今回私は皆様のご支援をいただいて、8/19~20に開催されるFREEDOMMUNE 0<ZERO>のドキュメンタリー映像制作をしたいと思っています。ライブストリーミングチャンネルのDOMMUNEが企画した、川崎で行われる東日本大震災復興支援野外フリーライブイベントです。入場料が無料ながら、豪華な出演陣、なによりDOMMUNEが企画する初めての野外フェスティバルということで、大きな注目を集めています。

DOMMUNEのバーチャル/FREEDOMMUNE 0<ZERO>のリアル

 DOMMUNEはウェブ上にバーチャルに存在します。私たちは各々の持つ“スクリーン”にそれを投影することで、数クリックでDOMMUNEに触れることが可能です。そこには身体性はともないません。圧倒的なアクセシビリティを持ち、DOMMUNEに触れることに伴う負担はほぼありません。このようなソーシャルメディアのメリットを持ち、さらに生放送による実験性をからめ、“コピーできない”という価値をインターネット上で生成したDOMMUNEはとても多くの支持を集めました。

 しかし、そこには“ある負担をしてまで経験を所有している”という感覚はありません。ここでいう負担は、例えば音楽を聴くために山の中で泥まみれになったり、アイドルと一瞬の握手をしにいくために大金をはたき早朝から並ぶといったことです。私は今までいくつかの映画館でアルバイトとして働いてきました。映画館で働きながら日々、自分と同世代の若い人が映画を鑑賞しに来ることがどんどん減ってきていると感じています。そして今年の1月末、自分の働く映画館の閉館を経験しました。その大きな理由の一つとして、DVDやデジタル配信など映画を楽しむのにより負担のかからない方法が生まれたこともあるでしょう。そのような方法は文化への門戸を広げますが、“負担をしてまでリアルな経験をする空間”を失うことで結果的に文化の隆盛を失うことに繋がりかねないと思います。このことに限らず、今日の日本では若い世代の文化的活動に対する関心が薄くなっているのではないかと思います。“負担”の感覚を通した経験は強い印象を持ってより広く広がります。それこそが、今後の日本の文化を担う私たちには必要だと私は考えます。

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若い世代にとって

 FREEDOMMUNE 0<ZERO>はDOMMUNEがはじめて大きな“空間”を用意したイベントです。宇川直宏さんをはじめとしたイベントを運営する方々へのインタビューをさせていただくよう尽力し、またイベントの様子、過程を撮影することで、今まで近いようで遠い存在であった、というよりもその距離すらわからなかったDOMMUNEとの距離をはかり、自分たちの世代に何が必要なのか、それとも自分たちの世代の何が活かせるのか、何を産み出せるのかのヒントがないかを探したいと思っています。またFREEDOMMUNE 0<ZERO>に来る同世代のお客さんの声も聞き、イベントを体験する前/後での変化のなどをとらえたいと考えます。

経験を共有できるようなドキュメンタリー

 ドキュメンタリーはインタビュー、イベントが出来るまでの過程、会場の様子などを記録し、私の“若い世代の文化への盛り上がりには空間におけるリアルな体験が重要である。”という考えについて検証するものになります。このドキュメンタリーを制作し、ご支援いただいた皆様に、リターンをお返しさせていただきたいと思います。イベントに参加した方とは経験を共有できるような、参加していない方にはこのイベントがどのようなもので、どういった変化を私たちにもたらすのかを伝えたいです。

 僭越ながらこのドキュメンタリー制作が、自分と同じ若い世代の文化的関心の高まりのきっかけになれば、と思います。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

FREEDOMMUNE 0<ZERO>公式Website:
http://www.dommune.com/freedommunezero/

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