はじめまして。数多くあるプロジェクトの中からご覧いただきありがとうございます。

私は大学を卒業後、アフリカ・マラウイにて「ジェンダーが”できない”ことの理由にならない社会」を目指してボランティア活動をしているHarutoと申します。

本プロジェクトでは、HIVに感染した女性たちが自らの手で貧困状態から抜け出すことで将来の選択肢を増やすと共に、これまで抑圧されてきた女性や子どもの可能性が最大化された社会を実現することを志しています。

そのために貧しい人々に無担保で少額の融資を行う貧困層向けのサービスである、マイクロファイナンスを導入することで、当事者である彼女たちが主体となってビジネスに取り組み貧困状態を改善できるシステムを構築する予定です。


なお、実施にあたって、ボランティア先であるNGO・HYCF(Helping You Community Forum)の活動の一環として本プロジェクトに取り組みます。


◎日本におけるジェンダー問題

社会問題と聞くと、どこか遠い国で起きている問題のように聞こえがちです。

しかし、ジェンダーに関する問題は今これを読んでくださっている方々自らが当事者として関わっている非常に身近な問題です。

日本におけるジェンダーに関する問題の事例をいくつか例示することとします。

・女性は子育てのために仕事から育児休業する率が高く、男性の約6.4倍である。(男性12.7%, 女性81.6%)また休職後の社会復帰は困難で、多くの女性は非正規雇用や「やりがいの感じづらい仕事」を強いられている。(出典: 公益財団法人生命保険文化センター『ライフイベントから見る生活設計』」参議院「経済のプリズム No181『働く女性の現状と課題 ~女性活躍の推進の視点から考える~ 』」)

・夫、妻のいずれかの姓を選択できるようになってもなお、96%のひとが夫の姓を選択している。(出典: 厚生労働省「平成28年度人口動態統計特殊報告『婚姻に関する統計』の概況」)

・男性は仕事をすることが半ば強要され、専業主夫に対する懐疑的な見方も残っている。専業主夫:専業主婦の比率は凡そ1:6ほどに留まる。(出典: 総務省「平成27年度国勢調査就業状態等基本集計(労働力状態, 就業者の産業・職業など) を基に独自作成)

徐々にこれらジェンダー規範やそれに基づいた制度は改善されつつあるものの、今だ根強く残っています。


◎マラウイにおけるジェンダー問題

次にマラウイにおける問題を見ていきます。


中等教育へ進学する女性の割合は35.8%に留まっている。早期妊娠・結婚や生理へのからかい、家事優先により学校に通えなくなるといった理由がある。(男性40.9%)(EMIS「Malawi Education Statistics 2017/18」)

~18歳の内に結婚する女性の割合が46%。また9%は15歳未満の時点で結婚している。(UNICEF「Child Marriage in Malawi」)

HIVに感染している女性(15~49歳)の割合は10.3%を占める。(男女平均8.1%, 男性5.7%)(日本では男女共に0.1%以下)(出典:AIDSinfo「Country factsheets」)


といった問題が発生しており、その多くが「女性であること」が端を発しているという現状があります。

そしてこれら問題は単体での問題に留まらず、教育格差や貧困といった諸問題と相互に強く結びつきあっており、その解決は困難を極めているのが現状です。


そういった中で、当事者である彼女たちが自ら現状を変えこの困難な状況を克服するために、お力添えをいただけると幸いです。

皆さんからいただいたご支援は主にマイクロファイナンスを実施するための団体運営費として使用させていただきます。(詳細は下部に記載しております)



