はじめに・ご挨拶

はじめまして。

株式会社楽善舎の代表をしております瀬戸山江理(せとやま えり)と申します。

皆さんは和歌山県海南市にある黒江(くろえ)という街をご存じですか?

この街は江戸時代初期から漆器産地として栄えた歴史と文化がある街で、第二次世界大戦の空襲を免れた地区内には築100年、築200年といった物件があちこちに残っていて独特の風情がある街です。

 私はそんな街に魅力を感じて、この街を面白くするために仲間と活動をしてきました。

2017年に始まった、「黒江めった祭り」の企画・運営に関わらせていただいたことをきっかけに、2018年からは地域おこし協力隊として赴任し、家族と隣の市から移住し3年間活動してきました。路地裏のスペースや空き家を活用したイベント「こみちあるき」やコロナ過で大勢のお客さまに集まっていただくことができない状況から生まれた予約制体験型イベント「黒江るるる」等の地域を元気にするプロジェクトの企画・運営に地域の皆さんと携わってきました。

第3回黒江めった祭り本部にて ©黒江めった祭り

2020年11月 第1回黒江るるる スタッフ集合写真 ©︎黒江るるる


このプロジェクトで実現したいこと

今回の案件を始めた背景にはこんな理由と経緯があります。黒江の街は近年お店が少しずつ増えていますが、住民以外で外部から訪れる人はまだまだ少ない状態です。

 

街に賑わいを取り戻したいという思いから、これまでイベントを企画運営してきましたが、イベントは一過性のもので、イベントが終ってしまえば、賑わいはイベント前に戻ってしまいます。ですから、普段から人の目的地となる場所、活用される空間を増やしたいと考えるようになりました。

 

さらに、新型コロナウイルスの拡大によって、人が密集するような行事の開催が難しくなってしまいました。街で何かをする時には、以前よりもたくさんの空間が求められるようになっていますので、活用できる空間を新たに作る必要性も高まりました。


 また、黒江の街は築100年を超えるような古い物件が点在し、独特の風情があるのですが、近年では台風などで被害を受けた結果、修繕に至らず取り壊される物件もあります。その結果として徐々に「黒江らしさ」が失われてきているのでは?と感じたことも私たちが今回の案件に取り組む理由です。古い物件を次の世代の人たちも使えるように何とか保全をしていきたいと私たちは考えています。

では、皆様に再生をお手伝いしていただく物件のご紹介をさせていただきます。

旧岩崎邸。築100年は超えている商店兼住居だった建物です。断定はできませんが建物の構造的に築200年近くともいわれています。木造2階建て、土壁瓦葺。

ごらんの通り、なかなか味わいのある外観の物件です。


旧岩崎邸 外観

下記の写真はこれまで街のイベント時に一部を活用したものですが、なかなか素敵ですよね。

2019年6月 黒江めった祭り ©︎黒江めった祭り

2019年11月 紀州漆器祭り こみちあるき ©︎こみちあるき

リノベーションして、全体が活用されるともっと素敵になると確信しています。


今回のクラウドファンディングはこの物件の全体的な補修工事が目的です。

雨漏りを起こしている屋根の修繕、柱と壁の補強、不要部分の解体、内装工事とライフラインの整備などが具体的な内容となります。


私たちの地域のご紹介

私たちの活動している「黒江の街」は世界遺産の熊野古道やパンダで知られる和歌山県の北部に位置する海南市の旧市街にあります。


 安土桃山時代に漆器産地と知られる「根来寺」から豊臣秀吉の焼き討ちから逃れてきた人々が黒江地区に移住したことで漆器の製造が本格化しました。江戸時代には紀州徳川家の庇護のもとで「京」「輪島」「会津」と並んで漆器の四大産地として繁栄しました。明治時代には紀州藩の庇護を失いましたが、漆器の海外輸出に活路を見出すことで引き続き漆器の製造地、職人の町として繁栄を続けました。

 現在でも、漆器はもちろん酒造や棕櫚製品などの伝統的なものづくりが町の中で行われています。また第二次世界大戦の空襲を免れたことで、古くは江戸時代の建築物や迷路のような細い路地が比較的残されている町となっています。2017年にはその町並みが評価され、日本遺産にも含まれることとなりました。

かつては漆器製造のために全国から集まった職人さん達が、故郷に錦を飾る目的で高価な下駄を購入して帰省する事から始まったお盆どきの「下駄市」や秋に行われる「紀州漆器まつり」など町をあげた大きなイベントが多いのも黒江の特徴です。

