はじめに・ご挨拶
2020年4月15日、友人から「猫が捨てられている」と聞き、行くと3匹の仔猫が捨てられていました。
ありがたいことに2匹は知人が受け取っていただけるとのことだったので、残りの1匹を娘として受け入れることにしました。私と妻がアガサ・クリスティのファンということから、「マープル」と名付けました。
私たち夫婦は年の差婚で去年入籍をしておりまして、私が25歳で私の妻は今年で44歳になります。年齢のこともあって、悩みぬいた末に子供は産まないことを決断していました。そんな最中に突然天使が舞い降りてきましたので、本当にわが子のように3人家族で幸せに暮らしていました。
マープル は食慾旺盛、元気いっぱいに遊んですくすく成長していったのですが、10月下旬頃から急にごはんを食べなくなり、動きも鈍くなりました。
最初は「寒くなったのでおとなしくなったのかな」、「大人になってきた証拠かな」と思い少し様子を見ていました。
この思い込みが今となってはとても後悔することになりました。
2日間ごはんを食べなくて、大好きなガムのおやつをあげても食べませんでした。
これはやっぱりおかしいなと思い、すぐに病院に行くと40度の高熱を発生していることが発覚しました。
病院からは猫風邪だと診断され、抗菌剤を打ってもらい、すぐに良くなると思うと言われました。
それを聞いて安心していたのですが、数日経ってもマープルの様子があまりよくなっていませんでした。
ごはんは全く食べずに、たまに水だけを少し飲む程度でした。
うんちもせず、どんどんやつれていくのがわかり、毛もパサパサになり、体もガリガリになりました。
後日、病院に行くともしかするとFIP(猫伝染性腹膜炎)かもしれないと言われ、血液検査をしてFIPの診断をしてもらうことになりました。
FIPだけは避けてほしいという願いは虚しく、2020年11月5日にFIPが陽性であると診断されました。
通常の数値の1600倍の結果が出されました。
※掲載の許可をいただいています
原因はおそらく、野良猫との接触です。
マープルは妻の勤務先に連れていってまして、職場の猫部屋で遊んでました。
しかし、目を離したすきに玄関付近にいた野良猫と接触してしまいました。
すぐに離させましたがそこで感染してしまったと思われます。
FIPは致死率100%の病気で長くても数か月、早くて数日で亡くなってしまう恐ろしい病気です。
マープルの状態はかなり悪く、一刻を争う状態だと言われました。
心臓が氷で包まれたようにキュッとなり、頭の中は雪のように真っ白になりました。
悲しい、本当に悲しいです。
3人家族の思い出が、切ない思い出として頭に浮かび上がってしまいます。
こんな悲しいのは嫌だ、どうにかできないものなのか、必死になって治る方法を調べました。
こんな恐ろしい病気でも、一つだけ助かる可能性があるということがわかりました。
それが、「mutian」です。
mutianは日本国内では未承認の動物用医薬品という扱いになります。
従って海外輸入品となり、費用もかなり高額で、完治するまでに100万円以上かかります。
かなりの額で驚きましたが、可能性が少しでもあるならと思い、大阪でmutianを取り扱っている長居動物病院に行きました。
院長先生に受診していただき、FIPでウェットタイプ、症状は中期的、治すにはmutianしかないと言われ、即答でお願いしますと返事しました。
その後、FIPとmutianのことについて丁寧に教えていただき、本当に親切に対応してくださいました。
翌日からmutianに投与を開始することを決め、2020年11月7日から84日間、2021年1月30日までの闘病生活が始まりました。
※「mutian」は日本において動物医薬品として承認されていません。
マープルの飼い主として、個人的な自己責任と判断のうえでマープルにとって投与が必要と考えていますが、全てのFIPの猫に「mutian」が有効であるという趣旨ではありません。
このプロジェクトで実現したいこと
mutianの治療でマープルを助けたい。
今後FIPにかかった猫に少しでも役に立てるように詳細な記録を残したい。
あまり認知されていない薬なので、被験者として結果を残し、参考にしてもらいたい。
プロジェクトをやろうと思った理由
FIP(猫伝染性腹膜炎 )は一度発症してしまうと完治が難しい病気です。
現在のところ、日本でFIPを完全に治す治療法はありません。
mutianは日本で使用され始めてからまだ時が浅く、有用性も定かではありません。
それでも同じ病気で助けてあげたいと思う方は今後必ず出てくるはずです。
一被験者として、記録をしっかりと残し、少しでも役に立つ情報を提供して、助かる猫たちを少しでも増やしていきたいと心から思っています。
FIPの概要
以下は先生からご教授いただいた内容やネットの情報をもとにFIPについての概要をまとめています。
FIP(Feline Infectious Peritonitis )=猫伝染性腹膜炎
病態:猫コロナウイルス(FIP)が原因となった、自己免疫性のアレルギー性疾患
ほとんどの野良猫は感染しているが、基本的には免疫力によって重症化することは少ないが、年齢や環境によって全身感染してしまう。
FIPウイルスに感染すると「単球マクロファージ」と呼ばれる免疫細胞の中で増殖します。免疫力が弱いとここで暴発してしまい、血管や臓器が炎症を起こしてしまう。
原因:糞尿、唾液のみ、空気感染はしない。
感染したのちにストレス過多によって発症するケースが多い。
特に1歳未満の仔猫、11歳以上の老猫がほとんどで、その中から約10%の確率で重症化する。
タイプ:ウェットタイプ、ドライタイプ
・ウェットタイプ
