はじめに

2017年より私たちは、小学生のうちから探究心が芽生えるような課題解決力の育成、学際的な能力を育成するために、新しいスタイルの「明日の思考力コンテスト」を開催してきました。

2019年12月には,試行的に実施してきた「明日の思考力コンテスト」 を発展させ,小学生を対象に,第1回「明日の思考力コンテスト」を開催しました。 これからは,教科を超えた思考力,仲間とともに課題を解決する力も求められることから,6会場での予選を勝ち抜いた73名を,ランダムに4人1組のグループに編成し,5つの課題にチャレンジする大会としました。
(明日の思考力コンテスト の詳細はコチラ ⇒ http://tan-q.net/ )

「学校で400家庭からアルミ缶を集めて,車いす1台を寄付するのにどれだけの期間が必要か。」を一つの課題として設定しました。あるグループは,家庭のアルミ缶の消費量の平均を調べる必要があると,見学していた保護者たちに聞いて回り,そのデータを基に課題に取り組みました。
一番盛り上がったのは,プラレールを使った課題。レールと貨車,おもりなどが渡され,つないだレールの端から端まで貨車を走らせ,より端に近い位置で停止させる方法を考える課題でした。

子どもたちは,個々の得意不得意に合わせて役割を分担したり,みんなで意見を言い合ったりして,課題に向き合い,協働して思考する姿や豊かな発想がたくさん見られました。そして,課題に対する答えだけではなく,課題解決へのアプローチ,実行性,協働性など,課題解決に向かうプロセスを総合的に評価する採点方法を試みました。私たちにとってもチャレンジです!

今、社会の変化に合わせて,教育も大きく変わろうとしています。小中学校で,こういった日常生活に結びついた課題を設定して,様々な探究活動が行われています。高等学校でも,今回の学習指導要領の改訂にあたり「理数探究」だけでなく,「古典探究」「世界史探究」「地理探究」といった文系教科にまで「探究」の名が付く科目が新設されており,「探究的な学び」が重視されています。

高校教育を取り巻く課題

今,あらゆるものを取り巻く環境が目まぐるしく変化し,将来の予測ができないVUCAの時代と言われるようになりました。また,AI化・グローバル化がどのように発展していくかもわからない予測不可能な時代,新型コロナウィルスによりNew Normal時代における学校の在り方も問われています。子どもたちが,このようなこれからの社会を生き抜く力をつけるために、私たちは,”NewNormalな学び”として,「探究的な学び」を全国のすべての高校生に届けたいと考えています。

「探究的な学び」は,現在,大都市圏の私学を中心に拡がり始めています。2022年4月から,新しい学習指導要領が完全実施されることと無関係ではないものの,これまでの教育施策の多くは一部の高等学校どまりで,それ以上の拡がりは見られませんでした。「出口指導」を従来のまま行わざるを得ないという現実の中で,やらないで済むことはやらないという考えのほうが主流だったのでしょう。

しかし,今次の「探究的な学び」の拡がりは,これまでと異なった動きをしています。少子化に伴い,大都市圏では思うように志願者が集まらない学校が出始めていて,従来のままでは立ちゆかないと考えた学校が,学校のウリとして産業界や大学と連携しながら「探究的な学び」を実装化しはじめています。もちろん,玉石混淆ではあるが,いわゆるボリュームゾーンの生徒たちの学びの質が,通う学校によって大きく変わりはじめています。そして,このような状況は,ややもすると,大都市圏と地方との学びの質の格差拡大につながる可能性が大きい。もちろん,上述のような力を自ずと身に付けることのできる生徒,大学に進学してからでも間に合う生徒もいるでしょう。しかし,多くの生徒にとっては,探究のプロセスを遂行する力は学習を通して身に付けていくものなのです。

「探究的な学び」とは

「探究的な学び」とは,生徒による「問題の発見」に始まり,「仮説の設定」「解決策の考案」「解決策の実践」「振り返り」といった一連の過程を繰り返していく学習活動です。多くの高等学校では,依然として,あらかじめ定まっている「答え」を求めたり覚えたりする学習が主となっています。VUCAの時代を生き抜くためには,自らが問いをたて,問いに向き合い,自らの可能性に気づくことが一層大切になります。生徒は,「探究的な学び」を通して,対話(ディスカッション)力,表現力はもちろん,主体性(自ら進んで学ぶ態度)や協働性,正解のない問いに挑戦する力,新たな価値を創造する力を育むことができます。