紀州漆器まつり ©︎紀州漆器協同組合

 2016年8月 下駄市 近年では古い漆精製工場跡や漆器問屋跡が芸術家の活動拠点やカフェにリノベーションされて活用されており、大きなイベント開催時以外にもエリア外からのお客様にゆっくりと過ごしていただける環境が町として徐々に整備され「観光の町」としても変化を続けてきました。


プロジェクトを立ち上げた背景

【この物件について、もう少し詳しくお話させていただきます。】

この物件の前のオーナーさんから、祖父母の代からのご実家ということで何とか保全しながら活用をしたいとの事で、活動を始めたばかりの私たちにご相談をいただいたのが2017年12月末のことでした。今は地元を出られて、関西圏の大学で数学の先生をされているというお話でした。少し年上の、気さくな方でした。


当初は「活用」という部分で、イベント開催時に私たちが物件を使わせていただく関係となりました。一緒に物件の片付けや掃除をして、いざイベント当日にはわざわざ遠くからお越しになって、お客さんで賑わう様子を楽しそうにご覧になっていたことを今でも思い出します。


そんな関係が2年近く続きました。建物の補強など保全も進めていましたが、お金が必要になりますので、前オーナーができる範囲で少しずつという形でした。私たちも、「保全」という視点で何かもっとできることはないだろうかと仲間と話し合うようになっていました。


そんな矢先、2019年11月に彼が急死されたとの知らせが入りました。同世代ということもあり、一同とても大きなショックを受けたことを覚えています。しばらくして、彼と一緒に活動されていた親類の方が物件とその志を引き継ぐことになりました。そして、私たちはこの物件の「保全」を真剣に考えるようになりました。それが、2019年の冬のことでした。


それから約1年半の間、週末がくると、私たちは岩崎邸に集まって、地域の皆さんの協力を得ながら、屋内の物品の整理と廃棄、不要箇所の解体、改修案の検討などを少しずつ進めてきました。

1階 解体時の様子

2階 清掃の様子

荷物搬出の様子

この夏に、自分たちでできる作業が終わりましたので、建築士さんに見積をしていただいたところ、「保全」には総額で約450万円が必要との事でした。


自分たちで用意ができる金額ではまだまだ足りません。


1階の現状


【どういう場所にしたいのか】

図面をもとに話し合いを重ねています。


プランを話し合う様子 @古民家カフェ黒江ぬりもの館

現在プラン中の図面

2階図面

1階図面

いろんな人が日常的にこの街を訪問するきっかけとなるように、一部を区分けし、小規模スペースをテナントとして活用します。(ネイルサロン「古民家サロンA. marble」がopen予定です)

一方で、交差点に面した箇所はイベント時に活用することを想定し、奥側に小規模なキッチンを備え、飲食店が出展可能な多目的スペース(元々ガレージとして使用していた部分を含むため「ガレージスペース」とリターンで表示しています)とします。

1階中央部には約35㎡のフラットな多目的スペースを設け、内外の方に活用していただけるように整備をいたします。こちらでは会議室としての利用や、ギャラリーや教室、ワークショップの会場となります。


【未来予想図】

私たちはこちらの建物名を『黒江tettote〜旧岩崎邸』(くろえてっとてきゅういわさきてい)と命名しました。


(外観・完成イメージ)

illust art A. marble

(建物内・ワークショップイメージ)

illust art A. marble

 黒江の町で、「てっとて(手伝って)」と声をかけあえる場所になってほしい。
手と手が繋がるようにご縁が繋がる場所になってほしい。世代を越えた繋がりが生まれる場所になってほしい。

この場所にくれば、誰かと会える、元気になれたり、勇気をもらえたり、ワクワクしてくる、温もりがある場所を目指します。

100年を超える時代をこの場所に在り続けた岩崎邸が未来もこの場所に在るように。未来にバトンを繋げられるよう私たちが「保全」します。


これまでの活動


2019年 第3回黒江めった祭り路地裏の光景

上記の写真は、普段はひと通りが少ない路地裏に人が溢れている光景です。コロナ禍になる前の2019年6月に行われた第3回黒江めった祭りの賑わいです。私たち自身もこの光景に驚き、喜び合いました。イベントという『仕掛け』を作ることで人の流れを作ることができた一つの結果でした。私たちはこの光景を一過性のものではなく少しずつ日常の風景に変えていきたいと思っています。


