ご挨拶

はじめまして。「祈りの継承ー五百羅漢修復」プロジェクトの写真家・千代田路子です。
写真を通じて、仏像修復の取り組みを多くの人に知っていただきたく、活動しています。

今回撮影した大恩山五百羅漢寺(東京都目黒区)の五百羅漢像は、約300年以上前の江戸時代に仏師・松雲元慶によって彫られ、多くの民衆から信仰の対象として崇められてきました。その後のたび重なる天災、人災を奇跡的に免れて現存する羅漢像には、歴史の痕跡を残す独特な美しさがあります。

そして、私は羅漢像を後世に伝えようと修復に取り組む修復家・長井武志氏の技術と姿勢に心を打たれ、その仕事を記録したいと思いたちました。8体の羅漢像と、じっくり向き合い撮影しているうちに、この仏像修復の取り組みを、写真を通じて広く世の中に紹介したいと思うようになりました。


修復中の羅漢像。剥落した表層に時の痕跡を見る。気高い姿に心を打たれた。

羅漢像を修復する長井武志氏。

コンセプトムービーをご覧ください。




修復家 長井武志氏について

東京藝術大学・大学院 美術研究科(保存修復技術・彫刻専攻)修了。 研究生、非常勤 助手を経て(株)東京文化財修復所設立に参加。 その後、(有)古文化財保存修復研究所を 設立、代表を務める。指定文化財(仏像・民俗資料等)を含む300体を超える修復に携わる。平成14年、目黒五百羅漢寺蔵 普賢菩薩像の修復を皮切りに、令和2(2020年)年までに40体の羅漢像等の修復を行う。



このプロジェクトで実現したいこと

「現在、私たちが寺院や博物館で目にする仏像は、実は過去に幾度かの修理を受けて現在にいたっています。」
長井武志氏のこの言葉を聞いて、私は仏像は人の手によって継承されているもので、別な言い方をすれば、修復されなければ壊れてしまうものなのだということを改めて学びました。そして、仏像修復について多くの皆様にお知らせしたいと思うようになり、 写真集という形にまとめました。

表紙の写真は羅漢像の背中。修復費用の寄進者のお名前が書かれていた。


この写真集には、修復家・長井武志氏による修復についての解説、五百羅漢寺 執事・学芸員の堀研心氏の羅漢寺と羅漢像についての紹介、そして、写真評論家の上野修氏に作品についての評論を寄稿していただきました。写真点数80点、100Pの充実した内容の、美しく端正な写真集に仕上がります。是非、皆様にお手にとって見ていただきたいのです。


修復工程の写真は、晒しに巻かれ、搬入された羅漢像から始まる。

修復した羅漢像のお名前と言葉を紹介。



クラウドファンディングで写真集プロジェクトのご支援をお願いする理由

より多くの人に、しかもじっくりと見ていただくためには写真集の形が一番良いと思い、本格的な写真集を制作することを決心しました。しかし、現実的に写真家個人の力だけでは、この写真集の存在を広く知ってもらうことは困難です。どうしたら写真集のことをお知らせできるか考えた末に、プロジェクトの目的などを紹介でき、シェアしてもらいやすいクラウドファンディングの方式を採用し、皆様のお力を借りて写真集を広くお知らせし、販売したいと思いました。


表面に残った金箔が美しい。できるだけ保全する方針で修復を行う。


これまでおよび今後の活動

2018年-2019年 4体の羅漢像修復を撮影
2019年 日本とオーストラリアで行われている400TXプロジェクトに修復の写真で参加
2019年-2020年 4体の羅漢像修復を撮影
2021年 8月、11月 五百羅漢寺撮影
     12月 グループ展に出品予定
     12月 写真・映像、講演会「祈りの継承ー五百羅漢修復展」開催予定
       (12月21-26日 半蔵門 JCIIクラブ25ギャラリー。期間中修復家の講演会開催)
2022年 3月頃 大恩山五百羅漢寺で「祈りの継承ー五百羅漢修復展」を開催予定


修復工房では羅漢像を様々なアングルから撮影することができ、貴重な記録となった。
背中には、その昔に、修復資金を寄進した方のお名前が一面に記されていた。
つまりこの仏像は過去に少なくとも一度は修復されたということがわかる。


資金の使い道

写真集制作費(印刷・加工代)
ポストカード 印刷代
オリジナルプリント御朱印 制作費
オリジナルプリント御朱印桐箱入り製作費
Tシャツ 製造費
オリジナルプリント+額装 制作費
郵送費
クラウドファンディング費用(10%)


リターンについて

「五百羅漢修復 祈りの継承」千代田路子写真集(クラファン特典 感謝を込めてポストカード2枚をお届けします)

■A4変形(H280×W200) ■表紙、見返し、本文100P ■デジタル印刷(4C) ■無線PUR並製(雁垂れ)
■スリーブケース付き  

 

オリジナルプリント御朱印    

五百羅漢寺様にご協力いただき、オリジナルプリントに御朱印を書いていただきました。プロジェクト特製の素敵な御朱印ができました。

印刷特性の良い和紙に羅漢像の写真をプリントし、御朱印を書いていただきます。(縦150-横200mm)


プロジェクト特別桐箱入り御朱印

3種のオリジナルプリントの御朱印を五百羅漢寺様で箱書きした桐箱にお入れし、お届けいたします。


オリジナルプリント(額装付き)

オリジナルプリントに合わせてセレクトされた高級で美しい額付きでお届けいたします。


オリジナルTシャツ

羅漢様のお顔と表層を配置したTシャツをそれぞれ二色で作りました。
Tシャツの素材は質感の良さとプリントがきれいに印刷できるタイプを選びました。



実施スケジュール

11月24日プロジェクトのランディングサイト公開
11月28日プクラウドファンディング募集開始
12月20日写真集発刊
12月21日-26日「祈りの継承ー五百羅漢修復展」( JCIIクラブ25ギャラリー/地下鉄半蔵門駅近く)開催。ぜひお出かけください。
12月27日クラウドファンディング募集終了
2022年1-2月リターンお届け

左から私、千代田路子、修復家・長井武志氏、五百羅漢寺・堀上人 どうぞよろしくお願いいたします。


最後に

日本には膨大な数の仏像があり、多くは尊い信仰心を持った人々の祈りの思いによって、何らかの修復を施され、私たちが今、目にすることができています。一方で修復されず、朽ちてゆかざるをえないものもたくさんあります。
私はあらためて、貴重な文化遺産を未来に継承しなくてはならないと、この撮影を通じて強く思いました。私はこの写真集が仏像修復への興味と理解へのきっかけとなり、これらの羅漢像のみならず、一つでも多くの仏像や文化遺産が修復・継承されることを祈念しています。そして、その実現に向けて、皆様と是非ご一緒に貢献したいと思っています。

修復された羅漢像(中心)。他の羅漢像の修復が急がれる。

修復を終え、晴れやかな表情の羅漢像修復された羅漢像は生気に満ち溢れているように見えた。



写真家 千代田路子プロフィール

大学でグラフィックデザインを専攻、同時に写真を学ぶ。グラフィックデザイナーとして勤務した後、光学メーカーの広報宣伝部門への転職を機に本格的に写真による作品づくりを始める。個展やグループ展に多数参加、2014年からは国内のみならず海外で作品発表に取り組み、海外の美術館、財団で作品がコレクションされた。2019年にはミラノで初めての個展を開催し、コンテスト受賞や国内外のメディアへの作品掲載の実績多数。 また、写真を通じて社会に貢献したいと、地域の文化継承プログラムへの参加ー神楽、人形浄瑠璃などの伝統芸能の撮影を行っている。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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