足早に過ぎゆく毎日を意識しながら1枚、1枚・・来年のカレンダーは日めくりを使いませんか?「破らない」「1年で終わらない」366枚。記念すべき2020年まで3年使え、めくるたびに筆字の漢字が語りかけます。地方創生・和文化発信の同志としてパトロン様全員のお名前を巻末に掲載いたします。

みなさま初めまして!「毎日いい漢字・破らない日めくり366」のプロジェクトに関心をお寄せいただきありがとうございます。1年で捨てなければならないカレンダーがしのびなく、こんなカレンダーあったらいいなと、思い切って作ってみることにしました。

表紙のイメージはこんなカンジ。

五・輪・地・水・火・風・空の七つの漢字を。英雄・宮本武蔵の兵法「五輪書」のタイトル5巻からとりました。風水の5属性でもあり、万物の基となる5つの漢字で幸先良く。

2020年7月24日は、東京五輪が開幕する日。来年1月1日より、記念すべき年まで3年使えるもの、しかも「開幕まであと何日?」が楽しめる情報も入れてみることにしました。

3年連用日記のイメージで、1枚で3年分の情報を載せます。めくるたびに現れるのは、書家の筆による一文字の漢字。一年366日(2020年は閏年)分の漢字をピックアップします。

日めくりと言えばM岡S造さんの熱い褒めくりが有名ですが、このプロジェクトのために心を込めて手書きされた漢字一字も、それぞれの日々の心の持ちようによって見え方が違い、眺めるたびに、いろいろなことを語りかけてくれるはず。

大きさは縦15センチ、横21センチのA5冊子サイズで卓上型。

 

厚さはなんと3センチありますが、特殊加工によりきちんと自立します。

日にちに対する漢字は、ランダムなものもあれば、きょうは何の日?や、年間行事、はたまた有名人の誕生日等、いろいろな情報にちなんで選んでいます。何日に何の字が来るのかはどうぞお楽しみに。。とはいえ、選んだ漢字はすべて「いい漢字」のみ。不吉な字やマイナスイメージが先に来る字は選んでおりません。 

盆踊りがある頃には「月」を選びました。字の背景にあるデザインにも、さりげなく大きな意味を込めました。

このプロジェクトは、福岡県田川市を活動拠点とする民間団体「共同ポケット」( 山本剛司 /青木美香) の企画です。

私たちの故郷は、月が出た出た〜の民謡で知られる炭坑節発祥の地。日本の近代化の礎を築いた石炭産業と共に歩んだ町です。数年前から「温故知新」をモットーに、産炭地ならではの歴史や文化に目を向けその記憶を今に伝え残していこうと「創造力」と「想像力」を発揮して、地域振興プランニングやイベント企画、オリジナルグッズの制作などに取り組んできました。

田川市と東京五輪。ある記憶を辿ってみれば・・・

光陰矢の如し・・・年々、曖昧となる記憶。

 ふと気がつけば2020年まであと3年。月日が過ぎるのはなんと早いことかと驚いてしまうのはきっと私たちだけではないでしょう。

田川市は日本初のユネスコ世界記憶遺産を生んだ町だから。人々の日々の「記憶」や「思い出」を大切にできるものを作りたい!

かつて田川市の炭鉱で働いた山本作兵衛翁が晩年になって子や孫たちに当時の様子を伝えたいと描き残した炭坑記録画が、日本初のユネスコ世界記憶遺産に登録されたのは2011年のことでした。当時は町中がその快挙に沸き、全国からたくさんの観光客が田川市に押し寄せましたが、今となってはそれもまた遠い夢の記憶になりかけています。

日本初の開催は今から半世紀前の1964年のことでした。

 実は、私たちの故郷「田川」にとっては1964年はどん底、雪辱の年だったのです。 

1964年。華やかな東京の賑わいとは裏腹に、日本の近代化の礎を担った私たちの町の三井田川鉱業所は閉山に追い込まれました。オリンピック景気などどこ吹く風、その年を境に何万人という人が、職を失い、家を失い、町はたちまちスクラップされて衰退の一途を辿りました。あれから半世紀以上がすぎ、迎える2020年。田川市にとっては再起をかけたリベンジの年とも言えます。

他のどこにもない、私たちにしか作れないメモリアルグッズを世に送り出したい!

今回のプロジェクトは8月、平成29年度田川市産業創出育成支援事業に選ばれました。

 実に56年ぶり2度目の日本開催は果たして生きている間に、もう二度とないかもしれません。そんな記念すべき2020年を、今から、ここから、意識しながら日々を大切に過ごせていけたらと考えました。私たちがイメージするこのカレンダーは単なる便乗商品、営利目的ではなく、故郷の歴史を、はたまた日本人としての誇りや学び、世界にアピールしたい和文化とその気質を「言葉」の力によって発信することを目的として、福岡県田川市からの認定・助成を得てスタートしました。

しかしながら、越えなければならない壁。

日めくりカレンダーとして前例がない形状ゆえに、印刷・製本費だけでも約300万円。その他、デザインや制作にかかる費用をまかない、全国書店で流通させていくためにも、どうしても資金が足りない状況です。

それでも作りたい!こだわりの形状。普通の日めくりカレンダーとはココが違う!