🟠解決したい課題

では、HIVに感染した女性たちはどのような課題を抱えているのでしょうか。


◎夫のDV・逃走によりシングルマザーとなる

「自分がHIVに感染していたとわかった途端に、夫は逃げ出した」

「夫からDVを受けていたが、今は別れてシングルマザーとなった」

そんな彼女たちは親や親戚といった数少ない身寄りを頼りに生活しています。

しかし、彼らに頼り何とか暮らしているものの、貧しい生活を今なお強いられています。


◎資金&知識がないので状況改善を図れない

「働く先もないので、家事をする以外に特にやることもない」

「ビジネスに挑戦して貧困を脱したいけれど、資金も知識もないので取り組むことが出来ない」

マラウイの人々の多くは銀行口座を持っていません。それに加え、HIVに感染した彼女たちが融資を受け取ることは一層の困難を極めます。

また早い段階で学校をドロップアウトした彼女たちにとって、ビジネスを成功させるだけの知識がない、と彼女たちは語ります。


その結果、家事や周囲の人々のお手伝いをするも現状を変えることは困難となり、この貧困はさらに子どもたちの潜在的な可能性を狭める恐れがあります。(貧困の世代的再生産)


以上で示した証言はすべて当事者である彼女たちがミーティングの際に口にしてくれたことばです。

しかし同時に、ミーティングでは明るい兆しもありました。

マイクロファイナンスによる融資を使ってビジネスに挑戦してみたいですか?」との問いに、その場に居合わせた10人の女性全員が「Yes」と答えました。

加えて、ビジネスに挑戦するなら「古着売りがしたい」「魚を売りたい」「お米を売りたい」と、全員が挑戦してみたいビジネスを口にしたのでした。

女性たちとのミーティングの様子



🟠 このプロジェクトで実現したいこと

そんな彼女たちと取り組む本プロジェクト。では、どういった取り組みをするのでしょうか。

このマイクロファイナンスを簡単に示した図が以下の通りです。


なお、今回の取り組みは3か月(準備期間含む ※詳細なスケジュールは下記参照)という短い期間にて実施されるトライアルとなり、将来的には永続的な取り組み他地域での展開を見込んでいます。

2か月という限られた時間の中で女性たちはビジネスに挑戦するという事情を考慮し、このトライアルでは女性サイドに有利に働くように融資返済を設定しております。
(通常のマイクロファイナンスでは、融資返済額は融資額+利子(10~20%程)と設定されていますが、本プロジェクトでは返済額<融資額とすることで、手元に資本が残りやすい仕組みを採用しています。これは本プロジェクトがトライアルの位置づけであり、団体として先行例を作るための先行投資としています。)


※マイクロファイナンスとは...

マイクロファイナンスとは、銀行から融資を受けることのできない貧しい人々向けに、小口の融資を行う金融サービスです。従来的なGive型の支援とは異なり、あくまで金融サービスの一環として実施されることから、持続可能な形で状況改善にむけたサポートができる利点が評価され、様々な地域で取り組みが行われています。貧困削減はもちろんのこと、女性の社会的地位の向上や経済的自立の効果があると評価されています。


🟠 このプロジェクトの目標

といった社会が未来に創り出されることを期待しています。


🟠 団体CEOからのメッセージ

今回、本プロジェクトの実施にあたり、共働しているHYCF代表であるDavid Ghambiから支援者の皆さんへメッセージがあります。


” Your support will help us achieve an exemplary society where women have equal and sufficient economic and social opportunities to improve their standards of living, and where they can contribute productively to the overall development of the country. "

団体CEOのDavid Ghambi (24)


🟠 支援金の使い道

皆さんからいただいた支援金は上記の通り、使用させていただきます。

ビジネスを始める準備段階及び開業後に、それぞれ定期的なワークショップ兼ミーティングを実施します。内容につきましては、準備段階では開業にむけたトレーニング、開業後は収支管理及び売上向上にむけたアドバイスの機会としております。

その際に必要となるワークショップ運営費(トレーナー派遣費、施設利用費等)及び交通費を、支援金の主だった用途としております。


なお、プロジェクト終了後は、各々で得た利益の使い道を相談・決定した上で、女性たちへ還元することとなります。現時点で、女性たちはその使い道として「生活必需品の購入」「子どもの教育資金」「将来のビジネス拡大に向けた貯蓄」といったものを挙げています。こちらについては最終的な利益を元に、最適となる使い道を相談の上で決定する予定です。


