1) はじめに

2) 統計でみるアフガニスタン

3) アフガニスタンの学校事情

4) 現地の声

5)『サフラスクール』とは

6) サフラスクール・ご支援者の方々

7) サフラスクール設立プロジェクト・メンバー および アドバイザー

サフラスクール・プロジェクトをご覧いただきありがとうございます。

このプロジェクトの発起人である、アフガニスタン出身のアタウラ・パイカーです。私は貧困が渦巻く戦争下のアフガニスタンで生まれました。この様な厳しい情勢の中でも、首都カーブルで私は小学校から高校一年生まで幸運にも学校に通えていました。しかしながら、学校に通えない何百万人という子供たちのために自分は何かしなければならない、そんな想いを抱きながら、高校生の時、日本にある UWC ISAK Japan (ユナイテッド・ワールド・カレッジ  ISAK ジャパン )という全寮制の高校に留学しました。そして、現在は、大分県にある 立命館アジア太平洋大学の三回生として過ごし、今年アフガニスタンの子供たちのために学校をつくるサフラスクール・プロジェクトを立ち上げました。

人口:  3567万人

1人あたりのGDP 国内総生産: 585 USD (日本の約 66分の1) 

日本の識字率は約99%というデータがありますが、

アフガニスタンでは、  15歳以上の男性の識字率が45% 、

そして15歳以上の女性の識字率は17% という統計が出ています。

全人口のうち、約64%が24歳以下である若者の割合を占めている アフガニスタン。

それに比べ日本の若者の比率は人口の約23%です。

多くのアフガニスタン人は読み書きができません。そして、子どもへの教育の重要性を理解していない両親が大半です。これからのアフガニスタンの安全と経済の発展を担うのは子供たちであり、まず教育を受けたか、そして質の高い教育を受けたかによってこの国の未来が大きく左右されるのは間違いありません。そのためには、私たちが子供たちに教育の支援をできるかどうかに大きく委ねられています。

41%、約半数の学校には校舎や壁、水、トイレさえも備えておらず、生徒が学習に集中するのは極めて困難な状況にあります。  

Photo credit: M. Taqi Daqiq

Photo from social media

現在アフガニスタンの学校で使用されている教育カリキュラムは、事実を記憶させるだけの内容である事が多いため、高校を卒業した生徒であっても、卒業後 3分の1の生徒は仕事を見つけることもできず、大学に進学する事もできない状況にあります。結果的に失業者となるか、金銭のために一部の若者がテロリストグループに加わってしまうことさえあるのです。


[ 生徒の立場から: ザーラ ]

カブールで最も優秀とされる学校の12年生です。

ある日学校で勉強していた時の事です。 先生が「誰かこれを読んで 翻訳できますか?」と尋ねました。私と友人であるアスマ以外は誰も手を挙げませんでした。 アスマは、先生と同じ民族であり 、私 とは違います。先生は私を嫌な目で見つめ「アスマ以外に誰か翻訳できませんか?」と声を上げました。 私は手を高く挙げましたが、先生は私を違う民族であるというだけで、完全に無視しました。まるで、私が存在していないかのように。 


[教育現場の立場から: フロザン タヒーリ]

音楽や体育などの科目はありません。私たちの使用できる教科書は専門家によって作成されたものではないため、生徒たにとって満足できるものではありません。教科書の内容は、他の文献などと比べたりせずそのまま転写したものであり、生徒らに教えられるべきか否かを考慮されることなく記されています。


[ 子供を持つ親の立場から: カブールにて]

6人の子供のうち、1人だけ学校に行かせてあげる事ができました。しかし、息子を学校へ行かせても、教育を受けた子供と受けなかった子供の違いは何もありませんでした。息子の通った学校は教師の人数も不十分で、何も学ぶ事ができない状況でした。もし、本当に何かを学べる事ができる学校があればもちろん私はその学校に子供たちを送ります。

この様な状況を少しでも変えるべく、私は、アフガニスタンの首都であるカブールで、社会によりよい変革を起こす生徒を育てる学校 「サフラスクール」を立ち上げる事を決意しました。「サフラスクール」は、質の高いカリキュラムとメンターシップを通じて、より良い世界のために思いやりと責任ある変革を起こせるリーダー作りを育てることを目指します。「サフラ」という名前は、男性中心の社会とされているアフガニスタンで、唯一皆の英雄とされている女性の名前から命名しました。性別や人種の垣根を超える学びの場であるという事の象徴でもあります。

サフラスクールは 生徒を積極的に学びの中心とし、教師は学習のサポートに努めます。オンラインソースと独自のシラバスを使用し、より質の高いカリキュラムを提供します。大変 嬉しい事に、香港を拠点とする教育リソースの一つである、MommyDaddyMe の代表 Javed Rahman 氏 のご厚意により、オンラインカリキュラムにより支援して下さる事になりました。アフガニスタンの多くの家ではインターネット接続がありませんが、校内では、オンライン学習ツールの助けを借りて教師やメンターが幼少期から英語を習得できるようサポートします。

