はじめに

ページをご覧いただき、ありがとうございます。

北海道在住の大学生、高橋涼夏(たかはしすずか)です。

私は北海学園大学経営学部の佐藤大輔研究室に所属しており、研究室の活動の一環として、
若者に正しい性知識を理解してもらうことを目的に活動しています。
その活動の一環として、高校生向けの性教育冊子
「ある大学生が高校生に知っておいてほしいと思う性のコト」をオリジナルで作成しました。

そして、この冊子を1400名の高校生へ配布するため、今回プロジェクトを立ち上げました!

今もなお根強く残る間違った性知識

突然ですが、皆さんは今までこんな情報を見聞きしたことはありませんか?

「生理中に性交(セックス)しても妊娠しない」
「処女は初体験のとき必ず出血する」

これらはすべて間違いですが、こういった情報に惑わされ、悩んだ経験がある方は少なくないと思います。
また、こういった情報は今もなお世間に根強く残っており、特に若い世代で悩みを抱える人がたくさんいます。

今回のプロジェクトはこのような間違った性知識で悩む若者を救うプロジェクトです!


正しい性知識を得る機会がない若者たち

まず、私がこのプロジェクトを始めた大きな理由は「若者が正しい性知識を得る機会がない」という実情を解決したい、と感じたからです。

みなさんは今まで、どうやって性知識を得てきましたか?
そしてそれらの知識は本当に正しいもので、信頼できる情報源から得たものだったでしょうか。

日本性教育協会が発表した「『若者の性』白書―第8回青少年の性行動全国調査報告」(2018,小学館)によると、
「『性交』についての情報を得る手段として
高校生男子の64%が友人・先輩、40%がインターネット、
高校生女子の28%がインターネットから得ている

という報告があります。

近年は、インターネットの普及によって、あらゆる情報が簡単に手に入るようになりました。
もちろん、性知識もそのひとつです。
ですが、インターネットには、正しい知識だけではなく、間違った知識もたくさんあります。
また、友人や先輩というのも、彼らがどこから知識を得たのかわかりません。
つまり、多くの高校生は、不確実性の高い情報源から性知識を得ていることになります。

また、札幌市の「平成 26年度 札幌市研究開発事業『性に関する意識・実態調査』結果」によると、
「北海道の性交経験のある高校生の約半数が性交時にコンドームを使用しなかった経験があり、
約3割が避妊方法として膣外射精を行ったことがある」という結果が出ています。

コンドームを使用せずに性交すると、妊娠の可能性がぐっと上がります。
また、「膣外射精」や「タイミング法」も、避妊方法としては本来適切ではありません。
にもかかわらず、実際に多くの高校生が避妊方法として経験しているという事実。
これも、事実上「高校生が避妊に関する正しい知識を持てていない」といえるでしょう。

性に関する知識というのは、プライベートのことでもあり、恥ずかしいと感じてしまうものです。そのため、気軽に誰かに聞くのも難しいと思います。

しかし、本当にこのままで良いのでしょうか。

私も性知識がない若者の一人だった

そして、このプロジェクトを始めたもう一つの大きな理由は
自分自身、性知識に関して知らないことだらけだったことを痛感したからです。

私はずっとPMS(月経前症候群)や生理痛などに悩まされていました。
そして、大学生1年のとき、勇気を出して、生理痛に効果があると聞いていた低用量ピルの処方をしてもらうために、1人で産婦人科へ行きました。

すると、それがきっかけで、私は子宮内膜症だということが発覚しました。
想定外のことだったので、とても驚きました。生理が辛かった理由の一つはこれか!と。
子宮内膜症というのは、若い世代が発症しやすく、放置しておくと不妊などにもつながる厄介な疾患です。

私はたまたま産婦人科へ受診したから発覚したものの、もっと早くに知っていれば、辛い思いをせずに済んだのではないか。 
そして、私以外にも、こういった疾患や病気に気づかず、辛い思いをしながら過ごしている人がたくさんいるのではないか。

こういった思いが、今回のプロジェクトにつながりました。

正しい性知識が得られる機会が少ない理由

こういった問題がある中で、どうして若者が正しい性知識を得られる機会が少ないのでしょうか。
理由としては、学校教育家庭の二つの側面から考えられます。

まず一つ目が学習指導要領の「歯止め規定」の存在が挙げられます。
学習指導要領とは、文部科学省が告示している、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程基準のことをいいます。簡単に言えば、「こういう授業しようね」と書かれた教師向けのガイドラインみたいなものです。
そして、歯止め規定とは、その学習指導要領に書かれた「指導をしないように指示された内容」のことであり、これが学校での十分な性教育が行われない大きな原因になっています。

