はじめに 

初めまして。日墨協会に勤めております、荒井杏里(右)と申します。こう見えて日系3世です。今から60年以上前、私の祖父(荒井明)が、戦後でまだ貧しかった日本から渡墨、アメリカンドリームならぬ、メキシカンドリームを追い求めてメキシコにやって来ました。たどり着いたこの地で、暖かな気候、フレンドリーなメキシコ人、おいしい食べ物に出会い・・・祖父は移住を決意。日本からお嫁さんを迎え、家族を作り、この地で父が生まれ、私が誕生しました。祖父母は日本に帰国することなく、愛したこの異国の地で生涯を終えました。そんな私はラッキーなことに、日本とメキシコ、両国の間で育つことができました。日系人ということもあり、現在はメキシコシティーにある「日墨協会 ASOCIACION MEXICO JAPONESA」で勤めております。これから、私の同僚である日本人従業員の鈴木綾華(左)と共に、私達についてご紹介します!

日墨協会はどんな所? 

時を遡ること120年程前、メキシコへの最初の移民「榎本殖民団」がチアパス州に入植しました。まもなくして1901年に殖民地は崩壊してしまいますが移民者はメキシコ全土に広がり、各地で日系社会を作り上げました。メキシコシティーでは1956年に日墨協会を発足、日系社会のシンボルとしてメキシコにおける日本とその文化に対する知識を広く普及すること、また、長い友好関係の歴史をもつ両国の関係の深化とその発展のための活動を積極的に行ってきました。現在、メキシコ各地に日墨協会支部が存在しており、各地でメキシコ人との交流や日本文化の普及、支部の拡大活動を行っています。

1959年、開会式の様子

近年では2015年のチアパス洪水災害の際に日系人支援や熊本を襲った大震災への義捐金の呼びかけを行うなど、日本とメキシコ両国のために協会ができることを積極的に行ってきました。

1997年のメキシコ日系移民100周年記念式典において日墨協会は中心となって式典の成功のために尽力し、秋篠宮ご夫妻をはじめ、日墨両国から多くの関係者を招待し、生け花や琴の演奏会など日本文化の展覧会や日本文化の紹介を行いました。

2006年日墨協会創立50周年記念には、当時のフォックス大統領と成田右文特命全権大使のご臨席を賜り、盛大に記念式典および諸行事が行われました。

そして2016年に日墨協会は設立60周年を迎え、日本の伝統文化の紹介から現代的な日本文化の普及も包括する活動をメキシコ各地にて精力的に行っております。

全国日系人大会は当協会主催の下、2年に1度メキシコに点在する日系コミュニティどうしのつながりを強化するために開催されております。2016年は当協会60周年記念行事と合わせ、アカプルコにて第13回全国日系人大会を開催し、メキシコ各地に在住している日系人約150名の方にお集まりいただき、改めてメキシコにおける日系人の歴史を回顧し、日本文化について知る機会の提供を行いました。このような日々の活動が評価され、設立60周年を迎えた2016年に平成28年度外務大臣表彰を受賞いたしました。

日墨協会に来館された主な要人
1967年 三木武夫元総理大臣
1974年 田中角栄元総理大臣
1976年 三笠宮崇仁親王
1984年 福田赳夫 元総理大臣
1985年 竹下登元総理大臣
1992年 当時皇太子殿下、現天皇陛下
1996年 橋本龍太郎元総理大臣
1999年頃 海部俊樹 元総理大臣
2014年 安倍晋三総理大臣
2014年 秋篠宮皇嗣殿下

現在、協会敷地内には1964年の皇太子·同妃両殿下(現上皇·上皇后両陛下)のご来墨に際して完成された日本庭園を有し、両陛下ご来墨記念に植樹された青桐や日本人メキシコ移住90周年記念の桜など様々な樹が植えられており、四季折々の美しさを楽しむことができます。

日墨協会内、日本庭園

現地テレビ局にて日墨協会の紹介(当時の日墨協会会長、菅原氏と)

現在、日墨協会にはたくさんのメキシコ人が通う日本語学校、生花や茶道が学べるカルチャーセンター、マンガ図書館、ジム、テニスコート、宴会会場等あり、年々施設が増えております。

イベントも開催

また年3回ほど行われる当協会主催の日本祭り(春祭り、夏祭り、秋祭り)では、日本の伝統舞踊、伝統音楽から最近のポップミュージックのステージ、また、メキシコに多く存在する県人会の協力のもと日本各地の郷土料理、日本の民芸品、盆栽、本などの販売が行われ、毎回絶大な人気を博しており、お祭りの来客数は6000人以上を記録しています。

2019年度春祭り着物ショー(在メキシコ大使、髙瀨氏と )

2019年夏祭り日本酒フェア

2019年秋祭り&花火大会

着物ファッションショーや、ステージ企画も盛りだくさんで、日本の文化にちなんだ出し物が沢山出ています。

メキシコ人の方たちが日本に興味を持つきっかけになるよう、毎年企画をしています。


同時進行でメキシコシティ内、また地方にも沢山のイベントにご招待いただき、参加しています。

メキシコシティで毎年開催されるFICAという世界中の国の出し物がでるイベントに日本代表として参加。

メキシコ中からグルメなものが集まる、その名もWTCグルメショーに参加。

映画「リメンバーミー」でも有名なグアナファト州にも招待いただきました。


グアナファト州レオンでのメキシコで有数のビッグイベント、FERIA DE LEON 2020 にも招待国として参加させていただきました。ラーメンや炭火焼などを販売し、地元のメキシコ人の方にも好評でした。

