はじめに・ご挨拶

『辺境写真家』として、主に辺境地域の民族文化や風景を撮影しております栗田哲男と申します。

一般的にチベットといえば、チベット仏教を思い描くかと思います。しかし、わずかではありますが、チベット族の中にもキリスト教徒やイスラム教徒も存在します。
中国雲南省の北西部・迪慶チベット自治州は小説『失われた地平線』で有名なシャングリラなどがあり、多くのチベット族が暮らす地域です。そこを流れる瀾滄江(メコン川上流部)沿いの小さな村もそうしたキリスト教徒(カトリック)のチベット族が暮らす村の一つです。

私は2007年に初めてこの村を訪れて以来、何度か再訪して撮影をしてきました。それらの写真によって、ほとんど知られることのないチベット族キリスト教徒の存在と文化を伝えるのと同時に、マイノリティーの中に存在するマイノリティーをテーマとした写真展を開催したいと考えております。

また、写真を大きくプリントしたり、現地の雰囲気を幅広い視覚で感じていただけるような展示と空間作りを行いたいと思います。見に来てくださる方々が実際にその地にいるかのような感じを少しでも味わっていただき、より興味を持っていただけるような展示にしたいと思っております。

しかし、そのためには多額の資金が必要です。つきましては、皆さまのご支援をいただければと思います。

会場と展示について

写真展の会場は、カメラメーカーのキヤノンが運営するキヤノンギャラリー(東京銀座と大阪)です。
ここで開催するには厳しい選考に通らなければならず、プロの写真家にとっても、非常に開催が難しい場所であります。私自身も、昨年は別テーマで応募して落選している状況です。

今回とても幸いなことに、選考に通りキヤノンギャラリーにて開催する機会をいただきました。

今回の選考に応募したのは、まだコロナ禍が身近な話題ではなかった今年の1月でした。応募時には想像すらしていなかった社会状況になり、私自身の仕事にも大変大きな影響を受けております。今年から新たに始める予定であった仕事の企画も全て無くなるという事態になっております。

先ほど述べましたように、簡単に開催できるものではない会場での写真展、そしてせっかくいただいたこのチャンスです。また、こういったご時世ですので、次回いつ再び開催できるのかも分からない状況です。
こんな時代・こんな状況だからこそ、とことんこだわった展示をして、ご覧いただいた方に少しでも何かが伝わるものにしたいと思っております。

そこで、現在の展示構想としましては、長辺で2メートル超の巨大なプリントを3点、そしてA1サイズ程度のものを数点、小さめのもの多数を考えております。また、A1サイズや小さなサイズのものは、既製品の額ではなく、現地の雰囲気が少しでも伝わるような、オリジナルの特殊な装飾を施したものを作成したいと考えております。
大きなプリントや、特殊な額の作成に一般的な写真展よりも費用が多くかかるような状況であります。


写真展スケジュール

【東京】
期間:2020年10月29日(木)~11月4日(水)
   ※日・祝日は休館
場所:キヤノンギャラリー銀座

【大阪】
期間:2020年12月3日(木)~12月9日(水)
   ※日曜日は休館
場所:キヤノンギャラリー大阪

両会場ともに入場無料です。是非お越しください!

詳細は、以下の私のウェブサイト内イベントページにて随時更新していきます。
「Tetsuo Kurita Photography」イベントページ

リターンについて

写真集や図録、ポストカードといったものを外部に委託して新たに制作しますと、どうしてもそこに大きな費用がかかってしまい、本末転倒な状況になってしまいます。よって、基本的に私自身の作業でできるもの、私の時間を使ってできるものを中心に用意させていただきました。その点をどうぞご了承ください。

写真家自らによって完成までのディレクションを行い、撮影した写真を「作品」として作り上げ、サインを入れたものを「オリジナルプリント」と呼びます。一般のプリントとオリジナルプリントの違いはこういった点となります。

また、タイ族のショールにつきましては、同じく雲南省のタイ族の村で私が購入した新品です。木製の織機を用いて織った綿100%のものです。長さ190×幅34.5cm、重量363gとなります。

木製の織機で生地を織るタイ族の女性。

資金使途の詳細

前回の同会場での写真展では150万円以上の費用がかかりました(ゲータボード加工:430,164円、プリント:244,512円、会場無料配布用パンフレット印刷:230,000円、試作及び一部掲示物作成用インクジェット用紙:189,361円、試作用インクカートリッジ:330,029円、DM追加印刷分:22,464円、その他)。
これは打合せのための出張費、オープニングパーティー費、在廊のための交通費・宿泊費といった費用を抜いたものです。また、この中で外部に委託した制作費は約92.7万円でした。

