横浜・黄金町地区で開催する舞台芸術の野外イベント。鎌倉時代創建の寺院の境内で奉納舞・奉納芸代わりにダンスと演劇の野外公演を行う。3回目となる今回は、運河での星空映像上映会やディープなトークイベントも実施。この企画を軌道に乗せたい!

プロジェクト本文

▼ご挨拶

CAMPFIREをご覧のみなさま、はじめまして。

横浜の黄金町地区で「土方巽 1960 しずかな家」というイベントの実行委員会を主催している檀原(だんばら)と申します。

私たちのイベントを盛り立て、いっしょに楽しんで欲しいと思い、このプロジェクトを立ち上げました。


▼イベントの概要

1960年に黄金町地区に土方巽(ひじかた たつみ)というダンサーが住んでいました。
「舞踏」という前衛的なジャンルの創始者です。
このイベントは、「土方巽が住んでいた」という歴史を地域の資源として活用することを主眼にしています。
とは言え、土方巽が行ったことをなぞるのではなく、新しい挑戦を受け入れ、切り開くような形で展開していきたいと考えています。
(つまり土方巽から「つかず離れず」くらいの距離で出演者を選んでいます)

具体的な内容ですが、今年は以下のような演目で開催いたします。

 

①ダンスグループ 新人Hソケリッサ! 『日々荒野。』

路上生活者、路上生活経験者によるダンスグループ、活動10周年。「日々生きるということに向き合わざるを得ない」状況の肉体から生まれる踊り。
http://sokerissa.net/

②トークイベント『甦るスペースカプセル〜前衛舞踊と夜の街が手を繋いでいた時代』(仮題)

1968年末から数年間だけ営業していた伝説のクラブ「スペースカプセル」。寺山修司、宇野亜喜良、土方巽らが舞台を演出し、石原慎太郎、横尾忠則、岡本太郎が通った伝説の店を当時現場にいた者たちが証言する。

登壇者:

伊藤文学 日本初のゲイ雑誌『薔薇族』の創刊者・編集長として知られる。先妻の伊藤ミカはスペース・カプセルにレギュラー出演したダンサーだったが、33歳の若さで事故死した。愛妻との日々は、自ら筆を執った著作『裸の女房-60年代を疾風のごとく駆け抜けた前衛舞踊家・伊藤ミカ』(彩流社、2009年)で明らかにされている。

フラワー・メグ スペース・カプセルでのショーをきっかけにスカウトされ、1971年、NETテレビ(現・テレビ朝日)『23時ショー』のカバーガールとして芸能界デビュー。女優として新藤兼人監督の『鉄輪(かなわ)』など4本の映画に出演。日本人離れした容貌で注目を集めたが、ちょうど1年間の活動の後、20歳で引退。近年再評価が進み、メディアに登場する機会が増えている。

康芳夫 自称「虚業家」。1960年代から1970年代にかけて、モハメド・アリ vs アントニオ猪木戦、謎の類人猿・オリバー君の来日、石原慎太郎を隊長とする国際ネッシー探検隊の英国派遣、などの企画を立ち上げて日本中を熱狂させた。澁澤龍彦が責任編集した雑誌『血と薔薇』の発行人を務め、土方巽と関わった。

③星空映画上映

末満健一・監督「ラブラブroute21」
若手舞踏家ひさしと、彼を支えるひさ子の同棲生活、という「舞踏家あるある」的なテーマを描いたカルト作品。
20年以上前、『週刊ファミコン通信』で連載された桜玉吉の漫画『しあわせのかたち』第5巻に収録の「本格暗黒舞踏同棲漫画」を実写化。2014年・15年の「神戸三宮映画祭」と2015年の新宿ロフトプラスワン「桜玉吉祭り」でしか上映されたことがない幻の作品。
監督の末満健一は劇団「惑星ピスタチオ」出身で、ワタナベエンターテインメント所属。演劇プロジェクト「ピースピット」を主宰している。

アラン・エスカル・監督「浮世物語」
合成・編集に1年半(延べ2,000時間)を要したという、現実の世界と幻想の世界が入り交じるデジタル映像絵巻。
1945年の広島、室町、平安という日本の三つの時代を交錯させながら詩的な世界が画面上をうつろっていく。
クレルモンフェラン国際短編映画祭 2002(フランス)/最優秀音楽賞
デジタルコンテンツグランプリ 2001(日本)/NICOGRAPH CG賞&アート部門映像賞
モントリオール国際ヌーヴォシネマ&メディアフェスティバル 2001(カナダ)/デジタル映像大賞 ほか受賞作。

 

