【ネクストゴール挑戦中です!】新しい石川県立図書館の公式カフェに〈HUM&Go#〉が出店!森や県産材と人の暮らしをつなぐ「ハムゴー」流のチャレンジにご支援を!


※このプロジェクトはチャレンジ開始から、なんと6日間で当初の目標150万円を達成できました。ご支援いただいた皆さま、情報を拡散してくださった皆さま、誠にありがとうございました。


さらなる森との接点づくりとして、ネクストゴールにチャレンジ致します。


新たな目標は「ハムゴー全店のトレーを県産材でつくる」です。


〈HUM&Go#〉では現在、樹脂製のトレーを使用しています。石川県立図書館に入る新店のみならず、既存の「ハムゴー」全店で使用するトレーも全て県産材でつくり直すべく、新たに250万円を目標に掲げさせてもらいました。


石川県立図書館のお店を飛び出し、他店にも森への関心が深まる仕掛けを用意したいと思います(仕掛けの細かい部分は、追ってこちらでお伝えします)。


温かいご支援を引き続きよろしくお願いします。


おまめ舎

代表  久木誠彦


※以下、プロジェクト本文です。


新しい石川県立図書館に入る〈HUM&Go#〉が、石川の森の未来について考えながら、各分野の専門家と一緒に新店づくりにチャレンジしています。


都市の暮らしと切り離されてしまった森との接点を県都の真ん中につくりたい。


新たな県のシンボルとなる建物の公式カフェとして、美しい内装を提案し、他の飲食店がお店づくりで県産材を取り入れたくなるようなロールモデルになりたい。


そんな風に思っています。


どうして〈HUM&Go#〉が森について考えるのか、石川の人たち・石川に縁のある人たちには最後までご一読いただき、ご支援いただけると幸いです。


森との接点をまち中に

はじめまして。石川県内にあるカフェ〈HUM&GO#〉や〈1の1 NONOICHI〉を手掛ける久木誠彦と申します。


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石川で生まれ育ち、金沢市四十万で〈キングストン・グリル〉を立ち上げてからは、経営者として飲食の世界でずっと生きてきました。


石川県立図書館。建物の1階、向かって左側のガラス張りの空間に〈HUM&Go#〉が出店する

今回、ご支援をお願いするプロジェクトは、2022年(令和4年)7月に新オープンする石川県立図書館に入る〈HUM&Go#〉の新店づくりです。


pastedGraphic_2.png図書館の正面玄関横に入るカフェスペース

無機質さや無国籍な内装で統一してきた従来の店舗デザインと異なり、今回のお店づくりでは新しい取り組みにチャレンジします。


工事中の店内。能登から加賀までの県産材で抽象化された「森」をイメージした内装をつくる

テーマは「森との接点をまち中につくる」です。


県立図書館の公式カフェに、森との接点・森への「入り口」を、どうしてつくろうとしているのか、順番に説明させてください。


県産材に関する質問に答えられませんでした

pastedGraphic_4.png新店の入る石川県立図書館内

そもそもの話として、石川県立図書館に新しくカフェをつくるにあたり、事業者の公募が2021年(令和3年)にありました。


ちょうど似たような時期に商業施設内の出店の話もあったのですが、県立図書館のような公共の場所にカフェを出したいという年来の思いもあり、手を挙げました。

 

公共の場所にあるカフェは出店先の特徴から、施設に対して脇役のような存在になってしまいがちです。

 

逆転の発想で、カフェが集客の鍵になる、カフェに行ったついでに図書館で本を読む人が増えるようなお店がつくれないか、〈HUM&Go#〉の1号店を出したころからずっと考えてきました。


pastedGraphic_5.pngマップで描かれた赤いブロックの正面玄関横に新店が入る

とはいえ、公募に参加する段階で「森との接点づくり」という考えはありませんでした。応募時のプレゼンで県産材についてたまたま言及したにすぎません。


pastedGraphic_6.png石川の森

どうして県産材の言葉をプレゼンで口にしたのか。

 

その理由は、新店舗のデザインをお願いした小野司さん(詳しくは後述)の設計に県産材がふんだんに使われていたからです。


プレゼン資料の一部。流れるような動線のレイアウトで、カフェと図書館を気軽に行き来できる空間をイメージ。能登から加賀まで県産材をこの店内に使う。

小野さんのアイデアを最初に見た時、県産材の部分については、正直に言って特別な感情を抱きませんでした。


「県産材のキーワードがあれば県の側に好印象を与えられるかもしれない」と打算的に考えたくらいです。


しかし、今からすれば、設計を担当してくれた小野さんは見えない部分で僕を導こうとしていたのだと思います。


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小野さんとは、金沢の方ならご存じかもしれません。宿泊施設〈HATCHi 金沢〉を手掛けたひとりです。


