漢字の読み書きが苦手な子どものために

 ディスレクシアや学習(読み書き)障害などで、漢字の学習に困っている子どもが多くいます。

 そうした漢字の読み書きが苦手な子どもたちのために、ミチムラ式漢字学習法ではこれまで、漢字一字の読み書きを簡単に覚えられる漢字カードを製作・販売してきました。

 そこからさらに2〜3歩進んで、無味乾燥な漢字学習を楽しいものへ、本来の漢字学習の目的「漢字を使える」ところまで導く。そんなことを目標に今回のプロジェクトで製作・編集しているのが「漢字eブック(電子書籍)です。


漢字を読めて使える、子どもの言葉の世界を広げるための教材です

 漢字eブックはアプリではありません。Apple Books 限定で閲覧できる電子書籍です。

 漢字ドリルや紙の本ではこれだけの情報量を載せることはまず不可能ですが、情報量の多さを感じさせない工夫もしています。

 実際に操作している様子は下記のyutube動画でご覧いただけます(2年生版)。

 

 

 漢字eブックには下記のような特徴やコンテンツが含まれています。

 ・表示されているスライドや写真を簡単なタッチ操作で変更可能

 ・ナレーションの音声に合わせて、読み書きを一緒に唱えて覚えられる

 ・漢字一字ずつの成り立ちや豊富な解説を掲載

 ・漢字一字が使われている読み方別の語例を豊富に掲載

 ・言葉の意味や理解を助けるイメージ写真


漢字の書き方を部品の組み合わせでわかりやすく表示

漢字一字ごとに解説を書き下ろしています

新しく覚える漢字が使われている言葉とイメージ画像

漢字のなりたちと、1〜2年生には大人の解説もつけています。

4年生以降に大人の解説はありませんが(子ども向けの解説で十分)、その代わりその学年までに習う同じ音読みの漢字、同じ部品をもつ漢字のスライドが加わります。

言葉集もレベルアップして、ふりがながないスライドとふりがな付きのスライドを用意しました。(高学年で習う漢字が使われている言葉はとても少なくなるため)

 これだけの情報量を含む漢字の学習教材は、おそらくこれまでなかったでしょう。

 情報量が多すぎて、子どもには不必要(とくに低学年)と思われるかもしれません。

 しかし、本当はこれだけ必要なのです。学校の授業では漢字を丁寧に教えてくれません(そんな時間がない)。

 加えて、漢字ドリルのようにひたすら書いて覚える学習法で書けるようになっても(書けるようになる子のほうが少ないですが)、子どもが漢字を使えるようにならないことは多くの方が実感しているはずです。

 新しく覚える漢字を使う言葉をすべて覚える必要はありません。しかし、目を通しておくだけで効果はまったく異なります。とくに漢字eブックではイメージ写真を多く掲載しているので、よく使いそうな代表的な言葉の意味はすぐに理解できるでしょう。視覚的な補助効果もあって、言葉がスッと入って記憶にも残りやすくなるはずです。



電子書籍ならではの機能で、目次から目的の漢字にジャンプすることもできます。


 目的の漢字を探すのが大変になりがちな漢字学習教材ですが、タッチするだけで目的のページへかんたんにジャンプ可能なので、ページを探す手間が省けます。


学校の教科書に準拠、授業の進度に合わせて学習できます

 漢字eブックは教科書準拠の教材です。一般的な市販の漢字学習教材と異なり、教科書の新出順で漢字が並んでいるので、学校の授業やテストに合わせて学習を進められます。

 現段階では最大シェアの「光村図書」準拠の漢字eブックを先行して開発しておりますが、追って東京書籍、教育出版の教科書準拠シリーズも展開したいと考えています。

 また、テスト対策としてセルフチェックできるページも用意しています。

漢字eブックの説明は下記リンク先の記事でもご覧いただけます。

デジタル漢字学習教材「漢字eブック(電子書籍)」について


Apple Books 限定の電子書籍です

 現在開発中の漢字eブックはApple製品に標準で搭載されているブックアプリで閲覧できる仕様です。というのも、GoogleやKindleなどの電子書籍ビューアでは、音声を再生させたり、タッチ操作でスライドを変更するなどの機能がうまく働かないからです。

 さまざまな特性などで学習に困っている場合はiPadの活用がオススメです。他の端末と比べてユーザビリティに優れており、視覚や聴覚のサポート、身体機能に配慮したアクセシビリティなど、使いやすいようにカスタマイズできる機能も豊富です。

