ご挨拶

初めまして。

私たちは、九州を中心に難民申請者にたいして法的な支援を行っている福岡難民弁護団です。

福岡難民弁護団は、2007年7月にミャンマーのロヒンギャ難民の支援をきっかけに結成され、ネパールの難民事件などにも力を入れて取り組んできました。現在、約20名の弁護士が活動し、これまで支援をしてきた難民申請者の数は50人を超えています。

この度、私たちが支援を行っている大村入国管理センター(長崎県大村市)に収容中の難民認定申請者のうち、仮放免(かりほうめん)という手続きを希望している方々の支援を行うため、クラウドファンディングを立ち上げました。

「難民」ってどんな人?

皆さんは「難民」と聞いてどのような人々を思い浮かべますか?

意外かもしれませんが、科学者として知られるアルベルト・アインシュタインやサッカー指導者のワヒド・ハリルホジッチ、モロゾフという洋菓子メーカーの生みの親であるフェードル・D・モロゾフも難民とされている人々です。

難民は、英語では「REFUGEE」と表記します。これは、「REFUGE」(避難する)という言葉から来ています。

このような英語表記からも分かるように、難民とは一般に「紛争や人権侵害から自らの命を守るために母国を離れ逃れてきた人」のことを指します。私達弁護団は、このうち、日本も批准している難民条約にもとづいて難民申請をしている人たちを支援しています。 

日本政府による2019年の難民認定数は、申請者1万375人に対して、わずか44人、わずか0.4%の認定率とされています。

一方、各国の難民の受入数(2018年)をみると、例えばアメリカは254万3千人、ドイツは16万1900人、フランスは11万4500人となっています。このような各国の難民受け入れ状況と比較すると、日本の難民認定数は極めて少ない状況といえます。

「仮放免」ってどんな手続き?

難民申請者は母国での迫害を恐れて保護を求めている人たちであり、犯罪者ではありませんので、本来は身柄拘束されることなく、難民申請手続きができることが理想です。しかし、日本では、在留資格がないことを理由に入国管理センターに収容されている難民申請者がたくさんいます。

大村入国管理センターの様子。収容期間が2年以上にわたることも。弁護団と収容者の面会もここで行われます。

「仮放免」とは、出入国管理庁の施設に収容されている外国人の身柄を、健康や人道上の理由で一時的に解放制度です(刑事事件でいうと「保釈」の制度に似ています)。

入国管理センターに収容されている難民申請者の中には、何年にもわたり収容され続けている人もいます。

彼らの多くが、自由を奪われた生活による過度のストレスや、健康状態の悪化、迫害のおそれのある母国に強制的に送還されることに対する恐怖から逃れるために、「とにかくここから出してほしい」と、仮放免を求めています

中には、先が見えない状況の中で、不安にかられ、自殺をはかって病院へ運ばれる人や、ハンガーストライキという生命をも失いかねない行為で何とか仮放免を認めてもらおうとする人もいます。

2018年4月には、東日本入国管理センター(茨城県)において、インド国籍の男性が亡くなるという事件が発生しました。当局の発表によれば、自殺とみられるとのことです。この男性は、亡くなる前日に仮放免申請が却下されたことを知らされたとのことで、長期間にわたる収容を悲観したとみられています。

さらに2019年6月には、仮放免申請を繰り返し却下され、大村入国管理センターに3年7か月もの間、収容されていたナイジェリア国籍の男性が亡くなるという事件が発生しました。この男性は、ハンガーストライキ中に体調が急変したのですが、長期収容に対する抗議としてハンガーストライキを行った可能性が高いと考えられます。

入国管理センターからの仮放免のためには保証金が必要です。

2007年以降、出入国在留管理庁が管理する施設内において、収容されていた人が自殺した事件は4件発生しており、自殺以外の病気等の死因も含めた死亡事案は12件発生しています。

