ご挨拶

 はじめまして、コドモオフィス代表理事の大西貴子と申します。普段は神戸教育短期大学こども学科で幼稚園教諭や保育士を目指す学生の教育に携わっています。またわたしは発達障害を専門とする臨床心理士でもあり、教育の傍ら、ずっと児童精神科での心理臨床業務に携わっています。代表理事 大西貴子
神戸教育短期大学
こども学科 准教授

 これまで「医療」と「教育」という発達障害児を取り巻くふたつの大切な場所に身を置く中で、たくさんの有能な専門職、意欲ある学生たち、そして個性輝く子どもたちやそのご家族と出会い、生きづらさを感じている子どもたちが、適切なサポートの下、それぞれの才能を発揮して社会で活躍する大人になっていく姿を近くで見てきました。

 この春、わたし自身やまわりの人たちの異動などをきっかけに、せっかくできあがったこのつながりをもっと地域に根ざした形で残していきたいという思いから、今回のチャレンジが始まりました。みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。


これまでの活動とプロジェクトを立ち上げた理由

 わたしたちはこれまで、奈良県立医科大学や奈良教育大学特別支援教育センターを拠点に、発達障害児を対象としたさまざまな支援プログラムを開発し、地元の学校園の先生や学生たちと一緒に実践してきました。

副代表理事 根來秀樹
奈良教育大学教職大学院 教授
 

 たとえば、学習に苦手意識のある子どもたちと夏休みの宿題に取り組む「夏休み!!宿題おたすけプロジェクト」、特定の対象に強い興味を持つ自閉スペクトラム症児を対象とした「鉄オタ倶楽部」、読み書き困難があり通常の学習スタイルでうまくいかない児童を対象とした「放課後学習支援・寺子屋」など、それぞれのニーズに合わせた支援プログラムを継続実施し、地域の皆様からも好評をいただいてきました。


苦手な算数は算数博士におまかせ!

宿題おたすけプロジェクト2019〜作品と一緒に記念撮影

 しかし近年、発達障害支援が広がっている一方で、担当者の転勤や管理職の交代、あるいは卒業や転校によって支援が途切れてしまうことが課題となっており、大学での支援も同様、提供できるプログラムの数、規模、クオリティなどが、スタッフの入れ替わりや体制の変化に左右されてしまう現状があり、近いうちにこれまで続けてきたプロジェクトも立ち消えになってしまう危険がありました。

 そこで、地域を拠点に安定的に支援を続けられる場所を作りたい、各種専門家が集まってコドモたちのために連携できる小さなオフィスを作りたいという思いから、それぞれの職場とは別に、NPO法人としてコドモのためのコドモオフィスを作ることにしました。


鉄オタ倶楽部の大回り乗車遠足

通過駅でレアな編成を待つ!


このプロジェクトで実現したいこと

 この法人でわたしたちが実現したいことは、発達障害のある子どもやその周辺にある子どもが、問題児ではなく〝魅力的な変わり者〟として輝いていけるように、そして将来、社会の一員として自立できるように、個性に応じた対応を切れ目なく行うこと、その拠点を維持するための基盤を作ることです。

 本来、人と違うこと=障害ではないはずなのに、悪いことのように扱われ、ときには気の毒がられ、自分は人より劣っていると思い込んでしまう。そうやって学校や社会での生活に苦戦し、才能の芽を摘まれてしまう子がたくさんいます。

 たしかに発達障害児には、いわゆる平均的な子どもとは一風変わったクセの強いタイプも多く、幼い頃から育て方が難しいと悩んでいる保護者もたくさんいらっしゃいます。適切な見極めと、それに基づく支援があれば、高い能力を発揮できるお子さんもいますが、残念ながらそこに至る前に才能を閉ざされてしまうケースも多いのです。

理事 飯田順三
奈良県立医科大学
医学部看護学科 教授
 

 わたしたちのNPOでは、理事に児童精神科医、臨床心理士、教師が就任し、医療・心理・教育といった三方から子どもたちを支えるイメージで運営を始めつつあります。そこに教育学部で特別支援教育をみっちり学んだ学生を含むスタッフを加え、それぞれが自分の得意分野を担当し、ご利用者様のニーズに合わせてさまざまな支援プログラムを導入していく予定です。また同時に、小学校から近い駅前商店街の一角にオフィスを構えることで、子どもが学校帰りに勉強していったり、ママがお茶を飲みながら座談会を開いたり、学校の先生が集まって勉強会をしたりできるような、生活に密着したみんなのための居場所を作りたいと思っています。


具体的なプログラムをいくつかご紹介します。(くわしくは、コドモオフィスのホームページをご覧ください!)


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放課後しゅくだいシート

平日の放課後はコドモオフィスで宿題をしてから家に帰ろう!45分の時間制で君のための集中力全開シートをキープします。家では集中できなくてつい遊んでしまう人、寝る前に思い出して目の前が真っ暗になる人…宿題シートを活用して毎日の親子バトルを解消しましょう!

