新潟県最古の電車・木造車両モハ1に屋根を架けようプロジェクト

キャンプファイヤー ふるさと納税のバッヂ

新潟県加茂市の山あいに、数奇な運命に翻弄された鉄道車両が保存されています。当初デ2(デは電動車の頭文字)の車体番号を与えられ、改番を経て今ではモハ1(モはモーターの頭文字、ハはイロハのハで3等を表す)と呼ばれる木造の電車です。車体が保存された経緯を振り返り、モハ1の魅力と保存の意義に迫ってみます。

現在の支援総額
5,349,000円
支援者数
263人
募集終了まで残り
終了

現在178%/ 目標金額3,000,000円

178%
このプロジェクトはふるさと納税ポータルサイト「さとふる」に掲載されている、CAMPFIREがサポートしたプロジェクトです

※このプロジェクトの決済は、さとふるへ移動します。

このプロジェクトは、All-In方式です。
目標金額に関わらず、2021/11/01 23:59:00までに集まった金額がファンディングされます。

このプロジェクトは、2021-08-20に募集を開始し、263人の支援により5,349,000円の資金を集め、2021-11-01に募集を終了しました

プロジェクト本文

実施理由/背景

日・米・欧の美点の結晶:木造車両の到達点

鉄道車両モハ1は、大正12年(1923)東京の蒲田車両の製造です。車体の意匠(デザイン)はアール・ヌーヴォーの影響が濃く、技術的には下見板張(したみいたば)りの外観、曲物(まげもの)を多用して美しさと機能性を際立たせた調度品など、明治末期から大正期に爛熟(らんじゅく)した和風建築の粋(すい)を集めています。台車は東京市電・京都市電が採用し、一世を風靡したアメリカのブリル社製です。つまり、モハ1は日・米・欧の美点の結晶として生まれました。

ところが、製造された年に関東大震災が起こり、世の風潮は一変します。デザインの主流は優美さから単調・簡潔に移り、構造物の耐火性が叫ばれて、車両は鋼製への切り換えが進みます。伝統美と海外の流行・技術を総合したモハ1は、時代の精華から日本木造車両史の掉尾(とうび)を飾るあだ花になりました。

プロジェクト内容説明

モハ1が復活する理由(わけ)

モハ1の走った蒲原鉄道沿線は、江戸時代後期に立て続けに発見された鉱山(粟ヶ岳(あわがたけ)鉱山・川内谷(かわうちだに)鉱山)の分布と重なっています。明治42年(1909)、粟ヶ岳の鉱物を消費地まで鉄道で運ぶ計画が持ち上がります。この計画は幻に終わりますが、地内には一攫千金を夢みる山師が全国から集まり、なかには犬養毅(のち首相)と親しく、孫文の中国革命を支援した渡邉元(はじめ)のような人物もありました。

やがて新潟県初の電気鉄道事業として発足した蒲原鉄道は、開業と同時にモハ1を投入し、まず五泉駅ー村松駅(各五泉市)をつなぐ4.2kmを、昭和5年(1930)に加茂駅(加茂市)まで延長されて総計21.9kmを走りました。沿線の大部分は山野のめぐみを最大の産業とし、住民は、爪の先に火を灯すような質素な生活をしています。このことが、保存への伏線になりました。

入線したモハ1は、昭和29年(1954)に現役を退きます。除線となった電車の行き先は、スクラップ工場です。ただ、その頃は人件費より材料費が高価で、地域には木造の構造物を再利用する文化がありました。この精神は”もったいない”と表され、やがて”mottainai”という国際語に昇格します。この庶民文化を背景に、退役したモハ1は、今度は蒲原鉄道の倉庫への転用を果たします。

平成11年(1999)、蒲原鉄道は全線廃線となり、鉄道関係の物品や構造物はほとんどが処分され、モハ1も取り壊しの危機を迎えます。この窮状を救ったのはかつての利用者、それに全国の愛好者が挙げた”もったいない”の大合唱でした。

平成12年、その声にあと押しされた蒲原鉄道は、倉庫となっていたモハ1の譲渡を決断します。譲渡先の加茂市では、車体を蒲原鉄道の駅(冬鳥越駅)の跡地(冬鳥越スキーガーデン)へ移し、各地のコレクターから台車やパンタグラフを取得して復原しました。しかし、加茂市に屋根を架ける体力はなく、展示はやむなく雨ざらしとなり、強い日射しと冬季の豪雪にさられさて破損が進み、モハ1は三度目の危機を迎えています。

目指すところ

”もったいない”(mottainai)精神の継承と発展

モハ1は古くて、かわいくて、おしゃれです。しかし、先人が維持に尽くしてきた理由は、地域社会のたどった、平坦でない道のりを車体が反映しているからです。モハ1の姿から、淡々と、粘り強く暮らす山あいの庶民文化が浮かんできます。

車体は数年おきに修繕されてきましたが、このモデルは限界にきています。そこで本プロジェクトでは、(1)車両の保存のため屋根を架設し、(2)蒲原鉄道の遺物を博捜(はくそう)して、”もったいない”(mottainai)精神を活かした商品(返礼品)に加工し、モハ1の軌跡=奇跡を伝えることを目指します。

