はじめまして。「南京日本文化交流センター」創立者の馬 舒適(MA Shushi)と申します。1991年中国武漢出身の30歳です(巷を賑わせているあの武漢です...)。現在は自称「世界一、日本のことが好きな外国人」です。 

でも、実は10年前の2012年まで、中国の反日環境の影響で、私は日本のことが嫌いでした。2012年、私の人生を大きく変えた親友と出会いました。当時大学三年生の私は、上海の隣の蘇州という町で一人旅をした時に、日本に留学しようとしている夏さんと出会い、彼のおかげで、私はだんだん日本のことに興味を持つようになり、そこから私の人生が大きく変わりました。

2013年に中国の大学を卒業して以来、私はいろいろな経験をしてきました。そして、たくさんの日本人の方と出会い、彼らの人への思いやりや優しさに魅了され、日本のことが大好きになりました。4年前の2018年2月、日本の良さをより多くの中国人に伝えるために、夏さんと一緒に「南京日本文化交流センター」を作ることにしました。

南京と聞くと、「あの南京?日本のこと嫌いなんじゃないの?」と思われる方はきっといらっしゃると思います。ですが、南京の若者も含め、今の中国の若者は、海外旅行やインターネットを通じて、日本のことに興味を持っている人もたくさんいます(もちろん日本に興味がない、または、嫌いという人も多いですが)。ただ、歴史が影響しているかは分かりませんが、南京は経済規模(中国都市別GDPランキングベスト10)の割に日本人がとても少なく、日本のことを知りたい南京の若者は、ほとんどインターネットでしか日本を知る機会がありません。

南京での日中民間交流が少ないのが現実的な社会課題だと私たちは認識しています。そんな中、少しでも日中民間交流に役に立つように、私たちは南京出身ではないにもかかわらず、あえて一番特別な南京に来て、日本文化交流センターを立ち上げました

この四年間、私たちは数十回も中国の若者と日本人を交流させる日本文化交流イベントを行い、何百人の学生に日本語を教えてきました。ある学生は、この時のイベントをきっかけに日本に留学し、今は慶応義塾大学で研究を続けており、また、ある学生は、中国の日系企業で仕事をしていたりと、多くの学生に影響を与えてきました。現在15万人の海外留学生が日本への入国を待っていると言われていますが、その15万人のなかに交流センターの学生もいます。 数多くの中国の若者と出会って、彼らの成長と変化を見てきて、本当に感無量です。


日本に対する理解や愛情が深まる彼らの姿を見て、よく昔の自分を思い出します。将来、彼らが中国社会の中心となり、その中国社会の中核を担う彼らが日本を好きでいたら、きっと日本の良いパートナーとなると私は信じています

しかし、2020年からコロナが流行し始め、ご存知かと思いますが、中国の行動制限はとても厳しいです。町の中に一人だけの感染者が出ても、ロックダウンに近い厳しい措置が取られることになり得ます。今年の3月中旬、オミクロン株の影響が中国各地に拡大し、南京にも数十人くらいの感染者が出たため、博物館、美術館などの営業や学校などの対面授業、イベントがほとんど中止せざるを得なくなってしまいました。実際に閉鎖されているエリアも少なくありません。

この2年間こういった繰り返しの行動制限の影響で、交流センターの運営はとても厳しい状態に陥ってしまいました。スタッフの人件費、オフィスの家賃、教材費、運営雑費、広告宣伝費など、資金面の困難(500万円以上の赤字)はすでに私たちの限界を超えています。この小さくてあたたかい交流センターを守るために、もっとたくさんの中国人に日本の良さを伝えるために、クラウドファンディングを始めることにしました。

私たちは心より日本のことが好きで、外国人特有の視点で感じた日本の良さをもっとたくさんの中国人に伝えたいです。日本文化や日本語の魅力を発信しているこの交流センター&日本語学校を守るために、心優しい日本人の皆さまのご支援・ご拡散がとても必要です

