日本に亮布(リャンプー)を広めるため、彼ら自身をモデルとした写真集を作りたい!

▲衣装製作のために布を研究中の私!

 

こんにちは!

金沢美術工芸大学大学院でファッションデザインを学んでいる山田華緒李(やまだかおり)です。

 

中国の苗族(ミャオ族)という少数民族の暮らす村、芭沙村(バーシャ村)は今なお苗族の伝統文化が色濃く残る村です。

しかし、そんな芭沙村も観光開発の波にのまれ、いまや文化の形骸化の危機にあります。

 

私は、彼ら自身が自分たちの文化を残してゆくためには、彼らの文化そのものも時代に合わせた変化が必要であると考えます。

 

そこで彼らの伝統的な布である「亮布(リャンプー)」に焦点を当て、金沢をはじめ日本の人たちに亮布を広めます。

 

そのために私は、自らも亮布を制作するほか、新しい亮布衣装を制作します。

そしてそれらを使って現地の風景と共に彼ら自身をモデルとした苗族の写真集を作ります。

 

このクラウドファンディングを通して、伝統工芸の盛んな金沢から苗族を応援することに挑戦します!

 

中国の少数民族「苗族」とは?

▲貴州省は中国西南部、四川省と雲南省の隣にあります!

 

苗族は中国の貴州省に暮らす少数民族です。


芭莎村は貴州省従江県(ツォンジャン県)に位置する苗族の村です。
ここは貴州省に数多く存在する苗族村の中でも特に伝統色が強く、村人たちは「生きた化石」と称されています。

 

苗族と日本人は文化の共通性が見られ、日本の稲作は彼ら苗族が伝えたとされる説もあります。

他にも納豆やなれずしなどの発酵食品、高床式倉庫などが共通しており、日本人のルーツともなんじゃないか?という説もあります。

 

 ▲秋の村内では稲がダイナミックに干されます!

 


▲芭莎村の苗族の男性と女性の衣装。ほぼいつもこの格好をしています。

 

芭沙村の男性の多くは赤紫色、独特の光沢を放つ亮布衣装に身を包み、腰には短刀、時には銃を所持しています。

なんと言っても剃りあげ髷(まげ)ヘアーがこの衣装にとてもよく似合っています!

 

そして女性も日常的な場において衣装の着用が見られます。

前掛けにスカートは定番スタイル。

この姿で家事も農作業もきびきびとこなしています!

 

苗族の伝統的な布文化である「亮布」とは?

彼らの衣装でとりわけ目を引くのが、衣装の素材に使われている赤紫色のピカピカの布。

この「亮布(リャンプー)」と呼ばれる布は、何度も藍染めされた布に牛の膠や卵白を塗り、叩くことによって金属的な光沢が現れます。

 

 ▲芭莎村での亮布作りの様子。左2枚:藍染め、中央:叩き、右2枚:光沢加工

 このほか蒸しの工程もあります!

 

布色は赤色味が強いほど良い布とされます。

草木染めによって赤色味を出すところもあれば、場所によっては豚の血を直接塗り付けたりするところもあります!

 ▲とある村での加工現場。夏の暑さの中、豚の血を使った作業は獣の香りが立ち込めます…!!

 

●特徴①:もはや布ではない?!質感

このようにして作られる布は硬くて紙、または革のような質感ですが、これにより山間に住む彼らを植物の棘から守っていたのだそう。

そのため、今も作業着として着用されている様子が見られました。

また硬いことは布上に細かな刺繍をする際や、スカートのプリーツを作る際にも都合がよいようです。

 

特徴②:使い込むほどにあらわれる渋み

 

もう一つの特徴として、亮布は水には弱く、濡れると赤色味や光沢は失われてしまいます。

しかし使いこんだ亮布は藍本来の色味が表れ、光沢感もマイルドに。

渋さを増すとともに風合いも柔らかくなってきます。

 

 

 

 

亮布の衣装作りについて

外で布を乾かす私。ちょっと苗族に見えなくもない?笑

 

かれこれ4年前に亮布と出会って以来、独特な色味と光沢を持つこの布に不思議と引き込まれ、懲りずに亮布を作り続けています。

 ▲2017年に制作した亮布(左からバーシャ村、チャンヤン村、サオシン村の製法を再現)。

▲2018年に作った亮布。色味と光沢感を上げることに成功!

 

自身も布作りをやってみて思うことは、亮布作りはかなり手間がかかるということです!

