みなさま、はじめまして。

わたしたちは、消え行くふるさとを記録するため、クラウドファンディングで写真集を出そうと結集した仲間です。

滋賀県の東北部にあたる湖北地域の面積は、滋賀県の約6分の1を占めるびわ湖よりも広く、その約60%が山林に覆われています。福井県境に近い山を源流としびわ湖に流れ込む高時(たかとき)川の水は、淀川を経て京阪神の暮らしの糧ともなっています。

その山深い集落での暮らしの様子が、一人のアマチュアカメラマンによって50年余りにわたり撮影されてきました。ダム建設計画によって離村を余儀なくされるという運命をたどってきた集落の記憶が、数万枚というモノクロフィルムの中に残っているのです。

離村から四半世紀が経ち、ダム計画は中止されましたが、暮らし方や地域との関わり方が大きく変わった今、改めて当時の風景に目を向け、暮らしの豊かさとは何かを問い直してはどうでしょう。そのきっかけとしてこれらの写真を多くの人に見てもらいたい。そんな思いを込めて、写真集『地図から消えた村ー琵琶湖源流7集落の記憶と記録-』の刊行をめざしています。      (吉田一郎写真集出版委員会 代表 三山元暎)

高時川源流半明集落遠景

写真を撮り続けたのは、滋賀県長浜市在住の吉田一郎さん、1942年長浜市生まれ。長浜市役所勤務ののち、長浜城歴史博物館館長、国友鉄砲ミュージアム館長等を歴任。カメラを持ち始めたのは市役所広報担当職員時代から。父祖から受け継いだ田畑を耕しながら、地元の暮らしや民俗を追う毎日です。

撮影者近影

 


 








琵琶湖の北部に注ぎ込む高時川の源流の、そのまた源流となる「奥丹生谷(おくにゅうだに)」には、かつて川に沿って7つの村がありました。現在は長浜市となった、旧滋賀県伊香郡余呉町の北部地域です。


安蔵山から見おろす田戸集落

鷲見集落

田畑の少ない谷間の村では、炭焼きが生活の糧でした。そこには、今は見ることも、感じることさえも少なくなった住民同士のあたたかなコミュニティがありました。

洞窟の中に祀られた野神の前で(鷲見)

昭和40年代になると、プロパンガスや石油ストーブが普及し、木炭が売れなくなりました。時を同じくして、高時川に丹生ダム計画が持ち上がりました。1988年(昭和63)に着工予定で進められたダム建設計画を受け、1996年(平成8)までに、7つの集落から40世帯が離村することとなりました。その後、2016年(平成28)にダム建設の中止が決定されましたが、村を離れた人たちは、二度とかつての暮らしには戻れません。


最初に集団離村が始まったのは、奥川並集落でした。そのニュースを知った吉田さんは「今、写真に記録しておかないと忘れ去られてしまう!」という思いにおされ、休日のたびに村に通いました。

最初は顔を隠していた村の人たちでしたが、気心が知れるようになると、飾り気のない素朴な表情や、暮らしの風景がフィルムの中にどんどん収まってきました。その後、相次いで6つの村からも人びとは去っていくことになります。

昭和45年に離村した針川にて

その後も吉田さんは、奥丹生谷へ足を運び、離村した人びとを追い続けています。

「村が年々姿を変えていくようすを見ておきたい。ふるさとを離れた人たちが、転居先でどういう暮らしをしているか記録しておきたいから…」

「人が居なくなった村で、なぜかここに帰って来たくなるんですよ、水底に沈まなかったから帰ることができるんですと、笑顔を見せる元の住民に出会ったこともありますよ」

自然に呑み込まれた現在の鷲見集落にて。
息子さん、お孫さんとともに

「奥丹生谷の人たちとの交流のなかで、日本人が忘れてしまった多くのものを感じた」と、吉田さんは言います。それらの写真をきっかけに、わたしたちは日本各地に同じような運命をたどった集落があることを知りました。そのいきさつや現状はそれぞれ異なりますが、びわ湖の北の山間地域での暮らし、それを襲った時代の波、受けて立とうとした人びと…。その姿を日本中の人に知ってもらいたいと思いました。