長文となり申し訳ございませんが、最後までお読みいただけると、とても心温まります。

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目次

①南京日本文化交流センターとは?
(現:樹枝日本語・異文化交流センター)

②資金の使い道 

③リターンについて 

④メインメンバーの紹介 

⑤日本人ボランティアの紹介 

⑥これまでに行った交流イベント

⑦日本語教育の実践

⑧最後に

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日本を愛する中国の若者が作った「南京日本文化交流センター」

「南京日本文化交流センター」(以下:交流センター)は2018年に、私と夏さんが中国江蘇省南京市に立ち上げた日本文化交流&日本語教育機関です。「南京日本文化交流センター」という名称に「日本」という国名が入っているため、中国の法律制限が理由で、2021年に南京当地の行政側に指示され、「樹枝日本語・異文化交流センター」という名称に変更せざるを得ませんでした。

交流センターの運営仕組みについて紹介したいと思います。「こだわりのある文化交流実践者」として、私たちは多くの日本文化、日本語好きの人々文化交流、日本語教育、留学指導などのサービスを提供しています。日本語教育と留学指導事業によって収入を得て運営を維持し、収入の一部を使って日本文化交流イベントを開催する、という仕組みです。ほとんどの交流イベントは無料で、誰でも参加できるようにしています。イベントを開催することによって、より多くの中国人に日本文化の魅力と日本語の美しさを発信することができ、より多くの若者が日本のことを好きになってほしい、というのが私たちの考えです。現在、夏さんは中国南京で交流センターを運営し、私は日本東京で古い建物の再生に関する仕事に携わっています。


「ここから、日本へ繋ごう」というコンセプト
私たちにとって、交流センターは日本の文化を体験できる、日本語が学べる場所だけではなく、人と人の心を結びつける架け橋のような存在です。中国の反日環境の影響で、かつての私のような日本のことが主観的に好きではない若者が中国にたくさんいます。日本人との交流や日本文化の体験、日本語の勉強を通じて、日本の良さを知ってほしい、一人でも多くの中国の若者に中国以外の世界を知ってほしい、人生の新たな可能性を感じてほしい、という思いから、「ここから、日本へ繋ごう」というコンセプトを設定しました。

※交流センターホームページ:https://www.jcec-nanjing.com


現在、日本はコロナの感染状況がだいぶ落ち着いてきましたが、中国は「ゼロコロナ政策」で、行動制限はまだとても厳しいです。コロナの長期化による行動制限の影響で、交流センターは存続危機に陥ってしまい、すでに500万円以上の赤字を抱えてしまいました。頂いたご支援はリターンにかかる費用以外に、すべて交流センターの運営を維持するために使う予定です。

目標金額:
2,000,000円

使い道:
ア、交流センター運営費用(約2ヶ月分):約40万円
イ、 交流センター人件費(約2ヶ月分):約55万円
ウ、 2つのキャンパスの賃料(約2ヶ月分):約55万円
(交通の便がいい大行宮教室と、学生・留学生に通いやすい大学町にある仙林教室)
エ、 リターンにかかる費用・国際配送料:約30万円
カ、手数料:約20万円

※ご支援が200万円を越えた場合、交流センターの運営資金に充当させていただく予定です。


ささやかながらリターンの一例としまして、 以下のようなお返しをご準備させていただきました。

・交流センターホームページにお名前を掲載

・お礼のメッセージ

・「世界一日本が好きな外国人」馬よりお礼のビデオ

・交流センターオリジナルキーホルダー

・交流センター オリジナルA4クリアファイル

・南京観光地ポストカードセット(12枚)

・代表の馬がデザインしたオリジナルトートバッグ

・代表の馬がデザインしたオリジナルTシャツ 

・代表の馬と夏とZOOMで単独対談(2時間)

・代表の馬と対面食事(東京限定) 

・オンライン交流会(交流センター学生、日本人ボランティアの湯ノ口さんと飯塚さん、馬、夏などが参加予定)

