馬から広がる繋がりで里山に生物多様性を取り戻し、霞ヶ浦の再生を目指します!

私たちは、霞ヶ浦再生の輪をさらに広げるために、プロジェクトの一員として馬を迎え入れようと、このクラウドファンディングに挑戦することにしました。

馬と霞ヶ浦の再生が、どうして繋がるの?

皆さんはきっと不思議に思われるでしょう。でも、今の霞ヶ浦の危機的な状況を改善するには、馬と人との協働が不可欠なのです。

広大な霞ヶ浦流域がプロジェクトの舞台です!

はじめまして!アサザ基金の代表理事の飯島博と申します!
特定非営利活動法人アサザ基金は、霞ヶ浦の再生を目指して1995年に設立されました。以来、20年以上にわたり、霞ヶ浦の広大な流域(2200㎢)を覆う取り組みを実現するために、私たちは様々な人々や組織との繋がりを作りながら、取り組みの輪を広げて来ました。これまでに流域の200以上の学校、延べ34万人の市民に参加いただいています。今回は、この取り組みの輪をさらに広げ、霞ヶ浦再生を前に進めるために、クラウドファンディングの提案をさせていただきました。



水源地が次々と失われ危機的状況にある霞ヶ浦

霞ヶ浦流域では、流域各地の水源地が次々と荒廃して、湖の環境に重大な影響を及ぼし始めています。霞ヶ浦の水源地は、谷津田と呼ばれる細く枝分かれした谷間にある田んぼです。田んぼでの米作りは古くから行われ、その水源は谷を囲む森林です。霞ヶ浦流域には谷津田が数多くありますが、今その大半が耕作放棄され荒れ放題になってしまい、霞ヶ浦の水源地としての機能を失いつつあるのです。

私たちのプロジェクトで再生した谷津田

時代の流れの中で忘れられていった水源地の大切さ、そこから生まれる豊かさ。

荒廃の原因は、谷津田が谷間にあって田んぼが小さく、ドロ深くて機械化や大規模化が進む現代農業の流れから外れていたことがあります。谷津田の多くは、国の減反政策もあって早くから耕作放棄されてしまったのです。そのため、谷津田の多くは、荒廃し藪になってしまい、かつて見られたメダカや蛍、トンボなどの生き物の多くが姿を消し、湧き水も減ってしまいました。谷津田は生物多様性の宝庫でした。

耕作放棄された谷津田


見捨てられた水源地を再生する取り組みにも限界が、そこで里山に昔いた馬に着目。

このまま水源地谷津田の荒廃を放置すれば、霞ヶ浦の環境が悪化していく一方です。そこで、私たちは2004年から、地域住民や学校、企業、行政などと協働で、谷津田の再生事業に取り組んできました。これまでに、10ヶ所以上の谷津田で活動を行って来ましたが、荒廃している谷津田はまだ数多くあります。これまで主に人力で行ってきた再生作業だけでは限界があります。そこで、かつて農村で人々と共に働いていた馬に着目したのです。

細かく枝分かれした水源地谷津田

馬たちが歩いて田んぼに戻す、踏み耕で水源地を再生!

私たちが、馬たちにお願いしたい谷津田の再生作業の一つは、踏み耕というものです。馬たちに、草ぼうぼうになってしまった田んぼに入ってもらい、草を食べてもらったり、足で草を踏んで泥の中に埋め込んでもらったりして、段々と田んぼの状態に戻していってもらう作業です。それ以外にも、谷津田の周りの森も手入れがされず藪になっているので、茂り過ぎた下草も馬に食べてもらいます。

まず人が歩いて田んぼに戻してみました。これなら行けるぞ!