小学1年生からスタートし、2025年までに最終的には高校1年生まで、計約500名の生徒を受け入れます。家庭の経済的な格差など関係なく、自らの可能性を実現できる意志を持った生徒を積極的に受け入れます。サフラスクールでは奨学金により、経済的格差に関係なく生徒が同じ環境で学ぶ事ができ、同じ教育機会が与えられます。

また、低学年から、英語で学習する事は、国際的に高く評価されている IB (国際バカロレア資格) の授業を将来受けられるための準備でもあります。グローバルカリキュラムを活用し、かつ国が定めたシラバスも取り入れます。アフガニスタンの子どもたちはグローバル化する世界から孤立しているため、議論を行ったり、新しいアイデアに触れる事は、彼らが批判的、客観的に物事を考えられる様になる重要な鍵となります。彼らがより柔軟な考え方を育むことをサポートするだけでなく、学術的にも力をつけていきます。

私たちが大切にする事の一つとして、思いやりがあります。教師は、学校では生徒と強い関係を築く親のような存在になります。サフラスクールでは、生徒同士の繋がりから社会を取り巻く状況を認識します。アフガニスタンの平和は、経済格差や民族などの違いを超えて、互いに思いやることで動き始めるのです。サフラスクールに通う生徒は、学校に行けない他の370万人の子供たちのために何ができるか考えながら行動し、私たち一人一人が自分自身、家族、そして社会に対して責任を担っている事を学びます。


サフラスクールにとって重要な要素

1) 全児童の50%の学生に奨学金を支援する

2) 1人の教師に対し20人の生徒 [少人数教育]

3) オンラインツールなどを用いたユニークなカリキュラムを提供する

4) 世界で指揮をとった経験のある教師やメンターを起用する

2021年の3月開設を予定しており、非営利活動法人として運営いたします。、学校登録に必要な作業をすでに開始しており、現在は学校を建設する土地や施設などを探しており、一方で教育カリキュラムを構築しております。


おかげさまでサフラスクール建設地の土地買収に必要な資金を調達することができました。そのため私は2月初めにカブールに戻り、土地売買契約にかかわる手続きをしており2月10日に 無事売買契約を締結することができました。今後学校の建物の設計および建設のフェーズに 移ります。

並行してサフラスクールでの教育カリキュラムの開発に着手しております。 

写真はサフラスクール建設予定地の地鎮祭の様子。2020年2月10日カブールにて サフラスクールプロジェクトの運営費用として、みなさまからのご支援を必要としています。ご支援として頂戴した資金は、サフラスクールを設立するにあたって必要な下記の目的のために使われます。

日本での法務経費およびNPO法人登録費用: 200,000円- 

教育カリキュラム開発担当者の雇用:300,000 円

サフラスクールで実施する様々なカリキュラムについての研究調査費用:400,000円

生徒向けの補助教材の開発費用:300,000 円

アフガニスタンでの事務費用と弁護士および法的業務費用:300,000 円

 計 1,500,000 円


なお、予算が残った場合は、奨学金を必要としている子供たちの受け入れを増やすために使われます。


駐日アフガニスタン大使

Dr. バシール モッハバト

立命館アジア太平洋大学

出口治明学長


サフラスクール創設者

 アタウラ・パイカー


サフラスクール・メンター 

立命館アジア太平洋大学 起業部・メンター

今本昌浩 


サフラスクール・共同創設者

アーマッド・シャー


アドバイザー

 古賀 健太


社会を変えるために動き出そうとしている子供たちのための貴重な「教育」を受ける機会を支援するためにこの資金が使われます。この経験が、アフガニスタン、そして同じ様な状況にある他国が、長い間見る事のなかった平和を取り戻すための貴重な第一歩となる様に、これからも活動していきます。

最後まで『サフラスクール・プロジェクト』を読んでくださりありがとうございました。

代表    アタウラ・パイカー

翻訳: 刀祢 春歌


外部リンクへはこちらからご覧になれます

バーミヤン教育サマーキャンプ: https://bit.ly/398hQtE 

駐日アフガニスタン大使館: http://www.afghanembassyjp.com/en/embassy/?pn=2559 

FNN Prime: https://www.fnn.jp/posts/00046964HDK/201906261200_suzukimakoto_HDK 

MommyDaddyMe の詳細はこちら:  https://www.mommydaddyme.com/product

サフラスクールのFacebookのアカウント: https://bit.ly/2MkHIZd 

バーミヤン教育サマーキャンプのFacebookのアカウント: https://bit.ly/2EJ3W3a 

お問い合わせ    アタウラ・パイカー  :  ataullah.paykar@gmail.com  













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