マクロファージでウイルスが暴走したのちに、血管の方にウイルスが繁殖して、血管に大きな穴を開ける。その穴から水がもれ、胸水、腹水、心のう水などの症状を発生する。
ドライタイプと比べると、軽症であり、症状も慢性的。
mutian治療以前は致死率100%、寿命は1年半ほどであった。
・ドライタイプ
マクロファージでウイルスが暴走したのちに、 肉芽腫と呼ばれるブツブツの突起物が臓器に繁殖する。
ブツブツによって管が圧迫され、体の循環を止めてしまう。
脳、肝臓、腎臓、脾臓、リンパ節、腸などで症状が発生する。
かなり重症で、薬の投与はウェットタイプの1.8倍必要。寿命も短く、数日で死んでしまうケースが多い。
投与方法:カプセル、粉状
・カプセル
口にカプセルを入れて、シリンダーなど横から水を入れ込み、流し込む。
・粉状
チュールやミルク、コンデンスミルクなどと一緒に食べさせる。
投与の注意点
毎日必ず同じ時間に投与しなければいけない。
体重によって投与量を変える。
投与の5時間前と1時間後は食事禁止。空腹の状態で投与する。
84日間が完治目標
記録
2020年2月 誕生
2020年4月15日 我が家に
2020年10月10日 目ヤニがひどく、病院に行くと風邪と診断。薬を打って、数日後には回復。
2020年10中旬 野良猫と職場で接触、数秒間鼻をこすり合わせる程度。
2020年10月下旬 明らかな食欲不振、行動が少ない、ずっと寝てる、目が虚ろ、
2020年10月28日 病院で40度の高熱が発覚。猫風邪だと診断。
2020年10月30日 熱は40度、病院で点滴とオゾン治療を実施。先生から熱が下がらないのはおかしいと言われるが、とりあえずもう一度オゾンを打ってみて様子を見ることにした。
2020年10月31日 熱が下がる。オゾンを打って経過を見ることに。
2020年11月1日 再び高熱。血液検査を実施。黄疸の数値が高かった。先生からFIPか三臓器炎の可能性があると言われる。 オゾンと点滴とステロイドを打って、三臓器炎の可能性を探る。血液をFIP検査の提出。
※掲載の許可をいただいています
2020年11月4日 ご飯を食べず、水も飲まなくなる。 病院で点滴とオゾンを打ってもらう。
2020年11月5日 病院からFIPが陽性だと連絡を受ける。数値は正常の1600倍。腹水もある。
※掲載の許可をいただいています
2020年11月6日 大阪で唯一mutianを処方する長居動物病院へ
2020年11月7日 mutian投与開始
資金の使い道
mutian 3000円/100mg 400~mg/日(体重によって変化) 84日間
3000×400×84×1.1(消費税)=1108800円
後半の体重のことを考慮して、1400000円はかかると医師から伝えられました。
目標設定額は治療費の140万円を設定させていただきます。
もしも募集金額よりも上回った場合は、病院までのレンタカー代や腹水治療代など他の治療費に充てさせていただきます。
今後の闘病記録や活動記録は必ず投稿させていただきます。
ご協力お願いいたします。
リターンについて
メッセージや手紙、写真、動画、ポストカード、額縁の写真、マープルの写真がクリアファイルなどを用意させていただければと思います。
心を込めて、できる限りの返礼をさせていただけばと思います。
2021年2月ごろから順次送付予定です。
実施スケジュール
・闘病スケジュール
2020年11月7日 mutian投与開始
2020年12月7日 1か月検診
2020年1月7日 2か月検診
2020年1月30日 mutian投与終了
2020年2月以降 定期的に検診
・クラウドファンディング
2020年11月中旬 クラウドファンディング開始
2021年1月下旬 クラウドファンディング終了
2021年2月 順次返礼品送付開始
最後に
マープルは妻の職場のデイサービスに毎日ついて行っています。
デイサービスの利用者の方たちに大人気でいつも可愛がられています。
中には、マープルを見て利用したいという方もいて、まさに招き猫のような存在です。
マープルが病気になってから利用者の方たちがみんな心配して、餌やチュールやおもちゃをたくさん買ってきてくださいました。
たくさんマープルを心配してくださりいろんなお声をかけていただきました。
「まーちゃん早く元気になってね」「おてんば娘は大丈夫かいな」
中には涙しながら心配してくださった方もいました。
利用者の方だけでなく、スタッフの方もみんなマープルが大好きです。
病気になってからは、猫用の健康食品をいっぱい買ってきてくださり、食べやすいように手作りの胸肉のごはんをわざわざ作ってきてくださったり、車の無い私たちを病院まで車で連れていってくださったりで、ほんとに感謝してもしきれないくらいマープルのために尽くしていただいています。
デイサービスにはもう一匹、スタッフの飼い猫のメリアちゃんがいて、マープルはメリアと大の仲良しです。
いつも追いかけっこやかくれんぼをして遊び、寝るときはかならずそばで寝ます。
でも、FIPの疑いがかかってからは接触禁止で全く会えていないのでお互いとても寂しそうです。
私たち夫婦だけでなく、利用者の方、スタッフのみなさん、お友達のメリアちゃん、みんなに愛されているマープル。
そしてみんながマープルの回復を願っています。
みんなにたくさんの幸せの時間を与えてくれたマープル。
たった半年で逝っちゃうのはあまりにも悲しすぎます。
希望がある限りはそこにすがりたい。少しでも長生きさせてあげたい。
今度は私たちからの恩返しでもっとたくさんの幸せをマープルに与えてあげたい。
どうかご協力願えますでしょうか。
少しだけお力をお借りさせてください。
宜しくお願い致します。
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