はじめまして。村松啓市(むらまつけいいち)と申します。私はこれまで17年間、ファッションデザイナーとして活動をしてきました。
ファッションを学んでいた学生時代、イタリアの老舗糸メーカー「リネアピウ」社に特待生として留学する機会をいただき、世界トップクラスのニットデザインが集まる環境でファッションを学びました。
そして、ファッションデザイナーとしてブランドを立ち上げて以来、私はニットの専門知識を強みにして、ファッション業界での活動を続けてきました。
現在私は、東京から静岡の茶畑に囲まれた山間に拠点を移し、「muuc(ムーク)」というファッションブランドと、「AND WOOL(アンドウール)」というニット製品を専門に扱うセカンドブランドの運営をしています。
ファッション業界は今、さまざまな問題を抱えています。私はファッションデザイナーとして、一部の人のための特別な服を単にデザインするだけではなく、服を取り巻く環境や関わる人たちの暮らしなど、その周辺にあるすべてのものや仕組みをデザインする必要があると考えています。
そのような思いから、私は2つのブランドの運営と並行して、これまでさまざまな活動をしてきました。そのうちの1つが「雇用創出プロジェクト」です。
この取り組みは、さまざまな事情から外に働きに出ることができない人に「在宅ワーク」のお仕事を提供したり、工賃が低価格に設定されることの多い就労支援事業所さんに適正価格でのお仕事を発注したりするものです。
今回のクラウドファンディングへの挑戦も、このプロジェクトの一環として行います。
私たちの活動をより多くの方に知っていただくこと、製品の予約販売を行うことでお仕事を必要としている人に雇用を提供することが目的です。
●「在宅ワーク」を必要とする人にお仕事の提供
私たちは、さまざまな事情から外に働きに出ることができない人、例えば
・幼いお子さんがいる主婦の方
・定年を迎え自分のペースで働きたい方
・
病気や障害と付き合いながら働きたい方
などに「在宅ワーク」のお仕事を提供する取り組みを行なっています。
●「就労支援事業所」さんへのお仕事発注
さらに、工賃が低価格に設定されている場合が多い「就労支援事業所」さんに、適正価格でのお仕事を発注しています。
在宅ワーカーさんや就労支援事業所の利用者さんには、誰が作業をしても仕上がりのクオリティに影響が出ないような単純作業(例えば、編み機のレバーを左右に動かすだけ、糸にビーズを通すだけ、など)を、製品製造の工程から抜き出してお願いしています。
●私たちがこのプロジェクトを行う理由
静岡の田舎で活動する、私たちのような小さなブランドが、どうしてこのような活動をするのか尋ねられたり理解してもらえなかったりすることもよくあります。私たちの活動の背景には、ファッションアパレルが抱えている「職人不足・後継者不足」の問題があります。
年々、技術の高い職人の数は減少し、思うような服作りができなくなってきています。技術力のある職人を育てるには時間もかかり、この「職人不足・後継者不足」の問題は、ファッション業界において非常に深刻な問題です。
私たちは社会貢献や人助けのためだけにこの活動を続けているのではなく、自分たち自身のためにやっています。これからも皆様に愛していただけるような上質な製品を提供できるブランドであるためには、必要不可欠な活動だと考えています。
●関わる人みんなを幸せにする「魔法のストール」
「雇用創出プロジェクト」をより多くの方に知っていただきたい……、そんな思いから2年前に私たちが作った製品が「みんなを幸せにする魔法のストール」です。
これは、私たちのブランドの1番人気の商品だった、「手編み機」と呼ばれる昔ながらの機械で1枚1枚丁寧に仕上げる天然素材の大判ストールを、カシミヤ100%で作り、商品開発を行なったものです。
「作る人・売る人・買う人」と、このストールに関わるすべての人を幸せにできる仕組みを作り、「魔法のストール」と名付けました。
●上質で高級な製品に仕上げることで実現できる仕組み
私たちのブランドの製品は、1つ1つ「手作業」で仕上げるため大変な手間と時間がかかり、大量生産することはできません。しかしその分、上質で高級な製品に仕上げることができ、無理に安価で販売することなく、適正な商品価格の設定を行うことができます。
