北欧デザインで伝統工芸に新たな価値を~本場フィンランドから日本へ逆輸入


 

~山口徳地和紙の魅力を高めて世界に広め、日本に再発信したい~

  

 昔から脈々と受け継がれてきた伝統工芸は一部の例外を除き、どこも少子高齢化による技能伝承者不足から衰退してきているのが現状です。この課題解決のため新たな視点から北欧デザインの力を活用して伝統工芸の活性化を試みるプロジェクトです。プロジェクトでは新たに制作した作品及びこれまで開発した商品を本場フィンランド・ヘルシンキで展示し、現地で評価された結果を日本に持ち帰り再発信するプロジェクトです。

 

 当NPO法人が活動している山口県山口市には800年以上の歴史をもつ伝統工芸”山口徳地和紙”があります。

 

(写真:和紙漉きの風景)


 

 

 この和紙を使用して機能的かつサステイナブルな商品づくりを北欧デザインの力を活用して行います。山口県立大学のデザイン関係者とフィンランド・ラップランド大学のデザイン関係者とのネットワークを生かし、フィンランド・ヘルシンキで展示会や交流会を行います。

 

(参考写真:2013年フィンランドで開催した展示会"Japan väri "の風景)

 

 

 

 この結果は日本に持ち帰り、グローバルに受入れられる商品にして再発信します。これにより山口徳地和紙の事業性を高め、地域産業を活性化するとともに伝統工芸と一体化した地域観光(例えばデザインウイークの開催など)につなげていきたい。


 ~山口徳地和紙を振興し、地域の明るい未来をつくりたい~

  

  デザインを活用して伝統工芸を活性化する試みは最近の潮流ともいえますが、これには多額の資金が必要で、一部の伝統工芸しかその恩恵にあずかっていません。当NPO法人では、日本の伝統・文化・美意識と共通性があり、機能的でサステイナブルな北欧デザインに着目して、「北欧デザイン」×「伝統工芸」のコンセプトで地域観光と一体となった地域活性化の実験に取りくみます。

 

 山口県の山口徳地和紙産業は、江戸時代毛利藩の防長3白(米、塩、和紙)施策で大いに栄えましたが、洋紙が台頭すると次第に衰退して、現在では僅かな職人が残るのみです。このままでは後継者が育たず、800年以上の伝統をもつ手漉き和紙の技術が消滅してしまう危機に直面しています。この対策として関係者が進めている事業の中で、当NPO法人が平成26年度山口市から委託を受けて行ったブランド化、商品開発事業を山口徳地和紙のリーフレットに纏めております。ブランド化や商品開発において、フィンランドや北欧デザインと縁の深いデザイナーが重要な役割を果たしました。。

 

(写真:山口徳地和紙リーフレット)

 

 これまで山口徳地和紙の6次産業化や展示・販売会などを行い、振興に努めてきましたが、なかなか思うような成果がでていないのが現状です。この原因として考えられる要因の一つに、高い価格に見合う魅力づくりと発信が充分にできていなかったことが挙げられます。

 

 プロジェクトでは、クラウドファンディングをとおして商品づくりだけでなく、作家やフィンランドの魅力を発信していく計画です。山口徳地和紙の事業性を高めていき、最終的には、地元産業を活性化して後継者育成や高齢者の生きがいづくりにつなげていくことを狙っています。このようなアプローチを将来全国に展開していけば、全国の伝統工芸に対して”北欧デザインが伝統工芸を救う”という実験が実現していくようになると考えます。

 

 当NPO法人にっぽんing協会にはブランドデザイナー、ファッションデザイナー、プロダクトデザイナーなどデザインの専門家や販路開拓、経営コンサルタントの専門家など多彩な顔触れがいます。デザインを通して地域資源に付加価値をつけ、持続的な日本の地域の未来を創るという活動を現在まで8年間続けています。当NPO法人のデザイナーは北欧、特にフィンランドのデザイナーと交流があります。山口徳地和紙の振興については、平成26年山口市から委託をうけた事業でブランド化、新商品の開発を進めました。新商品の開発についてはフィンランド在住のデザイナー、大田舞氏が担当しました。平成28年には農林水産省の“ディスカバー農産漁村の宝”の優良事業に選定されることに貢献しました。しかしながら未だ山口徳地和紙の振興と後継者育成のための事業基盤づくりが充分とは言えないのが現状です。この度のプロジェクトでは、山口地和紙の後継者や徳地和紙の振興に努めている元地域おこし協力隊員と一緒に山口徳地和紙の良さと北欧デザインとコラボレーションしたオリジナリティの高い商品を改良・開発し、広く、国内外に発信していきたいと考えています。

 

 2019年は、フィンランドと日本との国交樹立100周年にあたり、この機会にフィンランドと日本の各地で様々な催しが計画されています。当NPO法人は山口日本フィンランド協会と共同で本プロジェクトを進め、フィンランドと日本(山口市)を伝統工芸でつなげ、国際交流を深めていきます。


 

~北欧デザインと交流のあるデザイナーが中心となって企画、運営していきます~ 

 