・交流センター現地日本語授業見学

・交流センター現地交流イベント

・南京現地案内(二泊三日、現地集合・現地解散/ただし現地宿泊費・中国往復の交通費除)

※詳細はリターン紹介ページをご覧ください。



※ほかにもたくさん優秀な中国人メンバーがいましたが、ここでは割愛します。





※飯塚さんの中国政府奨学金留学レポートURL(日本語)



有馬さんと中原さんからのメッセージ


ほかにも日本から交換留学中のたくさんの日本人留学生に協力していただき、彼らのおかげで、多彩な交流イベントが開催できました。彼らに心より感謝しています。


2018年2月に交流センターを設立以来、私たちは多彩な文化交流イベントを行ってきました。全部紹介するととても長くなってしまうので、そのなかの一部だけを紹介したいと思います

2018年6月 南京大学日本語サークルとコラボ交流センターは初めて中国の大学生団体と連携し、大学の中で交流イベントを行いました。日本人留学生ボランティアの湯ノ口さんとりささんに協力してもらい、中国の大学生に日本の食文化を紹介しました。日本人留学生の2人は日本語サークルのメンバーと一緒にゲームをしたり、たこ焼きや巻き寿司を作ったりしました。イベントを通じて初めて日本人と話すことができた大学生も数人いました。
※Wechat掲載URL「南京大学日本語サークルとコラボ」(中国語)

2018年10月 五つの国の人が交流センターで日本文化体験日本、アメリカ、チリ、韓国、中国の五つの国の若者が交流センターに集まり、「浴衣」と「生け花」を体験しました。その後、「だるま落とし」と「たこ焼き」も体験ができました。小さな交流センターに日本語、英語、中国語3つの言葉が飛び交い、国境を越えた友情が生まれました。異国の違う文化に触れることができ、参加者の皆さんはとても満足した顔を見せてくれました。
※Wechat掲載URL「五つの国の人が交流センターで日本文化体験」(中国語)

2018年12月 日本語能力試験応援活動毎年恒例の日本語能力試験は、日本語学習者にとって一大イベントです。私たちは事前に南京市内から応援ボランティアを募集し、12月の試験の日に、南京の各試験場で受験生の皆さんに応援メッセージを送ったり、応援グッズを配ったりしました。
※Wechat掲載URL「日本語能力試験応援活動」(中国語)

2019年3月 初めて南京在住日本人へのインタビュー
交流センターでは、南京にいらっしゃる日本人にインタビューをし、それをWechatで発信する取り組みも行っています。初めての取材対象は、南京郵電大学の日本人教師―小椋学先生でした。小椋先生は日本の大学院を卒業した後、日本で就職しましたが、その後退職し、韓国へ留学に行きました。韓国での留学が終わった後、中国の北京語言大学にも留学に行きました。留学を終え、南京郵電大学で日本語教師として勤めることになりました。南京に来てから、《私が勧める南京の観光地》という本を中国人の学生たちと一緒に作りました。南京に来た経緯や南京の観光地を紹介する本を作った理由などについて詳しくお話を伺うことができました。
※Wechat掲載URL南京郵電大学小椋先生インタビュー(日本語・中国語)
※第二回「忘れられない中国滞在エピソード」応募作品『南京で広がる交流の輪』(日本語・中国語)
※東京新聞『南京で日中交流体験を』(日本語・中国語)

※その他のインタビュー(日本語・中国語)
玉城ちはるさん(シンガーソングライター、ホストマザー)
小橋智大さん(厦門日中交流会館共同創立者、日本語教師)
中原靖智さん・有馬斉佳さん(南京大学交換留学生※当時)

