老舗旅館の挑戦! 茶寮・カフェをオープンし、地域の拠点を作りたい!
ー100年先の君へー 134年続いた文化も伝統も想いも継承し、
コロナでも疲弊した下津町を知ってもらいたい!
◆はじめに・ご挨拶

和歌山県海南市下津町にある料理旅館一木の一木謙吾と申します。

弊館は今から134年前の明治20年創業、村長であった曽祖父から祖父、伯父と継いだ老舗で、私が四代目となります。先祖が守ってきたこの建物と人との繋がりを引き継ぎ、地域の発展となる場を作りたい。そして、この海南市下津町を少しでもみなさまに知っていただきたいと思い、家業を継ぎました。

昭和初期の一木 外観は今とほとんど変わりません 地元のお祭行列の様子


現在は昼間の営業をしていますが、コロナの影響も大きく、先行きに目処がつきません。老朽によりメンテナンスの必要が建物至る所にありますが、その費用の捻出も大変です。(建物は「登録有形文化財」届出済。)また、この1年半で、下津町周辺の小さな生態系は崩壊してしまいました。一度崩壊した生態系を再生するのは難しく、後継者不足も手伝って、数年後には住処がなくなる危機です。
※海南市は2045年に人口が激減する都市ランキングで和歌山県2位です。

現在はランチ営業中です(水木定休、11:30〜14:00、予約いただけると助かります)
和歌山産ジビエステーキや、鱧カツ定食などの地元産のものから、大エビフライ定食やしらす丼まで、
丁寧に作りますので、ぜひお越しください。


料理旅館一木四代目 一木謙吾

安心して外出、ご旅行ができるようになったその時に、新たな料理旅館一木と下津町の魅力を知っていただけるよう、地域の拠点となるような茶寮・カフェの併設をしたいと思います。

地域の方をはじめとし、今まで下津町を知らなかった方にも足を運んでいただけること、仕事や勉強、ご友人やご家族とのゆったりとした時間を提供できるような空間にします。



この場所は、昔、結婚式などのイベントをやっていた大広間です。
できるだけ手を加えずに、この場所の家具レイアウトを変更し、本玄関から大広間まで明かりや看板を設置し、動線を作ります。トイレはプライバシーが守られるように整備、Wifiの環境を整えたいです。

茶寮・カフェは、
「100年先の君へ」をテーマにし、『歴史』『承継』『発信』をキーワードにしたものにします。

◉ネット環境を構築、仕事や勉強、ご友人との大切な時間に使っていただけるように工夫します。

◉ここで交流する人たちからワクワクするような新しいプロジェクトが創造されることを期待して、文化発信の拠点として、例えば芸術の発表会やeスポーツ・ゲームの大会などでもご利用いただけるように、学生やサークル活動の場としても提供したいです。


◆本クラウドファンディングで実現したいこと

本ファンディングでは、茶寮・カフェの準備に伴うメンテナンス費用のご支援をお願いいたします。

資金の使い道は、
・Wifi環境の整備(10万)
・トイレのリフォーム(30万)
・火事防止のための剥き出し電気配線を整理しLEDに(30万)
・玄関看板と暖簾の新調
の一部に使わせていただきます。

また、ネームプレートのリターンを用意いたしました。館内に設置し、ご支援いただいた方とともにこれからの歴史をしっかりと刻もうと思います。


◆料理旅館一木の考えるステップ

将来には、路線を承継した旅館の再開を考えており、

・ちょっと良い大人旅をする旅館
・熊野古道への導線とした海外の方向けのポータル施設

を目指しています。同時に、

・海南市下津町および周辺の魅力を発信する拠点とする
・地元の方の集う拠点、下津町の活動人口を増やす社会活動拠点とする

ことを計画しています。

そこで今回、このクラウドファンディングを通して、将来像に共感していただいた方で、一緒にプロセスを体験していただける方を募集します。下津町に興味を持って、田舎で生活してみたい人のサポートなども行います。大阪市内、関西空港、白浜空港からも1時間以内圏です。気軽にお声がけください。よろしくお願いします。

2021秋冬 本クラウドファンディング
2022冬春 茶寮・カフェ営業開始
2022年度中 旅館業再開


◆応援メーセージ

県会議員の中西です。一木君とは幼馴染です。これから過疎高齢化を迎え、大変な時代に突入します。この町を一緒に盛り上げていきましょう。
(和歌山県議会議員・中西徹)