④劇団体現帝国『班女』再演

恒常的な身体訓練を通してジャンルの異なるアーティストによる独自の舞台表現を追求している体現帝国。気鋭の演出家・渡部剛己による「利賀演劇人コンクール2016 優秀演出家賞 二席」受賞作品の再演。関東初上演。原作:三島由紀夫。
http://watabe-gouki.net

今回は「横浜トリエンナーレ2017」「黄金町バザール2017」というふたつのアートイベントの期間中に行います。
会場の一部は「黄金町バザール2017」の施設に隣接しており、徒歩0分でハシゴすることが出来ます。

イベント公式サイトURL:www.hijikata1960.yokohama

 

▼プロジェクトをやろうと思った理由

今回で3回目となるこのイベントですが、実績が認められ横浜市の第三セクターである「ヨコハマアートサイト」から助成金を獲得することが出来ました。

しかし残念なことに、まだ充分な金額とは言えません。
予算内に収めるために、出演者に無理な金額でお願いする形になっています。
自分たちのことながら情けないのですが、もう搾取に近い状態です。

ダンサーや役者、裏方の方たちに気持ちよく参加して頂くために、ご支援頂けませんか?

 

▼これまでの活動

第1回、第2回のアーカイヴが Web上にありますので御覧下さい。

第1回

第2回

▼このイベントの魅力

第1回から一貫して、鎌倉時代創建の「東福寺」というお寺の境内をメイン会場にしています。
ダンスや演劇は劇場やホールで上演されることがほとんどです。
しかしこのイベントは歴史あるお寺の境内で行われます。
これが、ほかにはない、このイベントの魅力の一つとなっています。

また会場となっている東福寺をフィーチャーすることで【地元の魅力再発見】にもつながっていると思います。

ヨコハマというと「港町」とか「中華街」「みなとみらい」ばかりがイメージされますが、「東福寺」のような歴史ある場所も存在しています。それを知って頂きたいのです。

とくに今回は三島由紀夫の近代能楽集「班女」と、中世仏教を思わせる貧者(ソケリッサのメンバーはリーダーのアオキさんを除いて全員ホームレス、あるいは元ホームレスです)の踊りということで、濃厚に中世の香りが漂っており、歴史あるお寺で公演する意味が小さくないと言えるでしょう。

第1回から複数名の舞踊批評家の方たちをご招待していますが、好評をいただいています。

またディープなトークイベントを盛り込んでいるのも魅力と言えるでしょう。
前回は「舞踏とキャバレー」というテーマで、4名の方にがっつり2時間話していただきました。

今回は前回の内容をより深く掘り下げ、1968年から数年間だけ営業していた伝説的なクラブ「スペースカプセル」について、出演者や従業員などにお話をうかがう予定です。

 

▼資金の使い道

現状資金が足りておらず、足りない部分は実行委員会の持ち出しです。
獲得した資金は、「ダンサーや役者の方々への出演料の充填」に充てさせて頂きます。

今回は夜間の野外公演ですが、出演団体からの「使いなれた機材でやりたい」という要望で照明機材を出演者の方たちにご用意して頂いています。
実行委員会からの支払のうち、かなりの部分が機材費や裏方さんへのオペレーション代になってしまっており、そこを補償したいと考えています。

もし目標額以上の金額が集まった場合、来年以降の予算の一部としてプールします。

 

▼リターンについて

「毎回出演者全員入れ替わり」という方式を採っているため、通常のクラウドファンディングで行われているようなグッズのリターンという方式が採れません。

事実上リターンなしの支援、という形で活動に賛同して下さる皆様に直筆のお礼状を送らせていただきます。
ご支援の価格に応じて、入場チケットもお渡しいたしますので、ぜひご来場下さい。

またこのプロジェクトのチラシ表面をプリントした T シャツも作成いたします。
着る形で応援していただけると幸いです。

 

▼「しずかな家 III」を推薦します

 舞踏家土方巽はショークラブの経営者でもあった。赤坂、銀座、六本木などに複数の店舗を持ち、連夜、舞踏家や女たちどを踊らせ、安いことから大盛況、毎晩段ボールに札を詰め込むのがママの仕事だったという。
 世界に名だたる「前衛」の舞踏は、当初、こうしたショーによる資金でつくられてきた。多くの舞踏家たちは各地のキャバレー、ストリップ場などで踊って公演費を稼いだ。実はかつてはモダンダンサーなども同様で、そこで舞台に出る度胸や勘を養った。当初は興行主に派遣されていたが、土方はそこで自分の店を立ち上げた。いまでいう「起業」である。そんな土方のショークラブのモデルのひとつが、赤坂にあったスペースカプセルである。
 1968年、建築家黒川紀章が設計し、土方巽、寺山修司、唐十郎、伊藤ミカなどが日替わりでショーを上演し、横尾忠則などが集まった。石原慎太郎も小説に描いており、お立ち台発祥、ディスコの先駆けでもあった。