例えば、
小学5年理科…「受精に至る過程については取り扱わないものとする」
     (「小学校学習指導要領解説理科編」平成29年 文部科学省  )
中学1年保健体育科…「妊娠の経過は取り扱わないものとする」
        (「中学校学習指導要領解説保健体育編」平成29年 文部科学省)
という記載があります。
このように、文部科学省が学校側に、十分な性教育をしないよう指示しているのです。
そのため児童・生徒が「どうやって妊娠するの?」と教師に質問しても、教師の口から答えられないという実情があります。
ちなみに高校保健体育科には「生殖に関する機能については,必要に応じ関連付けて扱う程度とする」(「高等学校学習指導要領解説保健体育編体育編」平成30年 文部科学省)と記載があり、
歯止め規定ではないものの、積極的な指導を求めているわけではありません。

そして二つ目の理由が日本特有の「性教育をタブー視する風潮」が挙げられます。
これは皆さんも思い当たることがあるかもしれませんが、日本では昔から性教育に対して「寝た子を起こすな」という風潮が強くあります。つまり何も知らない子どもたちに知識を与えてしまうことが、かえって性交を促すなどといった危険があるという考えが強く、家庭内での積極的な性教育はあまり行われません。
しかし、各国での研究では、性教育によって性交年齢が早まったとの傾向はなく、むしろ遅くさせ、慎重にさせる結果がみられています。 

これらの理由から、現在日本では若者が正しい性知識を得られる機会が少なく、若者はインターネットや友人など、不確実性の高い情報源を頼ってしまうのです。

作成した冊子「ある大学生が高校生に知っておいてほしいと思う性のコト」について

女性編 表紙

こうした現状がある中で、私自身ができることは何か、と考えた結果、より多くの若者に正しい性知識を持ってもらいたい!という思いで、
高校生向けのオリジナル性教育冊子「ある大学生が高校生に知っておいてほしいと思う性のコト」を作成しました。

この冊子には、大きく4つの魅力があります。


1.2通りの読み方が可能

この冊子の1番の大きな特徴として、左開きで読むと「女性編」、右開きで読むと「男性編」という、2通りの読み方ができるところです。つまり、自分の読み進めたい生物学上の性別にあわせて読み進めることができます。
これによって、まずは自分の性別について読む、という選択肢もあれば、普段あまり知る機会のない異性について読み進める、という選択肢も可能になります。


2.大学生が「高校生のうちに知っておけば…」と感じる内容を厳選
現役大学生である私自身や周りの声から「高校生のうちに知っておくべきだな」と思う知識を厳選して載せています。
学校や家で教えてもらえないような知識から、絶対に覚えておくべき知識まで、最低限ではあるものの、幅広く取り扱っています。
冊子の構成としては、大きく2つに分かれており、
自分のコト編…男女それぞれの性に関する体の悩みなどについて
パートナー編…パートナーとの性行為や避妊、性感染症などについて
このように分かれています。

女性編 自分のコト編 一部ページ

パートナー編 一部ページ


3.ポップなデザインと読みやすい文章

女性編 自分のコト編 一部ページ


性教育の教科書に載っているイラストは、どこかリアルで見るのが恥ずかしかったりしませんか?そういった問題を解消するために、イラストをポップでかわいらしいデザインを心がけました。

そして、教科書のような硬い文章にならないように、高校生が読み進めやすい文章にしました。



4.産婦人科医と助産師に内容を確認済み

大学生がオリジナルで作成した冊子ではありますが、産婦人科医と助産師の方に内容を確認していただいているので、医学的に間違った知識ではないことを保証します。

あえて「冊子」にした理由

ICTが発展した今、あえて「冊子」というツールにしたのにも、理由があります。
それは冊子の方が読んでもらえる可能性が高いと思っているからです。
今回は、高校で冊子を配布してもらうことになっており、関心の有無にかかわらず、必ず高校生の手元に冊子が届きます。
実際に冊子が手元にあれば、冊子の中身を読んでもらえる可能性は、データとして配布するよりも高いと思っています。

実際に冊子を読んだ高校生の声

実際に高校生からの感想を集めるため、今年の7月15日に、岩見沢東高校へ特別授業をさせていただき、約100名の高校生に冊子を読んでいただきました。
結論としては、とても好評で、この冊子が本当に高校生に役に立つものだと実感することができました。

授業の最後に取ったアンケート結果から、感想を一部抜粋すると、

「普段授業で聞けることではないデリケートな部分まで教えてくれて、この冊子をちゃんと読んだ人は知らなかった性知識を学べてすごくいいと思いました。特に私はPMSや生理のことを細かく知れてよかったです!」(2年女子)

「高校生が詳しく知らないことや絶対に知っていた方がいいことがたくさん載っているので全国の高校生が目を通す機会があればいいなと思いました」(2年男子)

「この冊子に出会えてよかったです。教科書ではあんまり詳しく教えてくれない内容が事細かく書かれていて、しかも読みやすくて、性のことをたくさん教わりました。」(3年女子)

「柔らかい表現でわかりやすく説明してくれたので、とても見る気になったしよく理解できた。」(3年男子)