〈HATCHi 金沢〉1階の飲食店を担当させてもらったご縁で、香林坊の〈HUM&Go#〉の意匠設計を依頼し、県立図書館に入るカフェのデザインもお願いしました。


pastedGraphic_9.png小野司さん。店舗・ホテル等の内装を専門にするほか、現在はSumu Yakushimaの建築も手がける。株式会社tono代表取締役社長。

その小野さんのデザイン案を基に「県立図書館に入る新しいカフェには県産材を多用する」と、プレゼンの場面で県の担当者に僕が伝えました。


僕自身は、その時点で深い考えもありませんでした。県の担当者からは県産材に関する質問が思った以上に相次ぎました。


恥ずかしながら僕は何も答えられませんでした。


もちろん、飲食店経営において僕なりの形で環境に配慮し、サステイナブルの取り組みも始めていました。


プラスチック製のストローをバイオマス仕様に切り替えたり、業務で無駄だと思う部分を従業員と一緒に考えてあらためたりといった活動です。


近い将来には、ラベルレスのカップにも取り組みたいと思っています。


しかし、県産材については意識が非常に低く、知識もなかったため「知り合いに詳しい人が居るので巻き込んで事業化します」などと逃げるしかありませんでした。


石川の森の惨状は想像を超えていた

プレゼン後に、慌てて連絡を入れた専門家が加藤麻美さんでした。


pastedGraphic_10.png加藤麻美さん

もともと高校時代の同級生で、木製品の企画・デザイン・製造・販売を手掛けるルーティヴ株式会社(金沢市湯涌)の代表取締役社長です。森との接点づくりを演出する専門家で、企業の緑化支援もしています。


ご主人が林業に携わるなど、石川の森について詳しい適任者でしたので、県立図書館の新店づくりの協力をお願いしました。


その彼女に、一から森について教えてもらったのですが、初めてちゃんと聞く石川の森の惨状は想像を超えていました。


pastedGraphic_11.png石川の森

そもそも、40年も暮らした地元の話なのに、石川の土地の7割近くが森だとすら知りませんでした。


その広大な森の一部を使った地元の林業が厳しい立場に置かれていると加藤さんは言います。


石川県の木材は、間引きなどの手が十分に入っていません。その結果、林業の盛んな地域の材と比べると質も優れません。担い手不足と労働生産性の低さで価格も高くなるため、建築業界からは敬遠されています。


「県産材を使う」と発言するだけで「社会貢献のアピールですか?」「補助金狙いですか?」と、関係業者からリアクションが返ってくるほど、真っ当な建材として県産材が業界で認知されていないと、小野さんからも教わりました。


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石川県と僕の接点は、たまたま僕が石川で生まれ育った偶然にすぎないとの見方もあるはずです。


その意味で言えば、値段が高いのに質が悪い県産材を活用するなど、経営者として合理的な判断ではないのかもしれません。


しかし、故郷のためになるなら、無理しない範囲でできる何かをしたいとずっと思ってきました。ストローや紙カップを替える努力以上に、県産材を内装に使った方が一度により多くの貢献ができるはずです。


県の新たなシンボルとなる施設に入るオフィシャルのカフェである以上、社会的役割を果たす必要もあるに違いありません。


加藤さんとのやり取りを通じて、県産材を活用したお店づくりに、自分の中で納得感が高まっていきました。


地元の風景には地元の建材が映える

pastedGraphic_13.png図書館内には県産材もふんだんに使われている。本館設計との連動も小野さんは意識した。

デザインやコンセプトを小野さんと詰めていく段階でも、県立図書館のお店に県産材を用いる意義が自分の中で深まっていきました。


そもそも小野さんが、設計の段階から県産材を積極的に提案してきた意図は「県産材を使う=社会貢献」という型にはまった動機からではありません。


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東京生まれの小野さんは「コロナ」の影響で大都市がロックダウンしようとしていた2020年(令和2年)に、鹿児島の屋久島に仕事で滞在していました。


そのタイミングでは東京に戻りたくないと屋久島にとどまり、今年1月に住民票を移すくらい屋久島に入り込んで、屋久島の杉を使って自然と共生する建築を現地で手掛けてきました。


屋久島で森に入る生活が始まり、地元の森で採れた木材で家を建てる経験を繰り返すと、地元の風景には地元の木材(材木)でつくった建物が最も美しく映えるという当たり前の原則にあらためて思い至ったそうです。