ヘリテージマネージャーの田中です。一木さんの建物は建築士でも大変興味深く、勉強させてもらいました。クラウドファンディング、うまくいくように応援します!歴史が長い分、いろいろ面白いことができそうですね!
(「紀州設計」一級建築士・田中茂雄)



一木さんとは母の代からの長い付き合いで、今回のチャレンジを応援します。食事も美味しいので、みなさんが来てくれるように応援しています!
僕は、下津で専業みかん農家をやっています。趣味のバイクにも乗り、色々な大会にもでていますので、ご縁がありましたらよろしくお願いします!!
(下津マルシン園・新田豊起)



世界中を周り、脳の研究をしています。日本の文化にも興味があります。妻の実家がある下津は息子にはいい街と思っています。一木さんの取り組みは素晴らしい!建物の細工が綺麗で、このようなものを残していってほしいと思います。応援します!(脳科学者 呼吸法研究家・マックス ウィトル)



戦後間も無く一木に嫁ぎ、半世紀以上、この地でお客様との貴重な時間を過ごしてまいりました。甥が皆様とのご縁を引き継ぐことを応援し、永く愛される一木であることを願っています。古くからのお客様も新しいお客様も、今後ともよろしくお願い申し上げます。皆様、またお目にかかれることを楽しみにしています。
(一木順子・叔母・三代目女将)



以下では、私たちの下津町の歴史や文化と、私について紹介いたします。
少しでも知っていただきたいと思いました。お時間を頂戴いたしますが、よろしくお願いします。

◆海南市下津町と弊館の魅力をお伝えします

ミカン畑から見た下津町 海と山に囲まれています 天気の良い日は四国、淡路島まで一望できます

昭和初期の下津港

現在の港入り口 石油タンクが見える

故郷下津町は県庁所在地和歌山市のすぐ南に位置し、大阪市内から1時間、関西空港からは40分の立地です。国際港湾下津港を抱え、背後には紀伊山地、海と山に囲まれた地域で、今では人口1万人の小さな集落ですが、かつては石油産業が町を支え、昭和末期ごろまでは繁栄していました。

紀州徳川家の菩提寺である国宝長保寺を初め、和歌山県が有する7つの国宝建造物のうち4つが下津町にあり、海南市を通る世界遺産熊野古道も身近に感じられます。

新緑の長保寺大門(大門・本堂・多宝塔が国宝) 桜の季節はまた一段と美しく威容を誇る

料理旅館一木は、戦争の軍長であった祖先が地元の人の寝泊まりに家を開放したことがきっかけとなったことから旅館を営み、長保寺の参道で、明治から平成まで、大企業の接待や政治家の利用に愛されてきました。プライバシーを重視してきたことは、長い間、やってこれた大きな理由かもしれません。



田中角栄元首相はじめ多くの政治家、山口誓子などの文筆家、浪花千栄子などの文芸人に多く利用されてきました。館内のところどころにその歴史が残ります。

全ての個室には「待機室」がありこれは政治家などの接待の時に秘書が待機する部屋です。昭和の雰囲気を残す浴室や、一木のデザインプレート、長い縁側の下には防空壕が眠っています。旧国鉄推薦旅館プレート横の窓は、なんでも祖父が随分と悩んで意匠を凝らしたと伝え聞きました。



下津町は食も豊かです。有名な下津みかん以外にもたくさんのフルーツの産地でもあります。しらすや鱧、太刀魚をいった海産物、紀伊山地での和歌山ジビエをはじめ山からの恵もあり、海南市内には酒蔵もたくさんあります。

塩津・戸坂地区 海を見渡せる小さな漁村です

小畑地区 一木と長保寺が眼下に見え、夕日が水平線に沈む眺望をぜひ見にきてほしい

私が小学生の頃は、長保寺の境内でイモリを捕まえ、野山を駆け回っては適当に果実を取り、池でとった海老を餌に海釣りをするというようなことを毎日のようにやっていました。今から考えると、非常に贅沢な体験です。そんな下津町ですが、石油企業の撤退と少子高齢化により急激に廃退し、高速道路の南進により私たちの町が半島ごと切りととられた形になったために、消滅の危機を迎えています。同じような課題を抱えた地域は日本国中至るとことにあり、下津町だけが特別なことではありません。現状の課題を他地域の方と共有し、地盤沈下がすすむ地域が手を取り合って、それぞれの地域課題を解決する必要があると思います


承継する思い

今までの伝統を守りながら、永く地元に根ざしたお店を作っていこうと思います。

◆塾の経験から

普段は、和歌山市内の塾で、大学入試の数学を教えています。教師の仕事はとても刺激的で、若い人のエネルギーをもらえるのも魅力、数年後に、教え子が会いにきてくれたりすることにもやりがいを感じます。