ユカタン州メリダのお祭り、FERIA YUCATAN 2019にも招待国として1か月間参加しました。

たこ焼がとても人気でした。

地方のイベントでも日本食は人気で、本場に近い味はどういったものなのか知ってもらうきっかけになりました。

レストランICHI

日墨協会の日本食レストランICHIはメキシコシティーで最初にできた日本食レストランです。弊協会の経営においてメインといえるのが、この日本食レストランとなっております。

メキシカンナイズされてる日本食レストランが多い中、レストランICHIではメキシコ人の方たちに、知っていたただくためにもできる限り伝統的な日本食のメニューも多く提供しております。

レストランICHIの料理長山端氏。メキシコにて「レベルの高い日本食」を提供してきました。


また、メキシコシティー初となる和食を中心とした朝食ビュッフェを毎週末行い、日本庭園の見えるテラスでゆっくりと、日本の朝ごはんを食べれるということで沢山のお客様に好評をいただいておりました。

ごはん、雑穀米、みそ汁、納豆、温玉、焼き魚など日本の定番の朝食メニューからチキングリルサラダや、春雨サラダ、コロッケ、ジャガイモとタコのバジル和え、アボカドエビサラダなどの豊富なおかずも用意し日本人からメキシコ人の方まで楽しめるビュッフェでした。


コロナウイルス騒動により…

メキシコにコロナウイルスの感染が広がってきたのは、3月ごろのことでした。

朝から夕方まで沢山のお客様が来られ、週末はいつも満席だったレストランも、 3月後半からはお客さんが70%減、そして4月からは政府の要請で、レストランはお持ち帰りのみの営業となりました。

スポーツエリアやカルチャーセンター、日本語学校も閉めることになってしまいました。

メキシコ政府からの補助、支援はまったくありません水道光熱費、税金関係も普段通り請求が来ている状況です。

もちろん、80%以上売り上げが落ちてしまった現状況では、そういった経費の支払いに対して払える収入がない為、従業員も出勤日数を減らし、その分給料も今までの半分に減らし、苦しい思いをさせてしまっているのも現状です。

7月からは、またレストランの営業を再開できたものの、未だメキシコはコロナウイルス感染者のピークというものが見られない状況の為、お客さんの数は戻らず、未だ、いつ誰が感染してもおかしくない状況が続いている為、経営状況が戻る見込みが立っていません。

お持ち帰りのみになってからは、少しでも収入を増やそうとお弁当配達を開始。従業員も日墨協会を助けようと必死に頑張ってくれています。


資金の使い道

・日系社会、そして日本とメキシコ両国の為、如何なる状況でも存続し続ける強い思いがあります。この為、まず経営状況が回復するまでは、皆様から頂いた支援金を運営資金としてありがたく使わせていただきます。

・次に、先人達が残してくれた日墨協会の大きな土地は、維持管理費が大変かかります。現在の収入では支払が困難なので、これらの費用にあてさせていただきます。



・さらに建てられてから60年以上経った本館は、老朽化が大変進んでしまっており危険なのでこれらの修復も行います。日頃よりご利用いただいている方と支援していただいた方に感謝を込め、修復された建物でお迎えさせていただきます。

・ここ数年日本語学校の生徒が増加しており、教室が足りなくなるほどまでになっていましたが、コロナウイルスの影響でオンライン授業になりました。この期間を利用して施設を整え、学校が開き以前のように活気を取り戻した際には、たくさんの生徒を迎え入れられるようにと考えております。

・50年の歴史がある25メートルプールもありますが、老朽化の為、赤字を出してしまっている状況です。当初の予定では今年中に改装、刷新をするプロジェクトを進めておりました。当プロジェクトの予算は、レストランやイベント等の売り上げによって賄う予定でしたが、レストラン自体が営業自粛となり、こちらは難しくなってしまいました。さらにはコロナウイルスにより政府からの使用中止要請を受けてしまい、プールも開けることができなくなりました。このままではプールはいつ再オープンできるか分からない状況ですが、目標金額を達成した場合、使用者のいないこの期間を利用して当初の改装プロジェクトを遂行します。こうしてプールの赤字削減を行い、さらに先人達の財産であるこの施設を何十年も先まで受け継いで参ります。

最後に

日墨協会は、政府からご予算を頂いて活動をする団体ではございません。

日本とメキシコの関係をより良くする為、日系人の方たちの居心地のいい環境を作る為、活動資金も、私たちがレストランやイベントなどで得る利益で賄っております。

日墨協会会長 中村剛のご挨拶

日本のみなさん、こんにちは。
5か月に及ぶ、コロナ禍の中で、今までたくさんの方の笑顔であふれていた日墨会館にはお客様が来なくなりました。すべてのイベントが中止になり、これからいつ再開できるか、わからない状況です。
レストランは縮小して、工夫して、再開しました。
このたび、次の世代にもこの日本とメキシコがつながる日墨会館を残すため、このような決断をいたしました。是非みなさまのご協力をお願いいたします。


日墨協会に関する情報閲覧・お問い合わせはホームページから可能です。

https://www.amj.mx/home-japon 

公式フェイスブックも是非チェックしてください。

https://www.facebook.com/amjapon/

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