実は、この踏み耕を、私たちはすでに試してきました。そして、実際に荒地を田んぼに戻して、米を作ることも成功しています。ただし、踏んで耕したのは、馬ではなく、ボランティアの人達です。ボランティアの人達が毎回何十人も田んぼに入って田んぼに戻してくれました。ボランティアの作業は、毎日できません、でも馬なら毎日のようにやってくれます。踏み耕は、もともと馬や牛によって行われていた伝統農法です。馬が来てくれたら、もっと多くの水源地を再生することができます!

踏み耕をして谷津田を再生する中学生たち


たちが、このプロジェクトで実現したいことは、

里山に生きる馬から生まれる繋がりの輪を流域全体の水源地へと広げ、霞ヶ浦を再生に導くことです。

今回の取り組みを、将来的には流域各地に広がる水源地再生の広域展開へと繋げ、さらには、霞ヶ浦の水質改善や自然再生を実現する目標を掲げています。日本を代表する湖、霞ヶ浦の再生を実現することは決して簡単なことではありません。しかし、再生に向けて諦めずに地道に歩を進めていくことは、地球環境の改善に向けた希望や展望を示すことにもなると思います。

皆様から私たちの霞ヶ浦再生への歩みに応援を頂ければ幸いです。よろしくお願いします。
【霞ヶ浦の水は、流域に数多くある水源地の里山で生まれます。そこにはかつて里山の生態系の一員としての馬や牛がいました。】霞ヶ浦の湖面を彩るアサザの花

【馬から広がる新たな循環で、霞ヶ浦を水質改善へ!】

●輸入飼料依存が、霞ヶ浦の水質汚濁の原因の一つに。

霞ヶ浦の水質汚濁の原因の一つに、流域外からのリンや窒素などの栄養分の流入があります。化学肥料と共に、海外から輸入されている家畜用飼料も、汚濁原因になっています。流域に外部から入って来た栄養分が霞ヶ浦に集まり蓄積することで、今日の水質汚濁が起きているのです。

循環型に変えていかなければ水質は改善しない。

このような流域外からの栄養分の流入を、流域内で循環する形に変えていかなければなりません。そのような循環を作るモデルを、里山への馬導入によって実現していきます。放牧によって耕作放棄地や森林の草を食べてもらい荒廃を防ぎ、里山の水源地機能や美しい景観、フクロウなど生物多様性を保全します。

私たちのプロジェクトで再生した雑木林

手入れがされず薮化した雑木林

手入れをすると様々な草花が蘇る。


「私たちは馬に輸入飼料を使いません」
今霞ヶ浦流域では、耕作放棄地が増え続けています。これらの耕作放棄地を活用すれば、馬の飼料を十分に確保でき、同時に、耕作放棄地を広域で再生できます。再生した後は、アサザ基金が自然農法の畑にしていきます。

全国で増え続ける耕作放棄地再生した谷津田で収穫した稲藁は、馬の床材や飼料にし、馬糞は田畑の肥料に、循環型の農業を、霞ヶ浦流域の水源地に広げていきます。私たちは、地域で取れるものだけを使って馬を育てる方法を開発し、流域各地の水源地への普及を行います。

自然農法の畑での収穫


●馬を使った自然と共存する農業を実践します。
馬による農作業は、機械化農業と違い、そこに棲む生き物達を傷つけません。



踏み耕は、機械で耕すのとは違い、生き物を傷つけずに田んぼを作ることができます。踏み耕で再生した谷津田では、ホタルやトンボ、カエルなどが数多く棲息する様になることも明らかになりました。本物の馬を導入することができれば、踏み耕によって霞ヶ浦水源地谷津田の再生を広範囲に進めていくことができます!それによって、きれいな水と多様な生き物たちを取り戻すことができます!


踏み耕前


踏み耕をするとだんだん田んぼの状態に戻っていきます。

●馬と一緒に未来を感じ未来を創る!新しいホースセラピーを提案します!