資金の使い道

皆様にご支援いただいた資金は、リターン品の調達費、クラウドファンディングの手数料を引いた全額を改修費用に充てさせていただきます。


実施スケジュール

2021年11月29日(月)~2022年1月30日(日) プロジェクト掲載期間
2021年9月下旬~ 修繕工事開始(屋根の修繕・柱の補強・ライフラインの整備等)
2022年1月中旬~ 内装工事(もちろんできるところは自分たちで)
2022年2月中旬~ 返礼品準備、順次発送
2022年春   ~ 運用開始 


リターンのご紹介

『黒江tettote』にまつわるものや、『株式会社楽善舎』が扱っている商品やサービス、『黒江・海南(和歌山)の産品、皆様におすすめする体験もの』などです。詳しくはリターンページをご覧ください。

※好評につき早々と【OUT OF STOCK】になりました「漆ジュエリー」を若干追加しました。
続けて【OUT OF STOCK】になりました「キッチンカーでクレープ出張販売」、「黒江塗敷島盆」を追加しました。


・お礼メッセージ(メールにて)

・『黒江tettote』使用権(「ガレージスペース」「多目的スペース」があります。「平日一日使用権」「土日祝一日使用権」「一週間使用権」があります。)

・ネームプレートの設置(小・中・大)『黒江tettote』内の大黒柱にお名前(ローマ字・日本語表記どちらも可)を掲示いたします。天然木(檜)に『拭き漆仕上』のプレートになります。
 ※ネームプレート大は、ロゴを掲載可能です。

・CD「しあわせの味」お菓子の町海南テーマ曲

・海ニャン貯金箱

・海ニャンマスク2枚と海ニャン5本指靴下2足セット
 ※サイズ、材質、特徴についてはリターンページに詳細を記載しています。

・A.marbleオリジナルネイル券

・黒江塗敷島盆 

・漆ジュエリーペンダントもしくは漆ジュエリーブローチ

・キッチンカーでクレープ出張販売

・下津みかん(はるみ)10kg

・黒江ぷりん6個詰め合わせ

・すわん江戸村貸切公演

・橋爪靖雄作 古根来塗重箱(からすうり)


最後に

皆様、最後までご覧いただきましてありがとうございます。

最後に私たちが活動しているまちづくりの会社を紹介いたします。

『株式会社楽善舎』は海南市黒江を拠点に「町おこしとそれに伴う商品開発ならびに販売」を主に行っています。昨年は海南市の公式キャラクター海ニャンを地元の企業とコラボした商品を開発し販売を始めました。

海ニャン貯金箱 ©︎アンフィ合同会社


 今後は『黒江tettote〜旧岩崎邸』を始まりに街にたくさんある遊休不動産の保全と活用にも取り組んでいきます。

『楽善舎』という名称は文化文政時代(1808年のころ)黒江の川端通りにできた心学の学舎の名称です。その時代に「教育が商業の発展に結びつく」と考え私財を投じ教育の場が作られていました。未来への投資を行う想いに共感しました。また「大人になってからもワクワクする心で『楽』しく『善』きことを『舎』びながら行なっていく場」という私たちがめざす活動の原点が文字にも表現されていました。


なかなか出口の見えないコロナ過のさなかではありますが、コロナ終息後の世の中を見据えて県内外の皆さまに訪れていただける場所づくりを楽しみながら進めていきたいと考えています。

皆さまの応援をよろしくお願いいたします。

ぜひ!てっとてな〜(手伝ってください!)


プロジェクト関係者一同

<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2022/03/11 00:54

    プロの方にもご協力いただきながら、自分たちでできるところは自分たちで力を合わせて頑張ってます。多目的スペースは土間に仕上げています。柱の足元もご注目ください。ご指導いただき青石が生かされています。ちなみにこちらの柱に、リターンの一つ「ネームプレート」を設置予定です。完成が待ち遠しいです♪

  • 2022/01/30 19:17

    ご支援いただきました皆様ありがとうございました。おかげさまで目標額250万円を達成しました。最終日時は、本日の30日(日)23:59:59 です。もちろん超過分も全て改修費用に充てさせていただきます。先ずは目標額達成のお礼まで。支援総額:2,580,084円  103%達成 支援者:187人残...

  • 2022/01/29 23:25

    クラファン終了まで後1日となりました。毎週土曜日は作業DAY、今日も朝から砂まみれな始まりでした。不要な部分の解体後の土壁や木材を土囊袋に詰めて運搬をしました。解体が終わり次第、大工さんたちが作業に入り、一気にスピードアップの予定です。4月オープンに向けて頑張ります!ご支援いただいた皆様、あり...

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