 土方巽はショーに出ていた頃、一時横浜に住み、それがこの「しずかな家」プロジェクトのきっかけだという。これまで野外で舞踏家たちが踊ったり、当時のショーなどについてのシンポジウムなどが行われてきた。
 今回は、トークイベントに、このスペースカプセルにも出ていた伝説のアイドル、フラワーメグが登場するという。そして、伊藤ミカの夫で同性愛雑誌の先駆『薔薇族』の元編集長、伊藤文学、さらに、究極のマゾヒズムSF小説『家畜人ヤプー』や「オリバー君」「モハメド・アリvsアントニオ猪木」などの怪人プロデューサー、康芳夫も登場するらしい。まさに舞踏とアングラ、興業をつなぐ凄い企画である。

 企画・主催している檀原照和さんは著述家だが、舞踏家和栗由紀夫の弟子で、コンテンポラリーダンスで活躍する大橋可也の舞台でも踊った経験がある。そのため、今回大橋可也の出演した映像も上映されるらしい。また、最初の舞台は注目しているホームレスのダンスグループ、新人Hソケリッサで、主宰するアオキ裕キは身体能力の高い優れたダンサーである。さらに、演劇の体現帝国を主宰する渡部剛己は、舞踏家川本裕子の舞台でも優れた身体性を見せ、演目『斑女』は舞踏家土方巽とも親交が篤かった三島由紀夫の作品である。

 このように、多様な企画でありながら、〝しずかに〟舞踏とつながっている今回の「しずかな家 III」を推薦し、応援する。

志賀信夫(Nobuo Shiga)
批評家、著述業。舞踊学会、舞踊批評家協会所属。舞踏新人シリーズ講評者。舞踊評、美術評、書評などを『ダンサート』、『ダンスワーク』、『TH叢書』、『TH ExtrART』、『MAPPING』、『図書新聞』、バレエサイトなどに執筆。著書『舞踏家は語る』、共著『邦千谷の世界』、『踊るひとに聞く』、『吉本隆明論集』 など。

▼公演日程

①ダンスグループ 新人Hソケリッサ! 『日々荒野。』
日時|2017年10月13日(金)19:00開演…上映予定時間40分
   開場は開演の20分前より。雨天開催。
出演|伊藤春夫 、横内真人、小磯松美、平川収一郎、 渡邉芳治、諸星要、アオキ裕キ ほか

②トークイベント
「甦るスペースカプセル 前衛舞踊と夜の街が手を繋いでいた時代」(仮題)
日時|2017年10月15日(日)15:00開演
会場|日ノ出町シャノアール(Chat Noir)
登壇|伊藤文学(「薔薇族」初代編集長)、フラワーメグ(女優)、康芳夫(虚業家)

③星空映画上映…上映予定時間60分程度
日時|2017年10月15日(日)19:00開幕

短編映画『ラブラブROUTE21』(監督:末満健一)……上映時間30分
短編映画「浮世物語」(監督:アラン・エスカル)……上映時間24分

④劇団体現帝国『班女』再演
日時|2017年10月17日(火)19:30開演…上映予定時間40分
   開場は開演の20分前より。雨天開催。
出演:櫻井春菜子、秋葉由麻

会場:
(①④野外公演)=光明山東福寺 境内
〒220-0034 横浜市西区赤門町2-17
京急線黄金町駅から徒歩7分程
(②トークイベント)=日ノ出町シャノアール(Chat Noir)
〒231-0066 横浜市中区末広町1-2-1 末広町柏野ビル 1F(京浜急行 日ノ出町駅 徒歩1分)
(③星空映画上映)=大岡川河川(「川の駅 大岡川桜桟橋」付近 旭橋と黄金橋の間)

主催:「土方巽 1960 しずかな家」実行委員会
助成:ヨコハマアートサイト2017
協力:新人Hソケリッサ!東京近郊路上ダンスツアー企画 、体現帝国


▼最後に

世の中にアートプロジェクトや演劇祭はたくさんありますが、このプロジェクトのように個人名を冠したものは異色です。
まちづくりや地域の魅力発信と結びつく形で、所縁のある舞台人を顕彰する機会があってもいいのではないでしょうか。

会場となっている黄金町地区はその歴史的経緯から「清く正しくかわいらしいアート」だけが望ましいとされています。アートによる表現の多様性が否定されているという現状があり、この地に住んでいた土方巽の存在も公には語られません。

皆様のご支援・ご協力、何卒よろしくお願いいたします! 

「土方巽 1960 しずかな家 III」実行委員会 檀原照和

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