 

藍染めは染めムラが出来ないように酸化させ、乾かすたびに布を叩き、膠を塗ったら生乾きのうちに再度叩く…

同じ布でもそれぞれのタイミングの微妙な違いによって、出来上がりに大きく差が出てきます。

 

実際、一つの村でも家庭によって亮布の特徴はそれぞれです。

お隣の布は黒っぽいけど、向かいのお宅は赤色味が強い…など出来上がる布は「おふくろの味」のようで面白いです!

 

私はこうした布作りのほか、自作の亮布を使った衣装制作にも取り組んでいます。 

完成した衣装がこちらです。

 

▲左:素材の色味と光沢を活かしたジャンプスーツ。右:プリーツの効果を活かしたジャンプスーツ。

 

本プロジェクトでは、芭莎村の人々にこれら私作の亮布衣装を着てもらいました!

面白いことにこの衣装、意外と彼らの生活に溶け込んでいるんです。

(カメラマンの紹介のところで少し紹介しているので、見てみてくださいね!)


 

芭莎村の”今”を未来へ

苗族の村々は観光開発の影響を受けており、芭莎村もその村の一つです。

しかし、この村の生活空間にはまだ比較的苗族の伝統文化が見られ、それらは他の苗族村では見られない貴重な文化と言えます。

 

●生きた布文化

ほとんどの村では祭礼時しか衣装を着なくなっている中、芭莎村では日常的に亮布衣装を着用する人々の姿が確認できます。

しかもそれらは全て母親たちの手作り。

今回の撮影時にも、女性たちは布作りやその準備を至る所で行っていました。

▲現地の女性たちの布作りの様子

 

母親が家族のために布を作り、家族がそれらを当たり前のように着ている様子には「生きた布文化」を感じます。

 

●伝統と発展が入り混じる村


▲伝統的なミャオパンツに柄シャツを合わせ、カスタマイズした三輪トラクターに乗る若者。

 

比較的に伝統色が色濃く残る芭莎村ではありますが、年々目まぐるしいスピードで観光開発が進んでいます。

 

上の写真のような、伝統と現代の入り混じった光景ですらも、開発の波によっていずれ全て現代的なものへと差し替えられてしまうことは想像にかたくありません。

だからこそ今の姿を写真に写し、後世に残すことには大きな価値があると考えます。

 

●村と伝統から離れつつある若者


▲スマホを手にする若者。そしてトレードマークの髷ヘアー姿も減少しつつあるようです。

 

昨今は出稼ぎにより村を出ていく若者が増え、多くの村では高齢化が進んでいます。

伝統文化の担い手もお年寄りばかりであり、布づくりにおいても若者が布を作る姿はほとんど見かけられません。

 

悲しいことに、芭莎村においても若者の姿は減少傾向にあることが分かりました。

 

ここ数年、貴州省の各村では観光開発が盛んに行われていますが、若者が出稼ぎのために村を離れてしまう背景には、こうした彼らの伝統産業が仕事として成り立っていないためではないでしょうか。


そこで、日本人である私が、国境を越えた日本で彼らの文化の魅力を発信することは、苗族の伝統文化の需要拡大に繋がるのではないかと考えます。


私はその一手段として自らも亮布作りを行い、衣装を作ることで彼らの文化を肯定し続けていきます。

こうした私の活動が、相互の文化理解だけでなく、彼らに自分たちの文化に対して自信を持たせることに繋がっていくと信じています。

 

 

これからの苗族、そして芭莎村のために

これまで芭莎村を再三訪れ、そして今回撮影で芭莎村を訪れて改めて違和感を感じたことは、村の変化に対して受動的な彼らの姿勢です。

 

かつてはとても貧しかったであろうこの村も、近年の大開発によって生活はとても豊かになりました。

しかしそれと同時に、大切なものが失われてしまったことも事実です。

村の規模に対して大きすぎるチケットセンター、現代的な音楽とともに披露される表演パフォーマンス…

果たしてこれらは彼らが望んで作り出したものでしょうか。


残念なことに、彼らはこうした現状に対して受動的な姿勢でした。

村にお金が入ってくるならば、例えそれが自分たちが望んでいない形でも問題ない…

村ではこうした考え方が根付いてしまっているように思えてなりません。

 

彼らが自分たちのプライドをもっとしっかりと持たない限り、このままでは彼らの文化は第三者の手によって全く異なるものに変えられてしまうことになるでしょう。

そしてそれは民族的アイデンティティの喪失、そして文化の消失へと繋がっていきます。

 

これは芭莎村に限らず、他の苗族村にも言えることです。

 

だからこそ、彼らは改めて自分たちの文化を見直すこと、自身の文化に対する誇りをしっかりと持つ必要があります。

そのため、この写真集は、日本に苗族文化を広めるだけでなく、彼らのための写真集でもあるのです。

 

 

 


写真撮影について

実は先日の3/1~4にかけて一足早く撮影旅行に出かけてきました!