が、少子高齢化がすすむ今の和歌山県には、優秀な若い人たちが働く環境が少なく、一度県外に出てしまうと、二度と戻ってくることはありません。友人の経営者などは、常に人材の不足を嘆いており、塾生の大半が県外に出て行く現状と、県が抱える人材不足を目の当たりにし、地元に貢献することへの矛盾を感じていました。子供達のそれぞれが考える未来の中の一部に和歌山があれば、と考えるようになりました

1日の半分は数学を教えています

◆紀州徳川家献上料理

私たちに下津町民にとって、国宝長保寺は特別な存在です。生活の中に溶け込んでいます。

長保寺には、江戸時代の「紀州徳川家献上料理」(将軍の食事)に関する膨大な量の文献と、それに使用された食器などが残っていました。和歌山県のイベントでそれを復活したら面白いのではないかとなり、そこから、一木と海南市飲食組合の料理人の挑戦が始まりました。文献を読み解く作業や、今では使用されない食材の考察、中でも味付けの詳細が不明なことが難しく、文章表現や食材から予想して現代に蘇らせる作業が困難を極めました。海南市調理師会は平均年齢がかなり高くなっていますが、長年調理人をやってきたプライドや継承する思い、そして何より長保寺を愛する想いから、ライフワーク的に長い年月をかけて、現代に復活させました。生涯をかけて無償で取り組んだ労力は計り知れなく、私はこの取り組みを守っていきたいと思っています。(「紀州徳川家献上料理」は海南市調理師会が有する文化です)


◆戸坂の鱧

夏の風物詩である鱧は、みかんと同様に実は下津町と縁が深いです。

戸坂の延縄漁で釣り上げられる鱧は、昔から京都の高級料亭と取引されてきた高級品。ところが、高齢化による漁師不足(今は漁師が2人)と漁港自体の縮小、そして、昔から漁港の周辺には鱧料理の専門店がありましたが、これらも現在は閉店されてしまいました。

鱧は、「骨切り」という技術によって料理されます。最高の状態で調理するには相当の腕前が必要ですが、技術の習得には長い年月がかかります。鱧が比較的身近であった下津町には、その調理技術を継ぐ料理人がわずかながらいます。私はその技術を継承したいと思っています。

相当の腕前で調理された鱧は、魚の概念が変わるほど美味しく、ぜひ、歴史と伝統に裏打ちされた調理の最高峰を、この下津で体験していただきたいと考えています。

戸坂の鱧を紹介する和歌山県のホームページ


◆コロナ禍において

地元の小さな生態系は壊滅しました。高齢化が進み担い手もない、もともと競争力がない、この時代に合った戦略を取れなかったなど様々な要因があり、仕方のないことなのですが、やりきれない思いです。

人生の豊かさは、文化や想いを継いで残すことにある。「継いでいく」ということに載せる人生の価値、この美しい日本が美しい日本たる所以、歴史や伝統の素晴らしさ。長い歴史の中で呼吸するようにその想いを継いできた先代を見習い、私もここで100年先にバトンを渡したいと思います。


パトロン様へのリターンについて

金額に合わせて複数のリターンをご用意いたしました。

支援後は速やかに準備いたしますが、下記の点についてご了承ください。
・お食事券は有効期限を設定させていただきました(2022.6まで)
・長保寺様が関係するリターンに関しては、今までのお付き合いの中から特別にご協力いただいたものとなります。長保寺様の価値ある特別なご好意をご理解いただける方に、ぜひ、ご支援をいただきたいと存じます。(したがって、日程調整など、多少のご不便をあらかじめご了承ください。)

ご支援ののちは、ぜひとも海南市下津町、及び、弊館に足をお運びくださいませ。


貴重なお時間を頂戴いたしましたことに感謝いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。


■特定商取引法に関する記載
 ●販売事業者名:料理旅館一木
 ●一木謙吾
 ●〒649-0164 和歌山県海南市下津町上292
 ●Tel:073-492-0988
 ●送料:送料込み(離島価格など例外がある場合には記載)
 ●対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
 ●その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、
  共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal)をご確認ください。

※掲載写真は全て掲載許可を取っています。

<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2021/10/18 00:09

    ご支援ありがとうございます。お陰様で達成率が30%を超えました!!プロジェクト終了後、速やかに実行できるように準備をしています。引き続きのご支援と、近くにお越しの際は、お気軽にお立ち寄りください。

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