たくさんの人に愛されてきた、「はくちょう丸」と「かめ丸」。


こんにちは。猪苗代湖の湖畔にある「レイクサイドホテルみなとや」を経営している渡部英一です。



今回、私がクラウドファンディングに挑戦した目的。それは、猪苗代湖には欠かせない存在とも言える、遊覧船「はくちょう丸」と「かめ丸」を復活させることです。

福島県民や、猪苗代湖へ訪れたことがある人なら、おそらくご存知の方が多いのではないでしょうか。

「家族で乗った」「初めてのデートで行った思い出がある」「猪苗代湖と言えばはくちょう丸」

そんな方もいらっしゃるかと思います。私にとっても、はくちょう丸とかめ丸は、切っても切れない関係です。猪苗代で生まれ育った私は、桟橋にかかるロープを綱渡りして遊んだり、ホテル経営を継いでからは、この2艘がホテルの目の前にあるのが当たり前の日常を送ってきました。


 

気持ちよさそうに猪苗代湖を泳ぐ「はくちょう丸」


新型コロナウイルスの影響で、2020年6月に廃業。


ところが、東日本大震災の影響を受けて客足は低迷。賑わいを消すまいと、運行を続けていたところに新型コロナウイルスが発生し、猪苗代に足を運んでくださる方の姿は激減しました。私たち「レイクサイドホテルみなとや」も、影響をもろに受けています。

そして2020年の6月。ついに、はくちょう丸・かめ丸の運行会社が事業を停止し、2艘が湖を泳ぐ姿も見られなくなってしまいました。このニュースは、衝撃的なものでした。


このニュースは全国で報じられ、別れを惜しむ声や驚きの声がたくさん寄せられました。当たり前にあると思っていた存在が、突然いなくなってしまう。その寂しさを感じたのは、私だけではないのだと知った瞬間でもありました。


遊覧船が廃業してから今も、はくちょう丸とかめ丸は桟橋に停泊したままです。受け取り手が現れるのを待つ姿は、どこか悲しげ…。


 

1年間、ここで停泊したままの2艘。


2艘の解体に、「待った!」事業会社を立ち上げて、復活をめざします。


廃業のニュースが全国で話題になったためか、各地の大手企業が2艘の受け取り手として手を挙げました。しかしそのほとんどが、猪苗代湖から2艘を引き上げて解体し、別の土地で再運行させるという案でした。


そこに私は、「待った!」と声を挙げたい。


はくちょう丸とかめ丸は、創業してからおよそ60年もの間、猪苗代湖で泳ぎ続けてきました。観光客や地元の人たちに愛されてきただけでなく、昭和天皇・皇后両陛下がダイヤモンド婚を記念してご旅行に訪れた際、かめ丸に乗船されているなど歴史もある観光船です。


 

昭和59年、昭和天皇・皇后両陛下が「かめ丸」に乗船されたときのようす。


もし2艘が復活するにしても、猪苗代湖から離れてしまうというのは、地元民として、猪苗代湖でホテルを営む者としても、納得しがたいのが本音です。


だから、2艘がふたたび猪苗代湖で遊覧船として復活できるよう、私が事業者として会社を創設します。はくちょう丸とかめ丸に、「また会えた!」と言える日を実現したい。その強い決意を持って、クラウドファンディングを立ち上げました。



「また会いたい」という人の想いや、応援の声に背中を押されました。


会社を立ち上げるにあたり、復活を心待ちにしている方々の声援が大変励みになりました。はくちょう丸やかめ丸にまた会いたいと思っているのは、私だけではない。地元だけでなく全国から寄せられる「どうにかしてほしい」という想いに背中を押され、私もがんばってみようと思いました。


さらに地元の高校では、猪苗代エリアの活性化にむけて2艘の利活用方法を考案してくれています。


 

猪苗代高校観光ビジネス科の生徒によるプレゼンテーションが行われました。


ただ遊覧船として運行するだけでなく、地元の飲食店とコラボして水上レストランを開くなど、猪苗代の新しい楽しみ方として地域を盛り上げられないかとアイデアが生まれています。これには、私も大賛成です。さまざまな事業展開も見据えながら、ただ懐かしいだけではない、新しいはくちょう丸とかめ丸をお楽しみいただければと考えています。



