンアップが実施されている状態を目指します。
(2)海ごみ問題の調査・研究
ICC(International Coastal Cleanup:国際海岸クリーンアップ)方式による海岸漂着ごみの分析や漂着ごみ指標評価手法により、香川県内沿岸及び河川の漂着ごみの量、内容を分析します。拾うのはあたりまえ。その正体を突き止め、発生抑制につなげます。関係機関の最新情報を踏まえ、市民レベルで実現できる具体的な行動計画に落とし込んでいきます。
(事例:アーキペラゴで実施した男木島での調査の結果)
(3)海ごみの発生抑制
ペットボトルもプラスティックレジ袋もとても便利な製品です。ただ、海岸や河川でごみの調査をしていてもこの2つのごみは大変多いです。硬質なペットボトルキャップは長い旅をして遠い太平洋の島までたどり着くのは先ほどの映像のとおりです。これらは便利なので使用ゼロを宣言することは難しいかもしれません。資源保護の観点から見てもこれらの削減には大きな意味はないのかもしれません。
ただ、海ごみにさせない!という意志で、使い捨てプラスティック全体の使用削減を進めていきたいと考えています。私たちは数年前から実施していますが、習慣化すればなんでもないですよ!マイボトルやエコバッグを忘れたときは、「明日は忘れないようにしよう」と思ってペットボトル飲料を買い、レジ袋をもらう程度の緩いのでいいんじゃないかなと。
1.マイボトル、マイカップの推進
リサイクル率が80%程度で停滞し、海ごみ発生の原因となっているペットボトルの使用削減を目指し、マイボトル、マイカップ持参の推進を実施します。家庭や職場以外で水、お湯の補給ができる場所の情報を発信していきます。
2.エコバッグの推進
海ごみの発生原因であり、野生生物の誤飲のもとになっているプラスティックのレジ袋使用削減のため、エコバッグの利用を推進します。
応援していただいた資金の用途
個人会員年会費として会報や会員向けイベントで活用させていただく他、
1.クリーンアップ実施に向けたテントなど備品購入費
2.クリーンアップ実施時の参加者への里海料理の試食会開催
3.海岸、河川における漂着ごみの調査、レポート制作費
4.マイボトル保持者向けの水、お湯補給マップの作成
5.水、お湯補給協力店向けステッカーの作成
に利用させていただきます。
予定しているクリーンアップイベント
(1)2017年5月27日 東かがわ市(予定)
(2)2017年9月 高松市(予定)
(3)2017年12月 坂出市(予定)
(4)2018年3月 小豆島町(予定)
ぜひ予定を空けておいてください!
(参考)
■ビーチコーミング&ビーチクリーンアップ(副理事長森田の個人サイト)
美しい海を瀬戸内から。地球の仲間たちを救う取り組み。あなたもぜひ仲間になってください!
海ごみの問題への取り組みは長い時間が必要です。そして何より多くの仲間が必要です。点の活動でも線の活動でもなく、香川全域、瀬戸内全域への面の展開をしなくてはなりません。
海に落ちているのはごみだけではありませんよ!素敵な貝殻、ビーチグラス。遠い昔や遠い国から流れ着いた謎のお宝。ビーチクリーンアップを実施しつつ、同時にビーチコーミング(お宝拾い)をすることも多いのですが、探していて実感するのは目の数が重要。大勢の楽しい仲間たちと探していると、逸品、珍品の宝がたくさんみつかります。子供たちも大活躍です。
海ごみへの取り組みも、多くの手と目が必要です。ビーチクリーンアップだけでなく、調査、研究。そして発生抑制への取り組み。あなたもぜひ仲間になっていただいて、一緒に素敵な居心地のいいコミュニティを作っていきましょう。
[起案者を代表して・・・]
ミッドウェイ島のコアホウドリのことを知って、一番僕がショックを受けたのは、影響を与えているプラスティックごみの多くが日本由来のものであり、瀬戸内由来のものも含まれているという事実でした。そのことは現地やハワイ、北米の研究者も既に知っています。日本人として、瀬戸内に住む者としてなんて恥ずかしいし申し訳ないことだろうと感じました。それから数多くのクリーンアップを実施し、発生抑制に向けた教育活動をより熱心にやってきました。
ところが、海岸に漂着するごみの量は減る傾向にありません。これは方法を磨くしかない。
調査の結果から見えてきた重点的に漂着ごみがたまっている箇所でのクリーンアップとそれを有効にするための調査の継続、使い捨てプラスティックを減らすためのライフスタイル転換の活動です。何より僕らだけでは限界があるので県内外の他の団体との交流、情報やノウハウの共有、そして多くの当事者意識を持った仲間を増やすことです。
人間は多様な生き物たちと共存できてこそ成長できると信じています。お願いです。仲間になってください。
NPO法人アーキペラゴ 理事
せとうちクリーンアップフォーラムプロジェクト担当
森田桂治