はじめに・ご挨拶
  •  サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道で知られるスペインのガリシア州と、和歌山県が姉妹道協定を結ぶ熊野古道は、熊野三山と呼ばれる「熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社と那智山青岸渡寺の三社一寺をつないでいます。これらに加え、高野山、吉野大峰といった三カ所の霊場などを含めた地域は「紀伊山地の霊場と参詣道」という名称で2004年にユネスコ世界遺産に登録されました。時の実力者であった後白河法皇や百人一首の撰者を務めた藤原定家などの平安時代の皇族や貴族たちが祈りを抱きながら歩いた巡礼道は、世界にも珍しい「歩く世界遺産」として世界中の観光客を集めてきました。 大きな悩みを抱えたり、壁にぶつかったとき、「黄泉の国に往き、生まれ変わって現世へ戻る、蘇りのためのプロセス」として、祈りながら「熊野詣」を繰り返したのです。その信仰心を集めた古道は、そのまま武士や庶民が引き継ぎ、現在の私たちも同じように巡ることができる悠久の時の流れを感じられる神秘的な場所なのです。
  •   世界中の旅行者が注目するLonely Planetがちょうど2年前に発表した、訪れるべき世界の旅行先ランキング「Best in Travel 2020 地域編」の第5位にランクされたその紀伊半島も、新型コロナの影響で海外からの観光客はおろか国内の行き来もままならない状況になってしましました。

  •  新宮市には、四方を深い森と熊野川、そして青く広がる熊野灘など豊かな自然に囲まれ、こうした古くからの自然崇拝に根ざす『熊野信仰』が受け継がれ、熊野速玉大社をはじめ神倉神社、阿須賀神社などの名勝が日常の風景に溶け込むようにまちなかに点在しています。まさに、神代と現代、神域と俗界がまるでモザイクのように織り重なる不思議のまちです。
  •  その熊野速玉大社の例大祭は、神代のころに神倉山に降臨したという熊野速玉大神(イザナギノミコト)と熊野夫須美大神(イザナミノミコト)の来臨の様子を再現しているそうですが、熊野速玉大神の神霊が神馬で渡る「神馬渡御式」や熊野夫須美大神の神霊が朱塗りの神幸船で御船島を回る「御船祭」なども、今年は大幅に規模を縮小して行わざるを得ない状況になってしまいました。
  •  海外からの大型クルーズ船の寄港で賑わった新宮港も観光客を歓迎するイベントも全くなくなり、関係者の皆さんは元気がありません。そんな熊野新宮の国内外の販路拡大のお手伝いをしてきた私たちも、予定をしていたプロモーションは全て中止になってしまいました。今回は、このクラウドファンディングの仕組みを通じて、1200年以上も前の平安のころから天皇や貴族たちが魅せられ続けた甦りの地の無形の魅力を再確認し、地域の皆さんとともに元気を取り戻したいです。


神倉神社


御燈祭(おとうまつり) 

※地域の食の魅力を伝えるおもてなし

 海・山・川と3つそろった新宮市は、まさに山海の食材の宝庫。三輪崎漁港で水揚げされるカツオの他イワシ・サバ・アジ・トビウオなどの海の幸。そして山の恵みを活かしためはり寿司や茶粥などの郷土料理。新宮市にはこうした地元グルメが楽しめる飲食店が豊富にそろっています。 そんな中、熊野なまずなど、ほかではお目にかかれないご当地食材にぴったりと合う地域の食の魅力を伝えるのが「和美場(なごみば)くいしんぼう」。今回は、酒販店のご主人でもある「日本酒ドクター」的場さんに、地元の食材を使った数々のお料理と熊野の地酒のベストペアリングを教えてもらいます。熊野古道の土壌から採取した酵母から生まれた日本酒や、まぐろによく合うお酒など、ウツボ、サツキマス、生マグロ、アマゴ、熊野ゆかりの日本酒、焼酎、リキュールなど個性あるお酒とのペアリングをおたのしみください。


※熊野なまず 

熊野なまずは奥深い熊野の山々の麓に流れる地下水で、卵から成魚になるまで育った完全養殖のサステナブルななまずです。国内では限られた地域の密かなご馳走として知られているのみですが、 フランスやアメリカでは低カロリー高タンパクな高級食材として広く親しまれているヘルシー食材です。繊細で味わい深い身質はお刺身はもちろん天ぷらの食材として最高です。また、熊野なまずの皮には鳥や豚などとは異なる特性のコラーゲンが豊富に含まれ、コラーゲン鍋としては最高です。熊野にゆかりのあるお酒とともに先人たちが歩いた巡礼地に想いを馳せてお楽しみください。