この仕組みによって、現場の作り手には、極端に低賃金ではない雇用を提供し、適正な工賃を支払うことができます。
さらに、買い手となるお客様には、一般的なオートメーションの機械で作られる同価格帯の製品よりも上質なものをお届けすることができます。
●誰でもできる仕事を提供しつつ最高品質の製品に仕上げる
「雇用創出プロジェクト」に参加してくれている皆様にお願いしている手仕事は、誰が作業をしても仕上がりのクオリティに影響が出ないような単純作業ですが、最終段階の仕上げ作業は、私たちのブランドのプロのスタッフが手がけています。
ニットの専門知識をもつ私の強みを活かし、他にはない最高の品質を保証しています。
「作る人」「買る人」そして私たち「売る人」と、製品に関わるすべての人を幸せにする「魔法のストール」を通して、この活動を少しでも多くの方に知っていただきたいと思っています。
●2回のクラウドファンディングへの挑戦を通して
私たちはこれまでに2回、クラウドファンディングに挑戦しています。
▼2019年夏
▼2020年夏
私たちにとっては難しい挑戦だと考えていましたが、2回ともたくさんの方に応援・ご協力をいただきまして、目標を達成することができました。本当にありがとうございました。
このクラウドファンディングへの挑戦は、その後の私たちに大きな変化をもたらしてくれました。たくさんの方が私たちの活動を知ってくださり、終了後も私たちのプロジェクトへの参加や協力を申し出てくださる方たちが問い合わせをくださるようになりました。
活動を始めた当初の私たちが、想像もしていなかったことです。
▼就労支援事業所さんと一緒に新商品を次々と開発
▼最終的な仕上げ作業を担ってくれる作業者さんの増員とそれに伴う設備投資
▼遠方(県外)の就労支援事業所さんへの編み機の貸し出しやリモートでの使い方レクチャーなどの新たな取り組み
▼静岡県「地域のお店 デザイン表彰」大賞(知事賞)の受賞
▼アトリエに集まるたくさんの方たちと一緒にイベントや感謝祭を開催
●私たちが抱える「みんなを不幸にしてしまう」大きな課題
しかし私たちは、まだまだ多くの課題を抱えています。その中でも、今回、3回目のクラウドファンディングに挑戦しようと思った理由は、主に以下の2つになります。
❶仕事の数よりも仕事を必要としている人の数のほうが圧倒的に多い(まだまだ仕事が足りていない)
在宅ワークを必要とする人や、適正賃金が支払われる仕事を必要としている就労支援事業所さんは、まだまだたくさんいます。つまり、「仕事を必要としている人」に対して「仕事の数」のほうが圧倒的に不足しているということです。
❷大量生産できない製品のため事前予約をもらわないとほしい人に製品を届けることができない
私たちの製品は、1つ1つ手仕事によって製造することで、他にはない大変高品質な製品に仕上げることができ、そのことがこの仕組みの実現を支えています。その反面、製品製造に大変な手間と時間がかかり大量生産ができないので、シーズンに入ってから注文をいただいても、生産が間に合わないためお断りしなければならない状況になります。
ここ数年間の活動を通して私たちの製品を知ってくださる方、販売店さんなどが少しずつ増えていますが、注文をいただいてもお断りしなければならない状況が少なくない件数発生しております。
「製造の仕事がほしい人」「製品をほしい人」の両方が揃っているにもかかわらず、お断りしなければならない……、「みんなを不幸にしてしまう」状況が生まれてしまっています。
●3回目のクラウドファンディングへの挑戦で伝えたいこと
私たちのような小さなブランドは、たくさんの在庫を抱えることは難しく、さらに、上質で高額な素材(糸)も常時大量に仕入れるということも難しい状況にあります。
クラウドファンディングに挑戦し、シーズン前の早い時期から予約注文をいただくことで、以下の2つの課題を解決したいと考えています。
❶仕事を必要としている人がまだまだたくさんいる中、仕事の数が足りずお断りしなければならない状況を改善したい。
❷早い時期から予約注文をいただくことで、製品をほしいと言ってくださる方に販売できていない状況を改善したい。