その一部がこちら▼

 ▲撮影開始前には村長さん(中央)にもきちんと挨拶!

▲老若男女問わず衣装を着用してもらい、楽しく撮影させていただきました!

 

撮影の様子は私のインスタグラム(アカウント名:komme.y)、Facebook(https://www.facebook.com/komme.y.kaori)にてもご覧いただけます!

 

カメラマンには世界一周経験のある友人・いそべちゃん(写真上・左)にお願いをし、春節もひと段落した落ち着いた村の様子を写真に収めてきました。

すでにアジアのあちこちを撮影してきた彼女も芭莎村は初めて。

そんな彼女はどのように現地の人々の姿を写してくれたのでしょうか…?!

 

写真のデータがそろった現在、ファンディング開始とともに編集作業も同時並行で行っていく予定です!

編集の様子もSNSにてアップしていきます!!

 

写真集の完成は7月を予定しています。乞うご期待ください!!



●支援金の使いみち

苗族の皆さんにも納得してもらえるような写真集を制作するためには、大学生の私のお金だけでは到底実現できません。

そこでこのクラウドファンディングでは、編集、出版費用にご支援いただくお金を使わせていただきます!

 

・写真集の出版費用 70%(約55万)

 発行部数は500部を予定しています。

 

・リターン費用(リターン品経費、リターン品送料) 10%(約10万)

 

・FAAVO手数料 20%(約17万)



●写真集の使い道

ご支援金で作ることができた写真集は、亮布やファッションアイテムの販促に利用するのはもちろんですが、写真集それ自体も販売していきます。

その売上を次のプロジェクトにおいて、現地の苗族の人々へ布作りの依頼費の一部として還元します!

 (第2段プロジェクトについてはまだ計画中です!)

 

●実行スケジュール

2月:月末に行く撮影旅行のために向けた準備、ファンディング開始前の告知、撮影のため中国へ

         (撮影の様子はノートにて確認ができます!)

 

3月:クラウドファンディング開始、編集作業

 

4月:編集作業

 

5月~6月:早ければ5月中に入稿&修正、個展開催予定(5月:金沢、6月:東京)

     5月4日には金沢にて亮布ワークショップを実施します!

 

7月:完成!!、出版記念パーティー開催予定

 

8月〜9月:リターン発送、完成した写真集を芭莎村に届ける(計画中)

      プロジェクト第2弾実行予定!

 

さいごに

苗族の人々の素晴らしい文化は世界のどこを見渡しても彼らしか持っていません。

そうした文化をたくさんの人に広めることは、苗族すべての人々が自身の文化を見直し、やがて自分たちから文化を発信していくことに繋がると考えます。

 

この写真集を通して、日本での亮布の需要を増やすだけでなく、彼ら自身が自己の文化を再認識するきっかけとなることを期待しています。

 

彼らの文化のいち理解者として、私の亮布作りや苗族の人々との交流はこの写真集のプロジェクトの後も続けていきます!

いつかは自作の亮布を全ての苗族の人々に「良い布だね」と認めてもらえるまで、私はプロジェクトを続けるつもりです!

 

苗族の文化を彼ら自身の手で守り育てていけるように、どうかご支援よろしくお願いいたします!!


●お問い合わせ先

ご不明点などございましたらrymp.miao@gmail.comまでお問い合わせください。

 

クレジットカード・コンビニ決済以外の支援方法 

現金や銀行振込など、クレジットカード・コンビニ利用以外でのご支援方法を希望される方は、個別に対応させて頂きます。

下記アドレスまでメールにてご連絡ください。折り返し手順についてご案内させていただきます。

 

★Email【rymp.miao@gmail.com

 

※1 ご連絡頂く際は、件名に"【FAAVO金沢】支援方法について"とご記入下さい。

また、本文中には下記情報を必ずご明記下さいますようお願い致します。

 

【必須記載事項】

・お名前

・ご住所(リターン品の送付先)

・電話番号

・メールアドレス

・ご支援金額

・ご希望のリターン品

 

※2 銀行振込の場合、振り込み手数料につきましては支援者さまにご負担頂きます。ご了承くださいませ。

 

その他、会員登録、クレジットカード・コンビニでのご支援方法につきましてご不明点ございましたら、お手数ですが上記メールアドレスまでご連絡下さいませ。どうぞ宜しく御願い致します。