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人の暮らしに近い土地で育った木は、同じ生態系と環境の中で、同じ台風を、同じ豪雪を、同じ日照りを経験します。切り倒され建材になっても、その土地特有の厳しい自然環境に強いと小野さんは教えてくれます。


北陸の山中にある豪雪地帯に100年以上建つ古民家のはりや柱が、村で共同管理する山から切り倒してきた巨木だったりする話と一緒です。


県の新たなシンボルとなる施設のオフィシャルのカフェですから、県内外の人の目に繰り返し留まります。ある意味で県の「顔」になる以上、石川の風景に溶け込む、どこよりも美しいカフェであるべきだと僕も考えました。


県産材をふんだんに使った図書館本体の設計と同じく、カフェの設計に石川の木材を使うアイデアは、当たり前であり、必然だったのです。


石川の森のエッセンスを店内に落とし込んで森を再現する

一方で、石川県立図書館に入る〈HUM&Go#〉だからこそ、県産材をふんだんに使って、石川の森のエッセンスを店内に落とし込むデザインを提案してくれた面も、小野さんには間違いなくありました。


林業や建設業、家具関係の人たちなど「業界の人」ではなく、地元の森に対して変な先入観を持たない一般の人たちが、当店には多く足を運んでくださいます。


pastedGraphic_16.png〈HUM&Go# 野々市店〉の店内。

森に対する知識は豊かではないけれど型にはまったネガティブな印象も持たない。そんな利用者と森との接点をつくるためには〈HUM&Go#〉のような若者向けのカフェが適していると小野さんは考えてくれました。


「森を大事にしよう」「県木を使おう」という思想やメッセージ優先の店づくりでは、森との接点づくりに失敗するはずです。

 

店内の内装にしても、格好良さ・面白さを優先した雰囲気づくりが一番に大事です。気に入った内装の木材が結果として県産材だったと知ってもらう方がいいと僕も思っています。


「格好いい」「おしゃれ」「面白い」から入って、県木や森について自然に考えてもらえる空間づくりが何よりも大事だとすれば、その接点づくりに僕のやってきた仕事は相性がいいはずです。


もっと平たく言えば「ハムゴー」の名前に期待して来店してくださる若い方々に、何かを伝えられるかもしれないのです。


pastedGraphic_17.png幅と厚みの異なる県産材を使い、壁板の縦線で、抽象化された杉の木立を店内に演出する予定(写真はイメージです。写真提供はAndy Liffnerさん)

例えば、人の手が入った杉林を思い浮かべてください。枝を切り落とした幹の立ち並ぶ風景が森に広がっています。


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不ぞろいの縦線が連続する世界を内装デザインに落とし込み、壁板全面に取り入れれば、抽象化した「木立」が店内に浮かび上がります。


pastedGraphic_19.png杉木立の幹の縦線と壁板の縦じまが連続している(写真はイメージです。写真提供はAndy Liffnerさん)

その壁板に、QRコードの焼き印を押して、目の前の県産材が県内のどこの森から来たのか分かるようにできれば、格好いい・面白いを入り口に森への関心を持つきっかけがつくれるのではないでしょうか。


植物だけでなく動物も森には暮らしています。岩などの鉱物もあれば水も流れています。


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枯山水の日本庭園(石庭)が石だけで水や植物を抽象化して表現するように、新店の店内でも、動物や鉱物などを抽象化した形でディスプレイし、森を表現したいと考えています。


それらに連動する形で、木のブロックやブックエンドを並べ、自然や森に関する書籍や写真集、フォトストックを展示し、石川のまち中から森の中へ視線と関心を誘導できればと考えています。


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普段は森に関心を持たない大勢の人たちが一部でも森に目を向けてくれれば、森に親しむ人が増え、石川県の林業が置かれた厳しい状況を少しでも変えられるかもしれません。


地元の森を守る=地元の森で働く人たちの技術と伝統を守る

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そもそも論として、石川の森を県民がなぜ守らなければいけないか、このプロジェクトを始める前は僕自身も分かっていませんでした。


金沢市の都市部で生まれ育ち、子どものころから豊かな自然に親しんできたわけでもありません。


大人になって店舗を幾つも立ち上げながら、仕上げに県産材を使う選択肢を一度も思い付かなかったくらい、自分の暮らしと森が結び付いていませんでした。


しかし、森の専門家である加藤さんも言うように、さまざまな森の役割によって自分たちの生活は成り立っています。


そもそも森には、自然の森(奥山)と、人の手が入った森(里山)があります。それぞれが一体となって飲み水をつくり、奇麗な空気をつくり、自然災害を防ぎ、多様な命を育んで、建物をつくる材料まで提供してくれています。