私たちの抱えるこの課題、特に「❷」については、私たちだけのものではなく、多くの中小ブランドが抱えている問題です。今回のクラウドファンディングへの挑戦が、そのようなものづくりの現場の事情を皆様に知っていただく機会にもなればいいと考えています。
●スケジュールについて
今回のクラウドファンディングにご支援いただいた皆様には、下記のスケジュールでリターン品をお届けいたします。尚、こちらの製品は9月中旬以降順次、各取引先販売店・オンラインショップ等への納品を予定しております。一般販売開始後のお届けになる場合もございますので、何卒ご了承ください。
・6月29日 クラウドファンディング終了
・7月上旬 生産準備開始(糸の仕入れ・お仕事の発注)
・7月上旬 リターン「御礼のメール」送信
・7月24日 リターン「村松啓市とオンライン飲み会」開催
・9月下旬 リターン「魔法のストール カシミヤ100% 大判」発送
・9月下旬 リターン「魔法のストール ヤク100% 大判」発送
・9月下旬 リターン「ケーブル編みのアームウォーマ」発送
・9月下旬 リターン「ケーブル編みのニット帽子」発送
・10月下旬 リターン「手編み機で編んだ靴下」発送
・10月下旬 リターン「ケーブル編みのスヌード」発送
●資金の使い道について
目標金額100万円を達成した場合、いただいた支援金は「雇用創出プロジェクト」における人件費(作業者工賃)を中心に、大切に使わせていただきます。主な内訳は下記になります。「支援金の流れ」を紹介する動画を作成しましたので、合わせてご覧ください。
・運営費・人件費:32万円
・材料費:22万円
・設備費:13万1千円
・商品開発費:10万円
・広報費:8万円
・梱包消耗品・送料:5万円
・キャンプファイヤー手数料・決済手数料:9万9千円
今回ご用意したリターン品は、すべて「手仕事」によって仕上げられている製品です。「手編み機」と呼ばれる昔ながらの機械を使い、在宅ワーカーさん、就労支援事業所さん、アトリエに通ってくださる作業者さんなど、たくさんの人の手を借りながら、私たちの独自の技術で1つ1つ丁寧に仕上げています。
私たちの「雇用創出プロジェクト」にご支援いただくだけでなく、他にはない上質なニット製品を体験してもらいたいと思っています。
▼魔法のストール カシミヤ100% 大判
「作る人」には適正価格の賃金を支払い、「買う人」には市場に出回る同価格帯の製品よりも上質なものを提供し、「売る人(私たち)」は自分たちの上質な製品と雇用創出の活動を同時に知ってもらうことができる、そんな「作る人・売る人・買う人」みんなを幸せにしてくれるストールを作って、「魔法のストール」と名付けました。
上質なホワイトカシミヤ(100%)を使用しています。カラーは、今回のクラウドファンディング限定色「ブルー」を含む、合計10色をご用意しました。
▼魔法のストール ヤク100% 大判
カシミヤ100%の「魔法のストール」の素材を、ヤク100%で作ったストールです。前回のクラウドファンディングで大変ご好評をいただきまして、今回も作ることにしました。
原料は、モンゴルの首都ウランバートル市から約650km離れたバヤンホンゴルの遊牧民の方から分けていただいた、希少なヤクの毛です。繊維を傷つけないように一頭ずつブラッシングして毛を採取し、糸が作られています。
カラーは3色ご用意しました。
▼ケーブル編みのアームウォーマー・スヌード・ニット帽子
私たちが以前からお仕事をご一緒し、この1年で新商品開発なども積極的に進めてきた、就労支援B型事業所「ライク」さんと一緒に作った商品です。
こちらのアームウォーマー・スヌード・ニット帽子に編み込まれているケーブル模様を「手編み機」で編み上げるためには、非常に高い技術が必要です。「ライク」さんと一緒に、「どのような作業ならお願いすることが可能か?」というところから一緒に考えながら、作り上げました。
大量生産はできませんが、オートメーションの機械で作られた製品に比べ、ケーブルの模様がふっくらと立体的に盛り上がって、やわらかく弾力がある大変高品質な製品に仕上がっています。
3つのアイテム共に、1サイズ、カラーは4色ご用意しました。
▼手編み機で編んだ靴下
こちらも、「ライク」さんと一緒にこの1年で商品開発に挑戦した製品です。デザインから製造工程まで、一緒に試行錯誤して作りました。