※那智勝浦の近海生まぐろ 

「目利き力!」たくさんの肴を見て捌いて経験したからこそ分かることがあります。「まぐろが好きだ!」四季のある日本でよかった。紀州沖で獲れる透き通るような透明感のびんちょうまぐろとキハダまぐろの旬は1月から4月です。モチモチ、プリプリして脂の乗りが最高になる旬の美味しさが口の中で広がります。まぐろに合う地酒とともにどこまでも続く太平洋の広がりを感じてください。「焼き節にこだわって110余年」黒潮踊る熊野灘を望む三輪崎村で明治に創業した老舗が工夫を重ねて積み上げた燻蒸製法で加工しました。自慢のゆず節に使うゆずは古座川をさかのぼった古座川町産のものにこだわっています。しっとりした香りはワインにもよく合います。脂ののったびんちょうまぐろ(とんぼ)の生利節とともにお楽しみください。

※熊野牛 

黒潮と緑豊かな自然、山から湧き出る豊かな水、恵まれた気候風土の中で愛情と丹精込めた飼育法で育てられた黒毛和牛です。肉質はきめ細やかで柔らかく、脂肪の質もよく、甘みと風味に優れています。飼育数も限られた和歌山の隠れた名品を地元ゆかりのお酒と共にご賞味ください。


※熊野の地酒

 新宮で40年の酒販店「地酒みゆきや」を営むご主人的場さんは、「日本酒ドクター」の異名を持つ日本酒のプロ。熊野にまつわるお酒の数々を、料理人歴20年の感性で様々な郷土料理とのペアリングを提案しています。熊野の魅力は目の前に広がる太平洋や、幾重にも重なり合う奥深い山並みだけでなく、この地に来ないと手に入れることのできない無形の価値あるものがきっと存在しているからこそ、古から多くの先人たちを引き付けてきたのだと語ります。日本最古といわれる社殿のない花の巌神社、小さな社殿の神倉神社、玉置神社の玉石など、社殿もなかったり小さかったり、二千年も遡る自然崇拝や山岳信仰の源とのこと。そんな熊野の魅力に肌で触れる幸せを感じる熊野感幸(くまのかんこう)にお越しくださいと、メッセージを頂いています。


 



このプロジェクトで実現したいこと

有数の漁獲高を誇る那智勝浦港の生まぐろや、緑連なる奥深い山々の清冽な川の恵みの熊野なまずや熊野牛など、豊富な海の幸、川の幸、山の幸に恵まれた世界遺産のまちの物産を紹介するウェブサイトを立ち上げ、国内外に向けアピールをしていきたいです。


プロジェクトをやろうと思った理由

多くの外国人でにぎわったこの地域も新型コロナの影響で非常に苦しんでいます。このままでは日々の暮らしがつながっていかず、次代を託す子どもたちに明るい未来を渡していけない状況です。

これまでの活動

ビー・ワールドグループは2019年より熊野地域の物産の海外向けの販路開拓のお手伝いを始めました。今年も海外から有力なバイヤーを招聘し 地域を代表する食材をアピールする予定でおりましたが、新型コロナの影響で全く活動ができなくなってしまいました。

資金の使い道

日本在住の様々な国の人たちに地域の物産の魅力を知ってもらい、その様子を国内外に発信するECサイトを立ち上げます。

リターンについて

熊野牛と地酒

熊野なまずと地酒

地酒

実施スケジュール

10月に開始

12月15日締め切り

2月からリターン送付開始

最後に

様々な信仰の対象となり古くから多くの旅人が歩いた熊野古道は、海外の名だたるガイドブックの上位に取り上げていただき、国内の観光客のみならず多くの外国人観光客が地域の人たちと触れ合いながら聖地巡礼を体験する心温まる地域でした。それが、この新型コロナの影響で全くと言っていいほど観光客がこなくなり、地域の方々のくらしも非常に厳しい状況になってしまっています。このままでは地域の子どもたちに明るい未来をつないでいくことができません。どうぞ地域の魅力を食べて応援してください。


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


運営インフォメーション:
B WORLD GROUP CO., LTD(ビ・ワールドグループ株式会社)

企画・プロデユース:
AZONIX JAPAN CO., LTD(アゾニックス ジャパン株式会社)

写真提供:新宮市

協力:新宮港埠頭株式会社

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