トポロジーで遊ぶボードゲーム『トポロメモリー』を制作します

はじめまして!宮﨑雄といいます。ボードゲームデザイナーとして活動しています。

 

遊んで楽しいゲームをつくったり、企業向けの社員研修のゲームや新卒採用の選考用ゲームをつくってます。机に座って勉強するのもいいけど、ゲームでビジネスが学べたらもっといいよね!と提案するのがお仕事です。

 

このプロジェクトはそんな僕が、トポロジーで遊ぶ理系ボードゲーム『トポロメモリー』を多くの方に届けて楽しんでもらうべく、立ち上げました。

 

『トポロメモリー』について

トポロジー(位相幾何学)を利用して遊ぶ新作ゲームです。

理系ゲームと名乗っていますが、カルタと神経衰弱をミックスした超シンプルなルールなので、老若男女・文理問わずに楽しめます。詳しいルールはのちほどご説明します。

 

コーヒーカップとドーナツは同じ形!トポロジーとは?

そもそも「トポロジー」という言葉を初めて聞いたという方も多いと思います。

トポロジーとは数学の一分野で、図形を曲げたり伸ばしたりして(切ったり貼ったりしないで)も保たれる性質に注目するものです。

よってトポロジー的に見ると、コーヒーカップとドーナツは同じ形になります(下図参照)。

 

 

ざっくり言うと、図形を、構成するパーツの数と、図形の中にある穴の数で区別するという学問です。上図では、コーヒーカップは1パーツで構成されていて、穴が1つ。ドーナツも1パーツで穴が1つなので、同じ図形ということになります。

 

それがいったい何の役に立つんだ?と思うかもしれませんが、現在は物理学、生命科学、情報科学など、様々な分野で応用されています。AIの画像認識にもトポロジーの考え方が使われています。

 

ちなみに身近なところでは、電車の路線図にもトポロジーを応用した表現が使われています。

たとえば、東京メトロ丸の内線の路線図といえば、下図のようなものを思い浮かべる方が多いはずです。

 

東京メトロHPより引用

 

荻窪から池袋が長い直線でつながってますね。

ですが、実際の丸の内線は、下図のような形をしています。

東京メトロのHPより引用

 

上京してきた友人は上のまっすぐな丸の内線の路線図を見て、「新宿と池袋ってめちゃくちゃ遠いんだと思ってた」そうですが、路線図は「駅の順番(繋がり方)」をトポロジー的に表現しているものなので、各駅の位置関係は現実と異なります。ですが路線図を見る人が知りたい情報はわかるのでOK、ということなのです。

 

 

『トポロメモリー』のルール説明

 

『トポロメモリー』ではこの「トポロジー的に同じ形」という考え方を利用します。ゲームの流れをプロトタイプのプレイ写真で説明します。

まずはカードをよくまぜて、裏向きにして山札とします。
 

 

自分の手番が来たら、山札からカードを1枚引きます




 

引いたカードを、表にして場に並べていきます




 

トポロジー的に同じ組み合わせの図形が見つけた人はカードのセットを取ります


 

ちなみに、上の例の「人のピクトグラム」と「33」は、両方とも2つのパーツで構成されており、穴がないため、トポロジー的に同じ形となります。意味不明だと思いますが、慣れてくると即座に分かるようになるから不思議です。

 

これを繰り返して、一番多くのカードを取った人が勝者です。

カードには厳選したトポロジー的に紛らわしい文字や図形、記号をデザインしていて、組み合わせも一組ではありません。何度でも遊べます。製作者ですら間違えるぐらいにガチです。

 

そして一度目のプレイが終わるころには、誰もが図形を見る目が変わり、トポロジーを感覚的に理解することができます。


なぜやろうと思ったのか

なぜトポロジーを利用したゲームをつくろうと思ったのか。きっかけは、科学雑誌の「Newton」で出会った「トポロジークイズ」でした

  

それは46個のひらがなをトポロジー的に分類するとどう分けられるか、というものです。

たとえば「い」と「う」と「え」は全部同じです。2つのパーツで構成されており、穴がありません。「す」と「ね」と「よ」も同じです。いずれも、1つのパーツ・1つの穴でできています。

 

