初めまして!ARAKAWA ii VILLAGE(アラカワイイビレッジ)の女将でございます。

ご興味を持ってくださり、ありがとうございます。

私たちARAKAWA ii VILLAGE(アラカワイイビレッジ)は、「あら、かわいい。荒川イイ!」を合言葉に、東京都荒川区、西尾久という街で "下町の道の駅" をテーマにした小さな複合施設を作るプロジェクトを進行中です。

「店長」や「責任者」など普通の肩書も多々ある中、「女将(おかみ)」という肩書に違和感をお持ちの方もいらっしゃると思います。
私たちの運営するARAKAWA ii VILLAGEは、ショップの運営から企業を対象としたデザインワーク等、様々な役割を持っています。
そのため、"店"や"デザインスタジオ"というより、私たちを必要としてくれる全ての人々に対して開かれた"施設"でありたいと考えています。その人々の望みを叶えたり目標達成のサポートをする、いわばお世話役のような立場という理由から、女将を名乗らせていただく運びとなりました。

東京、下町ならではの良さを発信する"場"を作りたい

よく聞かれるのが、「なぜこの場所で?」というご質問。

確かにJRの駅からは遠く、都電荒川線が主な交通手段。ARAKAWA ii VILLAGEの場所をご存知の方は口々に「こんな奥まった場所でよく店作ろうと思ったね」とおっしゃいます。確かに、住宅地の奥の奥。おまけに背後には隅田川が流れています。偶然通りかかって多くの人に知ってもらうには厳しい場所です。

それでも、私たちを熱く突き動かしたストーリーがこの場所にはあります。

それは、この場所がかつて鉛筆工場だった。という事。

昔からものづくりの街だった東京都荒川区の基幹産業の一つだった鉛筆。

建築家のスケッチにも、ジェット機の設計にも、パリコレで称賛されるファッションのデザイン画にも、鉛筆は、すべてのものづくりの始まりの場所にいつも一緒にいて、クリエイターのインスピレーションをそっと支えて来ました。

惜しまれつつ閉業した鉛筆工場から、誠に勝手ながらバトンを受け継いだつもりでおります。

これからも、鉛筆にかわってものづくり産業を支えたい!そう思っています。

テーマが "下町の道の駅" と申し上げましたが、ご存知のとおり、現在の東京都荒川区は田畑の広がる地域ではなく、あいにく新鮮な農産物を販売する、従来の道の駅ではありません。

私たちが目指すのは、この街で『暮らす人』がいつでも立ち寄れて、毎日をちょっと豊かにするものが手に取れるお店である事が1つ。

もう1つは、この街で『働く人』の仕事を知ってもらう場所になる事。

江戸時代から職人の街として発展して来た東京都荒川区。 

江戸の中心部から程近い立地、隅田川が流れていて物流がスマートな事など、理由は様々のようですが、金属加工・木工・ガラス加工・染色etc…このコンパクトなエリアにこんなに多くの技術が凝縮されているのは全国でも稀な事です。

現在もたくさんの町工場があり、職人さんのお話を伺うたびに、技術・アイデア・情熱を持って仕事をしている事に胸を打たれます。

私たちの暮らしを支えるこの街の職人さん達は、街の宝物。これを絶やしてはいけない。

この街で感じる事は、荒川区の街も人も、情に厚く、外部からやって来て何かを始めようとする人に対してとても寛容。 それが若者や外国人であっても。

東京でありながら、ゆっくりとした空気が流れ、街のそこかしこで挨拶する人々がいる。

駄々をこねる子供に優しく声をかける素敵なお節介が息づいている、そんな街です。

でも、街の風景は少しずつ変わって来ていて、古い工場が取り壊され、細長い建売住宅が何軒も建ったり、商店街も昔のような賑わいは失われつつあります。

どんなことにも変化はある。だから、その全てが悪いとか嫌だと思うわけでは無いけれど、日本人はこの数十年、一度失くしたら二度とは戻ってこないものを、簡単に捨て去ってきたのでは?そう思わずにはいられないのです。

でも、まだ間に合うんじゃないか。そう思って2019年10月に私たちのARAKAWA ii VILLAGEプロジェクトは始まりました。


「嵐の中の灯台」でありたい

しかし、2019年10月にARAKAWA ii VILLAGEが始動した矢先、COVID-19の感染拡大による緊急事態宣言。人や物の往来が大きく制限を受けて、当然私たちも身動きが取れない状況に陥りました。

日本全体のものづくり産業は大きな打撃を受けており、荒川区でも倒産や廃業が加速しています。

この状況、身をかがめて嵐が去るのを待つのが賢い?

