はじめに・ご挨拶

はじめまして。宮崎県日向市の〖お笑い発祥の地 落語が地球を救うかもしれない実行委員会〗(※「こども落語全国大会」実行委員会、の俗称です) と申します。

2009(平成21)年に当時、全国で初の子ども落語家が競う大会として、第一回を開催。これまで全国28都道府県から累計497人の子ども落語家のみなさんが予選に参加し、日ごろの練習の成果を披露し、来てくださったお客さんを笑わせたり、時には人情噺で泣かせたりしてまいりました。

いま、その「こども落語全国大会」が存続の危機に陥っています。

この大会には全国津々浦々から参加者が集い、その中からプロの落語家も生まれました。

“お笑い発祥の地”と言われる日向市で開催されるボランティアによる手作りの大会ですが、真打の落語家の皆さんが江戸から、上方からやってきてくれます。

日本の伝統文化、落語のためにも、日本の笑いのためにも、

コロナ禍でマスク越しの会話を余儀なくされている子どもたちのためにも、大人のためにも、続けていきたい。続けさせてほしいと思っています。

このプロジェクトで実現したいこと

コロナの影響での中止から、今年は3年振りとなる第十二回大会を実施すべく現在、準備を進めております。

実行委員はおよそ30名。日向市内外の自営業者から公務員、地域に貢献したい高齢者の方など、老若男女、バラエティとバイタリティに富んだメンバーです。

大会が行われる日向市は、日向灘に面した海沿いのまちで、「リラックス・サーフタウン」と銘打ち、サーフィンをテーマにした地域活性化にも取り組んでいます。“宮崎のハワイ”と呼べるような、海沿いの超オシャレな商業施設に設けられたコワーキングスペースで、“仕事しながら遊ぶ、遊びながら仕事をする”という生活スタイル、ワーケーションの実証実験も行っています。

なぜか日向に来るとのんびりして、日向の人のあたたかさに触れ、心も体もリラックスできる。そんな魅力を語る方が非常に多いです。

だから、あの有名な映画監督も、あの有名な音楽家も日向に毎年来てくれ、地元の人と気さくに交流してくれるのだと思います。

プロの落語家さんも例外ではありません。日向に来ていただき、子どもたちと交流し、のんびりされて帰られます。

日向市出身で芸歴52年のわれらが桂歌春師匠はもちろん、上方落語を代表する落語家の一人、桂文太師匠も毎年、この「こども落語全国大会」に来ていただき、子ども落語家の皆さんを叱咤激励してくれます。

数年前にはイケメン若手落語家、柳亭小痴楽さんや林家正蔵さんなどもやってきました。落語家以外にもお笑いコンビ、テツandトモやナイツなどが来て、舞台を盛り上げてくれます。

日向を“お笑い発祥の地”としているのは、神話に基づいています。

天照大神が天岩戸に隠れて世界が暗闇におおわれたとき、他の神様たちが歌や踊りで気を引き、外に出そうと試みました。天照大神が岩戸から顔をのぞかせ、世界が再び明るくなり、みんなの顔(面)が白く見えた=「面白い」という説から、エンターテインメント発祥の地はひむか(日向)の国宮・宮崎であるとしています。

宮崎には東京や大阪と違って「寄席」のような気楽に落語を楽しめる場所はありません。けれど、お笑い発祥の地であるから、江戸から続く日本のお笑い文化、落語に触れる貴重な機会を子どもたちのために作っていきたいのです。

プロジェクトをやろうと思った理由

過去11回、大会を開催してきました。日向市からの補助金や地元の商店、その他企業からの協賛金、プロの落語家さんによる有料公演でのチケット代金、グッズや飲食物の販売収入などを運営費にしてきましたが、実は毎回赤字となっています。


その補填分の負担を、共催団体である(公財)日向文化振興事業団の自主文化事業費(基金積立)で補ってきましたが、負担累計は前大会終了時で2000万円を超えてしまいました。基金も少なくなったことから、日向文化振興事業団からの負担支援も非常に厳しい状況となりました。今後の開催が危ぶまれています。


この大会に出場した子ども落語家と元子ども落語家の皆さんに、話を聞きました。こども落語全国大会の魅力とは何ですか?

