秋田発のシードルブランド「OKANOUE」誕生
私たちOKANOUE PROJECTが手がけたシードル(りんごのお酒)がまもなく出来あがります。 FAAVOではこのオカノウエシードルを販売し、みなさんにも一緒にシードルの完成を祝い、楽しんでいただき、今後も私たち「OKANOUE PROJECT」の継続的な活動を応援していただけたらとおもいます!

なぜ今までなかったのか!?
隣県の青森ほどに「りんご」のイメージのない秋田県ですが、じつは全国でも上位に入る「りんご」の産地です。ドラマなど終戦後のシーンでよく使われる「リンゴの唄」は、戦後はじめて公開された「そよかぜ」という映画の主題歌。みなさんもいちどは耳にしたことがあるかとおもいます。実はこのリンゴの唄が流れるシーンは、金峯山のおとなり横手市増田町の真人山がロケ地なんです。 南北に長い秋田県ですが内陸南部に位置する横手市は、奥羽山脈と出羽山地に囲まれた日本一大きな盆地です。そのため日中と夜間の寒暖差が大きく、味の良い農産物を栽培する絶好の気候となっています。また年間を通しても、冬の厳しい寒さや降雪が丈夫な果樹を育み、春から夏にかけては晴天が多く秋の豊かな実りをもたらします。そんな果樹生産地として140年以上の長い歴史を持つ地域なので、頑固で職人気質な生産者が多く「加工用のりんごなんか作ってられんよ!生が一番美味しい。」と今まで加工の文化はあまり形成されてきませんでした。

言霊の力
私は高校卒業後上京し栄養士の資格を取得したあと、イタリアンレストランでワイン担当として働いていました。そこで様々なワインに触れワインが大好きになりました。 東京で10年間暮らし実家の農園を継ぐ決意をした私は、秋田に帰るまでのあいだ、当然のようにワイン造りの勉強をしようと考えました。山梨の小さな家族経営のワイナリーを中心に見て回り、実家に戻ったら将来的にはりんごの樹を切り倒し、ワイン用のブドウを植えようと考えていました。しかしそのようにワイン醸造に興味を持っている私に、職場のシェフからシードルづくりを進められて妙に納得したのを今でも覚えています。

持続的な農業を実践する。
私がシードルをつくるのは、「ただ単にシードルを作りたいから」というだけではありません。 実際に就農し、ここ数年の異常気象を体験して、自然と向き合い季節で収入を得る果樹栽培は、かなりリスクが高いと感じました。また私たちが暮らす地域でも農家の高齢化が進み、若手不足が深刻になっています。このままではあと10年もすれば耕作放棄地が一気に増え、まわりの景色は一変してしまうでしょう。今回私たちが挑戦するシードル作りが、この問題を解決する一助になればと考えています。シードルへの加工を目的としてリンゴを生産すると「リンゴの周りの葉を取って光を当てる」「リンゴを回して光を当てる」「光の反射シートを地面に敷いて光を当てる」といった着色管理をする必要がなくなり、少ない人手でもりんご農園を維持することが可能になります。またリンゴを加工して販売することにより、より安定した収入を得ることにも繋がると考えます。 また爽やかで飲み口の軽いシードルが、地元の若者にも受け入れられ地域に定着していけば、観光資源や移住者の獲得にもつながるのではないかと考えたりもしています。私がりんご農家を続けることが地域への恩返しであり、この取り組みで地域が盛り上がったとしたら、これ以上嬉しいことはありません。