「2019年は、フィンランドと日本との国交樹立100周年にあたり、在日フィンランド大使館をはじめ関係する団体が多くのイベントを企画しています。この機会をとらえ、デザインを国際交流の架け橋として活用した、フィンランド・ヘルシンキでの展示・交流会を支援者の皆さまとご一緒に実現したい! そしてその成果を日本に持ち帰り、再発信して山口徳地和紙の事業性と伝統工芸の技を高めていきたい」


 

 山口市にある山口県立大学国際文化学部文化創造学科では10年以上フィンランドを始め北欧の大学及びデザイナーとデザイン交流を行っています。

 

(写真:フィンランドでの和紙の照明ワークショップ風景)

 

 

 この度のプロジェクトでは、当NPO法人の理事である山口県立大学名誉教授でプロダクトザイナーの井生文隆氏が新商品の開発及びフィンランド・ヘルシンキで行う展示・交流会を担当します。井生文隆氏はデザインの分野における貢献でフィンランド政府より「フィンランド白薔薇騎士一級章」勲章を授与されており、プロジェクト推進に適任者です。

 

(写真:白薔薇騎士一級章授与風景と騎士一級章)

 

 ビジネスの観点からは当協会の関係者が参画して商品化を手掛けていきます。フィンランド・ヘルシンキでの展示会及び交流会の企画・運営は、井生文隆氏と親交があるフィンランド在住の日本人デザイナーが井生文隆氏と一緒に行います。展示会は、ヘルシンキ市街地(ヘルシンキ中央駅から半径2km)にあるギャラリーで、本年11月に10日間開催する予定にしています。展示会場の詳細は、今後SNSで発信していきます。

 

 井生文隆氏は約10年前より日本の伝統的な素材(和紙、竹、漆、蝋、藺草、木材など)を使い、北欧デザインのサステイナブルでタイムレス(時代や流行に影響されずに、時を経るごとに価値が高まる)なデザイン作品づくりの試みを“日本のいろ”プロジェクトとして実践しています。これまでほぼ毎年作品を日本やフィンランドで展示して発信していますので、この度のプロジェクトにおいてフィンランド・ヘルシンキで展示・交流会を行う試みは井生文隆氏の活動の流れに沿うものです。

 

(写真:”日本のいろ”鎌倉展示会の風景)

 

 

 

 

 2019年のフィンランドと日本との国交樹立100周年の記念事業の一つとして、本プロジェクトはフィンランド大使館及び日本大使館を始めとして、フィンランドに関係がある多くの団体から名義後援などの支援をいただく予定にしています。

  プロジェクトの進捗状況は定期的にSNSなどで発信しますので、どのような作品ができるのか、フィンランドならではの情報や山口徳地地域情報など、関心を持ってフォローしていただけたら、と思います。フィンランド・ヘルシンキの展示会には支援者皆さまのご参加(ご希望者には展示会出品作品カタログにお名前を記載、展示会場に掲示するパネルへお名前掲載などの方法で)をお待ちしています。

 

 本プロジェクトの共催者である山口日本フィンランド協会は、協会独自事業として山口市で2019年12月にフィンランド・ヘルシンキで展示した作品や商品及び地元作家の商品の展示・販売会を行う予定にしています。当NPO法人としても今後山口日本フィンランド協会と共同で国内各所でこのような展示・販売会を行ないたいと考えています。

 

 

● 支援金の使いみち

 支援金の使途は以下のとおりです。

①リターン品の制作:支援金の24%

 リターン品には、これまで開発してきた徳地和紙商品を主体に、フィンランド のムーミングッズ、これから新たに商品を開発するデザイナーのこれまでの作品から成っています。いずれもオリジナリティの高い、限定商品です(フィンランドのグッズは直接購入します)。

②ヘルシンキ展示会に向けた新規商品の開発・制作:支援金の17%

 井生文隆氏及び2名のプロダクトデザイナーがフィンランド・ヘルシンキ展示会にむけて新たに作品を制作します。

③フィンランド・ヘルシンキでの展示・交流会:支援金の24%

 ヘルシンキで10日間の展示・交流会を行います。展示会には日本から井生文隆氏が参加し、期間中フルアテンドするとともに、フィンランド在住の日本人デザイナーと一緒に作品・商品の評価を訪問者や関係者から探ります。

 展示する作品・商品としては、新たに制作する作品及びリターンヒ品、さらに和紙人形(非売品)や和紙ドレス(非売品)を予定しています。会場には、山口徳地和紙の紹介パネルに並んで、ご支援者のお名前(ご希望者)を掲載したパネルを並べます。また会場の一部にミニブースを設置し、ご支援者の紹介コーナー(ご希望者)を設ける予定にしています。

④パンフレット制作・広報・事務:支援金の21%

 ヘルシンキで展示する作品・商品のパンフレットを日本語と英語でそれぞれ制作します。パンフレットの最後にご支援者のお名前又は企業名(ご希望者)を記載いたします。

⑤手数料:支援金の17%

 

● 実行スケジュール

 (予定)

 平成31年5月~平成31年10月・・既存商品の改良と新規商品開発

 平成31年10月~12月・・・ヘルシンキ展示販売会の準備と開催

 

● お問い合わせ先

 NPO法人にっぽんing協会 樫部正樹

 住所 〒755-0005 山口県宇部市五十目山町9-1

 MAIL  kashibe@aria.ocn.ne.jp

   TEL    080-6313-6299