 貴重な写真をこのまま眠らせておくわけにはいかない。

 多くの人の目で、確かにあったくらしの姿を確認してもらいたい。

 また、未来の暮らしへの警鐘を鳴らすこともできるのではないか。

そこでわたしたちは、まず写真展を開催することにしました。

    「琵琶湖源流の美と暮らし」離村7集落を追った吉田一郎氏の記録     


写真展の写真を中心に、より多くの人びとの目に触れ、将来への記録となるようにと刊行するのが、写真集『地図から消えた村ー琵琶湖源流7集落の記憶と記録-』です。

写真集チームのミーティング

撮影者の吉田一郎さんは、市役所広報担当職員として市内各地に取材に趣くようになったこと、また自身が営む農業の姿の変化に危機感を感じたことがきっかけとなり、仕事の合間を縫って、カメラを軽トラックに積んで長浜市とその周辺を含む湖北各地へ足繁く通うようになりました。なかでも市北部の山間集落での素朴ななりわいのようすや民俗に強く惹かれ、昼夜を問わず、また大雪もめげず、村人に会いに出かけました。

「その日、その場にいなければ写真は撮れません。光の具合によっても表情が変わってしまう。だから今も、いつも腰にカメラを提げているんです」

「ぼくにとって”ふるさと”といえるものに出くわしたとき、よそにはない地域の良さに気付いたとき、そして、来年はもう見られないかもしれないと思ったとき、シャッターを切らずにはいられない気持ちになるのです」

取材中の吉田さん

今も月に700〜800枚を撮影しているという吉田さんは、『北近江農の歳時記』(ペンネーム・国友伊知郎 サンライズ出版 2001年)『湖北賛歌』(吉田一郎著作集刊行会)を出版。第5回日本自費出版大賞を受賞しています。また『写真集 長浜百年』(長浜市)編集、『目で見る湖北の百年』(郷土出版社)総合監修、『画文集・私の長浜』(郷土出版社)監修など、多くの郷土資料出版に関わってきました。

この2冊で日本自費出版大賞を受賞


奥丹生谷には日本人の意識の源流がある。ここで営まれてきた暮らしを孫や曾孫にも伝えたい。記憶を記録として残すことが、未来の若者が明日を生きる活力になるはず…というのが吉田さんの思いです。

また、わたしたちは、ものを大切にする暮らし方には心の豊かさを育む力があること、今、地球上で問われているエネルギーや資源の浪費に警鐘を鳴らすヒントがあることなどにも気付きました。

この写真集から、未来へのメッセージを汲み取っていただけたらと願っています。

写真集『地図から消えた村ー琵琶湖源流7集落の記憶と記録-』

B5版 上製本カバー付き モノクロ 約200頁(一部カラー)

(表紙はイメージです)


 印刷経費(印刷、デザイン等)    230万円
 データベース構築費          70万円
 諸経費(人件費、事務用品費、通信費等)36万円
 リターン経費(商品代・送料)     20万円
 手数料(税込)            44万円


★どのコースも、心を込めたお礼の手紙を送らせていただきます★

◎3000円お気持ちコース

◎3000円コース

・「山かぶら漬け」(容量 / 約500g 生産者/摺墨山菜加工組合) 1パック


 余呉の焼き畑で採れた山かぶらを地元の山菜組合で加工しています

*収穫状況によっては、焼畑ではない他の地のかぶらになる可能性もあります。



◎5000円コース    

・ 写真集『地図から消えた村 —琵琶湖源流7集落の記憶と記録—』1冊


◎10000円コースA 限定数に達したため、10000円コースCを設定しました。 

・写真集『地図から消えた村 —琵琶湖源流7集落の記憶と記録—』1冊

・「余呉の栃の蜜」(容量/125g 生産者/びぃふぁむみつばちの雫 賞味期限/3年)1個



*余呉のトチノキの花から採集した蜂蜜。今年は不作だったため2020年に採集したものを送ります。








10000円コースB 

・写真集『地図から消えた村 —琵琶湖源流7集落の記憶と記録—』3冊


◎10000円コースC  

・写真集『地図から消えた村 —琵琶湖源流7集落の記憶と記録—』1冊

・「余呉の栃の蜜」(容量/110g 生産者/びぃふぁむみつばちの雫 賞味期限/3年)1個




*余呉のトチノキの花から採集した蜂蜜。今年は不作だったため2020年に採集したものを送ります。







15000円コース

・写真集『地図から消えた村 —琵琶湖源流7集落の記憶と記録—』5冊


30000円コース

・写真集『地図から消えた村 —琵琶湖源流7集落の記憶と記録—』1冊

・吉田さんと源流を訪ねるツアー(源流ツアー)参加権

 *ツアー
   日程 2022年4月23日(土)〜24日(日)
   宿泊 ウッディパル余呉 23日夕食、24日朝・昼食の3食付き
      *24日昼食はおにぎり程度になります
      *ツアーには嘉田由紀子氏も同行予定