また、いただいたご支援の一部を広告宣伝費として使用することで、

プロジェクト及び団体の広報を兼ねて、マラウイ国内での全国紙及びTVでの本プロジェクトの活動内容の発信を予定しております。


🟠 実施スケジュール

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


🟠 最後に

ここまで読み進めていただき誠にありがとうございます。

最後に、マイクロファイナンスプロジェクトの発案者であるぼく自身のプロジェクトにかける想いとその経緯を簡単に述べさせてください。


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マラウイに来ることを決めたのは数か月前のこと。

大学の卒業を間近に控え、人より少しだけ長い5年間の大学生活でやってきたことを振り返ってみた。

社会課題解決を希求する学生団体に所属したこと、料理やワインといった食にはまるきっかけとなった旅のこと、ワインに魅了されワインショップでバイトしたこと、パーマカルチャーの生き方に共感する契機となったWorkaway...

その時間の多くは常に何かの目的と共に費やされていた気がする。


しかし、1つやり残していたことがあった。

自分には見えない世界で抑圧され、苦労している誰かと一緒に明るい未来を創る経験。


自分のため、大切なひとのため、と時間を費やしていた5年間でもなお、経験してこなかったこと。



時を同じくして、ジェンダーへの興味が沸き起こった。

就職活動を前に出産/子育てを前提としてキャリアをデザインしているひともいれば、そういったものはなしにセカンドキャリアを想定するひともいた。しかしそこに一定の男女差がみられた。

パートナーと対立し喧嘩に発展した際には、自分が相手を支配しよう、負かそうと論破を試みる一面にふと気づかされた。そしてそれらが個性として個人に還元されるもの以上に、「男性性」として社会規範によって長い時間かけて培われた「男らしさ」の一面であると悟った。


すると途端に、「男性」という社会的特権を享受している自分と、それにより抑圧されている「女性」「その他の性」という構図が存在しているような気がした。(というより存在している)


男女雇用機会均等法が成立されたり、夫・妻どちらの姓を名乗るか選択できるようになってもなお...

それでもなお管理職の多くは男性が占め、大半の女性が嫁入りをして姓の変更を余儀なくされている。


その時、「男性性」という特権を獲得した自分だからこそ、(良くも悪くも)その特権を利用することで男性優位の社会を少しでも是正できるのではないか、と思った。



そうしてマラウイ行きが決まった。

ここではHIVに感染した女性たちと一緒にプロジェクトに取り組んでいる。

こうしてクラウドファンディングのページを作り発信することや、プロジェクトの対象と定められることによって、あたかも「彼女たち=かわいそうな存在」と描きあげられる暴力性も感じている。そしてぼく自身がそのことを演出していると。

しかし、彼女たちは「かわいそうな存在」と定められる道理はない。ぼくらと同じように日々必死に生きているだけであろう。

そのなかで生まれた環境の違いやHIVへの感染によって、ハンデを背負って生きていることは事実であろう。だからこそ、このプロジェクトを通して一緒に、自分のため・大切なひとのために現状を変えていく取り組みをしていきたいと思っている。


本プロジェクトを持ちかけた時に、その場で全員が「ビジネスに挑戦したい」と語る彼女たちを見ていると、どこかこれまで抑圧されてきた「女性」が持っている本来のパワーを感じた。そしてプロジェクトへの参画が「女性・子ども」にとって明るい未来を生み出すことを祈って。


自分と、大切な人と、ちょっとだけ社会のために

Haruto

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最後までご覧いただきありがとうございました。

まだまだ世間知らずのぼくで、知識も経験もないですが、このプロジェクトが読んでいただいたすべての方に、何か行動を起こすきっかけになれることを願っています。

どうぞこれからも応援よろしくお願いします。

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