令和5年に、モハ1は竣工100年を迎えます。今年に入り、入線の前年(大正11年)に描かれた設計図が、およそ1世紀振りに再発見されました(さいたま市 鉄道博物館所蔵)。設計図は細緻を極め、モハ1に投入された高度な技術と関係者の情熱がうかがえます。再発見のタイミングは絶妙で、本プロジェクトでは、この設計図を参照して鉄道模型を製作し、協力者へのお礼の品にあてることを決めました。こうした機転のよさは、繰り返し復活してきたモハ1ならではといえそうです。

寄付の使い道

寄付金は以下の三段階に設定し、モハ1の屋根架設に使わせていただきます。                                                                      (1)ミニマムゴール   3,000,000円                                                                            (2)ネクストゴール   6,810,000円(モハ1にちなむ)                                                                             (3)ファイナルゴール 10,000,000円                                                                          
ファイナルゴールを超えて集まった暁には、モハ1と並び冬鳥越スキーガーデンに保存される半鋼製電動客車モハ61・電気機関車ED1の保存に活用します。

自治体からのメッセージ

新潟県内唯一の木造電車モハ1を、加茂市が蒲原鉄道株式会社様から譲渡を受けて、21年が過ぎました。青空の下、アンティークな車両が現役で走っているようにみえると評判で、展示場所(冬鳥越スキーガーデン)には全国から愛好者が訪れますが、損傷が進み、年々維持が難しくなっています。しかし、車両の重要性に鑑みて、市は屋根を架け、雨ざらしの現状を改めて長く保存に努める決意をいたました。
モハ1は時代の変転と上手に付き合い、愛されてきた電車です。数奇な運命をたどった車両の歩みは、地域社会の足跡と重なります。加茂市が保存に微力を尽くすのは、このためです。再来年でモハ1は竣工100年の節目を迎えます。事業の主旨にご理解を賜り、よろしくお力添えをお願いします。
加茂市長 藤田明美

応援メッセージ

蒲原鉄道は大正12年10月に村松~五泉間が開通、昭和5年7月に村松-東加茂間が新たに開通し、その年の10月に加茂(現在のJR加茂駅)まで延伸いたしました。
新潟県内初の電気鉄道として地元の方々の支えにより、地元の生活の足として走り続けてまいりましたが、昭和60年3月に加茂線が廃止、平成11年10月には五泉線の廃止と77年間の鉄道輸送に幕を下ろしました。
非常に貴重な木造の車両、廃線後に加茂市から車両を引き取っていただき、今にも動き出しそうなほどきれいに復元していただきました。感謝申し上げます。弊社蒲原鉄道も来年の9月で創立100年を迎えますが、100年ほど前の開通当初にこの車両が実際に走っていたのかと思うととても感慨深いものがあります。
現代の電車とは違ったなんともいえない暖かな雰囲気も感じるこの車両を、これからも地元の方々や鉄道ファンの方々に見て触れていただき、地元に愛された鉄道として、また、まちのシンボルとして末永く活用していただければ幸いに存じます。
この事業に関しまして是非とも皆様方からのご理解とご協力をいただきたく、よろしくお願いいたします。
蒲原鉄道株式会社 代表取締役 茂野 一弘

事業スケジュール

2021年8月7日(土):
屋根架設記念撮影会
講師:写真家 小竹直人氏
会場:加茂市大字長谷地内 冬鳥越スキーガーデン ほか

2021年9月:屋根着工

2021年10月2日(土):
屋根架設記念講演会
講師:写真家 小竹直人氏
会場:加茂市大字長谷地内 冬鳥越スキーガーデン ロッジウェーデルン

2021年10月2日(土)・3日(日):
屋根架設記念特別展「蒲原鉄道と七谷郷」(仮称)
会場:加茂市大字長谷地内 冬鳥越スキーガーデン ロッジウェーデルン

2021年11月:屋根竣工

【寄付に関する注意事項】
目標金額に到達しなかった場合の寄付金の返還はございません。
目標金額に到達しなかった場合、お預かりした寄付金は自治体内で使い道を検討し、自治体が取り組む各種の事業に活用させていただきます。
目標金額を超過した寄付金の取扱いについては、各自治体の判断となります。
また、クラウドファンディングの目標金額到達前に、自治体またはさとふるの判断により、寄付の受付を停止する場合があります。あらかじめご了承ください。
お礼品をお受け取りいただける金額以上の寄付であり、且つ、お受け取り辞退のご希望がない場合は、目標金額到達の如何を問わずお礼品をお受け取りいただけます。
サイト上で表示される寄付金額の数値は、入金が確認できた寄付金の合計となりますため、即時反映されるものではないことをご了承ください。
受付終了後に入金が確認できたものについては、受付終了後に数字を更新いたします。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください

ふるさと納税を通じて地域に火を灯していきます

CAMPFIREは、「好きな地域を応援する」という
ふるさと納税の本質に立ち返ります。
事業の取組や背景、関わる職員たちの想いを形にし、集まった支援金の使いみち、まちのビジョンやミッションを
明確にして、地域の魅力や地場産業を掘り起こして健全なふるさと納税を再構築していきます。
ふるさとを応援したい、あなたの思いに応えるための
クラウドファンディングプラットフォームがここにあります。