■桜家尋エモン(さくらや・ひろえもん)さん(東京都、大学4年)

昨年行われた最優秀賞受賞者による同大会初の「チャンピオン大会」でグランプリに輝いた桜家尋エモンさん。こども落語全国大会に出合ったときのことを今でもよく覚えているそうです。

「『こんなにすごい子どもたちが全国にいるのか!?』 小学生だった私はこども落語全国大会の映像を見て衝撃を受け、すぐに母に出場してみたいと頼みこみました。 初めて落語仲間ができたのもこの大会です。その仲間と今でも交流が続いています。 一人で練習していた私にとって仲間の落語を聴いたり、師匠方からアドバイスをいただいたりすることはとても刺激的でした。こども落語全国大会には学校では味わえない魅力がたくさんあります。」


■しいのみ亭らんらんさん(宮崎市、高校1年)

桂歌春師匠が宮崎市で行っていた落語教室で落語に出合い、しいのみ亭らんらん、りんりんの子ども姉妹落語家として活躍しています。入船亭扇遊師匠も出演した映画「ねぼけ」(2015年)では、ヒロインの子ども時代を演じスクリーンデビューも果たしている。コロナ禍で落語を披露する機会がなくなっていることがとても残念だとらんらんさんは言います。落語ができるようになり、人生が変わったそうです。

「落語教室に参加したことで、私の人生が変わったと言っても過言ではないです。落語ができるようになって自分に自信がつき、何を行うにも前向きに行動できるようになりました。 こども落語全国大会では、全国から集まった落語をするたくさんの友だちに出会えました。ふだんの生活では会えないプロの落語家さん、元気いっぱいの楽しい大人の方々に会うこともできた、とても楽しい大会です。 落語は日本が誇る伝統文化の一つだと思います。落語でたくさんのお客さんに笑ってもらうのはとても気持ちがよく、うれしいことです。そして、私のこれからの夢は、海外の人にも落語で笑ってもらうこと。いつか落語を通して海外の人に日本文化を知ってもらいたいと思っています。 私のように今まで自信のなかった子に、落語で前向きな第一歩を歩き始めてほしい。そのためには目標となる大会が必要です。 この大会には『落語が地球を救うかもしれない』という副題がついていますが、私は本当に『落語は未来の子どもたちを救う』と信じています」



■たら福亭美豚(たらふくてい・びとん)さん(新潟県、盲学校理療科1年)

生まれたときから目の病気があり、見ることができない、たら福亭美豚さん。こども落語全国大会には中学1年から連続で出場し、ハンディに悩むことがあっても落語仲間に囲まれ「明るくいられた」と話します。 

「小学2年から落語を始めていましたが、周囲に落語を楽しむ友人はいませんでした。この大会がなければ僕は落語を辞めていたと思います。「お菊の皿」を手始めに、今では196の噺ができます。 母にこども落語全国大会に行きたいと話しましたが、内心は不安でした。でも、実行委員のみなさんが温かく受け入れてくれました。大会では自分の落語を披露でき、同時に全国からの落語仲間と交流し競えて楽しかった。仲間の落語を生で聞くと自分との違いを感じたり、勉強になったり、貴重な経験でした。これは、全国から落語仲間が集まる場でしか感らじれないと思います。賞を取るのも大切ですが、日向で仲間に会えるのが何よりうれしかった。もう大学生なので、出場することはできませんが、こども落語で知り合った仲間と新潟で落語会をやったりして、大人になった今でも繋がっています。この大会は今後も続けていってほしいです。」




コロナ禍でここ2年、中止の憂き目にあいましたが、そんな中でも「また日向に行って、子ども落語家の皆と会いたい」、「南国特有の人の温かさのある日向市で、また落語がやりたい」と願ってくれる過去の出場者からの声が届いています。


伝統芸能の時代の担い手である子どもたちのため、何とか大会を継続させて未来を繋いでいく、そのために我々実行委員も何度も協議を重ね、「大会のクオリティを維持しつつ、切り詰められる経費は切り詰める」考えにより、これまでのおよそ半分の実行予算案を作成し、3年振りの大会を行うことになりました。


今年の第十二回大会は、まず県内在住者による「宮崎県予選大会」を7月17日(日)に門川町総合文化会館で実施。全国大会は日向市文化交流センターにて7月30日(土)に予選大会、7月31日(日)に決勝大会を行います。