 とくに読み書きが困難な子どもがiPadなどを使った学習でグンと成績を上げている事例はいくつもあります。ぜひ導入を考えてみてください。

 Appleブックストアで発売中の「ミチムラ式 漢字eブック 2年生」

 「漢字eブック」の内容は紙の本では決して実現できません。電子書籍版のページ数でも3年生以降は1学年あたり500P前後の膨大なページ数になります。これらを印刷した本にするとA4サイズでも1,000Pを超えるボリュームになります。重すぎて、分厚すぎて、とても子どもは扱えません。

 いろいろと試行錯誤の結果、紙面では決して実現できない電子書籍ならではの、これまでにない新しい読書体験をお届けできると思っています。


学校の先生たちにも使ってほしい

 漢字eブックは小学校の先生にとっても目から鱗が落ちる漢字学習教材のはずです。

 漢字eブックを活用すると、目の前の子どもたちに問いかけをするための授業の準備に手間と時間をかける必要がなくなると思います。漢字一字を使った言葉、同じ部品を持つ漢字はどれかなど、パッと頭に浮かぶのは難しいですが、手元の漢字eブックを開くだけで解決します。

 個人の家庭学習だけでなく、インクルーシブ教育の実現に向けて学校の教室などでも広く活用していただきたいです。


何度も書くより、省エネで効率的なミチムラ式

 漢字の読み書きが苦手な子どもは、漢字ドリルのような繰り返し書いて覚える方法では漢字を覚えられません

 そんな子どもたちのために、盲学校の教育現場で実践されていた学習法をさらに進化させて、読み書きが苦手な子どもはもちろん、すべての子どもが取り組みやすいように考案したのが「ミチムラ式漢字学習法」です。

 一画ずつの線の足し算で書いて覚えるスタイルとは全く異なり、「部品の組み合わせ」を唱えて覚える学習スタイルです。従来の漢字学習法に疑問を持たれている方には、きっと気に入っていただける学習法だと思います。

 単なる作業に陥ってしまいがちな繰り返しの漢字ドリルよりも簡単に、効率よく漢字一字の読み書きを覚えられるので、余ったエネルギーと時間は言葉を増やす学習に使えます。

 漢字一字を読めて書けるだけは、漢字を使えるレベルには至りません。知っている言葉や語彙を増やして、読めて使えるところまで導く、ここが本来あるべき漢字学習のゴールです。

 これまでは、そこへ到達するためには先生や保護者の教え方や導き方に頼る部分が大きかったですが、漢字eブックを活用すれば自然と読めて使えるレベルまで導けるように工夫を凝らして作成しています。

ミチムラ式漢字学習法の詳細は下記リンク先の記事でもご覧いただけます。

ミチムラ式漢字学習法の特徴


これまでの活動

 ミチムラ式漢字学習法は、横浜市立盲学校に長年勤めた元横浜市立小中学校教諭の道村静江が考案・開発した学習法です。

 なぜ、盲学校に通う子どもたちが漢字を学習する必要があるかというと、2000年頃からIT環境が整備されはじめましたが、IT端末を使いこなすためには盲児も漢字の知識を身につける必要があったからです。

 さらに詳しく書くと、読み方(とくに音読み)で混乱しやすい盲児のために、すべての漢字の音読みに代表的な言葉を厳選してつけました。なぜなら漢字の知識がない盲児が「こうしん」と聞いても、「行進・交信・更新・後身…」どの言葉を指すのかわからないからです。

 しかし、盲学校に通う子どもたちは漢字を読んだり、書くことができません。おまけに視覚障害者のための漢字学習教材は、それまでどこにも存在しませんでした。

 そこで、16年の歳月をかけてひとつずつメソッドを積み上げた結果、「部品の組み合わせ」で小中学校で学ぶ常用漢字全2,136字を効率的に学べる学習法となりました。

 この「部品の組み合わせ」を唱えて覚えるスタイルは、視覚障害者だけでなく、一般の小学校に通うディスレクシア学習障害などの特性がある子どもたちにとっても、格段に漢字を覚えやすくなることもわかってきました。

 なぜなら、漢字学習において視覚障害者は一番の弱者です。盲学校に通う子どもたちが漢字を覚えられる方法なので、さまざまな特性で読み書きが苦手な子どもでもこうした工夫次第で苦手な漢字を克服できるのです。