2021年
 10月 16〜24日 写真展(妙理の里(滋賀県長浜市余呉町菅並)

2022年
 1月 25〜30日 巡回展(滋賀県立美術館)
 2月 写真集納品予定  巡回展(長浜・米原市内)
 3月 リターン発送
 4月 9日(土)(予定) ウッディパル余呉(滋賀県長浜市余呉町中之郷)で刊行お披露目会開催



わたしたちは、思い立ったら熱く燃える吉田さんの姿を知っています。燃え続けてきた彼の、ライフワークをまとめたいという強い思いの裏には、時の流れるままに現状を見過ごしてよいのだろうか、いったん立ち止まってはどうだろうという将来への不安や祈りが込められています。

モノクロの画像はただ懐かしいだけではありません。その奥にある物語を読み取れば、未来を語る道しるべとなるはずです。

写真集刊行後には、源流の地である滋賀県長浜市余呉町において、お披露目開催を予定しています。ご賛同くださったみなさまといっしょに、余呉の自然を満喫しながら、そこで育まれた生きざまや消えてしまった風景などを目の当たりにし、将来への思いを、決心を共有できればと考えています。

滋賀にゆかりの方々、全国の山村地域や自然環境に思いを寄せておられるみなさまをはじめ、多くのかたとご縁を結ぶことができれば幸いです。



辰野勇さん(モンベル会長)


滋賀県長浜市を流れる高時川は、ブナやトチノキの巨木が林立する水源林であると同時にユキツバキの南限でもあります。その源流・奥丹生谷の美と暮らしを記録した写真集を作ることにより、より多くの方々にこの自然資源の重要さを知っていただければ幸いです。長浜市はモンベル・フレンドタウンの登録を頂いています。微力ながらモンベルはこの活動を応援させていただきます。





今森光彦さん(写真家)


高時川源流は、滋賀県でもっとも豊かな自然が息づくところだ。そんな中で繰り返されてきた人と自然の関わりのドラマが、吉田一郎さんの確かな眼差しによって鋭く切り取られている。最後の艶やかさが風景の中に宿っていた1969年から35年間の記録。これらの貴重な写真から”私たちが何を感じるか”という問いかけが聞こえてくる。




大西暢夫さん(映画監督・写真家) 



吉田一郎さんという人が、写真に残されなかったら、その集落がなぜ消えてしまったのか、その理由すら考えることはなかっただろう。ネガに残した写真には、これからの僕たちの継承が写っている。半世紀も足繁く通った膨大な記録には、懐かしさだけではない。生きている時代が写り込んでいる。



著書に『ホハレ峠:ダムに沈んだ徳山村 百年の軌跡』(彩流社)この度の写真集で吉田一郎さんと対談)




太々野㓛(ただの つとむ)さん(小原かご伝承者)


小原を離れ、余呉町今市に移ってもう26年になります。85歳になりましたが、漢方薬を手作りすることを教わったおかげでこの通り元気です。小原から一緒に移った観音さんや地蔵さんをお守りし、小原篭づくりを楽しんでいます。吉田さんの写真集が出来るのが待ち遠しいです。








★30000円コース リターンのツアーについて
 主催 湖北アーカイブ研究所
 企画・実施 トラベルメイトサービス株式会社
      滋賀県長浜市八幡東町266-1 〒526-0031
      旅行業登録番号  滋賀県知事登録168号
      代表者名 加納義之
      電話番号 0749-68-2888


<プロジェクトオーナーについて(特商法上の表記)>

■特定商取引法に関する記載
 ●販売事業者名
  請求があり次第提供致しますので、必要な方はメッセージ機能にてご連絡ください。
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 ●送料:送料込み(離島価格など例外がある場合には記載)
●その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal)をご確認ください。

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2022/03/03 09:07

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2022/02/17 17:44

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2022/01/18 21:19

    余呉と長浜駅前で開催した写真展を、県南部でもおこないます。お近くのみなさまにはぜひお運びくださいますようご案内いたします。◎「琵琶湖源流の美と暮らし写真展」  会期 2022年1月25日(火)〜1月30日(日)会場 滋賀県立美術館内 ギャラリー   https://www.shigamuseu...

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