皆様の温かいご支援のおかげで、第1目標の250万円を達成することができました。
誠にありがとうございます。
文化財に関しては、支援を集めることはなかなか難しいと聞いておりましたが、多くの皆様に力強い励ましのお言葉を添えての応援をいただき感動を覚えるとともに勇気づけられております。
心より厚く御礼申し上げます。
これまでいただいたご支援は建物外壁の防腐塗装などに使わせていただきます。
しかし、まだ、文化財である文庫蔵や外塀の修繕には資金が必要で、第2目標の500万円、更には第3目標の1000万円を目指したいと思います。
より一層の維持保存に努めたく思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。(8月4日追記)           

ページをご覧いただき、ありがとうございます。小樽貴賓館オーナーの佐藤美智夫です。小樽貴賓館では、大正時代に建てられたにしん御殿「旧青山別邸」の維持・保存を行っております。

「旧青山別邸」は、当時ニシン漁で巨万の富を築き上げた青山家が、現在の価格にして総工費30億円を注ぎ込んで建てた別荘です。最近では、週刊ヤングジャンプで大人気連載中の漫画「ゴールデンカムイ」4巻の裏表紙や、5巻の中で杉元と辺見が大暴れするシーンの舞台となり、多くのお客様にご来館いただきました。

ゴールデンカムイにも登場した枯山水

これまで、創建当時の美しさを保つため、毎年瓦の修復や壁の防水塗装・庭園の整備等々に努めてまいりました。修復・維持費は主に入館料などで賄ってきましたが、今回の新型コロナウイルスによる緊急事態宣言発令の影響により、売上が90%以上の激減このままでは、修繕・維持することが難しい状況となっています。

歴史ある貴重な文化財であるにしん御殿「旧青山別邸」を守るため、皆さまの温かいご支援をお願いいたします。

◆第一目標 250万円
◆第二目標 500万円
◆第三目標 1000万円
皆さまから頂戴する支援金は建物の修繕・維持費に役立てます。
万が一、支援金額が目標に達成しなかった場合も、皆さまからいただいた温かいご支援は修繕に活用させていただき、リターン品は必ずお送りいたします。

漫画「ゴールデンカムイ」の舞台にもなっている明治〜大正時代、北海道の日本海側ではニシン漁が一大産業でした。ニシンが獲れる春先の2〜3カ月の漁は「一起し千両」といわれ、約3カ月の漁で1年分の生活ができたほどだったそうです。また、獲れたニシンは肥料となり、北前船で本州へ運ばれ、日本の農業の飛躍的発展に貢献しました。

明治時代、ニシン漁のために山形県からやってきた青山留吉は、息子・政吉と二代にわたって財を成しました。そして、青山家最盛期の大正6年、二代目政吉は娘夫婦の政恵・民治と共に、別荘の建築にとりかかったのです。

右が二代目・青山政吉

三代目である政恵は、17歳のとき、北前船の寄港地である山形県酒田市の繁栄を築いたと言われるほどの大地主・本間家邸宅に何度も招かれ、その豪勢な建物に魅せられていました。父・政吉が別荘建築にとりかかったとき、政恵は「あの本間邸以上のものを、この祝津に建ててやろう」と決心。

それから6年半の歳月をかけて建設したのが、現在の「旧青山別邸」です。1,500坪の敷地に木造2階建て、6畳〜15畳の部屋が18室、総工費は31万円。現在の価格に換算して、およそ30億円。17歳の政恵が夢見た豪邸が、まさに完成したのです。

二代目・政吉は美意識が高く、娘・政恵と共に自ら、書や日本画を嗜み、一流好みだったため、本邸とは違う芸術的な建築物を目指しました。山形県酒田市から一流の宮大工を招き、その棟梁のもと一流の職人たちが匠の技を競い合いました。

積雪の多い北海道では珍しい瓦葺屋根、軒下にはすべて手彫りの彫刻、床や柱は欅の春慶塗り、神代杉の幅広天井・屋久杉の天井、紫檀、黒檀、タガヤサン、白檀を使った書院づくりの床の間……と建築材も職人の技も、どれも一級のものばかり。

北海道では珍しい瓦屋根。譲り受けた当初はトタン屋根でしたが、
職人さんたちのご尽力の元、当時と同じ瓦をつくり、創建時の姿を取り戻しました。

また、山岡鉄舟の書や現代書道の父と呼ばれる比田井天来が仕上げた襖、「新宿中村屋」の看板の字を書いた中村不折の書、狩野派の流れを汲む日本画の松本楓湖などが競って扇を書き上げた「扇の間」など、明治・大正時代の美術家たちの作品が数多く残されています。その一部を、ご紹介します。

現代書道の父と言われる 比田井天来の書 

「新宿中村屋」の看板を書いた、中村不折の書

狩野派の流れを汲む日本画の松本楓湖、今中素友、長野草風、野沢蓼州、
渡風などの絵師たちがその腕前を競って描き上げた扇絵。

三代目・政恵が愛した牡丹の花が描かれた「牡丹の間」。
ゴールデンカムイで杉元と辺見が逃げるシーンの舞台にもなっています。

こちらもゴールデンカムイに登場する、有田焼のトイレ。

旧青山別邸は、国の登録有形文化財に指定されています。しかし、文化財を維持していくための国からの支援はありません。私たちは、自力で歴史ある建物を大切に思い、創建当時の美しさを保つべく、毎年、瓦の修復や壁の防水塗装、庭園の整備等に努めてきました。

古い建物は、手をかけなければすぐに廃墟同然になってしまいます。

修繕して守ることはその当時の文化はもちろん、当時の職人の技術をも受け継いでいくことになります

床や柱はすべて、木目の美しさを出す漆塗りの一つ「飛騨春慶塗」。

木枠にぴったりと嵌め込んだ一枚硝子は、
現代の技術では復元不可能となっています。

これまでも、東日本大震災をはじめとする天災で苦境に陥ってきましたが、今回の新型コロナウイルスの影響は先が見えず、頭を悩ませています。同じように各地で文化財を守り続けている仲間からは、建物の解体を考えざるを得ないほどの危機だ、との声も聞かれます。

建物は解体されると、その場所に何が建っていたかも、すぐに忘れ去られてしまいます。この歴史ある貴重な文化財を保存し、末永く後世に残していきたいのです。 

勝手なお願いではございますが、にしん御殿「旧青山別邸」の維持・保存のために、資金のご支援を賜りたくお願い申し上げる次第でございます。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

にしん御殿 小樽貴賓館・旧青山別邸
北海道小樽市祝津3丁目63
http://www.otaru-kihinkan.jp/                                        


  • 2020/12/22 13:41

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2020/09/01 09:10

    この度は、キャンプファイヤークラウドファンディングを通して、にしん御殿 旧青山別邸の維持保存のために皆様から多大なる資金のご支援を賜り、誠にありがとうございます。初めての挑戦でしたので、どのようなことになるのか、不安もございましたが、お陰様で第2目標に到達させて頂き,5,009,000円を頂戴...

  • 2020/08/22 17:19

    これまでご支援いただきました皆様、誠にありがとうございます。プロジェクト終了1週間前にして400名を超える方々にご支援をいただき、またたくさんの温かいお言葉を頂戴し、より一層の文化財の維持保存の使命感を感じているところでございます。残り1週間となりますが、第二目標である500万円を目指したいと...

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