乗馬やホースセラピーなど馬との触れ合いや体験の場は増えていますが、私たちは馬との触れ合いを再生していく里山の自然の中に作っていきます。例えば、耕作放棄地で馬に繁茂した草を食べてもらう作業や、森の下草を食べてもらう作業など、人が馬の暮らしの時間の中にゆったりと入るホースセラピーなど、里山の再生事業を生かして様々なメニューを用意していきます。

馬と一緒に里山を霞ヶ浦を再生していくんだ!馬と一緒に未来を創っているんだ!と感じてもらえるような体験プログラムを実施していきます。

(※ホースセラピー等のプログラムに関しては動物取扱業が必要になるため、実施は資格取得後の来年以降を予定しています)

●馬から広がる繋がりで自然と共存する地域コミュニティを作ります。

耕作放棄地を馬と再生した畑での農業体験、収穫物での料理体験(そば打ち、ピザ焼き、餅つき等)、環境学習、収穫物や薪の運搬、森林の手入れ作業体験、田んぼの再生作業(踏み耕体験)など、様々なメニューを用意し、参加者に共に未来を創っているのだというを実感を持ってもらいます。

これらの取り組みには、地元集落の方々にも協力を頂きます。馬を通して、過疎集落に新たな人の繋がりを作り、地域に賑わいを取り戻していきます。私たちは、すでに今回の取り組みの場となる牛久市島田町の集落内で、地元の方々の協力のもと、空き家の古民家カフェやシェアハウスへの改修工事も行なっています。これらの施設を、馬との体験プログラムとリンクさせ内容をより充実させていきます。すでに様々な交流が行われています。地元の方々も、馬が来ることを心待ちにしています!

古民家でのイベント餅つきを開催


霞ヶ浦流域各地へ展開していきます!


私たちは、まず二頭の馬から、このプロジェクトを始めます。今回の牛久市島田町での事業をモデルに、人馬一体となった里山再生事業を霞ヶ浦の流域各地へと展開していきます。馬を順次増やしていき、水源地再生のためのコンソーシアムも計画しています。

私たちは次の段階に向け、同じ流域内にある桜川市や鹿嶋市の水源地で、すでに集落の方々と協働事業を進めています。将来は、私たちが26年間の活動で育んできたネットワークを生かして、霞ヶ浦流域の主要な水源地にこの事業を広げ、きれいな水と豊かな自然を送り届け、霞ヶ浦を蘇らせていきたいと思います。

みなさんも、馬たちと一緒に、未来を創っていきませんか!

霞ヶ浦の再生は、簡単ではありません。しかし、私たちは人や地域に新しい繋がりを生み出し続けていくことで、不可能を可能に変えていこうと取り組んできました。私たちは、馬から広がる新たな繋がりを生かして、霞ヶ浦再生への歩みをさらに大きく一歩踏み出していきたいと思います。皆様の参加と協力をお願いします!

馬で流域全体に分散する水源地谷津田を結ぶ!

霞ヶ浦流域を覆う56本の流入河川を、馬と歩き、各河川の水源地谷津田の現状を調査し、踏み耕などの耕作放棄地再生を行い、地元の人たちと保全や再生について話し合う流域馬圏プロジェクトを、将来やってみたいと思っています。流入河川のほとんどは土手なので草を食べさせながら長距離移動できます。2200㎢の広大な霞ヶ浦を馬で自由に移動して多様な人々や地域を結びたい!


迎える馬たちの紹介

迎える予定の馬たちは北海道の大地で待っています。
2021年10月末日までに馬2頭を迎える予定です。

ドサンコ:佐目毛・牝・4歳


アパルーサー:青毛・騙馬・2歳






支援金の用途

馬の購入費、養育費:2頭で約170万円
馬の運送費(北海道から馬運車で運びます):約30万円
厩舎設備建設費:約10万円
馬具購入費:約10万円
手数料等


スケジュールについて


2021年 7月  クラウドファンディング終了
2021年10月末 北海道より茨城県牛久市にあるアサザ基金の古民家に馬が到着
2022年 1月  体験イベントプログラム開始
 