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「地元の森を守る」は「地元の森で働く人たちの技術と伝統を守る」も意味します。


地元の森を諦めてしまえば、森は生き続けても森で働く人たちは居なくなります。技術の継承も途絶えます。


石川の林業従事者は現状でも足りないと加藤さんは指摘します。


図らずも、世界の平和を揺るがす戦争の発生で、輸入材が日本に突然入ってこなくなるリスクも明らかになりました。


地元の風景に溶け込む地元の木を家づくりに使いたいと思っても、森に入ってチェンソーで木を切り倒し、まちまで運び込んでくれる技術者が地域に存在しなくなれば、住まいづくりの自由は大幅に制限されます。


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地元の森と働く人を守るためには、地元の森から採れる木を地元の人がもっと暮らしの中で使わなければいけません。


そう考えると、今よりももっと多くの関心が地元の森へ向かうように、きっかけづくりが不可欠になるはずなのです。


関心が森へ向かえば県産材の利用も見込めるかもしれない

ここで、あらためて本題のご支援について書かせてください。


今回は、〈HUM&Go#〉を石川県内に1つ増やすといった単なる新店づくりではないと考えています。

 

県立図書館のある敷地には、金沢美術工芸大学のキャンパスも隣接する形で移転してきます。

 

写真左手が新しい県立図書館で、右手が金沢美術工芸大学

その敷地内で最も目立つ場所に入る公式カフェである以上、一定の社会的な役割が生じるはずです。これから県内の飲食店が目指すべき方向性の一例を示すようなお店づくりが求められるとも考えています。

 

図書館に集まる子どもたちやファミリー世代、美大に通う感性の鋭い次世代のクリエーターたちが、日常的に県産材と触れ合える空間を図書館の入り口に用意できれば、本当に未来は大きく変えられるかもしれないのです。

 

とはいえ、徹底したお店づくりを追求する分だけ協力者への依頼も増えます。

 

設計デザインの小野さん、県産材のセレクトやインテリアづくりなどを担当してくれる加藤さんを始め、ディスプレイを担当してくださる窪川勝哉さんらへの協力費も、当初の見積もりを超えてきました。


pastedGraphic_25.png加藤さんの指さす部分などに県産材が張られる

また、新しい県立図書館のカフェ事業者に県から選んでいただき、県との費用分担の話し合いをする中で、こちらが想定していた以上の大きな自己負担が、県産材の積極的な導入に発生するとも分かってきました。


pastedGraphic_26.png「杉は、基礎など見えない部分に多く使う」といった業界の「常識」も覆したいと、加藤さんは語る。写真の杉板はカフェのテーブルに使用する

もちろん、必要な資金のほとんどは県の補助金、および自己資金でまかなう予定です。


しかし、どうしてもはみ出してしまう部分のご支援を、お願いできないでしょうか。


自分のやってきたお店づくりが地域課題の解決に貢献できるかもしれないと知った今、従来の新店づくりとは異なるモチベーションを感じています。


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お店をつくった後は加藤さんの力を借りて、森を考えるワークショップや森へ出掛けるイベント、森の中で開催するマルシェなども開催する予定です。


一民間企業が始めたプロジェクトであるため、誠に勝手な相談だと自分でも分かっています。


それでも、県民の家づくり・お店づくりの場面で県産材が有力な選択肢に入ってくるような未来を実現するために、石川県の皆さん、どうかご支援をよろしくお願いします。


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おまめ舎

代表  久木誠彦


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2022/07/17 07:16

    皆さまのおかげで7/16に無事グランドオープンをむかえました。今後ともよろしくお願いします。※返礼品のある方には全て発送を完了致しております。近日中にはお手元に届くと思いますが「まだ届かない」「商品の不備・不具合」などございましたら、お手数ですがメッセージにてお知らせください。

  • 2022/07/02 08:07

    7/2,7/3および7/9,7/10に石川県立図書館で行われる利用者カードの事前登録会に合わせて、カフェのプレオープンを行います。各日10:00~16:00 (LO 15:30)※7/2,3はドリンクとスイーツのみの販売です。※駐車場に限りがあります。公共交通機関をご利用ください。利用者カード...

  • 2022/06/07 12:07

    県産材が貼られ、木の香りが漂う店内になりました。ご支援いただいたみなさま、心より感謝申し上げます。また、ネクストゴールに挑戦中です。追加のご支援や情報の拡散にご協力ください。

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