2019年3月 「江蘇・福岡友好桜花園」でお花見会
南京市内にある福岡県と江蘇省の友好のシンボルである「江蘇・福岡友好桜花園」で初めてのお花見会を行いました。さくら公園には、日本の寄付によって植えられた桜の木がたくさんあります。日本人ボランティアの中原さん、有馬さん、松川さんなどたくさんの留学生も参加してくれて、中国人の若者たちと一緒にお花見をしながら、楽しい時間を過ごしました。日本人留学生たちは日本人の桜への思いや桜に関する歌をたくさん紹介してくれました。
※Wechat掲載URL「江蘇・福岡友好桜花園」でお花見会(中国語)

2019年4月 「友有り、遠方より来たる」特別イベント
2018年に大変協力していただいた湯ノ口さんは留学を終え、鹿児島県上海事務所の副所長に就任しました。2019年4月に、湯ノ口さんは上海の日本人の友人を招き、交流センターへ交流会に参加に来てくれました。日本人の方々に中国の文化を体験してもらうために、特別イベントとして、餃子作り会を開催しました。私たちにとって、まさに「友有り、遠方より来たる」だから、とても楽しかったです。
※Wechat掲載URL「友有り、遠方より来たる」(中国語)

2019年4月~6月 「2019年日中青少年交流推進年」日本外務省認定行事「南京市の各大学における日本文化交流会」
2019年4月から6月にかけて、当時南京大学交換留学中の中原さんと有馬さんの協力を得て、「2019年日中青少年交流推進年」行事として日本外務省に認定された「南京市の各大学における日本文化交流会」を7つの学校(南京財経大学、南京師範大学、南京大学、南京農業大学、南京郵電大学、南京工業職業技術学院、南京林業大学)で行いました。慶応義塾大学からの中原さんは毎回三味線を弾いてくれました。明治大学からの有馬さんは日本の学生生活と中国の学生生活の比較などについて紹介してくれました。参加者は日本文化や日本語に興味の持っている大学生であり、皆さんはイベントを通じて日本人との交流ができて、笑顔でいっぱいでした。
※日本外務省サイト掲載:日中青少年交流推進年認定行事「南京市の各大学における日本文化交流会」
※Wechat掲載:日中青少年交流推進年認定行事「南京市の各大学における日本文化交流会」(中国語)



2019年8月 はじめての「日本留学説明会」
当時日本中央情報専門学校日本語本科学科長の神恵介先生が南京にお越しくださり、日本の留学事情を交流センターの学生たちに詳しく説明してくれました。日本へ留学するにあたって、必要な語学力、資金をはじめ、日本でのアルバイト事情、日本語学校のカリキュラムや年間行事、就職活動などを紹介してくれました。日本留学を検討している日本語学習者にとって、貴重なリアルの情報を得ることができ、とても参考になりました。
※Wechat掲載URL「日本留学説明会」(中国語)
※神先生インタビューURL(日本語・中国語)



2019年10月 日本書道体験イベント
書道体験イベントには飯塚さん、白井さん、時沢さん、吹戸さん四人のボランティアが参加してくれました。四人は一人ずつ「私と書道」をテーマとした発表を行い、その後中国人の若者たちと一緒に実際に書道をしました。初めて書道を体験した若者もいました。最後は「理想の人生」や「忘れられない旅行」などをテーマとしたディスカッションを行いました。しゃべりながら書を書き、皆さんのあいだの距離は自然に縮まりました。
※Wechat掲載「日本書道体験イベント」URL(中国語)


2020年に入り、中国国内でコロナが流行し始め、国民の行動が厳しく制限されるようになったため、交流センターの対面イベントはほとんど中止になってしまいました。年末、ようやく対面イベントが少しできるような雰囲気になったので、12月に、2020年の最初であり、最後でもある対面イベントを開催しました。