リターンのご紹介

※本プロジェクトへのご寄付は認定NPO法人アサザ基金への寄付となり、弊団体が寄付金の受付及び領収証発行を行います。このプロジェクトの寄付は寄付金控除の対象になります。「寄附金控除」をお受けいただくためには、確定申告の際に、NPO法人アサザ基金が発行した領収証をもって確定申告をしていただく必要がございます。支援者の住所等はプロジェクト終了後に閲覧可能になりますので、領収書はプロジェクト終了後の8月以降、随時お送り致します。

ご寄付を頂いた方々が参加できる、里山で馬と過ごす体験イベントやプログラムのお知らせをします。

体験イベント・プログラム概要

場所:茨城県牛久市の古民家周辺
実施期間:2022年1月以降随時開催予定
イベント参加による交通費等はリターンに含まれません。
概要:馬のふれあい・お世話体験、馬による再生事業体験・見学、無農薬無化学肥料の農作物を使ったワークショップ等
参加希望多数の場合、一日のイベント人数に制限をかけ、複数の日程に渡りイベントを開催させていただきます。予めご了承ください。

※領収証はCAMPFIREではなく当団体が発行・郵送いたします。


担当スタッフの紹介

初めまして!アサザ基金の野村恭太と申します!馬導入プロジェクトの担当スタッフです。

 私は以前、ムツゴロウ動物王国で働いていました。幼い頃から動物王国に憧れ、そこで展開されていた他の生き物との共存・共生、いきものの素晴らしさ、命のぶつかりあい、命の輝きを動物王国から学んできました。今の子どもたちに、私が幼い頃に憧れた動物王国のような場所を作りたいと思っていました。

動物王国で唯一、足りていなかった部分は農業だと思っています。
家畜の育成と農業、両方がそろって、初めて循環の輪が繋がります。
アサザ基金には水源地の再生活動の一環で既に無農薬、無化学肥料の農業が確立しています。

この循環の輪を繋げる第一歩が、今回迎える馬なのです。
産業革命で機械が席巻するまでの数千年の間、人類と共に歩んできた大切な仲間です。

 私たちは、自分たちが手がける特別な地域だけで馬が活躍することを望んではいません。
これから必要になるのは理想郷ではなく、それぞれの地域に根付き、社会的、経済的に溶け込む形で、馬が存在できるようにすることです。

つまり、農耕馬文化の再生です。

とても壮大で、容易なことではありません。だからこそ、クラウドファンディングに挑戦していくことを決意したのです。流域の人たち、全国の人たち、多くの企業、人間を巻き込んで、学校教育も含めた社会にも働きかけて、みんなで、環境を、文化を、再構築して行きましょう!


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2021/11/29 16:48

    皆さんにご支援いただき馬たちを迎えることができてから一カ月が過ぎました。馬たちが到着する直前に飼育担当者が引き継ぎも無く突然姿を消してしまうというハプニングもありましたが、幸いにも新たな協力者を得ることができ、大きな混乱も無く、馬たちには不自由な思いをさせることなく新しい暮らしを送ってもらって...

  • 2021/07/11 19:52

    別の道を創る〜ゼノンと馬に乗って水の道を巡る旅。 人はなぜ、立ち止まって考えるのか?  一度立ち止まって、考えてみてはどうだろう。よく耳にする言葉だが、不思議に思うことがある。ひとは、なぜ立ち止まって考えるのか。考えるという事と、立ち止まることや動きを止めるということは、どのようにして結び付く...

  • 2021/07/03 06:28

    こんにちは!プロジェクト担当野村きょうたです。今日、7月3日に発行される地元情報誌「エリート情報」に私たちのクラウドファンディングの記事が掲載されました!!私たちの考えや想いに共感を頂けて、掲載に至ることができました。本当にありがとうございます。これから馬が来て、馬耕やイベントが開催されればま...

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