このように、ポジティブな意見がたくさん寄せられました。

また、この冊子に5段階で評価をつけてもらったところ、平均で4.86という結果となりました。

このプロジェクトで実現したいこと

この冊子を実際に高校生に配布して読んでもらうために、プロジェクトを通じて、約1400名の高校生に冊子を配布します。そして、実際に高校生に冊子を読んでいただき、正しい性知識の理解を実現します。

配布先は

旭川明成高校:620冊

札幌新陽高校:720冊

北海道札幌西高校:50冊

を予定しております。

※冊子の印刷については「ラクスル株式会社」にお願いする予定です。

応援メッセージ

北海学園大学経営学部教授
佐藤 大輔

性教育に関する問題意識は、すでにこれまで多くの注目を浴びてきたテーマです。しかしながら、学校という組織、教育の現場でこれをどう解決していくかは実際かなり多くの障壁があります。たくさんのNPOや学校の先生方の努力で多様な取り組みも進んできていますが、高校生の感覚でもっと「リアル」な分かりやすい説明ができないか、というところに高橋さんのこのプロジェクトにかける想いがあります。

高橋さんは私の研究室(北海学園大学経営学部佐藤大輔研究室)でゼミ活動の一環として本プロジェクトを立ち上げ、実施しています。研究室の専門分野は経営学やマネジメントで、一見門外漢にも見えますが、高橋さんは丁寧に専門家や関連する方々に協力を仰ぎ、内容に関する信頼性を高めてきました。また、内容を構成するにあたってどうすれば「分かりやすいか」はマネジメントやマーケティングを専門とする私達の得意分野でもあります。この意味で、他にも類似の取り組みがある中で、1つ特徴的なものになっているのではないかと思っています。ある意味タブー視されるからこそ、このプロジェクトには逆境が多いことも事実です。一方で、だからこそこの取り組みにはとても大きな意義があると思っています。

 高橋さんのこのプロジェクトにかける熱意や意欲は並外れたものがあり、その実現力にも信頼がおけます。これからもぜひたくさんの方のご支援を賜ればと思います。


資金の使い道

目標金額の25万円から、CAMPFIREさんに手数料などをお支払いしたのち、冊子を印刷し、配布するための費用にします。

 【概算】

印刷費:11.75万円
人件費:4万円(冊子のデザインなど)
 送料:7万円(リターンの送付、冊子の寄贈)
手数料:2.25万円

※目標金額を達成しなかった場合は、すでにかかった印刷費・人件費を優先して充てさせていただきます。

実施スケジュール

7/15     岩見沢東高校で冊子を読んでいただく特別授業の実施
10月下旬   冊子印刷
11月上旬   北海道札幌西高校
        札幌新陽高校  に寄贈
11月中旬   リターン発送
12月上旬   旭川明成高校に寄贈

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。

今回のプロジェクトは、私が大学の研究室に入ってからずっとテーマとして掲げていた「性教育の発展」
の実現するための大きな目標のひとつです。

冊子の作成当初は、何千人という規模で配布しようという気持ちはあまりなかったものの、冊子が完成に近づくにつれて、「もっとたくさんの人にこの冊子を届けたい」という気持ちが増していきました。

また、予想以上に多くの方々から冊子に褒めていただき、この冊子はたくさんの人に求められているものなんだと実感しております。

クラウドファンディングの実施というのは、私にとって初めての大きな挑戦です。
このような機会をいただけたことに感謝し、精一杯最後まで走り抜けようと思います。

性教育というものは、人生を豊かに生きるためには欠かせないものです。
性教育の発展の手助けとして、ぜひ、プロジェクトのご支援のほどよろしくお願いいたします。

高橋 涼夏


自己紹介

  氏名:高橋涼夏(たかはしすずか)
生年月日:2001年7月28日(21歳)
  出身:北海道江別市
出身高校:北海道札幌西高校
  大学:北海学園大学経営学部経営学科3年
     佐藤大輔研究室所属

  • 2022/12/20 21:10

    こんにちは!高橋涼夏です。本日の12/20に、北海道紋別高校での講演をさせていただきました!本当は私自身が高校へお伺いし講演を行う予定だったのですが、交通機関が雪でストップしてしまい、急遽オンライン参加させていただくことになりました。講演では、プロジェクトについてや、冊子の内容にもある「性的同...

  • 2022/12/16 17:22

    こんにちは!先日、無事札幌新陽高校に冊子の寄贈が完了し、お写真をいただけましたので、ご報告させていただきます!お写真は冊子を読んでいる生徒の様子です。札幌新陽高校では、全校生徒への配布となっております。配布の様子などは後日載せられたらと思います。高橋

  • 2022/12/14 16:21

    お久しぶりです!高橋涼夏です。この度は、旭川明成高校への冊子の寄贈完了のお知らせです!先日、無事冊子を届けることができました!お写真は田中義彦校長先生です。旭川明成高校では、全校生徒への配布となっております。配布の様子などは後日載せられたらと思います。また、新陽高校への寄贈も無事完了しておりま...

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