前回は初めての大きな会場での写真展ということで、経験もなく無駄な経費もかなり多かったと思います。また、徹底的に色を作り上げるための試作を繰り返し繰り返し行ったため、紙やインクを大量に消費しました。

前回の写真展。キヤノンギャラリー銀座、名古屋、福岡にて開催。写真は名古屋会場。


今回は、徹底的に無駄を省き、その分、2メートル超の大きなプリント(3点ほどで、それ以外はもっと小さなサイズ)、そして現地の雰囲気を伝えられるようなオリジナルの額の制作に多くの資金を充てたいと思います。

つきましては、募集する150万円は以下の通りに、大切に使わせて頂きたいと思います。

・作品プリント、額装代・・・  100万円
・試作費       ・・・      8万円
・掲示物制作費    ・・・      3万円
・展示飾りつけ費   ・・・      3万円
・交通費宿泊費    ・・・      7万円
・CAMPFIRE手数料  ・・・ 約28万円
 ※達成額に対し(掲載手数料12%+決済手数料5%)+税
・その他雑費     ・・・   約1万円

メッセージ

私は元々会社員でした。日本の上場企業の駐在員として中国に17年間滞在し、その間に現地法人社長も長く務めました。私にとって仕事はやりがいもあり、とても満足なものでした。
しかし、5年前にそれまでの仕事を辞めて、フリーランスの写真家へと転身しました。

私は若い頃から旅が好きで、アジアを中心に色んな国々を旅しました。観光地ではない普通の田舎の村々を回るのが好きでした。私が写真家になったのは、旅先で見かける一般的にほとんど知られることのない現地の人々の生活や文化、そして彼らの存在自体を伝えたいと思う気持ちが強くなったからです。

正直、写真家という仕事はそれまで私が思っていた以上に経済的に厳しいものでした。会社勤めのうちに多少の蓄えは備えていましたが、それもあっという間に底をつき、今は食うに困るような生活です。それでも写真家になったことに全く後悔はありません。

今回の写真展も正に私が写真家になった目的を果たすようなテーマです。
先にも述べましたように、残念ながらチベット族キリスト教徒という彼らの存在は一般的にほとんど知られていません。
また、私たちが持っている知識は、時として図らずも無意識のステレオタイプとなってしまい、逆にそのステレオタイプの中で埋没してしまう人が生まれることすらあります。例えば、チベットの人々はチベット仏教徒であるという知識もその一つです。
ですから、この写真展によって、マイノリティーの中に存在するマイノリティーであるチベット族キリスト教徒の存在と文化を、より多くの方々に伝えられたらと思っています。

みなさま、何卒ご支援をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

干したヤク肉を食べている私です。強烈な紫外線で顔の皮膚がボロボロの状態でした。

最後に私のプロフィールです

辺境写真家 栗田哲男(くりたてつお)

愛知県名古屋市出身。1971年生まれ。経営学修士。中国語はネイティブ並みに堪能。中国在住17年の経験有り。日本の上場企業の海外駐在員を、現地法人社長として長く務めた後、フリーランスの写真家に。特に秘境・辺境地域に暮らす少数民族の写真を文化人類学的な側面から捉えることを得意とし、『辺境写真家』という呼称で活動。

ウェブサイト:Tetsuo Kurita Photography(https://www.tetsuokurita.com)

写真展(個展)
2015年 『天空世界』(POINT WEATHER)
2017年 『虫草 ―チベット・極限の標高5000m地帯で冬虫夏草を採る人々―』(キヤノンギャラリー)

受賞歴
2019年 中国泉州華光撮影双年展 優秀写真家
2019年 東京国際写真賞(TIFA)銀賞および銅賞
2020年 モスクワ国際写真賞(MIFA)銅賞

なお、本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2020/10/24 10:56

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2020/09/22 19:29

    紙を切って工作をしてみました。展示のある部分を、頭の中のイメージだけでなく(簡単ではあるものの)実際に形にしてみて、これで良いかどうか判断するためです。今回の展示において重要なポイントになる予定ですので、これが実際の展示ではどこで使われているか、会場まで足を運んでいただきご覧いただければと思い...

  • 2020/09/19 09:33

    クラウドファンディング開始から1ヶ月ちょっとが経ちました。72名という大変多くの方々の温かいご支援により、目標額の3分の1にまで来ています。ご支援いただいた皆さん、本当にありがとうございます。心より感謝いたします。さて、DM(案内状はがき)も写真のように出来上がってきました。会場入り口に貼るポ...

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