 セールスポイント① 従来の破り捨て型ではなくリングノート型で最大3年間繰り返し使用可。保存や贈答にも便利な専用箱入で売り出したい

専用の箱入です。使い終わった後も本棚にそっと立てられるような形状で、現在は真っ白ですが、箱にも素敵なデザインを施す予定

セールスポイント② 専門書家が前向きな意味を持つ漢字を中心に一日一字をセレクト。手書きの筆で366パターン書き下ろし。漢字の大意を説明する簡単な英訳もついてくる。

共同ポケット・青木の執念。

音読み訓読み、送り仮名などにより多彩にイメージが広がる漢字。日本人ほど漢字に親しみ、器用に使いこなす民族はおらず、外国人からも熱い注目を集めています。実は共同ポケット・青木は、書家としての顔も持ち、漢字検定準1級保持者。「きょうは何の日」などの情報も参考にしながら、執念のこだわりで毎日の漢字をセレクトし、前向きなパワーとエールをイメージして心を込めて揮毫します。外国の方にも大意が伝わるよう、漢字1字を表す簡単な英訳もつける予定です。毎日めくるたびに現れる筆字の「漢字」を最大3巡。気が遠くなるような大変な時間と労力がかかりますが、実現すれば必ず多くの人が喜んでそばに置いて下さるのではというイマジネーションを膨らませながら作業を進めています。

書家・青木香玉として活動して丸10年を迎えました。書作品のオンラインショップ「風香堂」

 セールスポイント③「月が出た出た」の炭坑節発祥の地である福岡県田川市も賛同出資。日々の漢字に加え、炭鉱町に暮らした人々のパワーをイメージした田川弁による一言メッセージも楽しめる。

 明治期から日本の近代化を支えてきた筑豊炭田。二本の大煙突がそびえ立つ三井田川鉱業所はその中核を担う、大変な賑わいで、かつての田川市には職を求めて日本中から多くの人が集まりました。

(撮影・木村カメラ/田川市)

現在は、「炭坑節」にも歌われた大煙突と坑道へ降りるためのエレベーターを動かしていた巻上機がひっそりと残るだけ。奥に見える山は、五木寛之氏の小説「青春の門」の冒頭にも登場した石灰石の山、香春岳で、あの頃よりかなり低くなりました。風景は様変わりしましたが、仲間との絆を大事に過酷な労働に耐え、ユーモアや歌を愛して明るく生きた「川筋人情」は今も健在です。そうした人間味あふれる温かさも合わせてイメージできるような地方色あふれるカレンダーにしたいという想いが田川市でも承認されたのです。 

366の漢字と田川弁によるつぶやきに、どうぞご期待ください!!

漢字1字に加え、そこからイメージされる豪快かつユーモアあふれる田川弁の一言メッセージを練りに練ってお届け。

わかるひとにはわかる! わからないひともなんだか気になる?

想像力が試される、気の遠くなるような作業ですが、私たちにいつもいろいろなことを教えてくれる元坑夫のおいちゃんたちの顔を思い浮かべながら、ただいま鋭意制作中です!

(資料協力・川崎町観光協会)

 

漢字と田川弁 一例

落ち込むときにゃ、大声でうとうてみれ どげあったっちゃ、友達は友達たい困ったことがあったら、いつでん寄っちょくれなんちゃない顔しちょけっちゃ 平常心たい ぴしゃーっとやれよ。しゃんとせい! 問 よおと考えれよ。答えはひとつとは限らんばい下がるだけ下がってん、あとは昇るだけたい ちょっとツヤつけてから言わせんのう発破かけてどかんと一気にやっしまおうや 裕 どげなときでん、冗談いう余裕はあるきの一人で大きなったんやないんばい栄養のあるもん食いようか月が出た出た、ツキまくりたいしょーもないこと気にすんな お互い様たい一か八かやってみらんとわからんめえも 風通しはようしちょかな、やられるばいいいき任せちょってんなんかあったらすぐとんでいくばい 寿 たまにゃあ旨い寿司が食いたいのう炊きたての白飯が一番のごちそうたい

 セールスポイント④ 筑豊出身のデザイナーによる洗練デザイン。カレンダーでありながら、3年連用日記としても使える!

東京五輪と田川の炭鉱をどう融合させるか、、、悩ましいデザインの担当はこれまでも私たちの想いを着実に形にしてくれた同じ筑豊地方・飯塚市出身のグラフィックデザイナー葛西優磨氏。和の市松模様にさりげなく「炭鉱」をイメージしたモチーフをちりばめたりと、細部まで手抜きなしのこだわりデザインで、スタイリッシュに演出します。

 

言葉や文字、手書きの書を愛する方々の毎日に寄り添えるようなもの、スポーツを愛する人にとっては自己を発奮させるイメトレとしても「言霊」の力は大きいようです。せわしなく、あっという間に過ぎていく毎日の中で、少しの時間立ち止まってカレンダーをめくり、目の前の漢字と語り合い、来たるべく2020年の近未来へ気持ちを高めていけるよう、一言日記欄も設けます。

 総事業費は約500万円。田川市からの助成金は、すべて印刷・製本コストに消え、今のところ、デザインや書作、広報PRなどさまざまな経費は見込みの状態です。なんとかこのカレンダーが普通の商品として全国どこからでも買えるようになればと今回はじめてのクラウドファンディングに挑戦させていただくことになりました。日本の近代化の礎を作った町から、ご当地パワーたっぷりのカレンダーをぜひあなたの元へ。多くの方に知っていただき、一人でも多くの方の元に届くよう、ぜひお力を貸してください!