「探究的な学び」の実装化は,教師の大きなチャレンジ

「探究的な学び」の実装化は,教師にとっても大きなチャレンジです。教師自らも体験したことのない学びをデザインしていくには「授業研究」,すなわち,生徒が実際に授業で学ぶ様子を複数の教師が観察し,その結果をもとに,授業後に省察・協議することが欠かせません。その「授業研究」を推進し,スーパーバイズするWorkshopリーダーが必要になります。

このような現状認識のもと,私たちのプロジェクトでは,「明日の思考力コンテスト」のような単発のイベント型の「探究」だけではなく,日々の授業の中に「探究的な学び」を実装化することをめざし,持続・自走可能な授業研究コミュニティを形成し,それらをつなげていきたいと考えています。
全国,どこに住んでいても,”New Normal”な学び,「探究的な学び」ができるようにしたい! 
Workshopリーダーの育成は,この実装化の方策の一つです。

北海道からスタート!!

今回,このプロジェクトのスタートに北海道を選びました。北海道新聞において,「札幌集中のリアル」の中に,「広がる教育格差~急速に進む少子化や人口の札幌一極集中が,教育分野にもたらすゆがみに焦点を当てる。~」といった特集が組まれ,「どこに住んでいても,良質な学びが得られる環境を維持するにはどうすればいいのか」が論じられていました(2021.4.19~5.9)。北海道は広く,また小規模校も多い。学校や地域を越えて教員同士が交流する機会の必要性とその困難性がまさに同居します。北海道教育委員会はオンラインを利用した「遠隔授業」に力を注いでいるが,発信校が実施するオンライン授業を受けることが中心で,発信校と受信校の教員が協働で,「探究的な学び」を創出していくような取り組みにはなっていません。

「探究的な学び」により得られる問題発見や解決の楽しさ,協働することの意義を子どもたちが実感することで,身近な社会を自分たちの力で創生していく意欲につなげたい。すなわち,進学等で一旦北海道を離れるとしても,卒業後にはこの町で○○をしたい,この町の○○をよくしたいというビジョンが動機になり,そして,地元の相対的な価値を見いだす。多感な高校生時代に協働することの価値を知った仲間は,より明確になった様々なビジョンのもと,また集う。そのようにして創り出させる北海道の各市や町は,これからの日本にとってまさに”New Normalな理想の町”となるだろう。

 

このプロジェクトで実現したいこと

みなさまのご支援により,「探究的な学び」の実装化に向けた「授業研究」を北海道から推進し,スーパーバイズするWorkshopリーダーを,ひとりでも多く育成したい!
何よりもみなさまのご支援が,北海道の教員の心に火をつけて,チャレンジの一歩を踏み出す後押しになります。わたしたちは,北海道の地方から,「探究的な学び」を通して,協働できる仲間をつくり,これから必要となる力をつけた子どもたちによって,”New Normalな理想の町”が創り出されることを信じてプロジェクトを進めていきます。

北海道での「探究的な学び」実装化の実現!
このことは,全国のすべての高校生に「探究的な学び」を届ける足掛かりとなります。

みなさまのご支援を基に,北海道教育委員会と協働して実施するWorkshopの様子や実際の授業実践などの活動の様子をWebページ等で発信していきます。
北海道の先生方の想いに寄り添うとともに,全国各地の現場で「探究的な学びとは?」「自分にできることは?」と模索しておられる先生方に,さまざまな情報を届けていきたいと考えています。

どうかご支援のほど,よろしくお願いいたします。


◆応援メッセージ◆(敬称略)
森上 展安
(株式会社 森上教育研究所  代表取締役社長)

このようなプロジェクトの側面支援を思わぬ機縁でお手伝いできることとなり,嬉しく感じております。さすが『探究』に相応しいワクワク・ドキドキの本プロジェクトの展開に,期待と希望を新たにしています。

難波 俊樹
(東京女子学園中学・高等学校教諭,東京富士大学非常勤講師)

小学生は探究心が芽生える時期です。その時期に楽しみながら探究心を培っていただけることを願って「明日の思考力コンテスト」を実施しています。高校生には,さらなる探究心が根付くよう,そのきっかけとなる本プロジェクトの成功をお祈り申し上げます。

 