いいえ。

全ての人に開かれた"場"を作る。スクラップ&ビルドの時代が終わり、古くなっても価値があるものを作る人々の支えになる。
その思いでスタートしたのに、こんな事で立ち止まっていてはいけない!
誰しもが不安で、辛さを抱える時だからこそ、未曽有の事態だからこそ、私たちは歩みを止めちゃいけない。小さな灯火を絶やさない。私たちは「嵐の中の灯台」であろうと決めました。

そんな思いで、毎日不安ながらもジタバタと出来る事をやっていく中で、不思議な事に、同じ思いを持つ地域の人々と出会い、その出会いが新たな出会いを生んでいきました。
「1人じゃないよ」と伝えようとした私たちに、色んな方々が「1人じゃないよ」と語りかけてくださる感覚の中。徐々に不安は消え、まっすぐに「今、私たちがやるべき事」が見えてきました。

地域に仲間が増えてきた事で、動き出したこと。

当初から、「地域で連携してイベントをたくさん開きたい!」と意気込んでいた私たちですが、COVID-19の影響で人が集まるイベントの企画は全て白紙状態でした。
イベントを開催するリスクも大きいし、様々な意見がある事も重々承知している。このまま年を越す方が無難だという事は分かっていますが、ARAKAWA ii VILLAGEとして、それが本当に正解なのだろうか?と答えを出せずにいました。

ARAKAWA ii VILLAGEには、秘密基地のようなガレージがあります。
このガレージなら、それなりの人数が入っても密にならないし換気もバッチリ(というよりほぼ外)。
抑圧状態が長く続いてストレスを抱えている地域の方々に、「ほんの少しでも楽しい時間を提供できないかな?」 そんな声かけに賛同してくれた地域のお店や職人さんたちと、昨年の12月6日(日)に ARAKAWA ii VILLAGE初となるクリスマスマーケットを開催しました。

初めての主催イベント、SNSでの集客効果も不透明、住宅街の最奥地で偶然通りかかるという集客はほぼ不可能。という不安要素しかない中で、当日を迎えましたが…

想像をはるかに越える人数のお客様にお越しいただき、誰もが「楽しい!次はいつやるの?」や「荒川区がおもしろくなってきてる気がする!」などの嬉しい声をたくさん聞く事が出来ました。
悩んだけれど、やって良かった。そしてこれからも常に挑戦しよう。そう心に刻んだ一日でした。

いつも「たった一人」の喜びに寄り添いつづける

今回のクラウドファンディングに挑戦した理由は、この秘密基地のようなガレージを活用できる状態にする事で、私たちのやるべき事が一歩前に進むと思ったからです。

テーマを『道の駅』として活動していますが、地域に貢献している!と言える事業はまだごく一部にとどまっています。

次の時代のものづくりを模索する企業や職人さん、私たちのお店に小さな幸せを探しに来てくれるお客様。当たり前の事ですが、感じ方や考え方は十人十色で、1人として同じ人はいません。

私たちにとっては、そのすべての人が尊く、『たった一人』の喜びに寄り添う事が私たちにとっての普遍的なテーマとなっています。

一昨年のプロジェクト始動で、まず自分たちの店を持ちました。 ものづくりをする人と、それを手に取り、宝物にしてくれる人を繋ぐ役目としてです。

そして、このリノベーションが完成しても、ARAKAWA ii VILLAGEはまだまだ完成しません。

繋がりが新しい繋がりを生み、新しいストーリーが生まれていく事に終わりはない、そう思うからです。


資金の使い道・実施スケジュール

みなさまからご支援いただいた資金は、建物のリノベーション費用とリターン品のご用意に充てさせていただきます。 

店舗、カフェスペースとして営業が出来る設備を作るのはもちろんの事、フリースペースとして展示やイベント、ワークショップをしたい!という作家さんや企業の皆様の、「こうだったらいいのに」を叶える場所になるよう、工夫を凝らしたリノベーションをしたいと考えています。

クラウドファンディング終了後に、自己資金と合わせて工事内容を確定させ、大工さんに工事をお願いする予定です。
資金の不足分はDIYで作業し、秋口にはお披露目出来るよう進めていきます。


リターンのご紹介

ARAKAWA ii VILLAGEらしいリターンを色々ご用意しました。


リノベーションしたガレージのカフェは、寛ぎの時間にもリモートワークにも最適な空間になるようデザインをします。
地域のこれからを一緒にワクワクしてもらうお披露目パーティの参加チケット。
作り手と買い手を繋ぎたいと強く感じた、ARAKAWA ii VILLAGEが始まるきっかけとも言える陶芸家の作品など、これからの ARAKAWA ii VILLAGEのストーリーを一緒に紡いでくださる支援者の皆様に届けたいものばかりです。


最後に

私たちARAKAWA ii VILLAGEは、たった3人で運営する小さな会社です。

今後も、多少の増員はあるにせよ、自分たちの会社を大きくして、たくさん従業員を雇う事は目標としていません。目が届かなくなり、『たった1人』の顔が見えなくなる事は私たちの目指すものではないのです。

「ハニカム構造」というのをご存知でしょうか?

蜂の巣は、六角形の集合体で構成されていて、強度としなやかさに長けている事から様々な分野に応用されています。

ARAKAWA ii VILLAGEのロゴには、鉛筆をモチーフにした六角形が隠れています。

これには、私たちを突き動かしてくれた鉛筆への敬意はもちろん、「自分たちは小さなピースでも、六角形のピースが集まればとても強いものになる」というメッセージが込められています。

ビレッジ(村や集合体の意味)というネーミングにも、一つの箱に入って同じ事をする集まりではなく、個々が輝きながら、手助けしあうコミュニティの一員でありたいという想いを込めています。

地域の人と力を合わせて、街の魅力を増幅させること。これが私たちの目標です!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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