金額にかかわらず、パトロンになっていただいた方全員のお名前をカレンダーの巻末に掲載する予定です。2020年を共に生きる証として、記念になれば幸いです。
 
共同ポケットとは?これまでの活動について

共同ポケット企画として、田川市とは2回目のコラボとなります!

この文章を書いている共同ポケットのひとり、青木美香は、父親が書道家であり、4歳から書の道で鍛えられ、20歳から地元九州のテレビ報道の世界で働き、書くこと・話すことを生業としてきました。一昨年の春にはそうした経験を朝日新聞筑豊版のコラム「筑豊さんぽ道」に10回にわたって連載させていただく機会もいただきました。相方の山本剛司は木造建築や産業デザインの研究を経て、故郷・筑豊の町づくりの現場で地道な仕事をしています。母の実家があり、青木の実家もある、福岡県田川郡川崎町で一般社団法人川崎町観光協会の立ち上げに関わり現在まで事務局長として活躍する中で、過去の歴史や古いものを地域振興にどう生かしていくかを模索し、青木との巡り合わせによって、その想いを少しずつ目に見えるカタチへとデザイニングしてきました。

(2014年8月27日付 西日本新聞 朝刊)

二人の得意分野を合わせてプランを提出し、2014年夏には福岡県の主催の地域貢献サポート事業として採択、2015年10月12日には田川市との初めての共催事業が実現しました。1975年、田川市を舞台に撮影された名画「青春の門・筑豊編」を私たちの世代で再度見直し、この地で育まれた大衆娯楽や映画文化に光を当てようというイベント「チクホウフォーカス」です。吉永小百合さん30歳、大竹しのぶさんのデビュー作でもあり、主役を演じた田中健さんや、脚本家の早坂暁さんにも田川市に来ていただき盛大なトークイベントも行いました。おかげさまで幅広い世代の方々に関心を持っていただき、多くのメディアにも取り上げられ大成功を収めました。

※2015年夏・九州朝日放送「アサデス」30秒PRに出演したチクホウフォーカス宣伝隊

 

※2015年10月12日 田川文化センター大ホールで開催されたチクホウフォーカス2015〜伝説の名画「青春の門・筑豊編」を観て語る田川集会の模様

※主役を演じた田中健さんほか映画製作に関わった方々とのトークセッションに脚本家、早坂暁氏も登壇に大いに盛り上がる。吉永小百合さん、仲代達矢さんからお祝いメッセージ、大竹しのぶさんからはビデオメッセージも届けられた。

炭鉱の歴史を負の遺産を生んだ「獄」とするか、さまざまな縁や文化を生んだ「誇」とするか、じわじわと燃える石炭のように、もう一度、ハートに火をつけようという意味からオリジナルデザインのマッチを作ったり、筑豊に残る唯一の映画館跡をモチーフにしたクリアファイルの制作、映画「青春の門」に出てくる名台詞を集めて制作したメモリアルカレンダーは新聞記事になったこともあって、予想以上の反響を呼び、全国から注文が殺到。増刷するほどのヒット商品となりました(こちらのデザインも、葛西氏が担当)

筑豊を離れた方々が、またその2世、3世までもが、遠くから筑豊を想い、その言葉に親しみを感じてくださっていることをこのイベントを通じて、しみじみと実感することができたことも、大きな収穫となりました。

 

ご支援くださった皆様へ、心を込めてご恩返しをいたします

今回のプロジェクトの主旨に賛同し印刷・流通にかかるコストを支援くださった皆様には共同ポケットより心を込めてメッセージを送らせていただくほか、金額に関わらず全員のお名前をカレンダー巻末に印刷する予定です。

また、金額に応じて、完成後のカレンダーの贈呈、または、これまでに共同ポケットが企画制作したチクホウフォーカスメモリアルグッズや書家・香玉の作品集「かんじる漢字Story」(テーマ毎に全4巻。1巻につき21の漢字の物語を書いたポストカードブック)等をプレゼントさせていただき、今後の活動についても積極的にご報告させていただきたいと思っております。

 ※チクホウフォーカスの公式パンフレットやメモリアルグッズ

 

合言葉は「温故知新」。今回のプロジェクトに多くの方が関心をお寄せいただき、カレンダーを喜んでいただけるよう、言葉や文字の力を信じ、大切にしながら、同志と共に力を尽くしたいと考えています。どうか温かいご支援の程、よろしくお願いいたします。

 

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