2020年12月 2020年唯一の対面交流イベント
年末に近づき、交流センターにクリスマスの雰囲気が溢れていました。中国の日本語学習者の中でとても人気のラジオ番組「中村Radio」の創立者―中村先生と南京郵電大学の日本語教師小椋先生を招き、2020年唯一の対面交流会を行いました。とても寒かったですが、6歳のお子さんを含めて参加者の皆さんの心はきっととても温まったでしょう。ちなみに、中村先生は「長沙日中文化交流会館」の館長でもあり、日中の民間交流に力を入れています。
※交流センターホームページ掲載(中国語)
※中村先生インタビューURL(日本語・中国語)


2021年に入り、国民たちの生活が元に戻りつつではありますが、中国の「ゼロコロナ」政策によって行動制限がまだ繰り返されているため、私たちはそういった厳しい制限の隙間で一生懸命対面交流イベントを行ってきました。しかし、日本への入国制限や中国国内のコロナ政策などの影響で、日本語授業の受講者がどんどん減ってしまい、交流センターの運営がとても厳しい状況に陥っていました。

2021年3月 春が来た「お花見」イベント
2021年の「お花見」会は「江蘇・福岡友好桜花園」ではなく、南京市内の「玄武湖」という湖沿いで行いました。交流センターは参加者の皆さんにプレゼントを用意し、皆さんと一緒に穏やかな時間を過ごしました。参加者の一人がバイオリンを弾いてくれました。今回は南京郵電大学の小椋先生と交流センターの新しいメンバー王国さんも参加してくれました。コロナの暗い雰囲気の中、日差しの良い湖の隣でお花見をし、皆さんに少しでも明るくなってほしいというのが私たちの考えでした。
※交流センターホームページ掲載URL「お花見」(中国語)
※Wechat掲載URL「お花見」(中国語)


2021年5月 「団扇に絵を描く」イベント
日本古来からの団扇絵は中国でとても人気を集めています。交流センターは団扇と絵具を用意し、「団扇に絵を描く」イベントを行いました。交流センターのスタッフはまず団扇の歴史や用途、機能などを紹介し、その後、夏の風物詩などについて紹介しました。最後は参加者の皆さんそれぞれ自分の団扇と向き合い、自由に絵を描いてもらいました。まるで芸術作品のような団扇がどんどん出来上がってきました。
※交流センターホームページ掲載URL「団扇に絵を描く」(中国語)
※Wechat掲載URL「団扇に絵を描く」(中国語)


2021年7月 はじめての「茶道体験」
2021年の数の少ないイベントのなかの1つは茶道体験イベントです。日本の抹茶などの文化は中国でもとても人気ですが、実際にお茶を作る機会はなかなかありません。茶道の体験を通じて、参加者の皆さんは茶道の「和敬清寂」という心得に触れることができ、日本文化に対する理解がさらに深まりました。
※交流センターホームページ掲載URL「茶道体験イベント」(中国語)
※Wechat掲載URL「茶道体験イベント」(中国語)

その他:大学の学園祭に参加

以上は私たちが行ってきた交流イベントのほんの一部ですが、このように私たちは中国の若者に日本の文化を体験してもらい、日本人と交流してもらい、さらに日本語を学んでもらい、彼らの心に日本の良さ、日本文化の魅力を焼き付けてきました。


外国人の立場で大変恐縮ですが、交流センターの事務スタッフも含む、ほぼ全員が日本語学習の経験者です(そのなか、実は私の日本語学習歴が一番短いです...)。私たちの経験から日本語の勉強法をさらに練り、学生たちにわかりやすく教えるように実践しています。そして、中国人の教員だけではなく、日本人の非常勤講師も招き、学生たちに日本語を教えてきました。日本語教育の実践のなかで、私たちが最も大切にしていることを紹介したいと思います。


中国で出版されている日本語の教科書はほとんど白黒で、色彩がないのが現状です。私が北海道東川町で初級日本語を学んだ時に使った日本の教科書は、フルカラーで、絵も内容もとても面白かったです。その時に、もし中国の日本語学習者もこんな素晴らしい教科書を使えたらいいなと思いました。交流センターを立ち上げた後、実際に日本からその教科書を購入し、交流センターの学生たちに使ってもらいました。学生たちから高い評判を聞き、とても嬉しかったです。中国で日本の教科書をそのまま使用している日本語教育機関は、おそらく私たちだけではないかと思います。