猪苗代は、世界一のまち。


さいごに、猪苗代がどんなまちなのかをお話させてください。


タイトルにもあるとおり、私は「世界一のまち」だと思っています。これほどに四季の移り変わりが多彩で美しく、心穏やかに過ごせる場所はありません。猪苗代湖は日本で4番目に大きな湖で、四季折々の姿を映すことから「天鏡湖」とも呼ばれています。


フォトコンテスト2020冬より抜粋
https://www.bandaisan.or.jp/photo-cotest-2020-winter/?fbclid=IwAR21g4lRpte4r0Qtyl_05OljLDCbHUPd5xkvz6sdsHfBUupU21YZYrG7gbA


磐梯山の姿がくっきり映った猪苗代湖


また、1987年にはヨットの世界選手権、2009年にはフリースタイルスキーの世界選手権が猪苗代で開かれています。マリンスポーツとウィンタースポーツを、町という単一自治体で開催した地域は世界で唯一です。


私はスイス愛好家なのですが(笑)、スイスにも引けを取らないくらい、自然の雄大さを肌で感じられる素晴らしいまちです。


フォトコンテスト2020冬より抜粋
https://www.bandaisan.or.jp/photo-cotest-2020-winter/?fbclid=IwAR21g4lRpte4r0Qtyl_05OljLDCbHUPd5xkvz6sdsHfBUupU21YZYrG7gbA

 

冬になると、シベリアから約2,000羽もの白鳥が訪れます。


恵まれすぎていると思うほど魅力にあふれた地域ですが、東日本大震災や新型コロナウイルスの打撃を受け、以前に比べて賑わいに欠けると感じる日もあります。それでもなんとか持ちこたえてやっているのは、震災で得た教訓があるからです。


「ピンチはチャンス」

「攻めは最大の防御」


コロナだから何してもダメだと言っていては、後退しかありません。絶えず攻めていなければ、現状を維持することも難しい。実は、震災があったときに「うちはもうダメだ。宿を閉じよう」と考えたこともありました。ですが、ある人の助言で考え方が変わり、逆転の発想で行動できるようになったのです。


今回、はくちょう丸とかめ丸の復活にむけて動き出したのも、その教訓が原動力にあります。そして何よりも、応援してくださる方々の存在が、一歩を踏み出す後押しになりました。


猪苗代にとって、福島にとって、必要不可欠な存在であるはくちょう丸と、かめ丸。これまでつないできた縁を、この先もつなぎ続けていけるように私も尽力します。どうか、みなさんのお力添えをよろしくお願いいたします。


クラウドファンディング支援金額の使いみち

主に船のリニューアルにかかる費用、広告宣伝費、開業資金として使わせていただきます。


【応援コメント】

なすび 様

猪苗代湖のシンボル、遊覧船のはくちょう丸とかめ丸が存亡の危機に瀕し、撤去解体まで、いよいよ待ったなしに追い込まれていると知り、はくちょう丸とかめ丸に思い寄せる一福島県民として居ても立っても居られず、微力ながらも、今回立ち上げられた復活支援のクラウドファンディングに、私なすびも応援の声を届けたいと一念発起致しました。多くの皆様からの御支援と御協力を賜れますよう、何卒、宜しくお願い申し上げます。  

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フリーアナウンサー 大和田新 様

「はくちょう丸」と「かめ丸」にご支援下さい。
猪苗代湖の観光のシンボル「はくちょう丸」と「かめ丸」が今、解体の危機にあります。クリクリッとした丸い目が特徴の2隻。最盛期には年間10万人以上の観光客が乗船していました。昭和天皇がダイヤモンド婚を記念した旅行でも乗船された輝かしい歴的な記録も残っています。

2011年3月の「東京電力福島第一原子力発電所」の爆発事故後、風評被害を受けて利用者が激減しました。さらに新型コロナウイルス感染拡大の中で運行が不可能になり、現在に至っています。経営管理会社は昨年(2020年)6月15日に廃業を宣言し、「はくちょう丸」と「かめ丸」は静かに猪苗代湖に浮かんで、再開を待っています。廃業の責任は「はくちょう丸」と「かめ丸」にはありません。