以前から「肌にやさしくあたたかい靴下がほしい」という声をいただくことが多く、ニットの靴下を作りたいと考えていました。やわらかく、締め付けすぎず、重ね履きもできて、靴が履けるように厚すぎないなど、1つ1つ丁寧に考えて作り上げました。
素材には、カシミヤ5%・ウール70%・ナイロン25%の糸を使用し、やわらかさと強度を出しています。1サイズ、カラーは3色ご用意しました。
▼ギフトパッケージ
私たちの製品はギフトとしても大変喜ばれると、ご好評をいただいております。そこで今回は、リターン品をギフトにもご利用いただけるように、ギフトボックスをご用意しました。
製品と合わせてこちらをご希望された方には、梱包した状態でお届けいたします。
クラウドファンディングを通して、私たちの活動や課題を伝えることに取り組む中で、私自身が実感していることは「自分たちの活動がいかにたくさんの方に支えられているか」ということです。
これは、いつもご支援ご協力をくださっている皆様だけでなく、実際に手を動かしながら製品製造にかかわってくれている方々や、ブランドを支えてくれている身近なスタッフ1人1人に対しても思っている気持ちです。
ファッションデザイナーとして、単に服をデザインするだけでなく「環境をデザインすることが必要だ」と感じ始めたときから、どうすればそれが実現できるのかを悩み続けてきました。
でも、気づけば私の周りには、その環境が整いつつありました。
今はまだ想像もできないようなことでも、前を見て取り組んでいれば必ず辿り着けると思っています。これからも、たくさんの方向に可能性が伸びていくように、自分たちにできることをやっていきたいと思います。
引き続き、応援していただければうれしいです。よろしくお願いいたします。
ファッションデザイナー
村松啓市
私たちのクラウドファンディングを応援してくださっている皆様、本当にどうもありがとうございます。試行錯誤しながら手探りで続けている活動を応援してくださる皆様のおかげで、ここまで活動を継続することができています。
この度、新たに追加のリターン品をご用意しました。引き続き、何卒よろしくお願いいたします。
▼カシミヤ100% アームウォーマー
こちらは、私たちがいつもお世話になっている就労支援B型事業所【ライク】さんと一緒に、今年新たに商品開発して作った、カシミヤ100%の糸で作る非常に繊細で滑らかな肌触りのアームウォーマーです。
ライクさんにお仕事をお願いできることに加えて、製品としても「高品質で最高のものを……」という想いで、何度も試行錯誤を繰り返して完成させた製品です。
▼カシミヤ100% 手編み機でつくるニットベスト
昔ながらの「手編み機」を使って、人の手で1枚1枚編み上げるニットベストです。身幅にゆとりがある作りになっていますので、男女問わず、ゆったりとリラックスした着心地を味わっていただけます。
素材は【魔法のストール カシミヤ100%】と同じ、上質なホワイトカシミヤの糸を使用しています。軽くてあたたかい薄手のベストなので、シーズンを問わず快適に着ていただけます。
▼ヤク100% 手編み機でつくるカーディガン
こちらは、ヤク100%の糸を、昔ながらの「手編み機」と呼ばれる機械で1枚1枚編み上げるカーディガンです。ヤク素材のカーディガンは、もちもちとしていてとても暖かくカジュアル感があるのに、肌触りはゴワゴワとせずにとても滑らかでやわらかいことが特長です。
昨年のクラウドファンディングでは、ヤク素材のストールが大変好評だったので、今年はカーディガンも数量限定でご用意しました。
▼カシミヤ100% 手編み機でつくるセーター
【魔法のストール カシミヤ100%】と同じ上質なホワイトカシミヤ100%の糸で作るセーターです。大変やわらかく肌触りもすばらしいセーターで、私たちが自信をもって皆様におすすめできる製品です。「手編み機」を使って、1枚1枚丁寧に編み上げてお届けします。ぜひ、この上質な着心地を一度皆様に味わっていただきたいです。
サイズは4サイズ(02/03/04/05)展開でご用意しました。全体的にゆとりをもたせた作りになっていますので、男女問わず幅広い着こなしをお楽しみいただけるアイテムです。
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