これがとても面白かった…! 僕はいままで数学から逃げ回ってきたド文系なのですが、その後に続くトポロジーにまつわる話がスッと頭に入ってきました。

 

こうした楽しい出会い方ができれば、どんなにとっつきにくそうな分野でも興味をもって学ぶことができるんだ…!と気づきました。同じ体験を、他の人にもしてもらえたらと思いました。

そういうわけで、『トポロメモリ―』のもととなる、トポロジークイズをベースにしたゲームをつくってみたところ、Twitterで多くの方から嬉しい反応をいただけました。

 
思いついたときはあまりにもニッチなテーマなので、仲間内で遊ぶくらいでいいかなーと考えていましたが、テストプレイをやってみても、誰もが熱中してくれました。これは、もっと多くの方にお届けしたい…と思いました。 

 

そして勢いに任せて、トポロジーを研究されている日本大学文理学部数学科教授の市原一裕先生にも会いに行って、大学院生の方も交えて遊んでもらってしまいました。

遊んでいただいた市原先生からのコメントです。

 

ーーーーーーーーーー

「数学の研究をしています」というと、
ぎょっとされたり、露骨におえっという表情をされたり、よくします。
確かに学校での「算数」「数学」は堅苦しくて楽しくなかったのかもしれません。
でもそれは広大な「数学」のほんの一部、さわりにしか過ぎないのです。
不思議な奇妙なおもしろい数学、そんな一端にこのゲームで触れていただけたらな、と思います。

なんて、かしこまって書きましたが、実際にやらせていただくと、これが・・ハマります。
見慣れた文字や記号がゲシュタルト崩壊していく、頭がとろけていく感覚は独特。
ぜひ皆さんにも手にとって遊んでいただきたいです。

日本大学文理学部数学科 市原一裕
ーーーーーーーーーー
 
先生からも太鼓判をいただき、多くの人がトポロジーという摩訶不思議な学問に楽しく触れるきっかけになるゲームになっていると、自信をもてました。友達同士で盛り上がるのはもちろん、お子さんに数学に親しんでほしい親御さんにもオススメしたいです…!

 

最後に改めて自己紹介

最後に自己紹介です。僕は、都内で活動するゲームサークル「東京ゲームメイカーズ」のボードゲームデザイナーとして、活動してきました。

 

今までに作ってきたゲームには、チームで戦うポーカーの『カルテカ』や、ロンドンを舞台に探偵になって切り裂きジャック事件を解決する正体隠匿系ゲーム『切り裂きジャックは誰?』などがあります。

 

『カルテカ』

 

『切り裂きジャックは誰?』

 

これらの制作経験をもとに、ボードゲームをつくるワークショップを開催することもあります。2時間程度で企画書づくりまでやりきって、誰もがボードゲームづくりのスタートを切れるプログラムとして、好評いただいています。

 

6月に株式会社バンソウを共同創業してからは、企業向けにオリジナル研修コンテンツとしてゲームを制作する仕事も始めました。こちらもおかげさまで、様々な方面から引き合いをいただいています。

 

支援いただいたお金の使いみち

 

印刷費

『トポロメモリー』は厚めのいい紙を使って、かつ安価に提供したいと思っています。
一般的なトランプのようなカードでは「カルタを取った!」という快感が薄れてしまいます。バシッと強い力で取っても大丈夫なようにデザインする予定です。

 


デザイン費

写真でお見せした画像はテストプレイ用のものです。

製品版ではプロのデザイナーさんに依頼して、パッケージ・カードともにもっとステキになる予定です。

制作状況もファンディングの途中で随時お伝えできればと思います。 

 

連絡先

何か気になる点、質問がある方は下記まで。

Twitter、Facebook、メールなどなんでも歓迎です!

Twitter:https://twitter.com/zakimiyayu

Facebook:https://www.facebook.com/miyazaki.yu.31

mail:zakimiyayu@gmail.com

 

ご支援、応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!

  • 2018/10/11 12:49

    お待たせしました! 『トポロメモリー』のパッケージデザインが完成しました! こちらです!  ※印刷した紙を箱に貼ったプロトタイプなので、実際はもっとカッチリ仕上がります。 ゲームで使用するカードをちりばめて、ポップな感じになっています。ちょうど指輪などアクセサリーの箱くらいの大きさ...