このように、収容を長期間にわたり継続することは、収容されている人の身体の自由を奪うだけではなく、生命を脅かすことにもなりかねません。

このため、仮放免を実現して収容者の身体拘束を解くことは難民申請者の法的な支援の一つとして重要な意味があります。

保証金の必要性

しかし、仮放免に際しては、300万円以下(未成年者に対しては150万円以下)の保証金の納付を求められます。現在の運用では、ほとんどの場合、入管から通常、数万円から数十万円の保証金の納付を求められます。

難民申請者のほとんどは、命からがら母国を逃げ出した方々ですので、高額な保証金を自力で用意できる難民申請者はほとんどいません。

日本国内にいる知人を頼るなどして何とか保証金を準備できる人は幸運ですが、そうでない場合、保証金が準備できないために、仮放免の申請を断念せざるを得ない状況です。

せっかく入国管理センターが仮放免を認め、あるいは認める可能性があるのに経済的理由から仮放免による身柄解放ができないことは人道上の見地から非常に問題があります。

また、入管施設はいわゆる3密状態であり、いつ新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生してもおかしくない状況です。福岡難民弁護団は長年にわたって収容されている人の裁判支援などをしてきましたが、このような状況において、仮放免の実現に今まで以上に力を入れる必要があると考えています。

ファンディング資金の使い道

今回のプロジェクトでは、仮放免が認められた、あるいは認められる可能性があるにも関わらず、保証金が準備できず仮放免が実現できないというケースについて、保証金の原資を皆様からの寄付で準備したいと考えています。

対象となるのは、福岡難民弁護団が支援をしている長崎県大村市の大村入管センターに収容中の難民申請者で、仮放免を希望している人たちです。

前に述べた通り、現在の運用では、仮放免に際し、数万円から数十万円の保証金の納付が必要です。このため、本プロジェクトの目標である100万円の支援金が集まった場合、少なくとも、難民申請者のうち5名以上に対する仮放免の保証金の支援を行うことが可能となると考えています。

また、保証金は、仮放免の終了時に返還されることになりますので、いただいた支援金は別の申請者の保証金にくり返し充てることが可能です。

申請者にとっては、広く社会から経済的な支援が得られれば、今後、日本国内において難民申請手続等を継続する上で大きな精神的支えにもなります。

これまで、皆さんにとって遠い存在であった難民という存在が、本プロジェクトを通じて少しでも身近に感じられ、日本社会全体の問題として考えていただくきっかけにもなり得ます。

このような可能性を秘めた本プロジェクトにぜひご支援をいただけますよう、よろしくお願い致します。

弁護団の会議の様子。それぞれの難民申請者の状況にふさわしい支援方法を検討します。

弁護団代表から皆様へのメッセージ

私たち福岡難民弁護団は、主に福岡県内の弁護士が中心となって2007年に結成された団体です。

これまで、ミャンマーのロヒンギャ難民やネパールの難民事件などに取り組んできました。

大村入国管理センターに収容されている難民申請者への法律相談や、難民申請者の代理人としての活動などを行っています。

日本国内に難民の認定を希望している人たちがいるということ自体、多くの方には、なじみの薄いことだと思います。今回のプロジェクトで、皆様に支援をお願いするのは、日本での難民認定を希望している外国人が収容されている入国管理センターから一時的に解放されるための「仮放免」という手続きに必要となる保証金の原資です。

入国管理センターでの収容は、1年から3年以上と長期化する傾向にあり、その間、外部とは電話はできるものの共同部屋での生活であり、日々相談にのっている私たちの目からみても、とても過酷な環境です。

どのような理由で日本での難民認定を希望するかは、難民申請者の出身国の経済、政治、文化などにより様々ですが、少なくとも難民として認められるかの結論が出るまでの間、外界から隔離された入国管理センターで長期間収容を行うことは収容者の心身に不必要な苦痛をあたえる点で問題があると考えています。

この点を理解していただき、今回の仮放免の保証金プロジェクトにご協力いただければ多くの難民申請者の支援につながります。

ぜひ、私たち弁護団の活動にご協力くださいますようお願いいたします。


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