中国のほとんどの日本語学校には日本人教師がいないのが現実です。しかも、日本語を教えている教師の中で、日本への留学経験のない教師が圧倒的に多いようです。日本へ旅行さえ行ったことのない若い教師も少なくありません。もちろんこの教師方の中にも素晴らしい方がたくさんいらっしゃると思いますが、やはり日本現地で生活したことのある教師のほうが、日本の良さと魅力をよりリアルに学生たちに伝えられるかと思います。ですので、私たちが日本語教師を採用する際に、極力日本留学の経験を持つ教師を採用するようにしています。今まで実際に採用した正社員の教師は全員日本留学の経験者です。


私たちは、学生と教師とのコミュニケーションを確保するために、すべての日本語授業を5〜10人の少人数制クラスかマンツーマンクラスで行っています。学生数が少ない分、教師は一人ひとりの学生の学習の進捗状況や勉強の困りごとなどをより全面的に把握ができ、学生にとっては効率の高い勉強の仕方です。実際に少人数制クラスといった仕組みは、学生や保護者の方々から非常に高い評価をいただいています。


私たちは、学生にとって日本語能力試験に合格するための日本語よりは、実際に日本人とスムーズに会話ができる日本語のほうがもっと大事だと考えています。なぜかというと、だいたいの学生が日本語を学びたい理由は将来日本へ留学に行きたいか、もしくは旅行に行きたいからです。もちろん留学申請にあたって日本語能力試験の成績も大事ですが、実際に日本に来てから、日常生活が困らないように、中国国内で会話能力を鍛えることがとても大事です。ですので、私たちは留学生を含む南京在住の日本人を招き、交流イベントを行います。その場は学習者にとって、生の日本語を使う絶好のチャンスなのです。同時に、日本人との交流によって、日本各地の文化と風土に触れることもできます。


最後に、学生の要望に応じて、柔軟に日本人非常勤講師も起用しています。日本人との交流イベントだけじゃなくて、実際に日本人非常勤講師との会話授業を設け、テーマを設定した会話で学生の日本語会話能力を高めます。特に日本語の発音などにこだわりを持っている学生に、日本人講師の授業を受けることをおすすめしています。


■初級日本語学習者「私の一日」

■中級日本語学習者「ハイキングと日本語学習」

■中級日本語学習者「やりたいと思ってやる 」


日本語教育はとても深い分野です。私たちの経験や知識はまだとても浅いです。これからはさらに精進し、日本語の美しさを広げるために、日本文化交流イベントとともに、日本語教育の道を極めていきたいと考えています。



長文となりましたが、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。私たちは日本のことが大好きで、日本の良さを中国の若者たちに知ってほしい、そして、日本のファンが少しでも増えてほしいという一心で今まで取り組んできました

では、なぜ中国の若者に日本のことを好きになってほしいのか。それは、中国との関係が良くなり、日本の将来がより良いものとなってほしいという思いがあるからです。現在の中国の若者は、10年後、20年後、中国社会の中核を担うこととなります。彼らが中国社会の中心となる頃には、中国のプレゼンスはさらに高まっていることでしょう。その中国社会の中核を担う若者が日本を好きでいたら、ビジネスを含め、日本としても良いパートナーとなるはずです。

そのような思いから設立した交流センターは、設立当初、採算が取れませんでしたが、スタッフの尽力や、センターの雰囲気や授業を好きになってくれた学生が新たな学生を呼んでくれたりして、2年目には黒字となり、これからだ!という矢先にコロナが発生し、今存続の危機を迎えています。中国の若者と日本の若者、そして、文化が交流できる場である「日本文化交流センター&日本語学校」をぜひ残してください!


※交流センターホームページ:https://www.jcec-nanjing.com


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