 そこで、漢字学習に困っている子どもたちに「何度も書かなくても漢字を覚えられる方法がある」ということを知ってもらうために、2018年にかんじクラウド株式会社を立ち上げました。

ミチムラ式漢字学習法の特徴


資金の使い道

 現在、3年生までの製作をほぼ終えて、間もなく発売できる目処が立ちました。しかし、4年生以降を製作するにあたり、資金の不足を補う目的とより多くの方に「漢字eブック」の存在を知ってもらうためにクラウドファンディングを活用させていただくことにしました。

 まずは光村図書準拠のシリーズのみのラインナップですが、みなさまにご支援いただいた資金を活用して東京書籍、教育出版の教科書に準拠したシリーズも加えたいと思っています(自治体によって採用されている国語の教科書会社は異なります)。

リターンについて

 ご支援いただいた方には、各学年の漢字eブックが完成次第、Apple ブックストアでダウンロードいただけるコードを提供いたします。

【スケジュール】

6月10日 クラウドファンディング終了

6月中旬 漢字eブック(1〜4年生)ダウンロード用のコードを送信 

7月中旬 漢字eブック(5年生)ダウンロード用のコードを送信 

8月下旬 漢字eブック(6年生)ダウンロード用のコードを送信

※注意1 漢字eブックを閲覧するにはiPadやiPhone、またはMacBookなどのApple製品が必要です。またApple Books ストアからダウンロードするにはApple IDが必要です。(iPhoneでも閲覧可能ですが、子どもが活用する際は大きな画面で見られるiPad推奨です。)

※注意2 今回のプロジェクトで返礼品として差し上げられるのは「光村図書」準拠の漢字eブックです。東京書籍や教育出版の教科書をお使いの地域に住まわれている方はもうしばらくお待ちください。

Apple ブックストアでの税込販売価格と発売予定日

1年生:1,200円(5月下旬)

2年生:1,800円(発売中)

3年生:2,000円(5月上旬)

4年生:2,000円(6月中旬)

5年生:2,000円(7月中旬)

6年生:2,000円(8月下旬)

 ご支援いただいた金額の返礼品として提供する漢字eブックの販売価格は支援金と同額です。ブックストアで購入可能になる前にダウンロード可能なコードをメールでお届けいたします。

 また、2年生の漢字eブックはすでに発売中です。サンプル版で立ち読みが可能なので、下記リンク先からアクセスして、ぜひ触ってみてください(iPhoneでも立ち読み可能です)。


 Apple Books ストア 漢字eブック 2年生(光村図書)


最後に

 小学生にとって、漢字の読み書きはすべての学習の基礎です。苦手だからといって放置してよいことは何ひとつありません。

 しかし、ほとんどの日本人が子どもの頃に実践している何度も書く覚え方では彼らを救えません。書けないからと言って、何度も繰り返し書かせて漢字学習を嫌いにさせてしまっては本末転倒です。

 そうした子どもたちへの支援・サポート方法は、下記の記事で詳しく書きました。ご参照ください。

 漢字が苦手・覚えられない子どもへの支援とサポート方法 

 漢字の読み書きが苦手でも、盲学校に通う子どもたちに比べたら断然有利。何度も書かずに、唱えて覚えるミチムラ式漢字学習法で苦手な漢字を克服しましょう。

 極端に苦手な場合は、昨今は書くことに関して代替できるツールはいくらでもあります。漢字を読めて、言葉を知っていれば入力できるようになるので、まずは読めること、そして言葉を増やすことを大切にしましょう。

かんじクラウド(株) 会長 道村静江(元横浜市立小中学校教諭)

代表取締役 道村友晴          


 本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


  • 2022/09/20 07:23

    6年生までの漢字eブックをようやく全て作り終えました。このたびはクラウドファンディングを通じて「漢字eブック」の製作にご協力をいただき、本当にありがとうございました。製作にあたっては予想以上の苦労があり、当初の予定より1年近く遅くなってしまいましたが、皆様のお力添えで、なんとか6年生まで全学年...

  • 2021/10/25 12:30

    【ご報告】すでにSNSなどを通じてご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、先日の10月20日に発表された2021年度のグッドデザイン賞に「漢字eブック」がシリーズで選ばれました!これもひとえに、皆様からいただいたご支援があってこそです。ありがとうございます。そこで、漢字eブックの存在を少しで...

  • 2021/08/17 12:05

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください