We have announced this project in English in the page "レポート”.


 

 

はじめに

 

本ページをご覧下さいまして、誠にありがとうございます!

 

「香川県パラカヌー協会」の今井航一と申します。

 

「パラカヌー」の競技者として「東京2020」を目指して、日々の練習に励んでおります。

 



このたびは、私が「パラカヌー(2種目)」で、「東京2020を目指す」ための活動資金の一部を皆さまにご支援頂きたく、クラウドファンディングを立ち上げました。

 

皆さまの温かいご支援を頂きたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

*パラカヌー(障がい者が行なうスプリントカヌー)

 

今のところ、公式大会に出場できるのは「下肢に障害を持つ人」に限られており、また、下肢に障害があっても、場合によっては出場できないこともあります。

 

競技時の天候にもよりますが、基本的には穏やかな水面上で「200mの距離をいかに速く漕ぎ切るか」を競います。

 

 

下肢の障がいの程度に応じて3つのクラスに分類され、クラス毎にタイムを競います。

男女とも、「カヤック」と「ヴァー」の2種目があります。

 

本年3月31日に行なわれた、2019年度パラカヌー海外派遣(日本代表)選手選考会において、私は、「カヤック」「ヴァー」の2種目に出場し、「カヤック(KL3)・・・3位」「ヴァー(VL3)・・・2位」に入賞することができました。

 

 

 

障がいを抱えてからパラカヌーに出会うまで

 

私は、太もも半分のところで左足を切断している身体障害者です。

 

6年前に足を失ったのですが、切断しなければならなかった理由は、左足の膝下5cm辺りに原因不明のがん(悪性肉腫)ができたためです。

 

 

私は、左足切断手術と、抗がん剤治療を終えた退院後に、健康管理のために水泳を始めました。

 

性分なのか、何かを始めると、つい熱中してしまい「まずは、全国障がい者スポーツ大会で優勝しよう!」という目標に向かっていました。

 

2年かけて準備し、幸運にも50m自由形で優勝することができました。

 

 

 

水泳での目標が達成できた頃、以前、妻が「高瀬高校時代に、カヌーの全国大会で優勝したことがある」と話をしてくれたことをふと思い出しました。

 

そこで、香川県三豊市にある高瀬高校のOB、OGの方々がコーチを務めるクラブに参加させてもらいカヌー体験をしたのが、カヌーとの最初の出会いでした。

 

 

 

冷たい冬の水との闘い

 

2017年10月、高瀬B&G海洋センターで初めて乗ったカヌーは、初心者用のとても安定性の良いカヌーでした。

 

傍らには、形がスリムでかっこ良いスプリント用のカヌーがあり、興味を持った私は「乗ろうと試みました」。 結果は、「乗る」というようなものではなく、「乗った瞬間に水中へドボン・・・」でした。

 

(ちなみに、カヌー用語というべきかどうかどうか分かりませんが、転覆して水中に落ちることを「沈(ちん)する」と言います。)

 

 

聞けば、高校生になってからカヌーを始めた選手でも、個人差はあるものの、毎日練習をして1~2ヶ月で、ようやくなんとか乗れるようになるとのことでした。

 

しかし、この瞬間、「なんとかこれに乗ってやりたい」という気持ちが湧き上がってきました。

それからというもの、「まずは乗って静止できること」との闘いが始まりました。

 

私は、足が欠損している左半身が、右半身よりも6kgほど軽いので、ただでさえ安定性の悪い艇の中で、左右のバランスを取って浮かんでいることは、当時の私にとっては「神業」に近いことのように思えました。

 

 

ひたすら「沈(ちん)」し続けること4ヶ月。

 

ようやく、1分程度なら、辛うじてバランスをとって「沈(ちん)」せずにカヌーに乗っていられるようになりました。

 

しかし、パドルで漕いで進むというようなことは、この段階では夢のような話でした。

 

 

そして、冷たい水の中に「沈(ちん)」し続けること、さらに2ヶ月。春を迎えた頃には、かなりぎこちない動きですが、漕いでカヌーを動かすことができるようになっていました。

 

 

ちょうどその頃、「パラカヌー」という、障がい者専用のカヌーがあることを知り、試乗させてもらうことができました。この「パラカヌー」でも、「沈(ちん)」することはあるものの、健常者用のカヌーに比べるとかなり安定性があり、「これならもっと安定して乗れるようになるかも!」と希望の光が見えていました。

 

そして、その夏、ようやく弊協会として「パラカヌー」を入手することができ、いよいよ本格的に練習開始となりました。大会までひたすら練習しました。

 

 

そして、2018年9月10日、カヌーを初めておよそ1年、待ちに待ったデビュー戦当日を迎えました。

 

あと3レースで自分のレースが始まるというとき、強風と激しい波をパドルでさばきながら水面上で待機していたのですが、まさかの大会中断、そして、その2時間後に大会中止・・・。

 

レースに出場することなく、終わってしまったデビュー戦でした。

 

パラカヌーの公式大会は、毎年9月、3月のみ。戦わずして終わったそのデビュー戦の日から、2019年3月の大会に向けての練習が始まりました。

 

 

 

「ヴァー」への挑戦

 

ここまでお話ししてきた、「カヌーの練習」とは、正確にいうと「カヤックの練習」のことです。

 

パラカヌーには、「ヴァー」という種目もあります。

 

9月の大会が終わった頃、この「ヴァー」にも挑戦したいと思い始めました。

 

ところが、この「ヴァー」は香川県にはありません。

 

思い立ってすぐに発注するも、9月に発注した「ヴァー」が手元に届くのは「3月か4月か・・・」とのこと。

結局、パラカヌーの公式大会開催地でもある、石川県の木場潟カヌー競技場にある「ヴァー」で練習させてもらうことが一番現実的な方法だという結論になり、無理を聞いてもらい、木場潟に通って練習させてもらうこととなりました。

 

 

こうして始まった「ヴァー」の練習ですが、初めての木場潟遠征は実は大会まで3ヶ月を切った1月5日、6日。

 

この時点では上手く乗ることが全くできませんでした・・・。

 

「カヤック」と違い、「ヴァー」には片側に浮き(アウトリガー)が付いているので安定の良い艇ですが、「ヴァー」には、まっすぐ進みづらいという特性があるのです。

 

右へ進み、左へ進み、酔っ払い運転のように蛇行しながらの乗艇でした。

2日間、ひたすら蛇行運転を繰り返し、焦りを募らせるだけ募らせて帰路についた第1回目の遠征でした。

 

大会までの準備期間としては、時間的にかなり厳しいことは重々承知していたので、「とにかく限られた時間の中で、できる限りのベストを尽くそう」と、「ヴァー」のない香川では、パドリングフォームの確認とイメージトレーニング。

 

木場潟では、ひたすら乗艇して練習しました。

 

 

大会までに木場潟に通うこと数回。

 

最後に遠征したときに、ようやく片側のパドリングだけで艇を200m直進させるコツをつかむことができました。大会2週間前のことでした。

 

「なんとか間にあった・・・」「あとは、大会で同じ漕ぎができれば・・・」そんな気持ちでした。 

 

 

 

練習環境を整えたい

 

カヌーを始めて2年に満たない私が、前述の通り、パラカヌー海外派遣(日本代表)選手選考会において、2種目で2位、3位に入賞することができ、日本代表を争うまでになったのは、香川県というカヌーの盛んな地域性が大きく影響しています。

 

つまり、県内のパラカヌー選手は少ないものの、アドバイスを求めるとそれに応えてくれる指導者、健常者の元カヌースプリント選手は身近にたくさんいて、他地域のパラカヌー選手より学びのスピードを上げることができているからだと思うのです。

 

 

ただ、物的環境という視点からパラカヌーを見ると、競技用具である艇が高額だということも関係しているのですが、絶対的にカヤックが不足している状況です。

 

パラカヌーの公式大会には、パラカヌー専用の艇(「カヤック」「ヴァー」の2種類)でなければ出場できないのですが、「カヤック」に関しては、県内に1艇しかないのです。

 

 

また、更なる競技力アップのために他県からパラカヌー選手を招いて合同練習を行ないたいのですが、香川県内には前述のように、「貸し出せる艇が十分にない」ことが合同練習を開催する上での大きな障壁の一つになっています。

 

車イスの選手が遠征する際、自分の所有する艇や、居住エリアで借りた艇を車に積んで持ってきてもらうことが必須となりますが、「艇の積み降ろしには必ずサポートが必要」となるため、サポーターの都合によっては、練習日程の調整にも困難を生じます。

 

この時、貸し出せる艇があれば、まず艇の運搬の問題が解決できます。

 

 

また、「艇の積み込みや練習のお手伝いをしてくれるサポーターを確保すること」も、パラカヌーの練習には重要な要素です。

 

一人で行う練習ももちろん必要なのですが、ライバルとなる選手と切磋琢磨して練習することも、東京2020を目指すには必要不可欠なことで、その練習環境を整えることが最重要課題であり、カヤック購入などの為に、より多くの資金を必要としています。

 

 

 

 

 

 

(パラ)カヌーを身近なスポーツに

 

日本では、カヌーという競技は、一般的にマイナー競技と言われています。パラカヌーとなると、さらに競技人口が少ないのが現状です。

 

しかし、パラカヌーの中央団体である日本障がい者カヌー協会や、各地域で活躍するパラカヌー選手やサポーターの方々の積極的なPR活動の結果、「年々競技人口が増加しているところ」であり、将来性のある魅力的なスポーツです。

 

私どもの活動拠点である香川県には、「スプリントカヌー、パラカヌーの日本代表選手を選考する重要な大会が開催される府中湖(坂出市)」があり、カヌー界では非常に有名な場所でありながら、カヌー自体がマイナースポーツであることから、カヌーに触れたことのない県民の方々の多くは、そのことを知らないという現状があり、また、パラカヌーの選手に関していえば、極めて少ないという状況です。

 

 

年2回開催されるパラカヌーの公式大会の1つが開催されるため、香川県(府中湖)への注目度は高く、大会会場となる府中湖での練習を希望する選手が多いのですが、香川県にはカヤックが1艇しかないことが、日本のパラカヌーの発展と競技力アップを妨げていると感じています。

 

パラカヌーは、健常者のスプリント競技に使われる艇よりも安定性が良いため、これからスプリントカヌーを始めようとする健常者の練習用の艇としても利用価値の高い艇です。

 

したがって、パラカヌー用のカヤックを一定数保有することは、「障害の有無に関わらず、カヌー競技人口の増加につながる要素」となりえますし、また、その拡がりは、レジャーとして身近にカヌーを楽しむことのできる環境作りにも貢献できることと考えます。

 

 

 

東京2020をめざして

 

カヌーを始めて1年8ヶ月の私が、先の全国大会で、2種目で2位、3位の成績を残すことができたのは、私を身近で応援してくれる家族や周囲の方々のお蔭です。

 


 

カヌーを始めて間もない頃、ぎこちないパドルさばきをする私に根気強く指導してくれたコーチの皆さん、なかなか上達への足がかりが見つけられずに途方に暮れていたとき、いろいろな話を聞いてくれ、そして問題解決の為のたくさんのヒントをくれた皆さん、足の不自由な私の為に、カヌーを湖面まで担いで運んでくれる皆さん、私を応援してくれるその気持ちと優しさが、私のカヌーに対する情熱をさらに燃え上がらせてくれました。

 



また、パラカヌーで重要となる、下半身を固定するためのシートを深夜までかかって作製してくれた、地元の機械部品メーカーの皆さま、私や香川県パラカヌー協会のことをより多くの方々に広めるためにご協力頂いているテレビやラジオなどのメディアの皆さま、さらには、「こんなパラカヌー選手がいるんだよ!」と周りの友人、知人に私のことを紹介して下さる、私の友達、家族の友達、ご近所の皆さま、実に多くの方々に援助を頂いて、カヌーに取り組むことができています。

 

そのことは、まさに、「共に闘ってくれる仲間がたくさんいる」という気持ちにさせてくれ、私を勇気づけてくれています。

 

そんな仲間と共に、これからも東京2020を目指して、精進して参ります。

 

そして、その仲間たちと、そして、これから私を応援して下さる皆さまと、夢の実現の喜びを分かち合いたいです!

 

 

 

私は「今井航一」という名前です。「航」は、「舟がまっすぐ進むという情景が由来」であると聞いたことがあります。

 

カヌーと出会うまでは、舟とは縁遠い環境で過ごしてきましたが、名前の通り、舟(カヌー)をまっすぐ進ませて、一位になり、名実ともに、「航一」になりたいと思います。

 

大会までの日数が迫っています。ベストを尽くして、できうるすべての準備をして、東京2020に全力を注いでいきます!

 

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。 

 

 

 

支援金の主な使い道

 

・遠征費用(国内外)

 

・練習環境整備費用

 練習補助サポーターの確保 

 パラカヌー艇購入・整備費用

 練習場のバリアフリー化の為の費用

 練習器具購入費用

 

・パラカヌーPR活動費用

 

・FAAVO手数料

 

 

何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

お問い合わせ先

 

香川県パラカヌー協会

kagawaparacanoe@gmail.com

 

 

 

公式Facebookページ

https://www.facebook.com/paracanoe77kagawa/

 

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