昭和34年以降、観光客や地元の人達に愛されてきた「はくちょう丸」「かめ丸」を廃船にしない為に、今私達が出来る事は何かを考えて行動していきたいと考えています。今こそ、「はくちょう丸」と「かめ丸」と一緒に、「東日本大震災」や「コロナ禍」を乗り越えて参りましょう。ご支援を宜しくお願い致します。

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福島県観光物産交流協会理事長 高荒昌展 様

磐梯山をバックに猪苗代湖を滑るように走るはくちょう丸とかめ丸は福島県観光のシンボル的な存在です。その二艘の遊覧船が寂しそうに長浜の桟橋に繋がれて、解体かも?との話でしたので運航再開の報を聞き嬉しい限りです。

観光に大きなダメージを与えているコロナ渦もワクチン接種がはじまり、ようやく明かりが見え始めています。このタイミングでの再開は福島県観光の復活に向けた大きな「希望」です。どうか皆様!はくちょう丸とかめ丸の応援を宜しくお願い申しあげます。

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エッセイスト 大石邦子 様

猪苗代湖の遊覧船を守ろう

猪苗代湖の遊覧船が無くなるかもしれないと聞いて吃驚した。
遊覧船は、私にも懐かしい思い出。
湖畔の国道49号線を通るときは、必ず遊覧船の姿を探したものだった。
湖上をゆっくり走っている時もあれば、停泊している時もあり、心の中で手を振っていた。
 私があの遊覧船に乗ったのは、まだ自分の足で歩ける時だった。
だから随分前のことだが、想い出は年を取らない。
あの日のままに甦り、髪を吹き上げた風の匂いさえ漂ってくる。
 まさか、あの遊覧船の存続が危機に瀕しているとは。
どれだけ多くの観光客を楽しませ、子どもたちに夢を与え続けたことか。夢は力である。
 どうか、未来を担う子どもたちのためにも遊覧船を守ってほしい。
猪苗代湖のシンボルでもあるのだから…。

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福島県立猪苗代高等学校 観光ビジネス科3年2組 高橋陽菜 様

猪苗代湖のシンボルである白鳥丸とかめ丸が運行停止になってしまい、私たち観光ビジネス科で復活させたいと思いました。
遊覧船を復活させ、猪苗代町の活性化と、観光客の呼び込みに貢献したいです。
私たちの活動が遊覧船の復活に希望を与えられるように頑張ります。


福島県立猪苗代高等学校 増子健一 様

猪苗代湖の南側に位置する湖南町で育った私は、幼い頃、家族や地区のレクリエーションでかめ丸と白鳥丸に乗船した記憶を鮮明に覚えています。

夏には湖南町の湖祭りで猪苗代湖から花火が打ち上げられ、その花火を白鳥丸から湖上花火を見ることができます。花火が打ち上げられる爆音、火薬の匂い、波の音、水の香り。

遊覧船でしか行けない猪苗代湖一の景勝地「赤崎」。綺麗過ぎる水、風がやむと鏡のように水面が光り、誰もいないので聞こえるのは鳥のさえずりや波の音、風の音だけ。

未だ、たくさんの思い出をありがとうとは言いません。

皆さんの力をお貸しください。

  • 2021/11/04 13:00

    株式会社猪苗代観光船の渡部英一です。クラウドファンディングのご支援をいただいた皆様、誠にありがとうございます。はくちょう丸・かめ丸運航の近況とリターン発送についてご報告いたします。はくちょう丸・かめ丸の運航についてはくちょう丸・かめ丸の運航についてですが、許認可が予定よりも早く下り、10月29...

  • 2021/09/04 14:13

    ご支援いただいた皆様、心より感謝申し上げます。1000人近くの方から、1600万円を超えるご支援いただき、感謝に堪えません。正直申し上げて、驚いております。目標は1500万円でしたが、果たしてという思いもありました。多くの方々から、はくちょう丸とかめ丸そして猪苗代湖に心を寄せていただいた事に感...

  • 2021/08/31 17:14

    ラストスパートに向けて本日19時よりFacebook、Instagramにて緊急生配信いたします!各SNSアカウントをお持ちの方はぜひご視聴ください!発起人である渡部英一のはくちょう丸・かめ丸再運行にかける想いや今後の展望についてもお話ししたいと思います。日時:8月31日(火)19:00 ~ ...

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