地元ということもあり、人数の多い宮崎県内の子ども落語家を、事前予選会で絞り込む、会場も分散させることで、運営経費も出来得る限り抑えるようにしました。


全国大会の予選・決勝のメイン審査員は、地元・日向市出身で(公社)落語芸術協会理事で当大会会長も務める真打落語家・桂歌春師匠と、上方落語の重鎮・桂文太師匠。これに地元審査員数名が加わり、「小学生の部」「中・高校生の部」各部門の最優秀賞(こども落語家日本一)を決定します。


以前よりは費用を抑えたとはいえ、実施には様々な運営経費がかかります。一方でプロによる有料公演を今回より行わないようにしたことで、入場料収入はありません。



実行委員の中にこの大会を誕生させたキーマンの一人がいます。それが、柱大黒(はしら・だいこく)という名で宮崎県内で活動し、子どもたちに落語のアドバイス等をしている甲斐伸也さんです。かつては東京で桂歌春師匠のもと、前座修行をしていました。

彼はこの大会の意義、魅力をこう語ります。

「僕は学校で教えてくれない事を教えてくれるのが落語だと思っています。人間生きているだけで可能性の宝庫なんだという事を落語を通して感じて貰いたい。今、コロナ禍で自傷やうつ状態になっている子供達が増えてるんだそうです。悲しいです。そんなご時世だからこそ、大人目線ではない、こども達自身が考え、楽しく実践チャレンジする「こども落語の大会」が必要なんじゃないかと思います。 落語という日本独特の江戸から続く特殊な文化に夢中なこども達の情熱の火を消したくないです。」



厳しい状況ではありますが、未来を担う子どもたちの文化活動のため、それを応援し観覧に来るのを毎回楽しみにしてくれている、高齢者を中心とした地域の方々のため、1年でも長く大会を継続していけるように、このプロジェクトを立ち上げました。


これまでの活動

平成21年8月1日(土)、2日(日)に第一回大会を開催。

以後は毎年7月の最終土・日に大会を開催し、日向市の夏の恒例行事として定着しています。

大会の開催だけでなく、審査員のプロ落語家による落語会、地域へ出向いてのプレイベント、実行委員による知事や市長への表敬などを行ってきました。

また、予選大会終了後に行う「交流レセプション」は、出場者とその保護者に審査員、実行委員、市内各団体代表などが出席し文字通り交流の機会で、日向の温かい地域性と相まって「このためだけでも日向に行きたい」と思っていただいている交流の場です。

資金の使い道

・受賞者への表彰状等及び参加賞

・審査員、司会者への謝礼

・会場使用料及び音響スタッフへの謝礼

・リターンの制作費及び送料

・クラウドファンディングの手数料

・その他、今回のプロジェクトにかかる経費


※なお、当クラウドファンディングで得た支援金や大会参加費は運営維持費として使われ、賞金には使われません


リターンについて

リターンの無い支援型とリターン有りのコースがお選びいただけます。


実施スケジュール

改めて、今回の大会概要をお知らせします。

■大会名

「~お笑い発祥の地・宮崎~ 第十二回 ひむかの国こども落語全国大会」


■大会の目的

落語を愛好する子どもたちが日向の地に集い、人前で元気に話すことのできる人材を育て、日本の伝統芸能である落語の文化振興のみならず、こども達相互の文化的・社会的交流を深め、豊かな人間性を育むことを目的とする。


■参加対象

2022年度在学中の小・中・高校生。


■賞金

最優秀賞(各部門1名=2名)     5万円相当の賞金及び副賞

優秀賞(各部門3名=6名)      1万円相当の賞金及び副賞

他 各賞                 副賞


■審査方法

予選大会は2会場に分け実施。2会場のメイン審査員はプロ落語家で、それに落語に造詣の深い現地文化人等が加わり審査。決勝大会はプロ落語家2名に落語に造詣の深い現地文化人等が加わり審査を行う。


■審査員プロ落語家

落語芸術協会理事   桂歌春

上方落語家      桂文太


■開催日程

予選大会   2022年7月30日(土)  13時~17時30分(予定)

決勝大会   2022年7月31日(日)  11時~14時(予定)


※宮崎県予選大会   2022年7月17日(日)  10時~16時(予定)

最後に

コロナ禍でも他の屋内イベントの模範となるような、安心安全で心温まるおもてなしの運営にて開催します。

笑いの力で地方から明るい免疫力を発信していきたいと思います。来年以後に繋げるため、どうぞよろしく応援の程、お願い申し上げます。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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