少人数学習指導クラス

注意集中力不足や読み書き障害によって、勉強の仕方がわからない、授業内容の取りこぼしがある等、通常の方法では学習内容が身につきにくい小中学生を対象に、個々の認知スタイルに応じた勉強法を一緒に考えながら少人数グループ指導を行います。

夏休み!!宿題おたすけプロジェクト

奈良教育大学で行われていた大人気プログラムがコドモオフィスに移籍!夏休みの3日間で山盛りの宿題を片付けましょう。発達障害教育をみっちり学んだ教育大生と現職教諭が特技を生かして宿題完遂をサポートします。保護者は別室で子どもの様子をのぞき見ながらペアレント・トレーニング・プログラムを受講します。


夏休み‼宿題おたすけプロジェクト2019

マニア倶楽部

好きなことをハイレベルにとことん追求したい人のための余暇支援プログラム。鉄オタ倶楽部に続くマニアックな倶楽部を順次創設していきます。

鉄オタ倶楽部発表会のお知らせ

ママ部会

会員保護者による情報交換会、学習会、座談会などを行います。ママ部会からのアイデアがコドモオフィスの活動に反映されることもあります。

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応用行動分析(ABA)学習会

奈良教育大学で実施されていたティーチャー・トレーニング・プログラムのアドバンス編。子どもの行動の流れに注目してその行動の目的を明らかにし、問題行動を防いで適応行動を増加させるための環境操作について学ぶ会です。臨床心理士も一緒に参加します。

現職教諭のABA学習会

アイデア教材開発部

既存の教科書等を用いた授業や宿題に苦戦する子どもたちの学びをサポートする学習教材について、教員同士でアイデアを出し合い開発する会です。


資金の使い道

 コドモたちの地域生活の中に根付く居場所を作るには、学校に近く、アクセスの良好な立地や活動にふさわしい広さ、設備、加えて信頼できるスタッフの確保といった条件を満たすための資金面に大きな課題があり、常々これに頭を悩ませてきました。

 開設にかかった費用は、活動の拠点となるオフィスの賃貸契約料(約60万円)、リフォーム費用(約200万円)、ホームページ作成料(約30万円)、事務関連機器購入費用(約50万円)、合計約340万円、この他に、心理検査購入費用(約30万円)、学習支援に必要な教材やタブレット等(約30万円)、チラシやリーフレット等の広告宣伝(約10万円)がまだ必要です。

 さらにこの度の新型コロナウィルス感染拡大の影響もあり、役所での手続き、融資の申込み、リフォーム工事、銀行口座の開設などがすべて予定より大幅に遅れ、目処が立たない間は宣伝を打つこともできず、結局オープンが予定より3ヶ月以上遅れた上に、小中高校の休校によって学校での困り事の把握も遅れ、スタートアップで大きく躓くことになりました。しかしそれでも毎月の固定費はかかってきます。このような状況で、事業が軌道に乗る前に早くも苦境に陥っている次第です。

 初期費用は融資や個人的な立替でなんとか都合をつけ、理事や発起人達はすべてオフィスの活動にはボランティアで携わっていますが全員が有職者であり、ご利用者様のニーズの高さを考えると、一刻も早くここでの業務に専念できるスタッフを有給で雇用しなければ成り立ちません。

 そこで今回、スタッフみんなでいろいろと考えた結果、みなさまのお力をお借りするべくクラウドファンディングに挑戦することにいたしました。ご協力いただいた資金は、まだ購入できていない必要機器の支払いや、広告宣伝費、そしてスタッフ雇用の初期費用として大切に活用させていただきます。


リターンについて

 わたしたちの法人は、商品の開発や販売を主事業としていないため、ご協力くださったみなさまにお返しできるモノを持っていません。未来を担うコドモたちの役に立つ新しい支援のかたちを生み出すこと、そして地域の人材育成や、医療および教育機関の質の向上への貢献を最大の恩返しだと思って、精一杯がんばってまいります。

 ご厚意を寄せてくださったみなさまには、ささやかですが、わたしたちの仲間が奈良をイメージしてデザインしたロゴ入りの法人メンバーズカード、リーフレット、ショップカード等の非売品をお届けするとともに、事業の経過を定期的にお知らせすることをお約束します。またコドモたちからお礼のお手紙を送らせていただきます。


実施スケジュール

4月 賃貸契約&リフォーム工事着工
5月 リフォーム完成&家具搬入
6月 プレオープン(役所のテレワークによる法人認証遅れのためスタート時に法人化できず)
7月 NPO認証
8月 オープン(夏休みの短縮やコロナ感染拡大によるプログラムの縮小・・・)
9月 学校の2学期開始(学習支援クラス本格稼働のためスタッフの雇用が必須)


最後に

 日本の発達障害支援は、ともすればそれぞれの個性的な才能や興味関心を押し殺し、''ふつう''に見える技術を育てるための「特訓」に偏って行きがちです。わたしたちは発達障害児の自分らしさを育む〝切れ目のない支援〟を実現したいと思っています。社会的資源の乏しい奈良県で、今までにない、コドモが生き生きと活動できる居場所を維持していくため、厳しい立ち上げの時期を支えてください。何卒ご協力をお願い申し上げます。


※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2021/02/10 20:00

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2020/09/20 10:42

    みなさんこんにちは。この4-5日でじわじわご支援の輪が広がり、今朝101人となりました!100の瞬間を見逃してしまったのですが(T . T) 朝から盛り上がっておりました。認定NPOの条件は「年平均」100人以上。こんなんなんぼあってもいいですからね!ラスト13時間、最後までよろしくお願いします!

  • 2020/09/13 22:44

    みなさんこんばんは。引き続きたくさんの応援をいただき、ありがとうございます。いよいよ残り1週間を切りました。コドモオフィスのメンバーはみんな医療や教育という公的サービスに携わっていて、まったく商売人気質ではないので、営業活動はとても苦手です。しかし1人でも多くの方に、自分たちの活動を知っていた...

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