資金の使い道

Workshopリーダーの道内の交通費およびWorkshop開催に係る費用:30万円

実施スケジュール

7月上旬 クラウドファンディング 開始
 北海道でWorkshopリーダーをめざす教員を募集(北海道教育委員会と共同)
8月末 クラウドファンディング 終了
8月中 Workshopリーダー候補者(以下,候補教員)にリーダーセミナーを実施
9~10月   北海道道立高校教員対象に,候補教員を中心とした「探究的な学び」Workshop(オンライン・3回で1セット)を実施
11~12月  ”探究的な学び”の実装化に向けた授業実践(候補教員が参観し,授業後の協議・Workshopを行う)←ここの交通費に活用したい!!
12月   参画教員に対するリフレクションWorkshop(オンライン)

12月末までに  お礼のメールにて ”探究的な学び”の実装化に向けた授業実践やWorkshopの様子をご報告,および,Webページにお名前を掲載
2022年2月頃 ”探究的な学び”に関わるWorkshopをオンラインにて開催予定。Workshop のテーマは,『本プロジェクトを通して繋がれたみなさまと,私たち,オトナにとっての”New Normal”を考える』
詳細が決定次第,ご案内の連絡をいたします。

<募集方式について>
本プロジェクトは,All-or-Nothing方式です。
目標金額を達成した場合にのみ,計画を実行し,リターンをお届けします。

リターン

ご支援を検討してくださっている皆様,ありがとうございます。
リターン品
1,000円:お礼のメールを,事務局より心を込めてお送りいたします。”探究的な学び”の実装化に向けた授業実践やWorkshopの様子をご報告いたします。
3,000円:お礼のメールを,事務局より心を込めてお送りいたします。”探究的な学び”の実装化に向けた授業実践やWorkshopの様子をご報告いたします。
本プロジェクト関連の「明日の思考力コンテストWebsite」にお名前を掲載いたします。
5,000円:お礼のメールを,事務局より心を込めてお送りいたします。”探究的な学び”の実装化に向けた授業実践やWorkshopの様子をご報告いたします。
本プロジェクト関連の「明日の思考力コンテスト Website」にお名前を掲載いたします。
本プロジェクトが開催するオンラインWorkshopのご案内&ご招待いたします。(2022年2月頃開催予定)
10,000円:お礼のメールを,事務局より心を込めてお送りいたします。”探究的な学び”の実装化に向けた授業実践やWorkshopの様子 をご報告いたします。
本プロジェクト関連の「明日の思考力コンテスト Website」にお名前を掲載いたします。
本プロジェクトが開催するオンラインWorkshopのご案内&ご招待いたします。(2022年2月頃開催予定)
また,Webページ上の限定公開資料を閲覧するパスワードをご提供いたします。
過去の「明日の思考力コンテスト 」の問題や採点基準表(ルーブリック)などが閲覧可能になります。
※どのリターンにおいても,リターンの額に上乗せして,ご支援いただけます。ご検討のほど,どうぞよろしくお願いいたします。

最後に

今年も,小学生対象の「明日の思考力コンテスト 」として,仲間と探究を楽しむイベントを,12月5日(日)にオンラインにて開催します。例年,参加者の多くは大都市圏在住の子どもたちです。今年は,オンライン開催に加えて,このクラウドファンディングをきっかけとして,北海道からの参加者を期待します!
また,私たち大人も,今後VUCAな時代を生きていくことは子どもたちと同じです。「探究的な学び」を北海道の高校生に届けることを目標にした,このプロジェクトに,支援を通して関わっていただけるみなさまとともに,私たち,オトナにとっての”New Normal”を,オンラインWorkshopなどを通して,考えていきたいです。

このプロジェクトの『実践をつなぐWorkshopリーダーの育成』をスタートとして, ”New Normalな教育”,”New Normalな学び”,”New Normalな進路実現”,”New Normalなまちづくり”に向けて,最適解を見い出し合える仲間,コミュニティを北海道から創出し,全国へ繋げていきたいと思います!
どうぞ,ご支援のほどよろしくお願いいたします。  


プロジェクトチーム

西村 圭一(にしむら けいいち): 明日の思考力コンテスト 大会委員長・企画立案者
東京学芸大学教育学研究科教授,博士(教育学),高校探究プロジェクト リーダー
東京都立高等学校,東京学芸大学附属大泉中学校,同国際中等教育学校教諭,国立教育政策研究所教育課程研究センター基礎研究部総括研究官,東京学芸大学教育学部数学科教育学分野教授を経て,現職。日本数学教育学会業務執行理事・数学教育編集部長,日本教科教育学会全国理事,新算数教育研究会全国大会推進部長,文部科学省初等中等教育局視学委員
〈主な編著書〉
『中学校・高等学校数学科 授業力を育む教育実習』,東京学芸大学出版会,2018
『真の問題解決能力を育てる算数授業-資質・能力の育成を目指して』,『真の問題解決能力を育てる数学授業-資質・能力の育成を目指して』明治図書,2016
『数学的モデル化を遂行する力を育成する教材開発とその実践に関する研究』,東洋館出版社,2012
『中学校新数学科 活用型学習の実践事例集 豊かに生きる力をはぐくむ数学授業』,明治図書,2010

現在,越境し様々な人とwin-winな関係を築くことを楽しみながら,次世代へいかなるバトンを渡すかを模索中。今回のクラウドファンディングを通して,ひとりでも多くのWorkshopリーダーを育てることはその一つだと考えています。
国際的にも高く評価されている日本の授業研究を活用して,Workshopリーダーが中心となり実践をつないでいくことで,学校間,地域間を超えた新しいコミュニティの創出を目指したい。 

NPO学校支援協議会 事務局:プロジェクト発起賛同者
森上 展安(もりがみ のぶやす)
1953年生まれ。早稲田大学法学部卒業。東京第一法律事務所勤務を経て都内で学習塾「ぶQ」を経営後、88年に(株)森上教育研究所を設立。中学受験、中高一貫の中等教育分野を対象とする調査・コンサルティング、講演、執筆等を行う。2004年から父母向けセミナー「わが子が伸びる親の『技』研究会」を開催。
『2019年度中学受験志望校合格・親子の受験ハンドブック 』ごま書房新社 (2018/7/31)
『10歳の選択 中学受験の教育論』ダイヤモンド社 (2009/2/14)
『わが子にピッタリの学校選び―親子で幸せになる家庭教育の秘訣』幸福の科学出版 (2007/8/1)

細水 保宏(ほそみぞ やすひろ)
1954年 神奈川県生まれ。横浜国立大学大学院修了。公立小学校、筑波大学附属小学校、同副校長を経て、現在、明星大学客員教授兼明星小学校校長。併せて、筑波大学非常勤講師、横浜国立大学非常勤講師、日本数学教育学会常任理事、使えるベーシック研究会常任理事、新算数教育研究会役員、全国算数授業研究会前会長、ガウスの会会長、「算数授業研究」(東洋館出版社)編集委員、教科書(教育出版)著者。
主な著書
「確かな学力をつける算数授業の創造」(明治図書出版)
「確かな学力をつける板書とノートの活用」(明治図書出版)
「豊かな計算力を楽しく手に入れよう!算数的活動」(学事出版)
「秘伝細水保宏の算数教材研究ノート」(学事出版)
「算数のプロが教える授業づくりのコツ」(東洋館出版社)
「算数のプロが教える教材づくりのコツ」(東洋館出版社)
「算数のプロが教える学習指導のコツ」(東洋館出版社)

難波 俊樹(なんば としき)
東京女子学園中学・高等学校教諭(国語科・探究)
東京富士大学非常勤講師(プロジェクトマネジメント)
日本アクティブ・ラーニング学会理事
東京工業大学社会理工学研究科修士課程修了
主な著書
『算数と国語を伸ばす天才パズル』(学研プラス)
『国語力がつくなぞとき算数パズル』(ユーフォーブックス)

◆協賛
iML国際算数・数学能力検定協会
「算数・数学 思考力検定」を実施・運営しています。
検定を通じて,これからの未来を歩み進める子どもたちに,算数・数学が好きになり,豊かな「思考力」をつけさせることを目指しています。
HPリンク先:https://www.shikouryoku.jp/


◆特商法についての記載
事業者:特定非営利活動法人NPO学校支援協議会
理事長:森上 展安(森上教育研究所 所長)
住所:東京都千代田区九段南3丁目4番5号フタバ九段ビル3階 森上教育研究所内
お問い合わせ: https://www.ss-c.org/inquiry/
請求があり次第,提供いたしますので,上記までお問い合わせください。
対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
ソフトウェアの動作環境:対応OSの種類:Windows8/10 MacOS 10.13以上 iOS 12以上(iPhone, iPad), CPUの種類:Intel(R) Core i3以上 ,メモリの容量:2GB以上,ハードディスクの空き容量:1GB以上


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